投稿者: 浪間 亮(RYO)

  • 「何とかなる」という楽観が、一番高くついた

    「何とかなる」という楽観が、一番高くついた

    苦しい時期でも、なぜか「何とかなる」と思える。

    実際、これまで何とかなってきた。

    だから、今回も何とかなると思っていた。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この感覚、経営者にはとても多いです。

    そして、これは間違いなく強みです。

    ただ、1つだけ気をつけてほしいことがあります。

    「何とかなる」が、決めないことの言い訳になっていないか。


    自分で書き出した「弱み」

    ある社長さんが、信頼していた社員の退職を経験しました。

    そのあと、自分の強みと弱みを、自分で書き出しています。

    強み

    • 会社の売上が悪くても、責任転嫁しない
    • 常に笑顔
    • 反響がなくても契約が取れる

    弱み

    • 会社の状況についての説明不足
    • 話す回数が足りていなかった
    • やる気を上げる声かけが足りなかった
    • 人を雇うことについての知識不足
    • 何とかなるという、楽観視が過ぎた

    ……最後の一行が、鋭いです。

    自分の性格の良い面を、ちゃんと代償ごと見ています。


    前を向ける力の、裏側

    「何とかなる」と思える人は、動けます。

    不安で固まる人が多い中で、これは相当な武器です。

    でも、この力には裏側があります。

    「今、決めなくても大丈夫」に変換されやすいんです。

    たとえば、こう。

    • 契約書は、そのうち作ればいい
    • 歩合の計算方法は、聞かれたら説明すればいい
    • 評価の基準は、いま決めなくても回っている

    全部、正しいんですよ。今日は。

    そして、たいていの日は何も起きません。だから、この判断は毎日「正解」になります。

    でも、何も起きなかった日が続くこと自体が、危険の蓄積です。

    決めていない項目は減らず、会社の規模だけが大きくなっていきます。


    高くつくのは、いつも同じタイミング

    では、いつ代償が来るか。

    辞めるときです。

    入るときは、みんな善意です。だから曖昧でも回ります。

    でも辞めるとき、初めて確認が入ります。歩合はどうなるのか。有給はどうなるのか。引き継ぎはどこまでか。

    そこで、決めていなかったことが全部いっぺんに表に出ます。

    しかも、相手はもう心が離れている状態で確認してきます。

    これが、いちばん高くつく形です。

    「何とかなる」で先送りしたものは、いちばん体力が落ちているときに、まとめて請求されます。


    楽観をやめる必要はありません

    ここが、大事なところです。

    僕は、その社長さんにこうお伝えしました。

    弱みをなくす必要はありません。強みはそのまま、弱みは仕組みで補ってください。

    「何とかなる」をやめて、心配性になろうとする社長がいます。

    やめたほうがいいです。強みまで一緒に消えます。

    前を向ける力は、社員が見ています。社長が暗いと、会社全体が暗くなります。売上が落ちても人のせいにしないという資質は、本当に得難いものです。

    だから、性格は変えない。

    代わりに、1つだけ足す。

    確認と、書き出しです。


    具体的には、こうします

    やることは、単純です。

    「何とかなる」と思った瞬間に、それを紙に書く。

    たとえば、こうです。

    • 「契約書、そのうちでいいか」と思った → 紙に書いて、期限を入れる
    • 「歩合の説明、聞かれたら話せばいいか」と思った → 紙に書いて、次の面談で話すと決める

    これだけです。

    楽観のままでいい。ただし、記録に残す。

    なぜこれが効くかというと、楽観的な人は忘れるからです。悩まないので、頭に残りません。

    つまり、問題は判断ではなく、記憶なんですよ。

    だから、外に置いておく。紙が心配性を担当してくれるので、本人は前を向いたままでいられます。


    もう1つの、高くつき方

    代償の出方は、辞めるときだけではありません。

    もう1つ、静かに効いてくるものがあります。

    判断が、遅れます。

    「何とかなる」と思っていると、問題が問題に見えません。

    数字が少し落ちている。でも、まぁ何とかなる。人の様子が少しおかしい。でも、まぁ何とかなる。

    そして、実際にたいてい何とかなります。

    ところが、本当に手を打つべき1回が来たときも、同じ顔で通過してしまいます。

    これが怖い。

    判断の精度が悪いのではありません。全部同じ扱いになることが問題なんです。

    だから、線を引いておいてください。

    「ここを下回ったら、必ず動く」

    数字でも、状態でもいい。1つでいいので、決めておく。

    楽観のままでも、線があれば止まれます。

    悲観になろうとしないでください

    念のため、もう一度書きます。

    この話をすると、まじめな社長さんほど、こう考えます。

    「もっと危機感を持たないといけない」

    やめてください。

    危機感を持った経営者が強いわけではありません。危機感を持つと、目先しか見えなくなります。

    長く続いている会社の社長さんは、だいたい明るいです。楽観的です。

    なぜなら、続けるには、明るさが要るからです。暗い状態で10年は続きません。

    必要なのは、危機感ではなく記録です。

    明るいまま、書いておく。それだけで、楽観は強みのままでいられます。


    まとめ

    • 「何とかなる」は強み。前を向けるから動ける
    • ただし「今決めなくていい」に変換されやすい
    • 決めていない項目は、辞めるときに全部まとめて出てくる
    • いちばん体力が落ちているときに、請求が来る
    • 性格を変えると、強みまで消える
    • 強みはそのまま、弱みは仕組みで補う
    • 「そのうちでいいか」と思った瞬間に、紙に書いて期限を入れる

    今日「まぁ何とかなるか」と思ったことを、1つだけ紙に書いてみてください。

    そして、問題が起きたとき「自分の見通しが甘かった」と責めがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 「こうしたらいいな」を「こうする」に変えた日

    「こうしたらいいな」を「こうする」に変えた日

    やりたいことは、見えている。

    方向も間違っていない気がする。

    でも、いつまでも始まらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態には、はっきりした正体があります。

    決めていないだけです。


    ある社長が書いた、一行

    課題に取り組んでいた社長さんが、最後にこう書いてきました。

    こうしたらいいなではなく、こうする!!

    たった一行です。

    でも、僕はこの一行を読んだとき、この方は変わったなと思いました。

    なぜか。

    願望は伝わらないけれど、決定は伝わるからです。


    「こうしたらいいな」は、独り言です

    考えてみてください。

    社長が「もっと現場を見に行ったほうがいいと思うんだよね」と言う。

    社員はどう受け取るか。

    「そうですね」で終わります。

    これは、社員が悪いのではありません。その文には、行動の指示が入っていないからです。感想を言われたので、感想を返した。それだけです。

    一方、「今月から、現場は週に3件見に行きます」だとどうか。

    やることが決まりました。

    同じ内容です。変わったのは、語尾だけ。


    社長は、無意識に語尾をぼかします

    しかもこれ、意識してやっているわけではありません。

    言い切るのが怖いから、そうなります。

    言い切ると、責任が発生します。もし違っていたらどうしよう。社員に反発されたらどうしよう。やらせておいて、自分が忙しくて見られなかったらどうしよう。

    だから、無意識に逃げ道を作ります。

    「〜したほうがいいと思う」「できれば〜してほしい」「余裕があったら〜」

    全部、逃げ道です。

    そして、逃げ道のある指示は、必ず逃げられます。


    願望のままだと、誰も悪くなくなります

    ここが、いちばん怖いところです。

    「こうしたらいいな」で終わっていると、やらなくても誰も悪くありません。

    社長は言った。社員は聞いた。でも決まっていないので、やらなくても違反にならない。

    そして半年後、社長がこう言います。

    「なんで、やってないの」

    社員は、内心こう思います。

    「やれって言われてない」

    ……どちらも、嘘をついていません。

    決まっていなかっただけです。

    こうして、社長は「うちの社員は動かない」と思い、社員は「うちの社長は気分屋だ」と思う。両方が損をします。


    決めるときの、たった1つのコツ

    では、どうやって決めるか。

    コツは1つです。

    小さくすること。

    いきなり大きなことを決めようとするから、決められません。

    「営業体制を改革する」は決められない。でも「週に3件、現場を見る」なら決められます。

    その社長さんも、僕からお願いしたのは1つだけでした。

    ルールを1つだけ、紙に書いて社員に伝える。

    何でもいい。「物件は週に最低3件見る」でもいい。

    そして、決めて、伝えて、振り返る。この一周を一度だけ回してみてください、とお伝えしました。

    一周回すと、景色が変わります。

    なぜなら、決めたことが実際に動いたという体験が残るからです。それがあると、2つめを決めるのが急にラクになります。


    完璧に決めなくて、いいんです

    もう1つだけ。

    決められない社長さんは、正しい決定をしようとしています。

    でも、経営に正解はありません。やってみないと分かりません。

    だから、こう考えてください。

    決定は、修正できます。

    来月「やっぱり週3件は多かった」と分かったら、2件に直せばいい。それは失敗ではなく、動いたから得られた情報です。

    決めていない状態からは、情報すら出てきません。

    決めるのが怖いのは、変えられないと思っているからです。変えていいと分かれば、決めるのは一気に軽くなります。


    決めたら、見える場所に置いてください

    決めたあとに、もう1つだけやることがあります。

    紙にして、置く。

    口で言っただけだと、こうなります。

    社長は「言った」と思っている。社員は「聞いた気がする」くらいで覚えている。

    そして1か月後、誰も何も覚えていません。

    だから、決めたことは1行でいいので書いて、いつでも見える場所に置いてください。

    貼り紙でも、共有のメモでも構いません。

    なぜこれが要るかというと、決定は、思っている以上に早く薄れるからです。

    書いてあれば、社長が忘れても残ります。社員が忘れても残ります。

    紙は、記憶を担当してくれます。

    社員は、決めてくれる人を求めています

    最後に、いちばん誤解されていることを書きます。

    決めるのをためらう社長さんは、こう思っています。

    「決めつけたら、窮屈に感じるんじゃないか」

    逆です。

    決まっていないほうが、社員は苦しいです。

    なぜなら、決まっていない状態というのは、毎回自分で判断して、外れたら怒られるかもしれない状態だからです。

    基準がないと、安心して働けません。

    決めるというのは、縛ることではありません。

    「ここまでやれば大丈夫」という線を渡すことです。

    線があると、人はその中で自由に動けます。線がないほうが、実は動けないんです。


    まとめ

    • 願望は伝わらない。決定だけが伝わる
    • 「こうしたらいいな」は独り言。行動の指示が入っていない
    • 語尾をぼかすのは、言い切るのが怖いから
    • 決めていないと、やらなくても誰も悪くならない
    • 決めるコツは、小さくすること
    • 決めて、伝えて、振り返る。この一周を回す
    • 決定は修正できる。だから怖くない

    いま頭の中にある「こうしたらいいな」を1つ選んで、語尾だけ「こうする」に変えてみてください。

    そして、会社が動かないとき「自分に決断力がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 優しいだけの社長が、一番失うもの

    優しいだけの社長が、一番失うもの

    社員に、厳しいことが言えない。

    言おうと思って、口を開いて、結局「まぁ、いいか」で終わる。

    そして、同じことが繰り返される。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この悩みを持つ社長さんは、全員いい人です。

    だから、こうお伝えしています。

    優しさを捨てる必要はありません。足りないのは、厳しさではなく「決めること」です。


    「支えるだけ」と「導く」は、違います

    ある社長さんが、自分の状態をこう書いていました。

    「支えるだけ」ではなく「導く存在」になる

    この一行、すごくいいんですよ。

    支えるというのは、相手の今を守ることです。

    導くというのは、相手の未来をつくることです。

    どちらも愛ですが、向いている先が違います。

    そして、支えるだけを何年も続けると、相手の今は守れても、未来は止まります。


    「なぁなぁだった」

    同じ社長さんが、こうも書いていました。

    これまでは、結構な部分でなぁなぁな関係でした。私自身もしっかりとした明確で分かりやすい指示をしてこなかったし、検証、振り返りをしてこなかった。

    この、自分を責めずに正直に振り返れる姿勢。ここに、この方の強さが出ています。

    ちなみに、この会社で何が起きていたか。

    営業の会社なのに、社員がずっと会社の中にいる。外に出ない。現場も見に行かない。

    でも、社長は何も言っていませんでした。

    「言わなくても分かるだろう」と思っていたわけではありません。言いにくかったんです。

    その結果、社員のほうは「これが普通なんだ」と思い込んでいました。

    誰も悪くない。でも、伝えていないことは、伝わっていません。


    厳しさとは、責めることではありません

    ここで、多くの社長さんが誤解します。

    厳しくする=怒る、詰める、圧をかける。

    違います。

    厳しさとは、「ここまでやろう」と一緒に基準を決めることです。

    「今月から、現場は週に最低3件見に行こう」

    これ、怒っていません。声も荒げていません。

    でも、基準がはっきりしています。

    そして、基準があると、できたかできなかったかが分かります。分かるから、振り返れる。振り返れるから、伸びます。

    優しい人でも、これはできます。むしろ、優しい人がやったほうが効きます。


    優しいだけの社長が、失うもの

    では、決めないままだと何を失うか。

    3つあります。

    1つめは、社員の成長です。基準がないので、どこを目指せばいいか分かりません。

    2つめは、社長自身の時間です。育たないので、いつまでも社長が現場に出ます。

    そして、3つめが一番大きい。

    社員からの信頼です。

    意外に思われるかもしれません。優しくしているのに、信頼を失う。

    でも、考えてみてください。何も言われない状態が続くと、社員はこう思います。

    「この人は、自分に興味がないのかもしれない」

    言われないことは、優しさではなく関心のなさとして届くことがあります。


    「優しいけれど、道しるべになる社長」

    最後に、その社長さんが自分で言葉にした、目指す姿を紹介します。

    優しいけれども、しっかりと道しるべになってくれる社長。何か困ったことがあっても相談のしやすい環境を提供できる社長。否定しない、常にポジティブ、一緒にずっと働きたいと思える社長。

    優しさと厳しさを、対立ではなく両立として描けています。

    ここが大事です。

    厳しくするために優しさを捨てる社長がいますが、それは別人になっているだけです。誰もついてきません。

    優しさは、そのまま持っていていい。そこに「決めて、伝えて、見届ける」を足すだけです。


    厳しく言えない人が、使える言い方

    とはいえ、「今日から基準を伝えよう」と思っても、口が動かない人がいます。

    分かります。僕もそうでした。

    そういうときは、主語を変えてみてください。

    言いにくいのは、たいてい主語が相手だからです。

    「あなたは、現場を見に行っていないよね」

    これは、言いにくい。責めている形になっているので。

    主語を自分にすると、こうなります。

    「僕は、みんなに現場をもっと見てほしいと思っています」

    内容は同じです。でも、責めていません。自分の願いを言っているだけなので、言いやすい。

    そして、聞くほうも身構えません。

    ここから基準につなげます。

    「なので、週に3件と決めます」

    願い、そして決定。この2文だけです。

    言いにくさの正体は、たいてい言い方の型を持っていないことです。型があれば、優しい人でも言えます。

    順番を、間違えないでください

    もう1つ、大事なコツがあります。

    先に承認、あとで基準。

    いきなり基準の話から入ると、否定として届きます。

    だから、必ずこの順にしてください。

    「いつも助かっています。ありがとうございます」「その上で、1つ決めたいことがあります」

    前半がないと、後半が刺さります。前半があると、後半が届きます。

    ちなみに、この前半はお世辞ではいけません。本当に思っていることを言ってください。

    優しい社長さんなら、本当に思っていることが必ずあるはずです。それを、口に出していないだけです。


    まとめ

    • 支えるのは今を守ること。導くのは未来をつくること
    • 言いにくいことを後回しにするのが、優しい社長の癖
    • 厳しさ=責めることではなく、一緒に基準を決めること
    • 失うのは、社員の成長・社長の時間・そして信頼
    • 何も言われない状態は、関心のなさとして届く
    • 優しさは捨てない。「決めて、伝えて、見届ける」を足す

    明日、基準を1つだけ決めて、伝えてみてください。何でも構いません。

    そして、社員が動かないとき「厳しく言えない自分が悪い」と責めがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 言われる前に潰しておくべき、5つの曖昧さ

    言われる前に潰しておくべき、5つの曖昧さ

    立ち上げから一緒にやってきた社員が、辞めると言ってきた。

    まったく予想していなかった。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この話を聞くと、必ず同じことをお伝えします。

    辞めた原因は、その人の気持ちではありません。決めていなかったことです。


    「うちは信頼関係でやってるから」

    小さい会社ほど、こう言います。

    そして、それは嘘ではありません。実際、仲は良い。飲みにも行く。相談もされる。

    でも、信頼関係と、決め事は別のものです。

    信頼があるから決めなくていい、ではありません。決めていないから、信頼が削れていくんです。

    ある社長さんが、社員の退職のあとにご自身で洗い出した項目があります。

    これが、驚くほど教科書的でした。5つです。


    ① 雇用の契約が、書面になっていない

    「うちは家族みたいなものだから」と、口約束で始めている会社があります。

    これが、いちばん危ない。

    もめるのは、辞めるときだからです。

    入るときは全員が善意です。だから何も決めなくても回る。でも辞めるとき、双方の記憶が食い違います。

    そして、書いていないほうが必ず損をします。


    ② 評価の基準が、決まっていない

    「頑張ってるから、そのうち上げてあげよう」

    これ、社長の頭の中にしかありません。

    社員から見ると、上がるかどうかが社長の気分次第に見えます。

    そして、この状態が続くと、こう思われます。

    「この会社にいても、先が読めない」

    人は、給料の額そのものより、上がる道筋が見えないことで辞めます。


    ③ 歩合の扱いが、あいまい

    歩合を出している会社は、ここが特に危ないです。

    いくらの案件で、いつ、いくら入るのか。取り消しになったらどうなるのか。

    この計算を、社員が自分でできますか。

    できないなら、あいまいです。


    ④ 働き方の指針が、ない

    在宅勤務を認めている会社で、よく起きます。

    何時から何時まで動くのか。何を報告するのか。会社に来るのは週に何回か。

    自由にしていいよ、は指針ではありません。

    決まっていないと、社員は「これでいいのか」と不安なまま働きます。そして社長は「サボっていないか」と不安なまま見ています。

    どちらも消耗しています。


    ⑤ お金の入りと出のタイミングが、不安定

    これが、5つの中でいちばん効きます。

    その社長さんは、退職した社員の立場に立って、こう書き出していました。

    「社長は飲みに行ったりゴルフに行ったりしているのに、私への歩合が遅れるというのはどういうこと?」

    ……痛いですよね。

    でも、この言葉を自分で書き出せたことが、この方のすごさです。

    人は、自分に都合の悪い相手の本音からは、つい目をそらします。

    そして、これは金額の問題ではありません。説明がなかったことの問題です。

    遅れるなら遅れると先に言う。理由も言う。それだけで、人は待ってくれます。

    黙って遅れるのが、いちばん信頼を削ります。


    悪い社長だから、起きるのではありません

    念のため書いておきます。

    この社長さん、人としてはとてもいい方です。

    売上が落ちても人のせいにしない。いつも笑顔。社員思い。

    それでも、起きました。

    なぜなら、優しさは決め事の代わりにならないからです。

    むしろ、優しい社長ほど「言いにくいこと」を後回しにします。契約の話、評価の話、お金の話。全部、言いにくいことです。

    だから曖昧なまま置かれる。そして、いちばん信頼していた人が離れていきます。


    明文化は、社長を守るためではありません

    もう1つ、伝えておきたいことがあります。

    契約書や規則の話をすると、こう受け取る社長さんがいます。

    「自分が訴えられないようにするため」

    違います。逆です。

    決め事は、社員のためにあります。

    想像してみてください。あなたが社員だとして、評価の基準も、歩合の計算も、休みの取り方も、何ひとつ紙になっていない会社にいるとします。

    毎日、社長の顔色を読むことになります。

    今日は機嫌がいいから聞けそうだ。今は忙しそうだからやめておこう。

    この読み合いに、どれだけの気力が使われているか。

    決め事があると、この作業が消えます。紙を見ればいいので、社長に確認しなくていい。

    顔色を読まなくていい会社は、それだけで働きやすいんです。

    そして、社長も助かります。同じ質問を何度も受けなくて済みますから。

    「人が増えてから」では、遅いです

    もう1つよく聞くのが、これです。

    「うちはまだ3人だから、そこまで要らない」

    気持ちは分かります。でも、順番が逆です。

    3人のうちに作っておくから、10人になっても回ります。

    10人になってから作ろうとすると、すでに人それぞれの慣習ができあがっています。それを後から揃えるのは、ゼロから作るより何倍も大変です。

    しかも、後から作ったルールは「誰かのせい」に見えます。

    「あの人が問題を起こしたから、こうなった」

    こうなると、決め事そのものが嫌われます。

    誰も何も起こしていない今のうちに作る。これがいちばん摩擦がありません。


    まとめ

    • 辞める原因は気持ちではなく、決めていなかったこと
    • ① 雇用の契約を、書面にする
    • ② 評価の基準を、決めて見せる
    • ③ 歩合を、社員が自分で計算できる形にする
    • ④ 働き方の指針を、決めて渡す
    • ⑤ お金の入りと出は、先に説明する
    • 優しい社長ほど、言いにくいことを後回しにする

    5つ全部やろうとすると、動けません。まず1つ、紙に一行書くところからで大丈夫です。

    そして、人が離れていくとき「相手の問題だ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 売上ノルマをやめて、アポノルマにしました

    売上ノルマをやめて、アポノルマにしました

    売上目標を立てる。全員に伝える。

    でも、社員の顔が重い。動きも変わらない。

    そして月末が近づくと、みんな下を向く。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状況には、はっきりした原因があります。

    追わせている数字が、本人にコントロールできないものだからです。


    売上は、自分では決められません

    考えてみてください。

    売上は、お客さんが決めるものです。

    どれだけ頑張っても、相手が「今回は見送ります」と言えば、その月の数字は動きません。

    つまり社員にとって、売上目標は「自分ではどうにもならないものを、追わされている」状態です。

    これが続くと、どうなるか。

    無力感が出ます。

    やってもやらなくても、数字は運次第に見える。だったら頑張っても意味がない。そう感じ始めます。

    そして怖いのが、これは怠けているのではないということです。構造が、そう感じさせているんです。


    追わせる場所を、変えました

    ある会社の社長さんが、これを切り替えました。

    やったことは、シンプルです。

    売上ノルマではなく、アポイントのノルマにする。

    具体的には、こう決めました。

    一人あたり、週に2件のアポイントを取る。

    それだけです。売上の話は、目標からいったん外しました。


    数字は、ちゃんと計算されています

    ここが大事なところです。これは気休めではありません。

    その社長さんは、きっちり逆算していました。

    • 一人が週に2件 → 月に8件
    • 社員3人なので、月に24件
    • そのうち、どんなに悪くても10件に1件は契約になる
    • つまり、月に2件の契約
    • 2件で、売上は300万〜400万

    最低限の売上目標は、これで達成できる。

    そこに紹介のお客さんが加われば、上振れする。

    つまり、アポの数さえ追っていれば、売上は勝手についてくるという設計です。

    社員は売上を追っていません。でも、結果として売上が積み上がる形になっている。


    プレッシャーが、まるで違います

    同じ数字を目指しているのに、感じ方がまったく変わります。

    「今月400万円」と言われると、重いんですよ。どこから手をつけていいか分からない。

    でも「週に2件アポを取る」なら、今日やることが分かります。

    しかも、2件です。1日ではありません。1週間で2件。

    社長さんもこう書いていました。

    売上のノルマではなく、アポイントのノルマなので、それほどのプレッシャーがかからない。

    数字の目標も、そこまで重くない。

    そして、ここが効いています。プレッシャーが軽いほうが、動く量は増えるんです。

    重いノルマは、人を止めます。動く前に考え込ませてしまうので。


    既存のお客さんに、会いに行く

    もう1つ、この社長さんが決めていたことがあります。

    アポイントは、新規だけではない。

    新規ばかり追うのは、しんどいです。断られ続けるので、心が削れる。

    だから、こう決めました。

    買ってくれた人にアポを取って、会いに行く。

    • 困りごとはないか
    • 紹介してくれそうな人はいないか
    • 新しい生活はどうか

    これも、立派な週2件のうちの1件です。

    そして、この方が言っていたことが本質です。

    購入してくれた方に定期的に会うと、紹介が増える。そして、新しい生活を見て喜んでもらえているのを実感できる。有意義な仕事をしていると気づける。

    これ、売上のためだけの話ではないんですよ。

    社員が、自分の仕事の意味を思い出す場になっています。

    新規開拓だけを続けていると、断られた回数しか記憶に残りません。でも既存のお客さんに会いに行くと、喜んでいる顔が見られる。

    これがあるかないかで、続けられるかどうかが変わります。


    数字は、共有してください

    もう1つ、やってほしいことがあります。

    なぜ「週2件」なのかを、社員に説明する。

    ここを省く社長が、とても多いです。「週2件やってくれ」とだけ伝える。

    すると、どうなるか。

    ただのノルマになります。押しつけられた数字は、こなす対象にしかなりません。

    でも、さっきの計算をそのまま見せたらどうでしょうか。

    「一人が週2件で、3人だと月24件。10件に1件は決まるから、月に2件。1件が150万〜200万だから、これで会社の最低ラインは超える」

    自分の2件が、どこにつながっているかが見えます。

    そして、こう思えたら強いです。

    「自分の2件がないと、会社の数字が埋まらない」

    これは、プレッシャーとは違います。役割が見えている状態です。

    人は、意味の分からない数字は追いません。でも、自分の1件が全体のどこに刺さっているかが見えると、勝手に追い始めます。

    数字を隠す社長がいますが、僕はもったいないと思っています。見せたほうが、動きます。

    月曜に、1対1で話す

    そして、この仕組みを回すために、もう1つ置いていました。

    毎週月曜日に、一人ひとりとミーティングをする。

    そこで見るのは、詰めることではありません。

    • 今週、どうアプローチしたのか
    • どんな方法を試したのか
    • 週末のアポに向けて、どう動くか

    やり方をレクチャーしたり、「どうすればいいと思う?」と考えさせたり。

    数字を追わせる仕組みを置いたら、その数字を作る方法を一緒に育てる。この2つはセットです。

    置きっぱなしにすると、ただの新しいノルマになります。


    まとめ

    • 売上は、本人がコントロールできない。だから追わせると無力感が出る
    • 追わせる場所を、行動に変える。週に2件のアポイント
    • 逆算しておく。週2×月8×3人=24件、1/10成約で月2件、売上300〜400万
    • 同じ数字でも、プレッシャーがまるで違う
    • 軽いほうが、動く量は増える
    • アポは新規だけでなく、既存のお客さんにも
    • 喜んでいる顔を見ることが、続ける力になる
    • 仕組みを置いたら、やり方を一緒に育てる

    いま社員に追わせている数字は、本人が自分で動かせるものでしょうか。

    そして、動かないとき「うちの社員はやる気がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 「どうすればいいですか」と聞く部下を変える、1つのルール

    「どうすればいいですか」と聞く部下を変える、1つのルール

    部下が相談に来ます。

    そして、こう言います。

    「これ、どうすればいいですか」

    ……1日に何回、この言葉を聞いていますか。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の会社には、共通した1つの穴があります。

    相談のときのルールが、決まっていません。


    「自分の考えがなかった」

    ある社長さんが、自社の状態をこう書いていました。

    「どうすれば良いですか、など、自分の考えがなかった」

    短い一文ですが、状況が全部入っています。

    相談は来る。でも、手ぶらで来る。

    そして社長が答えを出す。部下はそれを持って帰る。うまくいく。

    一見、何も問題がないように見えます。仕事は前に進んでいますから。

    でも、この形を続けていると、決まった数だけ社長の仕事が増えていきます。そして部下の判断力は、1ミリも増えません。


    ルールは、たった1行です

    その社長さんが決めたルールは、これでした。

    相談をする前に、自分で考えた案を出す。または、やってみてから相談する。

    これだけです。

    「相談するな」ではありません。相談していい。ただし、手ぶらでは来ない。

    この1行を置くだけで、何が変わるか。

    部下が、相談する前に必ず一度考えます。

    考えて、案を作って、それを持ってくる。この過程が、そのまま訓練になります。

    しかも面白いことに、考えている途中で解決してしまうことがかなりあります。人に説明できる形にまとめる過程で、自分で答えが見えるからです。

    相談件数そのものが、勝手に減ります。


    案が間違っていても、いいんです

    ここで大事なことがあります。

    持ってきた案が、間違っていても構いません。

    むしろ、間違っているほうがいい。

    なぜなら、そこから会話が始まるからです。

    「なるほど、そう考えたんですね。なぜそう思いました?」

    「もし、そうしなかった場合はどうなりますか」

    こういうやり取りができます。手ぶらで来られたら、この会話は成立しません。答えを渡して終わりです。

    そして、こういうやり取りを重ねた部下は、次からその問いを自分の中で先にやるようになります。

    社長の頭の使い方が、そのまま移っていくんですよ。


    最初に、必ず承認してください

    ただし、1つだけ守ってほしいことがあります。

    案を持ってきたら、まず「考えてきたこと自体」を認めてください。

    ここが分かれ道です。

    せっかく考えて持ってきたのに、いきなり「いや、それは違う」と言われたら、どうなるか。

    次から、また手ぶらで来ます。

    考えても否定されるなら、考えないほうが早いからです。合理的な判断です。

    だから、まず一言。

    「お、考えてきたんですね」

    それから中身の話に入る。この順番だけで、続くかどうかが決まります。

    自律的に動く組織になるか、また指示待ちに戻るか。分かれ目は、たいていここです。


    週に1回、必ず向き合う

    もう1つ、その社長さんが決めたことがあります。

    毎週1回以上、一人ひとりとミーティングをする。

    ルールを置いただけでは、定着しません。

    「案を持ってこい」と言われても、最初はうまく作れない。何をどこまで考えればいいのかも分からない。

    だから、練習の場を用意しておくんです。

    そこで、案の作り方そのものを一緒にやる。どう考えたか、他にどんな選択肢があったか、なぜそれを選んだか。

    判断の仕方を教えているわけです。答えではなく。


    「やってみてから相談する」も、アリです

    さっきのルールには、もう1つ選択肢が入っていました。

    「または、やってみてから相談する」

    ここ、見落とされやすいのですが、実はかなり大事です。

    案を考えるのが苦手な人がいます。特に、経験が浅い人。頭の中だけで正解を作れと言われても、材料がないので作れません。

    そういう人には、先にやらせたほうが早いです。

    やってみれば、必ず何かが起きます。うまくいくか、うまくいかないか。どちらでも構いません。材料が手に入ります。

    そして持ってくる。「こうやってみたら、こうなりました」

    これなら、誰でもできます。そして、この報告は案よりも価値があります。実際に起きたことなので。

    だから、ルールは2択にしておいてください。

    • 考えてから相談する
    • やってみてから相談する

    どちらでもいい。手ぶらでなければいい。

    この幅があると、部下のタイプを問わず回ります。

    社長の仕事は、答えることではありません

    最後に、いちばん大事なことを書きます。

    社長が答えを出し続けている限り、その会社の判断力は、社長一人ぶんのままです。

    10人いても、判断できるのは1人。だから10人ぶんの相談が、1人に集まる。当然、詰まります。

    でも、部下が自分で案を作れるようになれば、判断力が人数ぶんに増えます。

    そのために社長がやることは、答えを出すことではありません。

    問いを返すことです。

    「あなたはどう思いますか」

    この一言を返せるかどうか。それだけで、数年後の会社がまったく違うものになります。


    まとめ

    • 「どうすればいいですか」は、ルールが無いから起きる
    • ルールは1行。相談の前に、自分の案を出す。またはやってみてから相談する
    • 考える過程で、勝手に解決することも多い
    • 案が間違っていてもいい。そこから会話が始まる
    • まず「考えてきたこと」を承認する。否定から入ると、次から手ぶらに戻る
    • 週1回、判断の仕方を一緒に練習する
    • 社長の仕事は、答えることではなく、問いを返すこと

    明日の相談から、「あなたはどう思いますか」を1回だけ言ってみてください。

    そして、部下が動かないとき「うちの社員は主体性がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 面倒を見る優しさが、部下の成長を奪っています

    面倒を見る優しさが、部下の成長を奪っています

    部下が、なかなか育たない。

    任せたいけれど、任せると心配で、結局自分が出ていく。

    そして、いつまでも自分がいないと回らない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の社長さんは、例外なく面倒見がいい人です。

    そして、そこに原因があります。

    面倒を見ることが、そのまま成長の機会を奪っています。


    ある社長が、自分で気づきました

    相談に来られた、社員数名の会社の社長さんの話です。

    その方は、部下の商談にほぼ毎回、同行していました。

    理由は、まっとうです。自分が一緒に行けば、うまくいくから。そして、その場で教えられるから。

    ところが、ある日ご自身でこう書いてこられました。

    「同行することによって、成長する機会を奪ってしまっている可能性もある」

    これ、僕が指摘したことではありません。ご本人が、自分で気づいたんです。

    そして、この一文を書ける社長は、実はそう多くありません。


    なぜ、同行すると育たないのか

    理由は単純です。

    社長がいると、部下は考えなくなるからです。

    これは、やる気の問題ではありません。当たり前の反応です。

    隣に答えを持っている人がいるなら、自分で考えるのは非効率ですよね。分からなくなったら振り返ればいい。判断が要る場面では、目で合図すればいい。

    その場は、確実にうまくいきます。

    でも、そこで部下が使ったのは「考える力」ではなく「頼る力」です。

    そして、この状態が何年も続くと、どうなるか。

    5年目の部下が、1年目と同じ判断力のままになります。

    社長は「まだ任せられない」と言います。でも、任せなかったから育っていないんですよ。順番が逆になっているんです。


    「あえて、やらない」

    その社長さんが決めたことは、シンプルでした。

    今までサポートしてきた部分を、あえてやらない。自分で考えさせる。どうしたほうがいいかを考えさせたうえで、ミーティングを重ねる。

    「あえてやらない」。これがすべてです。

    見放すのとは違います。手を出さずに、見ているんです。

    そして、後ろにミーティングを置いている。ここが大事です。放り出すのではなく、振り返りの場を用意したうえで、先に手を離す。

    順番が、こうなっています。

    やらせる → 失敗する → 一緒に振り返る → また やらせる

    多くの社長は、この最初の「やらせる」を飛ばして、いきなり教えます。だから何も残りません。


    手を出したくなる瞬間が、必ず来ます

    ただ、これは口で言うほど簡単ではありません。

    やらせてみると、下手なんです。

    自分がやれば5分で終わることに1時間かかる。言い方も甘い。詰めも甘い。見ていてイライラする。

    そして、こう思います。

    「貸してみろ」

    ここで手を出したら、全部が終わります。その瞬間、部下は「やっぱり自分では無理だ」と学習します。

    だから僕は、その社長さんにこう聞きました。

    「手を出したくなる瞬間が、必ず来ます。そのとき、自分にどんな言葉をかけてあげれば、ぐっとこらえられそうですか」

    これは、社長本人の課題なんですよ。部下の課題ではなく。

    任せられないのは、部下の実力の問題ではありません。社長が我慢できるかどうかの問題です。


    社長が現場にいると、社長の仕事ができません

    もう1つ、忘れてはいけないことがあります。

    その社長さんは、こうも書いていました。

    同行を続けていると、新しい事業を立ち上げる時間が取れない。

    そして、売上も停滞する。

    つまり、面倒を見ることのコストは、部下の成長だけではないんです。

    社長にしかできない仕事が、丸ごと止まっています。

    新しい柱を作る。人を採る。方向を決める。外とつながる。これは部下にはできません。社長の仕事です。

    その時間を、部下でもできる仕事に使っている。

    優しさのつもりが、二重に損をしているわけです。


    教えるより、失敗させたほうが安い

    もう1つ、社長が抱えがちな誤解があります。

    「失敗させたら、損をする」

    たしかに、目先ではそうです。取れたはずの契約が取れない。お客さんに迷惑がかかるかもしれない。

    でも、金額で考えてみてください。

    1件の失注と、5年間伸びない人材。どちらが高くつくでしょうか。

    しかも、失敗は取り返せます。社長がフォローに入ればいい。頭を下げに行けばいい。それは社長にしかできない仕事で、しかも一度で済みます。

    一方、育たなかった5年は取り返せません。

    だから僕は、こうお伝えしています。

    失敗させるコストは、育成の費用だと思ってください。

    研修に何十万も出す会社はたくさんあります。でも、目の前の1件を失敗させるほうが、はるかに濃い研修になります。

    そして、そこで痛い思いをした人は、二度と同じ失敗をしません。教わっただけの人は、何度でもやります。

    「自分の商店だと思ってやってくれ」

    最後に、その社長さんが言っていた言葉を紹介します。

    社員一人ひとりに、自分の商店をやっているつもりで働いてほしい。

    これは、突き放しているのではありません。

    「あなたの判断で決めていい」と渡しているんです。

    そして、その意識をつけるために、週1回のミーティングを必ずやると決めていました。

    任せる。でも、放置はしない。週に1回、必ず向き合う。

    このバランスが取れたとき、人は伸び始めます。


    まとめ

    • 面倒を見ることが、成長の機会を奪っている
    • 社長がいると、部下は考えない。やる気ではなく、当たり前の反応
    • 「あえてやらない」。見放すのではなく、手を出さずに見る
    • やらせる → 失敗する → 一緒に振り返るの順番
    • 手を出したくなる瞬間は必ず来る。そこは社長本人の課題
    • 社長が現場にいる間、社長の仕事は止まっている
    • 任せるが、放置はしない。週1回、必ず向き合う

    明日、1つだけでいいので、手を出すのをやめてみてください。

    そして、育たないとき「うちの社員のレベルが低いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 取れて当たり前、が一番危ない

    取れて当たり前、が一番危ない

    順調だったはずなのに、急に売上が落ちた。

    紹介が、ぱたっと止まった。

    理由が分からない。何も変えていないのに。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態で来られる方には、ほぼ例外なく共通していることがあります。

    そして、それはうまくいっている最中には、絶対に気づけません。


    最初のお客さんのことは、忘れないはずです

    まず、起業したばかりの頃を思い出してください。

    お客さんは、なかなか取れません。実績も少ない。単価だって低い。

    それでも勉強して、やってみて、失敗して、また勉強して。そうやって少しずつ獲得していきますよね。

    一番最初に取れたお客さんのことは、たぶん忘れていないと思います。

    そして、こういう社長さんが本当に多い。

    最初のお客さんに、すごく安い金額で、割に合わないくらい一生懸命やってあげた。

    僕もその一人です。

    一番最初の講座は、3ヶ月で、一人5万円でした。

    今は、100万円という単価まで上げられるようになりました。その先の200万、300万を目指してもいます。

    でも、いきなり100万だったわけではありません。5万円から、コツコツ積み上げてきただけです。


    人は、苦しかった時期を忘れます

    そこから、少しずつ変わっていきます。

    お客さんが取れるようになる。成果が上がってくる。お金も増えてくる。

    そして、会う人のレベルが変わります。

    すごい人たちに会えるようになる。ランチの場所が変わる。夜の会食も変わる。着るものも変わってくる。

    そのうち、それが当たり前になります。

    ここで誤解しないでほしいのですが、これ自体は悪いことではありません。

    自分のステージが上がって、それが標準になる。まったく問題ないです。むしろ、そうなるべきです。

    問題は、別のところにあります。

    当たり前になったときに、一緒に忘れてしまうものがある。

    • 取れていることが、当たり前
    • お金が入ってくることが、当たり前
    • お客さんがいることが、当たり前

    この状態がしばらく続くと、ほとんどの人が、あるものを忘れます。

    感謝です。


    「早く売上が上がる方法を教えてください」

    売上が落ちて相談に来られる方は、こう言います。

    「とにかく、早く売上を上げたいんです」

    「すぐ効く方法を教えてください」

    気持ちは、痛いほど分かります。目の前の数字が怖いんですから。

    でも、その方の意識を見ていると、目の前の売上にしか向いていません。

    これまで自分が何をしてもらってきたかには、まったく向いていない。

    そして僕の経験上、その状態が長く続いた人ほど、売上が突然消えたり、紹介がぱたっと止まったりします。

    だから僕は、こう返します。

    「まあまあ、焦らないでください。仮に今、あなたにすぐ売上が上がる方法をお伝えしても、たぶん上がりません」

    すると、必ずこう返ってきます。

    「なんでですか」


    「あの時の自分、あなたの中にいますか」

    そこから、こういう会話になります。

    「あなたが今、与えられているものを、全部当たり前だと思っているからです。思い返してみてください。起業した頃、いきなり今の状態でしたか」

    「いや、違いますね」

    「最初のお客さん、覚えていますか」

    「覚えてますよ」

    「どういう方だったんですか」

    そこから、話が止まらなくなります。

    何年も前の話なのに、昨日サポートしたことのように話し始めるんです。あの人はこういう人で、こんなことで悩んでいて、それで……と。

    僕はそれを聞きながら、こう聞きます。

    「そのとき受け取った代金って、今と同じ金額ですか」

    「いや、全然安いですよ。一番最初なんて、5千円でやったんですよね」

    「5千円。安いな、と思ったんですか」

    「いや……うれしかったですね。」

    「そうだったんですね。じゃあ、うれしいだけで、そこに情熱はなかったんですか」

    「いや、情熱しかなかったですよ。自分がどうなるか分からないし、とにかく一生懸命やろうって思いました」

    そして、僕はこう聞きます。

    「じゃあ、今を振り返ってみてください。あの時の自分は、今のあなたの中に、いますか」


    この瞬間に、号泣する社長がいます

    たまに、ここで泣き出す方がいます。

    大の大人が、経営者が、目の前で号泣する。

    何が起きているかというと、気づいてしまったんです。

    「ああ、当たり前になっていたって、こういうことか」

    そして、多くの方がその直後にこう言います。

    「社員には、当たり前になるなと言ってきたんです。感謝を忘れるなと言ってきたんです。」

    「自分が、できていませんでした。」

    こういう社長さんに、僕は本当にたくさん会ってきました。

    言っていることが間違っていたわけではありません。むしろ正しいことを言っていた。だからこそ、気づいた瞬間が痛いんです。


    そこからは、速いです

    でも、ここからが本題です。

    気づいた方に、僕はこう伝えます。

    当たり前ではなく、与えられているんだと。そこからもう一度、スタートしませんか。ただし、あの頃のあなたとは違います。

    5千円で必死にやっていた頃とは、持っているものがまったく違います。経験も、実力も、人脈もある。

    その上に、感謝の気持ちをもう一度乗せる。

    これをやった方は、だいたい3ヶ月で、売上がガラガラっと上がります。

    新しいノウハウを入れたわけではありません。広告を出したわけでもない。戻しただけです。


    当たり前なんて、何ひとつありません

    最後に、僕がずっと思っていることを書きます。

    当たり前なんて、何もないんですよ。

    全部、与えられています。

    考えてみてください。お客さんがいなかったら、そもそも与えられません。

    お客さんがいてくれるから、「ありがとう」と言ってもらえる。

    そして、お客さんがいるから、自分の中にも「ありがとう」という気持ちが湧いてくる。

    誰もいないところで、ありがとうは生まれません。

    仕事は、一人では完成しないんです。

    提供する人がいて、それを喜んでくれる人がいる。だから循環が回る。

    片方だけでは、何も起きません。


    まとめ

    • 最初のお客さんに、割に合わない金額で必死にやった。多くの社長がそう
    • ステージが上がって当たり前になること自体は、悪くない
    • 問題は、一緒に感謝を忘れること
    • 感謝が抜けている期間が長いほど、売上が突然消える
    • すぐ効く方法を教えても、その状態では効かない
    • 「最初のお客さん、覚えていますか」から始める
    • 戻すだけでいい。あの頃とは持っているものが違うから、3ヶ月で変わる
    • 当たり前は何もない。仕事は一人では完成しない

    いま何かがうまくいっていないなら、ノウハウを探す前に、一度だけ心の中を整理してみてください。

    どこかで、当たり前になっていませんか。

    そして、落ちているとき「打ち手が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 謙遜は、コミュニケーションのエラーです

    謙遜は、コミュニケーションのエラーです

    誰かに褒められたとき、なんと答えていますか。

    「いやいや、そんなことないんですよ」

    「まだまだです」

    「たまたまですよ」

    日本人なら、ほぼ反射でこう出ますよね。僕もそうでした。

    でも僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきて、はっきりこう思うようになりました。

    これ、コミュニケーションのエラーです。


    褒めてくれた人は、どう感じているか

    考えてみてください。

    その人は、別に言う必要がなかったんです。

    黙っていてもよかった。心の中で思うだけでもよかった。それなのに、わざわざ口に出して、あなたのいいところを伝えてくれた。

    そこに返ってくるのが、これです。

    「いや、違うんですよ。全然まだまだですよ」

    否定されているんですよ。

    褒めた側からすると、「あなたの見方は間違っている」と言われたのと同じです。

    そして次から、その人はもう褒めてくれなくなります。言っても否定されるだけだからです。

    謙遜しているつもりが、相手の好意を突き返している。だから、エラーなんです。


    謙遜と謙虚は、別のものです

    ここで、大事な区別をします。

    謙遜と謙虚は、まったく違います。

    謙遜は、否定です。「そんなことない」「まだまだ」。相手の言葉を打ち消しています。

    謙虚は、感謝です。「おかげさまで」「みなさんのおかげです」。受け取ったうえで、まわりに返しています。

    うまくいっている人を見ていると、はっきり分かります。

    謙遜はしません。でも、わがままでもない。謙虚なんです。

    こういう言い方をします。

    「ありがとうございます。おかげさまで。そう言っていただけて嬉しいです。もっともっと、そうなっていきます」

    否定していません。ちゃんと受け取っている。そのうえで、まわりへの感謝と、これからの宣言が入っている。

    図に乗っているように見えて、実は一番謙虚なんですよ。


    謙遜していて、上がっていった人を見たことがありません

    もう1つ、はっきり言えることがあります。

    もっと成長したい、ステージを上げたいと思っている人で、謙遜し続けたまま上がっていった人を、僕は見たことがありません。

    一人もいません。

    上がっていく人は、もっと堂々としています。

    褒めてくれる人に対して、謙遜はしない。でも謙虚。そして図に乗って、笑顔で「もっと言ってください」と言えてしまう。

    その差が、時間とともにとんでもない差になります。


    自分の言葉を、一番聞いているのは自分です

    なぜ、そこまで差がつくのか。

    自分が言った言葉を、一番よく聞いているのは自分だからです。

    「まだまだです」

    「そんなことないです」

    「たまたまです」

    これ、全部後ろ向きな言葉です。それを毎回、自分の耳に入れている。

    自分が謙遜した言葉を信じても、いいことは何も起きません。当たり前です。中身がマイナスなんですから。

    だったら、逆にすればいい。

    せっかく褒めてくれているんです。相手から見て、そうなんです。

    だとしたら、きっとそうなんですよ。

    僕は、あるときからそう決めました。褒められたら図に乗る。相手が言ってくれていることを、そのまま信じる。

    褒められたことを、そのまま素直に受け取る。

    これだけです。難しいことは何もしていません。


    変化に気づくのは、いつも周りが先です

    コーチングをしていて、毎回起きることがあります。

    本人が自分の変化に気づく前に、必ず周りが先に気づきます。

    これ、例外がありません。

    「なんか最近、雰囲気変わったね」

    「顔つきが違うよ」

    「前より話が分かりやすくなった」

    本人はまだ、何も変わった実感がありません。むしろ「まだ何もできていない」と思っている。

    でも、周りにはもう見えているんです。

    だから僕は、コーチングの初期に必ずこう伝えます。

    「これから、あなたを褒めてくれる人が現れます。そのとき、謙遜しないでください。」

    「ありがとうございます。おかげさまで。もっともっと、そうなっていきます」

    この返し方に変えてください、と。


    返し方を変えただけで、1〜2ヶ月で変わります

    そして、これを本当にやってくれた方は、どうなるか。

    大体1〜2ヶ月で、状況が動きます。

    売上が戻る。お客さんから紹介が来る。人が集まってくる。

    正直に言うと、まじかよ、と思うくらい速いです。

    やったことは、褒められたときの返事を変えただけです。新しいノウハウを入れたわけでも、広告を出したわけでもありません。

    でも、考えてみれば当たり前かもしれません。

    否定を返す人には、人はもう何も言いません。情報も、紹介も、チャンスも、そこで止まります。

    受け取る人には、また持ってきたくなります。

    褒めた人が「言ってよかった」と思える。だから次も言う。次は別の人にも言う。そうやって広がっていく。

    返事ひとつで、流れが変わるんですよ。


    今日から、これだけ変えてみてください

    やることは1つです。

    次に褒められたとき、「いやいや」を言わない。

    代わりに、こう言ってみてください。

    「ありがとうございます。おかげさまで。」

    最初は、めちゃくちゃ気持ち悪いです。図々しい気がして、体が拒否します。

    それでいいです。それは今まで謙遜が癖になっていた証拠なので。

    3回くらい言うと、慣れます。そして慣れた頃には、周りの反応が変わり始めています。


    まとめ

    • 謙遜は、相手の好意を突き返している。だからエラー
    • 否定を返された人は、次から褒めてくれなくなる
    • 謙遜と謙虚は別物。謙遜は否定、謙虚は感謝
    • 「ありがとうございます。おかげさまで。」これが正解
    • 謙遜したまま、ステージが上がった人を見たことがない
    • 自分の言葉を、一番聞いているのは自分
    • 変化に気づくのは、いつも周りが先
    • 返事を変えるだけで、1〜2ヶ月で動く

    図に乗っていいんです。というより、図に乗ったほうが、まわりも嬉しいんですよ。

    そして、うまくいかないとき「自分にはまだ実力がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 素直さは、最強の武器です

    素直さは、最強の武器です

    同じ講座を受けている。同じことを教わっている。

    なのに、片方は2〜3ヶ月で売上が倍になり、もう片方は1年経っても変わらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方をサポートしてきました。この差を作っているものは、はっきりしています。

    素直さです。

    能力でも、経験でも、資金でもありません。

    そして、ここで言う「素直さ」は、たぶんあなたが思っているものとは少し違います。


    経営者ほど、素直になるのが難しい

    まず、前提から話します。

    経営者の方は、すでにたくさん勉強しています。行動もしてきている。そして、それ以上にたくさん失敗もしてきています。

    だから当然、自分なりの経験値があります。考え方があります。それは財産です。

    問題は、その財産が、うまくいっていないときにどう働くかです。

    学びに来ているのに、こうなる人がいます。

    「いや、でもこれはこうだから」

    何を教えても、自分の持論が出てくる。

    本人に悪気はありません。むしろ真剣です。真剣に考えているからこそ、自分の中の答えと照らし合わせてしまう。

    でも、はっきり言います。

    この状態の人は、成果が出ません。

    学びに来たのに、学びを受け取っていないからです。


    一旦、横に置けるかどうか

    では、成果が上がる人はどうか。

    経験値は、同じくらいあります。むしろ豊富な人も多い。

    違うのは、たった1つです。

    これまでの自分の考えを、一旦、横に置ける。

    捨てるのではありません。横に置くんです。

    そして、目の前の新しい教えを、いったんそのまま受け入れる。

    この状態になった人は、どうなるか。

    乾いたスポンジのように、ぎゅっと吸収します。

    どんどん吸って、どんどん出す。試して、また吸う。

    そして僕が見てきた限り、この状態になった人は、2〜3ヶ月で売上が倍になった人がほとんどです。

    特別なノウハウを渡したわけではありません。同じことを教えています。受け取り方が違うだけです。


    本当にすごい人ほど、「教えてください」と言います

    この仕事をしていて、心から尊敬する経営者の方に何人も出会ってきました。

    そういう方には、共通点があります。

    ものすごい成果を出してきているのに、自分のすごいところを一切見せません。

    言いません。匂わせもしません。

    代わりに、こう言うんです。

    「教えてください」

    僕より実績のある方が、です。

    最初は驚きました。でも、何人も見ているうちに分かってきました。

    そういう態度だから、そこまで行ったんだ。

    順番が逆だったんです。すごくなったから謙虚なのではなく、謙虚だから、そこまで積み上がった。


    「素直でいよう」では、足りません

    ここが、一番大事なところかもしれません。

    素直でいようと思うのは、簡単です。

    誰でもできます。心の中で思うだけですから。

    でも、そこで止まっている人が、本当に多い。

    必要なのは、そこから先です。

    1. 態度に出せるか
    2. 行動に落とし込めるか
    3. やってみて、結果を返せるか

    ここまでつながって、はじめて素直さになります。

    心の中で「素直に受け止めよう」と思っていても、次の日に何もやっていなければ、受け止めていないのと同じです。

    素直さは、気持ちではなく、動きです。


    60歳で起業して、すぐ成果を出す人がいます

    年齢の話をしておきます。

    素直さに、年齢もキャリアも性別も関係ありません。

    60歳で起業して、そこからすぐ成果を出してしまう方がいます。

    そういう方は、素直さのスペシャリストです。

    学びに対して、とにかく貪欲なんです。

    「もっと教えてほしい」

    「もっと教えてほしい」

    そして、教えてもらったら、すぐやる。

    分からなかったら、すぐ聞く。

    たったこれだけです。それ以外に、何か特別なことをしているわけではありません。


    「分からない」と言えることも、素直さです

    最後の「分からなかったらすぐ聞く」。

    これ、実はかなり難しいです。

    年齢を重ねると、キャリアを重ねると、分からないと言えなくなるんですよ。

    恥ずかしいから。今さら聞けないから。バカだと思われたくないから。

    正直に言うと、僕も過去、そういう人間でした。

    分かったふりをして、うなずいて、あとで一人でこっそり調べる。そういうことを何度もやってきました。

    でも、あるとき考えたんです。

    そこに変なプライドを持って、いいことがあるのか。

    答えは、はっきりしていました。

    何ひとつ、いいことがない。

    分からないと素直に言えば、その場ですぐアドバイスをもらえます。10秒で済む話が、隠したせいで1週間かかる。

    しかも、聞かれた側は嫌な気持ちになりません。むしろ、頼られたことを嬉しく思うものです。

    損しかないんですよ、隠すのは。


    いま行き詰まっているなら

    最後に、これだけ書いておきます。

    いま何かに行き詰まっているとしたら、こう考えてみてください。

    自分の中にある素直さを、使い切れていないのではないか。

    周りを見て、周りに反応して、どこかで小さなプライドが顔を出している。

    そういうときは、たいていいい方向に進みません。

    そして厄介なことに、プライドが出ているときほど、自分では気づけません。

    だから、たまに立ち止まって考えてみてほしいんです。

    自分の内側にある素直さって、なんだろう。

    そこが動き出すと、驚くほど速く進み始めます。


    まとめ

    • 差を作っているのは、能力でも経験でもなく素直さ
    • 「いや、でもこれはこうだから」が出る人は、成果が出ない
    • 成果が出る人は、これまでの考えを一旦横に置ける。捨てるのではなく、置く
    • 本当にすごい人ほど「教えてください」と言う。謙虚だから、そこまで積み上がった
    • 素直さは気持ちではなく、動き。態度と行動に落ちて、はじめて成立する
    • 年齢もキャリアも関係ない
    • 「分からない」と言えることも、素直さ。隠しても損しかない

    いま行き詰まっているなら、小さなプライドが顔を出していないかだけ、見てみてください。

    そして、変われないとき「まだ実力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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