交流会に、月に何回か出ている。
名刺は増える。話も盛り上がる。
でも、仕事にならない。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態には、はっきりした原因があります。
期待で行っているからです。
期待と、可能性
まず、2つの言葉を分けます。
期待は、自分ではコントロールできないことです。
- お客さんが取れたらいいな
- いい人と出会えたらいいな
- 誰かが紹介してくれたらいいな
全部、相手が決めることです。自分にはどうにもできません。
一方、可能性は、自分が起こせる動作です。
- 自己紹介を作り込んでおく
- 相手の困りごとを1つ聞き出す
- 覚えてもらえる一言を用意しておく
これは、100パーセント自分でやれます。
そして、ここが大事なところです。
期待で行くと、動きが変わります。
期待で行った人の、当日の顔
期待で交流会に行くと、どうなるか。
目の前の人が、候補になります。
話しながら、頭の中で選別が走ります。
この人はお客さんになりそうか。ならなさそうか。
そして、ならなさそうだと分かった瞬間、話の熱が落ちます。
……これ、相手に伝わります。全部、伝わります。
顔つき、うなずき方、質問の量。人は驚くほど敏感です。
そして相手はこう思います。
「この人は、私を人として見ていない」
こうなると、その場では笑顔で別れても、二度と連絡は来ません。
「紹介してください」が、うまくいかない理由
もう1つ、よくある場面があります。
「もしよかったら、誰か紹介してください」
言ったことがある方、多いと思います。
でも、これはうまくいきません。
なぜなら、これはクレクレだからです。
僕は、与えることなくただひたすらに欲しがる人を「クレクレ星人」と呼んでいます。
相手からすると、こう聞こえます。
「私の人脈を、この人に使わせてほしいと言われている」
紹介というのは、紹介する側にとってリスクです。合わなかったら、自分の信用が減ります。
そのリスクを、まだよく知らない相手に負ってくれる人はいません。
だから、警戒されます。
「食い物にされるかもしれない」
そう思われた瞬間、その関係は終わります。
与える側から入ると、言葉が変わります
では、どう言えばいいか。
同じ紹介のお願いでも、可能性から入るとこうなります。
「私はこういう人を助けたいんです。もし周りに悩んでいる方がいたら、声をかけてあげてください。私の仕事にならなくても、構いません」
……この一言、破壊力があります。
なぜか。
相手のリスクが、ゼロになるからです。
仕事にならなくてもいい、と先に言っています。だから、紹介する側は気軽に名前を出せます。
そして、もう1つ効きます。
この言い方ができる人は、本気に見えます。
売上のために言っているのではなく、本当に助けたいから言っている。そう伝わります。
不思議なもので、この言い方をした人のほうが、実際には紹介が来ます。
セミナーでも、個別の相談でも、同じです
これは交流会だけの話ではありません。
セミナーでも、個別の面談でも、まったく同じ構造が起きます。
目の前の人に期待をかけると、こうなります。
「買ってくれ、買ってくれ」
言葉にしなくても、空気に出ます。そして、売れません。
でも、可能性で立つとこうなります。
「今日、この時間で価値を持って帰ってもらう」
これは自分でコントロールできます。
そして、真剣に価値を渡した結果、先のドアが開きます。その場で決まらなくても、半年後に連絡が来たりします。
僕の経験から言うと、うまくいかない設計は、たいてい期待で組まれています。
準備した人にしか、起きません
最後に、もう1つ大事なことを書きます。
可能性というのは、準備のことです。
ある方は、交流会で使う自己紹介をとことん作り込みました。
その結果、2,000円のランチ会に4人を集客しています。
期待で参加している人は、準備をしません。
だって、「いい出会いがあればいいな」と思っているだけなので、準備するものが無いんです。
一方、可能性で参加する人は、やることが山ほどあります。
- 自己紹介を練る
- 覚えてもらう一言を決める
- 何を聞くか決める
- 次につながる渡し方を決める
そして、準備した人にだけ、結果が起きます。
縁は、待つものではありません。
自分で起こすものです。
与えるのは、大きなことでなくていい
「与える側から入る」と言うと、身構える方がいます。
無料で仕事をするのか。時間を持ち出すのか。
そこまでしなくて大丈夫です。
与えるものは、その場で渡せる小さなもので十分です。
- 相手の困りごとに、心当たりのある人を1人思い出して伝える
- 相手の商売に使えそうな話を、1つだけ渡す
- 相手の話を、最後まで遮らずに聞く
最後のものが、実はいちばん効きます。
交流会では、みんな話したがっています。聞く人が、圧倒的に足りていません。
だから、最後まで聞くだけで珍しい人になります。
そして、こう思われます。
「この人とは、もう一度話したい」
これで十分です。1回目の目的は、契約でも紹介でもありません。
2回目が起きることです。
そこだけ狙えば、その日にやることは驚くほど少なくなります。
まとめ
- 期待は、自分でコントロールできないこと
- 可能性は、自分が起こせる動作
- 期待で行くと、目の前の人が候補になり、それが伝わる
- 「紹介してください」は、相手にリスクを負わせている
- 「仕事にならなくてもいい」と先に言うと、リスクが消える
- セミナーも個別も同じ。期待をかけると売れない
- 可能性とは、準備のこと。準備した人にだけ結果が起きる
次の交流会の前に、自己紹介を1行だけ書き直して行ってみてください。
そして、仕事につながらないとき「交流会は意味がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
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