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  • 信じて待つのは、心の筋トレです

    信じて待つのは、心の筋トレです

    結果が、出ない。

    発信を続けているのに反応がない。クライアントが思うように動かない。

    そして、こう思い始めます。

    「これ、意味あるのかな」

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    待つのと、諦めるのは、別物です。

    外から見ると、どちらも「何もしていない」に見えます。でも、中で起きていることは正反対です。

    そして待つほうには、力が要ります。


    あの2秒に、耐えられませんでした

    僕がこれを痛い形で学んだのは、セールスの場面です。

    最後のオファーをします。

    「これこれで、いくらです。いかがでしょうか」

    そして、相手が考える時間が生まれます。

    この時間、実際には2秒くらいです。

    もともと欲しいと思っていた人は、すぐ「やります」と言います。でも、そういう人ばかりではありません。10人いたら、半分もいないと思います。

    多くの人は、そこで少し止まる。躊躇や、ためらいがある。当たり前です。

    そして、その2秒を、僕は重く感じていました。

    苦しくなって、言葉を挟んでしまうんです。

    「どうですか」

    「やってみたいと思いませんか」

    「こういうふうになられるんですよ」

    ……相手が考えている最中に、です。

    結果、断られました。

    一度ではありません。何度もありました。


    何を言っても、相手の心は動かせません

    あとで振り返って、はっきり分かりました。

    僕が、我慢できなかっただけです。

    早く答えが欲しい。「やります」と言ってほしい。その焦りで、相手の思考を邪魔していた。

    そして、もっと大事なことに気づきました。

    僕が何を言ったところで、その人の心をコントロールすることはできません。

    「こう言ったら買ってくれるんじゃないか」

    そう考えている時点で、こちらは相手をコントロールしようとしています。

    そして、それは伝わります。焦りは必ず伝わる。伝わった瞬間に、相手は引きます。

    だから、心構えを変えました。

    伝えるべきことは、全部伝えた。あとは、答えを出すのはその人だ。

    そこは、僕にはどうにもできない領域です。

    同じ2秒でも、こう思えるようになると、まったく違うものになります。

    「今、この人は考えているんだな」

    それだけです。それだけで、セールスそのものが変わりました。


    「顔を出さないとダメですか」と聞かれました

    もう1つ、逆の話をします。待ちきって、化けた人の話です。

    これから結婚相談所を始めようとしていた女性の方でした。僕より年上の方です。

    その方には、はっきりした抵抗がありました。

    自分の顔を、外に出したくない。

    SNSに顔を出すのが嫌。発信で自分をさらけ出したくない。

    そして、こう聞かれました。

    「顔を出したりしないと、ダメですか」

    僕は、こう答えました。

    「出さなくても、大丈夫ですよ。それよりも、自分が出したいっていう気持ちに、これからなると思います」


    自信をつけさせようとは、しませんでした

    このとき、僕がやらなかったことがあります。

    その人に、自信をつけさせようとしませんでした。

    「大丈夫ですよ」「あなたならできますよ」と励ましても、たぶん何も変わりません。根っこが別のところにあったからです。

    顔を出したくない、発信したくない。この言葉の中身は、こうです。

    周りから、どう見られるかを気にしている。

    意識が、ずっと外に向いている。だとしたら、意識の向き先を変えないと解決しません。

    そこで、3ヶ月かけて、まったく別のことをやりました。

    その人自身が、本気で世の中に広げたいと思える商品を、徹底的に作り込む。

    一人でも多くの人に使ってほしい。これを使って幸せになってほしい。そう心から思えるサービスを作る。

    ひたすら、そこだけをやりました。


    卒業間際に、こう言われました

    そして、講座の卒業が近づいた頃です。

    その方から、突然こう言われました。

    「私、写真を出したいので、誰かカメラマンを紹介してください」

    僕は、こう返しました。

    「別に、無理に出さなくていいんですよ」

    すると、こう言われたんです。

    「もう、あの時のそういった気持ちではないんです」

    何が起きたか、分かりますか。

    外に出したくて、仕方なくなっていたんです。

    自分が愛せる商品ができた。だから、届けたい。届けるために顔が要るなら、出す。それだけの話になっていました。

    無理やり顔を出したところで、商品が売れるわけではありません。順番が逆だったんですよ。

    この方がやったのは、周りに反応するのをやめて、自分が何をやるべきかに反応することでした。


    卒業の日に、泣かれました

    その方は、卒業のときに僕の目の前で泣きました。

    「RYOさんに相談できないと思うと、心配で、どうしていいか分からないです」

    僕より年上の女性が、です。それだけ不安だったんだと思います。

    正直に言うと、僕もそのとき「この人、大丈夫かな」と思いました。

    でも、そこから2年後です。

    その方、クルーザーを買っていました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。

    バシバシ顔を出して、どんどん発信して、お客さんを取って。あの「顔を出したくない」と言っていた人と、同じ人だとは思えませんでした。

    心のスイッチが入った瞬間に、行動も、価値観も、全部変わったんだと思います。今まで大事だと思っていたどうでもいいものを捨てて、前に進んでいった。


    そのクルーザーに、乗せてもらいました

    この話には、続きがあります。

    その方から誘っていただいて、僕はそのクルーザーに乗せてもらいました。

    東京湾を、水の上から走りました。ご主人も一緒でした。船の上から2人で釣りをして。

    そして最後は、ご自宅にお邪魔して、釣ったばかりの魚をさばいてもらって、夕食をご馳走になりました。

    卒業の日に、目の前で泣いていた人です。

    「相談できないと思うと、心配でどうしていいか分からない」と言っていた人が、数年後、自分の船に僕を乗せて、自分の家で僕にご飯を作ってくれている。

    この瞬間が、たぶん僕がこの仕事をしている一番の理由です。

    売上が上がったとか、クルーザーを買ったとか、そういう話ではありません。

    待った先に、こういう関係が残る。

    あのとき2秒待てずに押していたら、あるいは「顔を出さないとダメですよ」と正論を言っていたら、この船には乗っていません。


    「待つ」と「諦める」の分かれ目

    最後に、一番大事なことを書きます。

    待っているつもりが、いつのまにか諦めに変わることがあります。

    その分かれ目は、これです。

    「こうなる」と信じ続けているかどうか。

    諦めた瞬間に、待ったことにはなりません。ただ止まっているだけになります。

    そして、信じ続けるのは、気合いではできません。

    必要なのは、起きた出来事に、自分で意味をつけられることです。

    思うようにいかない日があります。断られる日もある。そのとき「やっぱりダメだ」と意味づけるのか、「今は考える時間なんだな」と意味づけるのか。

    良い意味づけを連続させられると、3ヶ月後の状態がまるで違います。

    これが、心の筋トレです。筋トレなので、やった分だけ強くなります。

    そして順番があります。まず自分を信じて待てるようになる。それができるようになって、はじめて人を信じて待てるようになります。


    まとめ

    • 待つのと諦めるのは別物。分かれ目は「信じ続けているか」
    • セールスの2秒に耐えられないと、自分で壊す
    • 何を言っても、相手の心はコントロールできない
    • 伝えることは伝えた。答えを出すのはその人
    • 自信をつけさせようとしない。意識の向き先を変える
    • 自分が愛せるものができると、人は勝手に出したくなる
    • 意味づけの力が、待つ力を作る。これが心の筋トレ
    • 待った先に残るのは、売上ではなく関係

    いま結果が出ていないなら、焦って手を出す前に、2秒だけ待ってみてください。

    そして、うまくいかないとき「自分の押しが足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、待つべきか動くべきかも見えてきます。

  • 貢献は、最初のたった一人から始まります

    貢献は、最初のたった一人から始まります

    目標を、大きく立てた。

    「年間100人サポートする」

    「月にこれだけの売上を作る」

    決めた瞬間は、やる気に満ちています。

    でも数日たつと、その数字を見るたびに固まるようになる。今日、何をすればいいのか分からない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の方に、いつも同じことを伝えています。

    1000人を考えるから、一歩が出ないんです。まず、たった一人から。


    実績が、何もありませんでした

    僕がこれを体で覚えた日の話をします。

    独立する前、僕は2年間、副業をしていました。会社には内緒で、マインドマップを教える講師の仕事です。

    僕を育ててくれた先生がいて、その方の会社で土日だけ登壇させてもらっていました。応援してくれていたんです。

    ただ、当時の僕には講師としての実績が、何もありませんでした。

    そこで先生から、こう言われました。

    「実績を、どんどん作りなさい」

    そして紹介してもらったのが、栃木県の保育園の研究会でした。保育士の先生たちに、マインドマップを教えてくる。

    会場に入ったら、60人いました。


    目の前は60人。でも、一人に向けて話しました

    さて、何を話すか。

    準備しながら、僕はずっと考えていました。

    そのとき、頭に浮かんだのは自分の娘のことでした。

    当時、僕は離婚していました。娘はまだ小さくて、毎週会いに行っていました。

    会うたびに、娘がまっすぐ成長しているのが分かる。

    そこで、ふと思ったんです。

    この成長は、僕一人が作ったものじゃない。

    僕が知らないところで、保育園のどこかの先生が、一生懸命やってくれている。会ったこともない誰かが、娘を毎日見てくれている。

    その人に、感謝を伝えよう。

    そう思って、この仕事を引き受けました。

    目の前にいるのは60人です。でも、僕が伝えようと思っていた相手は、その中にはいない一人でした。

    娘を見てくれている、会ったこともない先生。その人に向けて、4時間の講義をしました。


    最後に、手紙を読みました

    不思議なことに、ものすごく盛り上がりました。

    自分でも驚くくらいでした。

    そして最後に、僕は1つだけ用意していたものを出しました。

    いつも頑張ってくれている先生たちへの、感謝の手紙です。

    それを読みました。

    そうしたら。

    60人の先生が、全員、号泣しました。

    会場中が、です。


    なぜ、あんなに泣いたのか

    あとで考えて、分かったことがあります。

    世の中には、先生に文句を言う人がたくさんいます。保育の現場に対して、厳しい声はいくらでもある。

    でも、感謝している親も、同じくらいたくさんいる。

    そのことが、あの人たちには届いていなかったんです。

    4時間、一緒に過ごしてみて、先生たちの不満やストレスも、よく分かりました。楽な仕事ではまったくない。

    でも、それ以上に分かったことがあります。

    この人たちは、本当に子どもを愛している。

    その愛があるからこそ、続けられている仕事なんだと、あの日はっきり実感しました。

    僕にとって、目の前の60人は、直接の関係がある人ではありません。娘を見てくれている先生でもない。

    でも、日本のどこかで子どもを支えてくれている人たちなんです。

    その人たちに感謝を伝えたい、という気持ちだけで、あの4時間はできていました。


    100人を取ろうとすると、一人も来ません

    ここから、僕がずっと使っている考え方が生まれました。

    一人にやったつもりが、100人になる。

    これは本当にそうなんです。あの日、僕は一人に向けて話したのに、60人が動きました。

    そして、逆も本当です。

    100人を取ろうと思ったら、一人も来ません。

    なぜかというと、こういう順番になっているからです。

    一人の心を動かせない人は、10人の心も動かせない。

    10人が動かなければ、100人も動かない。

    一人が動けば、10人が動く。10人が動けば、100人が動く。

    順番は、絶対に飛ばせません。

    だから、最初にやることは1つです。

    目の前の一人を、本気でサポートする。

    そこに誠心誠意、真心を込めて、愛を込めて伝える。それしかありません。


    お金のためだけだと、たぶん届きません

    もう1つ、あの日に気づいたことがあります。

    お金のために一生懸命やる。それも、もちろん大事です。仕事ですから。

    でも、あの4時間を作っていたのは、それではありませんでした。

    自分の知らないところで、誰かを助けてくれている人がいる。

    その人を励ますことで、めぐりめぐって、みんなが良くなっていく。

    この感覚があると、話す言葉が変わります。テクニックではなく、たぶん温度が変わるんだと思います。

    そして受け取る側は、そこを敏感に感じ取ります。


    まとめ

    • 数が大きいと、人は動けなくなる
    • まず、たった一人から
    • 目の前に何人いても、メッセージは一人に向けて出す
    • 一人にやったつもりが、100人になる
    • 100人を取ろうとすると、一人も来ない
    • 順番は飛ばせない。一人→10人→100人
    • お金のためだけだと、温度が乗らない

    いま目標が大きすぎて止まっているなら、こう考えてみてください。

    その一人は、誰ですか。

    顔が浮かんだなら、今日やることは決まっています。

    そして、動けないとき「自分の目標設定が甘いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 昨日の自分を、1ミリだけ超える

    昨日の自分を、1ミリだけ超える

    うまくいっていないとき、人はこう考えます。

    「何か大きく変えなきゃ」

    新しいことを始めよう。ガラッと方針を変えよう。今のままではダメだ。

    そして、その「大きさ」に押し潰されて、結局何もできないまま1日が終わります。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そして、僕自身がそこで止まったことがあります。

    必要なのは、大きく飛ぶことではありません。1ミリです。


    会社の口座が、909円になりました

    コロナのときの話をします。

    あの時期、僕の仕事は全部止まりました。

    コンサルティングも、企業研修も、すべてキャンセル。人が集まれないので、当たり前です。

    そして、僕はある判断をしました。

    すでにお支払いいただいていたぶんを、全額お返ししたんです。

    契約上は、返す義務はありませんでした。でも、こちらが提供できていないのに手元に置いておくのは、どうにも気持ちが悪かった。

    それで、返しました。

    その結果、どうなったか。

    会社の口座残高が、909円になりました。

    ……もう、笑うしかなかったです。本当に。


    コロナのせいにしても、何も解決しませんでした

    そのとき、頭に浮かんだことがあります。

    これは、自分ではコントロールできない。

    コロナが来たことも、人が集まれなくなったことも、僕がどれだけ頑張っても、どうにもなりません。

    だから、こう思うこともできました。

    「コロナのせいだ」

    「あのお客さんが急にキャンセルしたせいだ」

    でも、はっきり分かっていたことがあります。

    そう言ったところで、口座は909円のままだ。

    誰かのせいにするのは、気持ちは楽になります。でも、現実は1ミリも動きません。

    だから、考え方を変えました。

    コントロールできないものは、置いておく。今できることをやる。


    やったのは、振り返ることだけでした

    では、何をしたか。

    大げさなことは、何もしていません。

    これまで自分がやってきたことを、もう一度全部振り返りました。

    何が足りなかったのか。どこで手を抜いていたのか。この状況になって、何が求められるようになったのか。

    派手な打ち手ではありません。誰かに見せられるようなことでもない。

    ただ、今日できることを1つやる。それだけを繰り返しました。

    大きくジャンプしようとすると、助走の距離が要ります。そして助走している間に、心が折れます。

    でも1ミリなら、今日の自分でも越えられる。

    前向きな気持ちというのは、そこから出てきます。「明日から本気を出す」ではなく、「今日ここを1ミリ」。この差は、思っているより大きいです。


    すぐには、良くなりませんでした

    正直に書いておきます。

    1ミリ進んだからといって、翌日に何かが起きるわけではありません。

    口座は909円のまま、しばらく動きませんでした。今日1つやって、明日も1つやって、それでも数字は変わらない。

    そういう時期が、確かにありました。

    でも、そこからです。

    1ヶ月ほどで、仕事がじわじわと戻ってきました。

    少しずつ、本当に少しずつ。そして気づいたら、300万円ほどが入ってきていました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あの909円から、そんなに時間はかかっていなかったんです。


    一番の収穫は、お金ではありませんでした

    300万円という数字だけ見れば、経営していれば普通のことです。特別な金額ではありません。

    でも、あのときの僕にとっては、まったく違う意味がありました。

    得たものが、3つあります。

    1つめ。お金の大事さを、体で味わいました。頭では分かっていたつもりでした。でも、違いました。

    2つめ。自分の志を、考え直しました。何のためにこの仕事をしているのか。誰をどうサポートしたいのか。順調なときには、ここまで真剣に考えません。

    そして、3つめが一番大きいです。

    お金がなくて、夜眠れない。

    これを、僕は初めて経験しました。それまでの人生で、なかったんです。

    天井を見ながら、朝が来るのが怖い。あの感覚を、身をもって知りました。

    そして、こう思いました。

    ああ、これがあの人たちが感じていたことなのか。

    相談に来られる経営者の方の中には、この状態の方がいます。それまで僕は、その話を「理解している」つもりでいました。

    分かっていませんでした。

    あの夜を過ごしてから、同じ話を聞いたときの受け取り方が変わりました。相槌ひとつ、間の取り方ひとつが変わったと思います。

    結局、あの時期に得たものは、全部プラスに動きました。

    苦しかったのは間違いありません。でも、今から振り返ると、あれは良い時間だったと言えます。


    1ミリの本当の意味

    最後に、これだけ伝えたいです。

    1ミリというのは、「小さく頑張れ」という話ではありません。

    まず、今の現実を受け入れる。

    909円なら、909円だと認める。そこを誤魔化さない。良く見せようともしない。

    そのうえで、そこから一歩進む。

    このとき、「大きく進まなきゃいけない」と思うから、足が止まります。

    1ミリでいいと思えた瞬間に、はじめて足が出ます。

    そして、1ミリ進んだ場所から見える景色は、昨日とは違います。違う景色が見えると、次の1ミリが少し楽になる。

    その繰り返しです。


    まとめ

    • 大きく変えようとするから、動けなくなる
    • コントロールできないものは、置いておく
    • 誰かのせいにすると気は楽になるが、現実は1ミリも動かない
    • やることは、これまでを振り返って、今日できることを1つ
    • すぐには良くならない。1ミリ進んでも、しばらく数字は動かない
    • そこから1ヶ月で、じわじわ戻ってきた
    • 一番の収穫はお金ではなく、眠れない夜を知ったこと
    • まず現実を受け入れる。そこから1ミリ

    今日、大きく変える必要はありません。1ミリだけ、昨日を超えてください。

    そして、うまくいかないとき「もっと大きく動かないとダメだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の1ミリも見えてきます。

  • 数字は、奇数のほうが信じられます

    数字は、奇数のほうが信じられます

    見出しやキャッチコピーに、数字を入れましょう。

    そう言われて、こう書いた経験はありませんか。

    「成功する4つのポイント」

    「押さえておきたい6つの視点」

    きれいに揃っていて、収まりがいい。悪くないと思いますよね。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

    偶数は、安心を与える数字です。

    そしてセールスやオファーの場面で、安心はいりません。


    切りが良い、が落とし穴です

    なぜ偶数だとまずいのか。

    4、6、8。こういう数字は、閉じている感じがします。

    きちんと揃っている。過不足がない。だから安心する。

    安心すると、どうなるか。

    「ふーん」で終わります。

    人が動くのは、安心したときではありません。「なんだろう」と思ったときです。

    3、5、7。この数字は、なぜか少し引っかかります。割り切れないからか、収まりが悪いからか、理由はうまく説明できません。でも、続きを見たくなる。

    セールスの場面で必要なのは、安心ではなく好奇心なんですよ。


    中吊り広告を、数えていました

    これは、僕が起業したての頃にやっていたことです。

    まだ何も分からなくて、とにかく「うまくいっているもの」を観察しようと思っていました。

    そこで何をしたか。

    電車の中吊り広告を、ひたすら見ていました。

    街を歩けば看板を見て、本屋に行けばタイトルを見て、雑誌の見出しを見て。片っ端から分析していたんです。

    すると、あることに気づきました。

    3、5、7が、圧倒的に多い。

    「ほんとだ!」と思いましたね。

    誰かに教わったわけではありません。実際に世の中に出ているものが、そうなっていた。プロがお金をかけて作ったものが、揃って奇数を使っている。

    これは、けっこう衝撃でした。


    じゃあ、奇数を入れれば完璧か

    ここで、大事な話をします。

    違います。

    奇数さえ入れれば効くというなら、みんなとっくにやっています。

    言葉と数字は、必ずセットです。

    言葉というのは、キャッチコピーの部分のこと。

    刺さる言葉があって、そこに好奇心を盛り上げる数字が乗る。この順番で、はじめて効きます。

    逆にいうと、言葉が弱いのに数字だけ足しても、何も起きません。

    「頑張るための3つのポイント」

    ……何も響きませんよね。数字は奇数なのに。

    言葉のほうが空っぽだからです。数字は、あくまで乗せるものであって、土台ではありません。


    「かなり上がりました」を、言い換えた日

    数字の力を、僕が体で分かった瞬間があります。

    セミナーの冒頭で、自己紹介をするときの話です。

    当時、僕はこう言っていました。

    「起業当初は自分の時給が安かったんですが、今では、かなり上がりました!」

    嘘は言っていません。事実です。

    でも、ある時これを言い換えました。

    「起業当初は時給500円でした。でも、今は、有難いことに7万円まで向上させることができました!」

    言っている中身は、まったく同じです。

    でも、セミナーのスタートの雰囲気がガラッと変わりました。

    空気が締まる、というんでしょうか。ざわっとする感じがある。今でもはっきり覚えています。

    「かなり上がった」だと、聞いた人が絵を描けないんですよ。1万円かもしれないし、2千円かもしれない。

    「500円が7万円」と言われた瞬間、頭の中に絵が浮かびます。

    数字の力って、本当にすごいです。


    「かなり」を、探してください

    この話には、すぐ使える形があります。

    自分の原稿を開いて、この言葉を探してください。

    • かなり
    • たくさん
    • 大幅に
    • 多くの
    • 短期間で

    こういう言葉が出てきたら、そこが数字に変えられる場所です。

    「多くの方にご利用いただいています」→「300名の方に」

    「短期間で成果が出ます」→「3日で」

    「大幅に改善します」→「1.5倍に」

    やっていることは、ぼんやりした言葉を、絵が浮かぶ言葉に変えているだけです。

    そして、ここで1つ大事なことがあります。

    盛らないでください。

    数字が効くのは、本当だからです。300名と書いて、実は30名だったら、どこかで必ず崩れます。そして一度崩れた信用は戻りません。

    正直な数字が、地味でもかまいません。「5名の方に」でもいいんです。ぼんやりした「多くの方に」より、はるかに強い。

    ただし、隠しスパイスです

    最後に、注意点を1つだけ。

    これを知ると、数字を入れたくなります。あちこちに入れたくなる。

    やめてください。

    数字ばかり入れると、嫌がられます。

    「3つの秘訣」「5つの法則」「7日間で」「98%が」「たった180日」

    全部入れたら、どうなるか。通販番組みたいになります。そして人は、その手のものに慣れきっていて、身構えます。

    数字は、隠しスパイスです。

    料理と同じで、隠し味だから効きます。全面に出したら、それはもう料理ではありません。

    僕の感覚だと、1つの原稿に1〜2か所。それも、一番聞いてほしいところにだけ置く。

    そこだけ数字があると、そこが際立ちます。


    まとめ

    • 偶数は安心を与える。セールスの場面で安心はいらない
    • 必要なのは好奇心。3・5・7は、なぜか続きを見たくなる
    • 世の中の広告は、実際に奇数だらけ。中吊りを見れば分かる
    • 奇数を入れれば効く、ではない。言葉と数字は必ずセット
    • 言葉が空っぽなら、数字を足しても何も起きない
    • 「かなり」を数字に変えると、相手の頭に絵が浮かぶ
    • 数字は隠しスパイス。1つの原稿に1〜2か所まで

    いま書いている原稿に、「かなり」「たくさん」「大幅に」が入っていませんか。

    そこを1つだけ、数字に置き換えてみてください。それだけで、伝わり方が変わります。

    そして、言葉が響かないとき「自分にセンスがないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 客をなめると、既存客から逃げていきます

    客をなめると、既存客から逃げていきます

    新規のお客さんを探し続けている。

    来てくれた人は、終わったらそれっきり。

    そしてまた、次の新規を探しにいく。

    この走り方、いつまで続けるつもりでしょうか。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。走り続けて疲れている方に、いつも同じことを伝えています。

    すでにいる人を大事にしないと、自分の看板が安くなります。


    「解約します」と言った瞬間に出てくるアレ

    分かりやすい例があります。

    携帯会社です。

    長く使っていても、特に何もありません。ところが「解約します」と言った瞬間、こう言われる。

    「今なら、キャッシュバックがありますが」

    ……あれ、どう感じますか。

    僕は、こう思います。

    「そのタイミングで言うか」

    長く払い続けてきたときには何も言わなかったのに、出ていくと言った瞬間にお金を出してくる。

    これ、何を言っているかというと、こういうことです。

    「あなたは3万円で動く人ですよね」

    客をなめているんですよ。

    しかも、当の会社は自覚がありません。「引き止め施策」として、真面目にやっている。でも受け取る側には、はっきり伝わります。

    そして、一度そう感じた相手のところには、二度と戻りません。


    マツダがやっていること

    逆の例も見てみます。

    マツダは、長年その車に乗り続けている人だけを集めた、感謝のイベントをやっています。

    限定のTシャツが配られて、招待される。

    参加した人は、どう感じるか。

    「ちゃんと見てくれていたんだ」

    心が、ぎゅっとなります。

    そしてその人は、次もマツダに乗ります。しかも、聞かれてもいないのに人に勧めます。

    一方、10年使い続けている通信会社が、こちらに何かしてくれた記憶はありますか。

    たぶん、ありませんよね。

    この差は、金額ではありません。「見ているかどうか」の差です。


    個人には、大企業にできないことができます

    ここからが本題です。

    大企業がなぜ既存客を大事にできないかというと、稟議が要るからです。

    「長年のお客様に、何か特別なことをしたい」と思っても、企画書を書いて、承認を取って、公平性を検討して、コストを計算して……とやっているうちに、当たり障りのないものになります。

    個人事業や小さい会社は、これが要りません。

    思いついた瞬間に、やれます。

    • 誕生日に、電話を1本かける
    • ちょっとした粗品を送る
    • 高齢のお客さんに、2週間おきに様子をうかがう電話をする

    どれも、お金はほとんどかかりません。そして、大企業には絶対に真似できません。

    これをやっていると、どうなるか。

    他に取られなくなります。

    もっと安いところが出てきても、もっと大きいところが来ても、その人は動きません。価格で選ばれていないからです。

    人で選ばれている関係は、価格競争の外側にあります。


    何をすれば、ファンになるのか

    「具体的に何をすればいいのか」と聞かれるので、書いておきます。

    特別なことは、何もしなくていいです。

    やることは1つだけ。

    用がないときに、連絡する。

    これだけです。

    売り込みでも、案内でもなく、ただ思い出したから連絡する。

    「そういえば、あのお話どうなりましたか」

    「この記事を読んで、◯◯さんのことを思い出しました」

    用があるときにしか連絡してこない人は、営業です。用がないときに連絡してくる人が、知り合いです。

    そして人は、営業からは最安値で買いますが、知り合いからは適正価格で買います。

    もう1つ。覚えていることを、口に出す。

    前に聞いた話を覚えていて、それに触れる。「お子さん、受験でしたよね」「あの案件、通りましたか」。

    たったこれだけで、相手は「この人は自分を見てくれている」と感じます。

    覚えるのが苦手なら、メモしておけばいいだけです。記憶力の話ではなく、記録する気があるかどうかの話なんですよ。

    ただし、自分が整っていないとできません

    正直に言うと、これは技術の話ではありません。

    自分の状態がそのまま出ます。

    心の中で不満を抱えたまま「誕生日に電話しよう」と思っても、相手には伝わってしまいます。「営業だな」と分かってしまう。

    逆に、こちらが満たされていると、自然と相手のことを思い出せるようになります。

    だから僕は、いつも順番をこう考えています。

    自分を整える → 人を思い出せるようになる → 関係が続く

    やることリストを増やすより、まず自分の状態を見る。遠回りに見えて、これが一番早いです。


    特別を、全員に配らないでください

    最後に、1つだけ注意点を。

    うまくいき始めると、こう考えたくなります。

    「せっかくいい取り組みだから、全員にやろう」

    これ、やめてください。

    特別扱いを全員に開放した瞬間、特別が特別でなくなります。

    そして一番先に離れるのが、それまで特別扱いされていたコアなお客さんです。「自分だけだと思っていたのに」となる。

    一番大事にしたかった人を、一番傷つけることになります。

    誰にやって、誰にはやらないか。ここも、線を引いてください。


    まとめ

    • 既存客を軽んじると、自分の看板が安くなる
    • 出ていくと言われてから出す条件は、「なめている」と伝わる
    • 差は金額ではなく、「見ているかどうか」
    • 個人は稟議がないから、思いついた瞬間にやれる
    • 人で選ばれた関係は、価格競争の外側にある
    • 自分が整っていないと、この目線は持てない
    • 特別を全員に配ると、コア客から離れていく

    新規を探す時間を、少しだけすでにいる人に回してみてください。

    そして、走り続けて疲れているとき「まだ努力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 取りたくない客を、先に決めてください

    取りたくない客を、先に決めてください

    来た人は、断らない。

    そう決めている方が、多いと思います。

    とくに始めたばかりの頃は、選べる立場ではないと感じますよね。1件でも取りたい。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    がむしゃらに取った客で、うまくいった人を見たことがありません。

    一人もいません。


    直感は、もう答えを知っています

    こういう瞬間、ありませんか。

    話していて、「あ、この人とは合わないな」とふっと感じる。

    理由はうまく言えない。相手が悪いわけでもない。でも、何かが引っかかる。

    そのあと、頭がこう言い出します。

    「でも、これだけの金額になるし」

    「ここで断ったら、次いつ来るか分からないし」

    「話せば分かってくれるかもしれないし」

    これ、全部お金の理屈なんですよ。

    直感のほうは、最初から答えを出しています。合わない、と。

    でも頭が、メリットだけを並べて「取れ」と言ってくる。そして、たいていそっちに従ってしまう。

    そして半年後、後悔します。


    合わない人を1人入れると、場が変わります

    なぜ、そこまで言うのか。

    1人で完結しないからです。

    僕は塾やコミュニティも運営していますが、そこに1人「持っているものが違う人」が入ると、場の空気そのものが変わります。

    その人が悪意を持っているわけではありません。ただ、向いている方向が違う。

    すると、周りの人が気を遣い始めます。発言が慎重になる。本音が出なくなる。

    一番損をするのは、ちゃんとやろうとしている他の人たちです。

    僕がその1人を取ったせいで、9人の場が薄くなる。これは、経営判断として明らかに間違っています。


    「お金がない」は、そのままの意味です

    もう1つ、線引きが必要なところがあります。

    これは書くのに少し勇気が要りますが、大事なので書きます。

    お金がない人は、ないんです。

    「今は厳しいけど、なんとかします」と言われて、なんとかなった人は、正直ほとんどいません。

    そして、ここが大事なところなんですが。

    起業する前から、お金がなくて悩んでいる。その状態で始めていること自体に、たぶん無理があります。

    そういう方に対して、僕も昔は「どうにかしてあげたい」と思って、必要以上に手を出していました。値段を下げたり、期間を延ばしたり、無料で見てあげたり。

    結果どうなったか。

    時間だけが消えて、お礼も言われませんでした。

    これは相手が悪いのではありません。受け取る準備ができていない人に、渡そうとした僕の判断ミスです。


    「助けたい」と「線を引く」は、両立します

    ここで誤解してほしくないので、はっきり書きます。

    助けたい気持ちで動くこと自体は、正しいです。

    損得を横に置いて、目の前の人に与える。これは僕がずっと大事にしていることですし、結果的にそういう人のところに仕事が集まります。

    線を引くのは、それとは別の話です。

    • 合わないと直感が言っている相手
    • お金の準備がまったくできていない相手

    この2つだけ、線を引く。それ以外は、思いきり与えていい。

    線を引くのは冷たさではなく、思考した結果です。

    そして、線を引けるようになると不思議なことが起きます。本当に助けたい人に、時間とエネルギーを全部使えるようになるんですよ。


    断ったあとに、何が起きるか

    線を引くのが怖いのは、断ったら何もかも失う気がするからだと思います。

    実際に起きることを書いておきます。

    まず、時間が空きます。当たり前ですが、これが大きい。合わない相手にかけていた時間とエネルギーが、まるごと戻ってきます。

    そして、その空いた場所に、なぜか別の話が入ってきます。

    僕はこれを何度も見ています。合わないお客さんとの契約を終わりにすると決めた翌日に、新しい出会いが来る。タイミングが良すぎて、最初は偶然だと思っていました。

    でも、説明はつきます。空いた場所にしか、新しいものは入らないからです。抱えたままでは、物理的に受け取れません。

    もう1つ。断れる人は、態度が変わります。

    「この人は誰でも受けるわけじゃない」と伝わると、相手の接し方が変わります。値切られにくくなるし、雑に扱われなくなる。

    選ばない人は、選ばれません。これは人間関係の全部に言えることだと思います。

    取らない客も、書き出してください

    実務としてやってほしいのは、これです。

    ターゲットを決めるとき、取らない客も書き出す。

    • こういう人は受けない
    • こういう言い方をする人は受けない
    • この条件が揃っていない人は受けない

    絞り込みと同じくらい、こちらも大事です。

    書き出しておくと、迷ったときにその場の感情で判断しなくて済みます。

    「なんとなく気が進まないけど、まあいいか」が一番危ない。先に決めておけば、その瞬間に決めなくていい。

    そして、断るときは正直でいいです。

    「ご期待に応えられないと思うので、お受けしないほうがいいと思います」

    これで嫌われることは、ほとんどありません。むしろ、その正直さで後から紹介が来ることすらあります。


    まとめ

    • がむしゃらに取った客で、うまくいった人はいない
    • 直感はもう答えを知っている。頭がお金の理屈で上書きしてくる
    • 合わない人を1人入れると、場全体が薄くなる
    • お金がない人は、ない。必要以上に手を出しても、時間が消えるだけ
    • 「助けたい」と「線を引く」は両立する
    • 取らない客も、先に書き出しておく

    全部受けるのをやめると、本当に届けたい人に、全部を渡せるようになります。

    そして、疲れているとき「自分の力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 「カツ丼税理士」に学ぶ、専門性の尖らせ方

    「カツ丼税理士」に学ぶ、専門性の尖らせ方

    ターゲットを絞りましょう、と言われる。

    頭では分かる。でも、怖い。

    狭くしたら、その分お客さんが減るじゃないか。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この不安は、ほぼ全員が通ります。

    そして、ほぼ全員が同じところで納得します。

    絞ると減る、は逆です。絞らないから、誰にも見つけてもらえないんです。


    「うまい醤油ラーメンが食べたい」とき、どこへ行きますか

    想像してみてください。

    今日は無性に、うまい醤油ラーメンが食べたい。

    そういうとき、ガストには行きませんよね。

    ガストのラーメンがまずいわけではありません。ちゃんとしています。でも、行かない。

    なぜかというと、専門店のほうがうまいに決まっている、と無意識に思っているからです。

    これ、人がものを選ぶときに毎回やっていることです。

    人は、無意識に専門性の高い人を探しています。

    そして「何でもできます」と書いてある人は、その探し方の網に引っかかりません。

    減っているのではなく、そもそも見つけられていないんです。


    「カツ丼専門の税理士です」

    税理士さんの例で考えてみます。

    「何でもできる税理士です」

    ……何も残りませんよね。世の中に何万人といます。

    では、これならどうでしょう。

    「寿司屋専門の税理士です」

    「カツ丼屋専門の税理士です」

    急に、頭に絵が浮かびませんか。

    そして、ここが面白いところなんですが。

    カツ丼屋さんが、この人を見つけます。

    さらに、ラーメン屋さんも「近いかも」と思って連絡してきます。定食屋も、そば屋も。

    人は、自分に近いものを勝手に関連づけるからです。

    「カツ丼専門」と書いてある人を見て、うちは違うからやめておこう、とはあまり思いません。むしろ「飲食のことが分かっている人だ」と受け取ります。

    つまり、絞ったことで狭くなるのは看板だけで、来る人の幅は思ったほど狭くならない。


    好きなもので尖らせてもいい

    もう1つ、別の尖り方もあります。

    たとえば、プロレスが好きな税理士さんが、こう名乗る。

    「タイガーマスク税理士です」

    業種で絞っているわけではありません。でも、これも立派なポジションです。

    プロレス好きの経営者が、必ず食いつくからです。そして、その人はもう他の税理士を探しません。

    尖らせ方は、業種でも、趣味でも、地域でも、価値観でもいい。

    大事なのは、何かの一点で「あ、この人だ」と思われることです。


    誰にも受けない人は、どこへ行っても受けません

    絞るのが怖い一番の理由は、これだと思います。

    「もし誰にも刺さらなかったらどうしよう」

    正直に言います。

    尖らせて誰にも受けなかった人は、尖らせなくても受けません。

    これは意地悪で言っているのではありません。

    万人に向けた言葉は、誰の心にも引っかかりません。引っかからないものは、良いも悪いも判断されない。つまり、結果すら返ってこない。

    尖らせると、少なくとも反応が返ってきます。「合わないな」と離れる人も出ますが、「それ、私のことだ」と言う人が必ず一人は出ます。

    そして仕事は、その一人から始まります。

    何も返ってこない状態より、はっきり断られるほうが、はるかに前に進んでいます。


    絞るのは、看板だけでいい

    もう1つ、誤解を解いておきます。

    絞るというのは、他の仕事を断ることではありません。

    看板に何を書くか、という話です。

    「カツ丼屋専門」と名乗っている税理士さんが、たまたま来た美容室の依頼を断るかというと、断りません。普通に受けます。

    看板は入り口であって、鍵ではないんですよ。

    多くの人が絞れないのは、ここを取り違えているからです。「絞ったら、それ以外を受けられなくなる」と思っている。

    そんなことは起きません。入り口を1つに決めるだけです。

    そして、入り口が1つのほうが人は入ってきます。玄関がどこにあるか分からない家には、誰も来ませんから。

    いつ広げるか

    「じゃあ、いつまで絞っていればいいのか」

    これもよく聞かれます。

    答えは、その一点で名前が知られてからです。

    「◯◯といえば、あの人」という状態を作れたら、そこから横に広げていい。すでに信用の土台があるので、次のものも受け入れられます。

    順番が逆だとうまくいきません。知られていない状態で広げると、ただの「何でも屋」になります。

    NIKEがランニング以外に手を広げたのも、ランニングで名前が立ってからでした。

    相手が違えば、自己紹介も分けてください

    もう1つ、実務的な注意点があります。

    対象が違うなら、自己紹介を分けてください。

    これ、混ぜている人がとても多いです。

    個人のお客さん向けの話と、士業や経営者向けの話。1つの原稿で両方に届かせようとする。

    でも、個人向けの言葉は、弁護士には響きません。逆もそうです。刺さる痛みが、そもそも別物だからです。

    だから、行く場所によって出すものを変える。中身は同じでも、言葉と例を入れ替えるだけでかまいません。

    そのためには、相手を徹底的に知る必要があります。

    その人は、どんな生活をしているか。何を読んでいるか。何にお金を使っているか。どこで情報を得ているか。

    ここまで分かって、はじめてどの言葉で、どこに置くかが決まります。


    まとめ

    • 絞ると減る、は逆。絞らないから見つけてもらえない
    • 人は無意識に専門店を探す。「何でもできます」は網に引っかからない
    • 絞っても、近い人が勝手に関連づけて来る
    • 尖らせ方は業種でも趣味でもいい。一点で「あ、この人だ」と思われること
    • 尖らせて受けない人は、尖らせなくても受けない
    • 対象が違うなら、自己紹介を分ける

    怖いのは分かります。でも、怖いということは、ちゃんと尖っているということでもあります。

    そして、選ばれないとき「まだ実力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • ブランディングの前に、ポジショニングが要ります

    ブランディングの前に、ポジショニングが要ります

    ロゴを作り直した。

    ホームページも整えた。名刺も、写真も、色味も揃えた。

    でも、問い合わせは増えない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この順番でつまずいている方は、本当に多いです。

    ブランディングは、ポジションを取ったあとに、時間をかけて立ち上がるものです。

    先にやることではありません。


    NIKEは、最初はNIKEではありませんでした

    分かりやすい例があるので、それで話します。

    NIKEという会社は、最初「ブルーリボンスポーツ」という名前でした。

    やっていたことは、日本のオニツカタイガーというメーカーの靴を、アメリカに輸入して売ること。創業したのは、当時24歳の若者です。

    そして、ここからが本題です。

    この会社、10年赤字でした。

    NIKEに改名したのは1980年。それまでずっと、地味に一点だけをやり続けていたんです。

    その一点とは、ランニングシューズです。

    当時、アディダスもプーマも、あらゆる競技の靴を作っていました。サッカー、バスケ、テニス、陸上。全部です。

    そんな中で、この会社はランニングだけにこだわった。

    これがポジショニングです。


    お金がないから、そうしたんです

    もう1つ、この話で好きなところがあります。

    彼らには、広告費がありませんでした。

    だからどうしたか。

    これから有名になりそうな選手を探して、靴を履いてもらった。

    すでに有名な選手には手が届かない。だから、まだ売れていない選手に賭けた。

    「ジャストドゥーイット」という言葉が浸透したのは、そのずっと後です。莫大な広告費で、繰り返し繰り返し流した結果として、あの言葉はブランドになりました。

    つまり、順番はこうです。

    一点に絞る → 続ける → 結果が出る → お金ができる → ブランドが立つ

    ロゴが先ではありません。10年です。


    ポジションは、頭の中では作れません

    では、自分のポジションはどう決めるのか。

    ここが一番大事なところです。

    リサーチでしか作れません。

    机に向かって「私の強みは何だろう」と考えても、出てきません。出てきたとしても、それはたいてい自分がそう思いたいことです。

    やることは、こうです。

    1. 競合を、表にして並べる
    2. 項目ごとに、強い・普通・弱いを ○△× でつける
    3. 全員が × のところを探す

    そこが、あなたのポジションです。

    全員が×になっている場所には、たいてい理由があります。手間がかかるか、誰も気づいていないか。

    手間がかかるなら、そこを引き受ける人が1人しかいないということです。誰も気づいていないなら、一番乗りです。

    どちらにしても、そこに立った瞬間、比べられなくなります。


    ×の場所は、怖いところにあります

    ここで、正直な話をしておきます。

    全員が×をつけている場所を見つけたとき、たいていこう思います。

    「みんながやらないのには、理由があるんじゃないか」

    その通りです。理由はあります。

    だいたいは面倒くさいからです。時間がかかる。手間がかかる。効率が悪い。

    だから大きい会社ほど、そこをやりません。数をこなせないものは、事業として合わないからです。

    でも、個人や小さい会社は違います。数をこなす必要がない。目の前の何人かが埋まれば成立します。

    つまり、大きいところが「割に合わない」と切った場所こそ、こちらの居場所なんですよ。

    NIKEも同じでした。当時、ランニングだけをやるのは効率が悪かった。だから他社はやらなかった。やらなかったから、空いていた。

    見つけた×が怖く感じたら、それはたぶん正解の側です。

    みんなが使う言葉は、誰にも響きません

    リサーチのとき、もう1つ見てほしいものがあります。

    競合が、どんな言葉を使っているか。

    そして、その言葉は使わない。

    「寄り添う」「トータルサポート」「お客様第一」。全員が使っている言葉は、誰の耳にも止まりません。

    代わりに使うのは、お客さんが実際に使っている言葉です。

    相手が「集客」と言うなら「集客」と書く。相手が「お客さんが来ない」と言うなら、そう書く。

    こちらの業界用語を使った瞬間に、相手は遠ざかります。知らない言葉が出てきたとき、人は「自分向けじゃないな」と判断するからです。


    お金をかける前に、300文字でいい

    最後に、実務的な話をします。

    「まずはホームページを作らないと」と言う方に、僕は必ずこう言います。

    その前に、300文字でいいので書いてみてください。

    • 誰に
    • 何を
    • どうやって

    これが決まっていない状態で制作会社に行くと、どうなるか。

    きれいだけど、何も言っていないサイトができます。

    そして、お金と時間だけが減る。ホームページも映像も、中身を決めてから作れば効きますが、決める前に作っても機能しません。

    順番はこうです。

    リサーチ → 自分の強みを見つける → 300文字にする → 人に話す → 反応を見る → それからWeb

    話して反応が返ってくるようになったら、その言葉をそのままWebに載せればいい。すでに検証済みの言葉なので、今度はちゃんと効きます。


    まとめ

    • ブランディングは、ポジションを取ったあとに立ち上がる
    • NIKEは10年赤字。ランニング一点に絞り続けた結果
    • ポジションは頭の中では作れない。リサーチでしか作れない
    • 競合を表にして、全員が×のところを探す
    • みんなが使う言葉は使わない。お客さんの言葉を使う
    • お金をかける前に、300文字で書いて、人に話す

    見た目を整えるのは、あとでいくらでもできます。立ち位置だけは、先に決めてください。

    そして、うまくいかないとき「見せ方がまだ弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出ます

    固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出ます

    書いた文章を読み返して、こう思ったことはありませんか。

    「間違ってはいないんだけど、なんか薄いな」

    丁寧に書いた。分かりやすくもした。でも、自分らしさがない。誰が書いても同じに見える。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方の文章を見てきました。この「薄さ」には、はっきりした原因があります。

    無難な言葉を、無意識に選んでいるからです。

    そして、これはたった1語で変わります。


    「チャゲアス」ではなく「飛鳥涼」

    実際にあった場面から話します。

    ある方の課題に、こういう質問がありました。「青春時代に憧れた人は?」

    その方は、こう書いてこられました。

    ユーミン、桑田佳祐、飛鳥涼、北川悦吏子

    僕はここに、赤ペンでこう書きました。

    「チャゲアスではなく『飛鳥涼』と書くところがカッコイイ!!」

    伝わりますでしょうか。

    「CHAGE and ASKA」と書くのと、「飛鳥涼」と書くのは、まったく別の情報なんです。

    グループ名を書く人は、その音楽が好きだった。個人名を書く人は、その人そのものを見ていた。曲だけでなく、書いていた言葉や、生き方に反応していた可能性が高い。

    たった1語で、その人の見ていたものが分かってしまう。


    逆に、無難な名前が出てくるとき

    同じ質問で、こういう答えも本当によく出ます。

    「松田聖子」

    有名です。誰でも知っています。間違ってもいません。

    ただ、僕はこれを見ると、少し引っかかります。

    本当にその人だったのかな、と。

    もちろん、本当に大好きだった人もいます。でも、正直に言うと、こう感じることのほうが多いです。

    自分の気持ちに、フタをしているのかもしれない。

    「これを書いたら変に思われないかな」

    「もっとちゃんとした答えを書かないと」

    そう考えた瞬間に、人は一番有名な名前を選びます。減点されない答えを選ぶ。

    学校のテストなら正解です。でも、自分を伝える場面では、これが一番の失点なんですよ。

    減点されない答えは、誰の記憶にも残らないからです。


    具体的なほど、本音が出ます

    なぜ固有名詞が効くのか。

    具体的なものほど、選ぶときに本音が要るからです。

    「音楽が好きです」なら、誰でも書けます。無難です。「桑田佳祐が好きです」なら、少し自分が出ます。「桑田佳祐の、あの曲のあの一行が忘れられません」まで書くと、もうその人にしか書けない文章になります。

    範囲が狭くなるほど、代わりがきかなくなる。

    だから僕は、赤ペンでよくこう聞きます。

    「どの歌詞に、ビビッと来ましたか?」

    ここまで掘ると、その人が何に反応する人なのかが出てきます。そしてそれは、たいていその人の仕事の軸とつながっています。


    自分の言葉を、もう一度定義してみてください

    もう1つ、同じ話の別の形があります。

    自分がよく使う言葉を、そのままにしない。

    たとえば、こんな文章がありました。

    私の強みは「適当」が上手なところです。手の抜き方がうまい。

    私は「普通」のことを言わないようにしています。

    どちらもいい言葉です。でも、そのままだと伝わりません。

    なぜかというと、「適当」も「普通」も、人によって中身がまったく違うからです。

    だから僕は、こう聞きました。

    「『適当』を、具体的に書けますか?」「あなたにとっての『普通』とは、何ですか?」

    ここを言葉にした瞬間に、その人の考え方が見えてきます。

    そして面白いのは、本人がここで一番驚くことです。「自分はこういう意味で使っていたのか」と。

    自分の口ぐせの中身を、自分でも知らない。これ、本当によくあります。


    恥ずかしいほうを、残してください

    ここまで読んで、たぶんこう思った方がいると思います。

    「そこまで具体的に書くの、恥ずかしいんですけど」

    分かります。僕もそうでした。

    でも、その恥ずかしさこそが目印です。

    恥ずかしいということは、そこに自分が出ているということなんですよ。何も出ていない文章は、書いていて恥ずかしくありません。すらすら書けて、読み返しても何も感じない。

    そして読む側も、同じように何も感じません。

    だから僕は、迷ったときの基準をこう決めています。

    2つ候補があったら、恥ずかしいほうを残す。

    もちろん、なんでも出せばいいわけではありません。人が傷つくことや、相手の秘密は書かない。それは別の話です。

    ここで言っているのは、「かっこ悪く見えるかも」という理由だけで削っていないかということです。

    その理由で削ったものは、たいてい一番人柄が出ていた部分です。

    好きと嫌いの差にも、答えが入っています

    もう1つだけ、掘り方を紹介します。

    ある方が、こう書いてこられました。

    苦手なこと:SNSでの集客。やらなくてもいいかなと思ってしまう。楽しいこと:異業種交流会に行くこと。

    僕は、こう返しました。

    「SNS集客と異業種交流会の違いは、何ですか?」「スキ・キライの差に、何がありますか? ここ、言語化が大事かもです!!」

    同じ「集客」なのに、片方は苦痛で、片方は楽しい。

    その差の中に、その人の強みが入っています。

    この方の場合、おそらく「人と直接会って反応が返ってくること」が好きなんです。だとしたら、集客の設計もそちらに寄せたほうがいい。SNSを頑張るのは、たぶん遠回りです。

    苦手を克服するより、好きの理由を言語化したほうが、仕事は早く進みます。


    まとめ

    • 薄い文章の原因は、無難な言葉を無意識に選んでいること
    • 固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出る
    • 一番有名な名前を選んだときは、フタをしているかもしれない
    • 範囲が狭いほど、代わりがきかなくなる
    • 自分の口ぐせ(「適当」「普通」)の中身を、定義し直す
    • 好きと嫌いの差の中に、強みが入っている

    書き直す必要はありません。1語だけ、より具体的なものに置き換えてみてください。

    そして、文章に自分らしさが出ないとき「自分には個性がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 自己紹介の前に決めること。誰の前で話すのか

    自己紹介の前に決めること。誰の前で話すのか

    自己紹介を、1つだけ作って、どこでも同じように話す。

    多くの人がこうしています。僕も昔そうでした。

    一度いいものを作ったんだから、使い回せばいい。効率的に見えますよね。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

    中身は同じでいい。でも、入り口は変えてください。

    なぜなら、人によって心が動くきっかけが違うからです。


    理屈で動く人と、感情で動く人がいます

    大きく分けると、2種類います。

    理屈で動く人は、根拠を求めます。数字、データ、権威。「なぜそう言えるのか」が先にほしい。ここが埋まると、一気に前のめりになります。

    感情で動く人は、人となりを見ます。どんな経験をしてきたか、なぜそれをやっているのか。理屈より先に「この人は信用できるか」を見ている。

    同じ話をしても、この2人には別々の入り口が要ります。

    理屈で動く人に、いきなり自分の失敗談を語り出すと「で、実績は?」となります。

    感情で動く人に、いきなりデータを並べると「なんか売り込まれてる」となります。

    どちらも、内容が悪いのではありません。扉が違うだけです。


    入り口は、7つあります

    前に書いたことがありますが、自己紹介の最初の10秒には型があります。改めて並べると、こうです。

    | 入り口 | 向いている相手 ||—|—|| 命令する(「90秒だけ聞いてください」) | 誰にでも。迷ったらこれ || 質問する(「〜だと思っていませんか?」) | 考えるのが好きな人 || クイズを出す | 理屈で動く人 || 権威を借りる(法則・研究データ) | 理屈で動く人 || 意外な名乗り | 場が硬いとき、印象を残したいとき || 失敗を告白する | 感情で動く人 || 問題を突きつける | 今まさに困っている人 |

    僕は、同じ内容を話すときでも、部屋を見てここを入れ替えます。

    士業の方が多い会なら、権威やデータから入る。個人でやっている方が多い会なら、失敗談から入る。

    変えるのは最初の10秒だけです。そのあとの中身は同じでかまいません。


    実際に並べたら、5つの型に分かれました

    これは自分でやってみて分かったことです。

    うまくいっている自己紹介の台本を17本集めて、全部バラして並べました。僕のものと、クライアントの方のもの。業種もバラバラです。

    そうしたら、きれいに5つに分かれました。

    1. 痛みを3つ並べて、診断に誘う型(一番つぶしが効く。交流会の鉄板)
    2. クイズや質問から入って、データで裏づける型(理屈で動く人に強い)
    3. 失敗から逆転までを語る型(共感が一番深く入る)
    4. 法則や権威で一気に引き込む型(冒頭のインパクトで記憶に残す)
    5. 困りごとを名指しして、独自の名前をつけた解決策を出す型(業種が特化しているとき)

    面白かったのは、業種で分かれていなかったことです。

    不動産の方と、コーチングの方が、同じ型を使っていたりする。分かれ目は業種ではなく、誰に向かって話しているかでした。

    そしてもう1つ。長さも全然違いました。短いものは50秒、長いものは90秒。時間が違えば、入れられるものも変わります。


    だから、3つ持っておいてください

    ここから、実務的な話です。

    交流会に行くと、その日によって持ち時間が変わります。「一人30秒でお願いします」と言われることもあれば、「じっくりどうぞ」のこともある。

    そのときに慌てて削ると、削ってはいけないところを削ります。

    たいてい後半が飛びます。そして後半には、オファーと「次にしてほしいこと」が入っている。一番仕事に近い部分が消えるわけです。

    だから、先に3つ作っておきます。

    • 50秒版(約350字)
    • 70秒版(約450字)
    • 90秒版(約580字)

    その場で選ぶだけにしておく。これだけで、事故がなくなります。


    見落とされやすいのは、最後の2つです

    17本を並べてみて、もう1つ気づいたことがあります。

    抜けやすい場所が、はっきり決まっていました。

    抜けていたのは、この2つです。

    1つめ。「今である理由」と、価格の見せ方。

    「1名様限定です」「通常3万円のところ、今日は5千円で」。こういう一言があるかどうかで、その場で動く人の数がまるで違います。

    2つめ。感情のほうのメリット。

    数字は入っているのに、「そうなったとき、どんな気持ちになるか」が抜けている。

    「売上が2倍になります」だけだと、頭では分かっても心が動きません。「堂々と自分の仕事を語れるようになります」まで言うと、変わります。

    この2つ、自分では気づきにくいんですよ。だから、書き終わったら必ずここだけチェックしてください。


    まとめ

    • 中身は同じでいい。入り口だけ変える
    • 理屈で動く人には、データや権威から
    • 感情で動く人には、失敗談から
    • 変えるのは最初の10秒だけ
    • 型は5つ。業種ではなく、誰に話すかで決まる
    • 長さ違いで3つ持っておく。その場で削ると、一番大事な後半が飛ぶ
    • 抜けやすいのは「今である理由」と「感情のメリット」

    作り直す必要はありません。入り口を何本か用意しておくだけです。

    そして、伝わらないとき「自分の話し方が悪いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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