交流会で話していて、こう分かる瞬間があります。
「あ、この人は今すぐじゃないな」
そして、無意識に力が抜ける。名刺だけ交換して、次の人のところへ行く。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この瞬間に、一番大きな取りこぼしが起きています。
今すぐ客は、放っておいても来ます。勝負は、そのうち客のほうです。
2種類しかいません
まず、目の前の人を2つに分けます。
今すぐ客は、痛みをリアルに感じている人です。困っている。今日どうにかしたい。だから、こちらが何かしなくても向こうから動きます。
そのうち客は、まだそこまで痛くない人です。「いつかは考えないとな」とは思っている。でも、今日ではない。
ここで多くの人がやるのが、今すぐ客だけを探すことです。
会う人ごとに「この人は今すぐか」を測って、違ったら力を抜く。
気持ちは分かります。効率がいいように見えますから。
でも、これをやっていると、いつまでも数が増えません。
理由は単純で、今すぐ客は、その場に数人しかいないからです。100人いる会場でも、今日動く人は数人。残りの90人以上は、そのうち客です。
そこを捨てているということなんですよ。
痛みは、あとから来ます
もう1つ大事なことがあります。
そのうち客は、そのうち今すぐ客になります。
当たり前のようですが、ここを意識しているかどうかで動き方が変わります。
今日「まだいいかな」と言っていた人が、3ヶ月後に本気で困ることは、普通にあります。売上が落ちる。社員が辞める。取引先が変わる。
そのとき、誰に相談するか。
答えは決まっています。その時点で頭に浮かんでいる人です。
つまり、勝負は今日ではありません。その人が困ったときに、思い出される場所にいられるかです。
1回では、忘れられます
では、どうやって思い出される場所にいるのか。
届け続けることです。
これしかありません。
名刺を交換した。いい話ができた。それで終わると、その人はあなたを忘れます。
薄情なのではありません。人はそういうふうにできています。1回会っただけの人を覚えていられるほど、みんな暇ではない。
だから、何度も届ける。メールでも、SNSでも、手紙でもかまいません。
何度も届くから、覚えられます。
僕はこれをメールでやっています。名刺をいただいた方に、定期的に届く形にしておく。売り込みはしません。役に立つ話を1つずつ渡すだけです。
そうすると、忘れられた頃に返信が来ます。「そういえば、ちょっと相談があるんですが」と。
あのとき力を抜かなくてよかったな、と思う瞬間です。
メルマガが嫌になる人の、共通点
ここで、よく聞く悩みがあります。
「メルマガを書くのが、しんどい」
「何を書けばいいか分からない」
分かります。僕も昔そうでした。
でも、こういう人にはだいたい共通点があります。
目的が抜けています。
「みんなやっているから」「やったほうがいいと言われたから」で始めている。だから、書くことが目的になる。書けないと、しんどくなる。
そうではなくて、先に決めてください。
この人たちに、どう思われていたいのか。
「困ったときに、まずこの人だなと思われたい」でもいい。「この分野の人だと覚えられていたい」でもいい。
そこが決まると、書く中身は自然と決まります。
そして、不思議なことが起きます。
目的がはっきりした瞬間から、文章がうまくなるんですよ。
技術を学んだからではありません。誰に何を届けたいかが決まったからです。伝えたいことがはっきりしている人の文章は、多少荒くても伝わります。
「みんなやってるから」で媒体を選ばない
もう1つだけ。
届け方を決めるとき、媒体から入らないでください。
「YouTubeをやったほうがいいらしい」「今はショート動画だ」
こういう理由で始めると、だいたい続きません。そして、続かない発信は無いのと同じです。
先に見るのは、相手の生活です。
- その人は、朝何を見ていますか
- 移動中に何を触っていますか
- 夜、寝る前に開くのは何ですか
そこに合わせて選ぶ。相手がいない場所に、どれだけ丁寧に置いても届きません。
経営者向けなら、動画よりメールのほうが届くことがよくあります。移動中に読めるからです。逆に、若い層ならメールはまず開かれません。
尖らせるほど、刺さります。全員に届けようとした瞬間に、誰にも届かなくなる。
まとめ
- 今すぐ客は、放っておいても来る。勝負はそのうち客
- 会場の大半は、そのうち客。そこを捨てると数が増えない
- 痛みはあとから来る。そのとき思い出される場所にいられるか
- 1回では忘れられる。何度も届けるから覚えられる
- メルマガがしんどい人は、目的が抜けている。どう思われていたいかを先に決める
- 目的が決まると、文章はうまくなる
- 媒体から入らない。相手の生活から選ぶ
今日、力を抜いた相手が、来年の一番大きな仕事かもしれません。
そして、なかなか広がらないとき「自分の営業力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
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