自分のことを、人前に出すのが苦手。
宣伝みたいで、恥ずかしい。
だから、発信が続かない。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この気持ちを持っている方は、たいていいい人です。
でも、1つだけ考えてほしいことがあります。
あなたが黙っていることで、困っている人がいるかもしれません。
ある方が書いた、最後の一段落
街での集客に挑戦した方が、振り返りの最後にこう書いていました。
私のサービスのようなものを探していた、出会いたかったと思っている人に見つけてもらえないことは、彼らにとっても機会損失である、ぐらいの気持ちで今後も取り組みます。
……この一段落を読んだとき、僕は何度も読み返しました。
なぜかというと、主語が変わっているからです。
「私が売りたい」ではありません。
「あなたに届けたい」になっています。
売り込みが苦しい、本当の理由
発信や売り込みが苦しい人は、頭の中がこうなっています。
自分 → 相手
自分の都合を、相手に押し出す形です。
この向きだと、必ず罪悪感が出ます。当然です。自分の得のために、相手の時間をもらう構図になっているので。
でも、こう置き換えるとどうでしょう。
探している人 ← 自分
相手のほうに、すでに困りごとがある。それを解ける人が、たまたま自分だった。
この向きだと、発信は押しつけではなく、案内になります。
やっていることは同じです。向きが変わっただけ。
でも、体感がまったく違います。
「探している人」は、本当にいます
ここで、必ず出てくる反応があります。
「そんな都合よく、探している人なんていない」
いえ、います。
考えてみてください。あなた自身、何かを探して検索したことがありますよね。
肩が痛くて整体を探した。相続のことで相談先を探した。子どもの習い事を探した。
そのとき、見つからなくて困ったことはありませんか。
その反対側に、黙っている専門家がいた可能性があります。
探している側からすると、いないのと、黙っているのは同じです。
見つけてもらえないと、何が起きるか
もう少し具体的に書きます。
あなたが黙っていると、探している人はどうするか。
別の誰かのところへ行きます。
そして、そこが合っていなかった場合、その人はこう思います。
「やっぱり、こういうのは意味がないな」
……つらいですよね。
その人は、諦めてしまいました。本当は、あなたのところに来ていれば解決していたかもしれないのに。
これが「機会損失」の中身です。
損をしているのは、あなただけではありません。
発信は、選んでもらうための材料です
もう1つ、大事な考え方があります。
発信するというのは、相手に選んでもらう材料を渡すことです。
材料がなければ、選べません。
たとえば、こんな情報がないと、相手は判断できません。
- 何をしている人なのか
- 誰の役に立てるのか
- どんな考え方でやっているのか
これを出さずにいるのは、謙虚さではなく、相手に不便を押しつけているのに近いです。
しかも、材料を渡した結果「合わないな」と思われたなら、それでいいんです。
合わない人が離れるのも、材料があってこそです。
材料がないと、合う人にも合わない人にも、何も起きません。
「見てほしい」ではなく「探している人へ」
最後に、明日から使える置き換えを1つ。
発信するとき、こう考えないでください。
「みんなに見てほしい」
これだと、反応が少ないときにへこみます。人数の話になってしまうので。
代わりに、こう考えてください。
「これを探している、たった一人に届けばいい」
こうすると、書く内容が変わります。
みんなに向けた文章は、当たりさわりのないものになります。誰の心にも刺さりません。
でも、たった一人を思い浮かべて書いた文章は、その一人に確実に届きます。
そして不思議なもので、一人に向けて書いたもののほうが、結果的に多くの人に読まれます。
自分のことだと感じる人が、増えるからです。
恥ずかしさは、消えません
最後に、正直なことを書いておきます。
視点を変えても、恥ずかしさが完全に消えることはありません。
僕自身、今でも自分のことを書くときは少し気恥ずかしいです。
だから、消そうとしないでください。
恥ずかしいまま、出していいんです。
むしろ、恥ずかしさが少し残っているくらいの文章のほうが、読む人には届きます。
慣れて、平気で自分を売れるようになった人の文章は、うまいけれど響かないことがあります。
そして、もう1つ。
出したあとの反応を、気にしすぎないでください。
反応が薄いと「やっぱり自分の話なんて誰も興味がない」と思ってしまいますが、読んで何も押さない人のほうが圧倒的に多いです。
黙って読んでいる人がいます。半年後に問い合わせてくる人がいます。
反応の数と、届いた数は、まったく別物です。
まとめ
- 黙っていると、探している人には「いない」のと同じ
- 「自分→相手」の向きだと、必ず罪悪感が出る
- 「探している人←自分」に変えると、案内になる
- 見つけてもらえないことは、相手の機会損失でもある
- 発信は、相手に選んでもらう材料を渡すこと
- 合わない人が離れるのも、材料があってこそ
- みんなではなく、たった一人に向けて書く
次の発信は、「これを探している一人」を思い浮かべて書いてみてください。
そして、発信が続かないとき「自分は目立つのが苦手だから」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
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