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  • プロフィールに実績を並べても、読まれません

    プロフィールに実績を並べても、読まれません

    プロフィールを、丁寧に書いた。

    経歴も、資格も、実績の数字も入れた。

    なのに、反応がない。

    「まだ実績が足りないのかな」と思って、また何かを足す。そしてまた読まれない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この繰り返しに入っている方は、本当に多いです。

    足りないのは情報ではありません。角度です。


    人が知りたいのは、「自分がどうなるか」だけです

    まず、大前提を1つ。

    読んでいる人が知りたいのは、あなたが何をするかではありません。

    自分がどうなるかです。

    ここを取り違えると、どれだけ丁寧に書いても届きません。

    たとえば、こういう書き方をよく見ます。

    「丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに合わせたプランをご提案します」

    悪い文章ではありません。でも、読んだ人の頭には何も残りません。

    やることしか書いていないからです。

    こう変えると、変わります。

    「丁寧にヒアリングします。だから、自分でも気づいていなかった強みが見つかります」

    「だから、どうなる」を足しただけです。それだけで、読み手が自分を重ねられるようになる。


    「◯◯しない」は、結果までセットで書く

    この考え方が一番効くのが、「◯◯しません」という書き方をするときです。

    強い言葉なので使いたくなるんですが、そこで止めると意味が半分になります。

    僕が使っている3つで説明します。

    • 売り込まない。
    • 説明しない。
    • 9割捨てる。

    これだけ並べると、「変わったことを言う人だな」で終わります。

    結果まで書くと、こうなります。

    • 売り込まない。→ だから、相談される。
    • 説明しない。→ だから、興味を持たれる。
    • 9割捨てる。→ だから、記憶に残る。

    一瞬で分かるようになりましたよね。

    原則だけだと「なぜ?」が残ります。結果まで書くと「なるほど」に変わる。

    書き終わったあと、自分の見出しを見返してみてください。「だから、どうなる」が抜けている場所が、たぶん何ヶ所かあります。


    タイトルと中身が、ずれていませんか

    もう1つ、見落とされやすいところがあります。

    タイトルと、その下の説明が、別々の思想で書かれている。

    タイトルは「何を学べるか」を言う場所です。説明は「なぜそれが大事か」を言う場所です。

    この2つが同じ方向を向いていないと、読み手の中で小さなズレが起きます。そして人は、ズレを感じると読むのをやめます。

    よくあるのが、タイトルだけをかっこよくしてしまうパターンです。

    見出しは決まった。響きもいい。でも、その下の文章は前から書いてあったものがそのまま残っている。

    タイトルだけ整えても、弱いんですよ。

    見出しを変えたら、その下も必ず読み直してください。上から下まで、同じ一本の線が通っているか。ここを揃えるだけで、伝わり方がまるで変わります。

    タイトル・写真・本文が、バラバラになっていませんか

    もう1つ、ページを作るときの話をします。

    人がページを見るとき、タイトル → 写真 → 本文の順で、一瞬で理解しようとします。

    ということは、写真も情報を運んでいるわけです。

    ところが、多くのページはこうなっています。

    全部、同じような人物写真。

    講師が話している写真。腕を組んだ写真。笑顔で立っている写真。

    これだと、何が伝わるか。

    「この人はよく話す人だ」

    ……それだけです。何を教えてくれる人なのかは、1ミリも伝わりません。

    写真は、その項目を象徴するものにしてください。

    • 「第一印象」の項目 → 人前で話している写真。聴衆がこちらを見ている
    • 「戦略・ポジショニング」の項目 → ホワイトボードで図を描いている写真
    • 「相談される」の項目 → 一対一で話している写真。名刺交換、握手

    こうすると、写真だけ見ても内容が分かるようになります。


    写真の並びにも、物語を作ってください

    もう一段上があります。

    写真を、順番で物語にするんです。

    たとえば、こういう並び。

    話す → 教える → 相談される

    見出しを読まなくても、この3枚を上から見ただけで「なるほど、こういう流れなんだな」と伝わります。

    人は、思っている以上に文章を読みません。でも、並んでいる絵からは勝手に意味を読み取ります。

    だから、写真を選ぶときは1枚ずつではなく、並べたときにどう見えるかで決めてください。


    1枚差し替えただけで、離脱が半分になりました

    これは、自分のページで実際に測った話です。

    僕は、自己紹介の動画を見てもらうページを持っています。

    そのページの数字を見ていたとき、あることに気づきました。

    開いた人の38%が、一番上の画面だけ見て帰っていた。

    本文も、実績も、その先にある動画も、何も見られずに終わっていたわけです。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あれだけ中身を作り込んだのに、そこまで到達すらしていなかったのかと。

    そこで、一番上の部分を差し替えました。写真と、最初に出す言葉を変えただけです。中身の文章は、ほとんど触っていません。

    結果、離脱は20%まで下がりました。

    38%が20%です。開いた人の5人に1人しか帰らなくなった。

    このとき僕が学んだのは、これです。

    中身をどれだけ足しても、最初の画面で帰られたら意味がない。

    多くの人は、読まれない原因を「中身」に探します。でも実際は、中身にたどり着く前で起きていることが多いんですよ。


    まとめ

    • 人が知りたいのは「自分がどうなるか」。やることだけ書かない
    • 「◯◯しない」は、結果までセットで書く。だから、どうなる?
    • 写真も情報を運んでいる。全部同じ人物写真だと何も伝わらない
    • 写真は、その項目を象徴するものにする
    • 写真の並びで物語を作る。話す → 教える → 相談される
    • 一番上の画面で、勝負はほぼ決まっている

    足すのをやめて、角度を変えてみてください。書き直す量は、思っているよりずっと少なくて済みます。

    そして、読まれないとき「自分の実績が弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • グダグダな交流会こそ、チャンスでした

    グダグダな交流会こそ、チャンスでした

    交流会に行くとき、こんなふうに選んでいませんか。

    「あそこは、レベルが高そうだ」

    「意識の高い経営者が集まるらしい」

    逆かもしれません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、こう思っています。

    意識の高い人ばかりの場では、目立てません。

    みんな話がうまいからです。みんな自分の仕事を説明できるからです。

    そういう場で、あなただけが記憶に残るのは、かなり難しい。


    目立てる場所は、こういうところです

    では、どんな場がいいのか。

    みんなが、自分をうまく語れない場所です。

    順番に話してはいるけれど、何をしている人なのか伝わってこない。名刺を配って終わっている。会話も表面的。

    こういう場、たくさんありますよね。「今日はハズレだったな」と思って帰るような場です。

    そこが、一番のチャンスです。

    理由は2つあります。

    1つめ。そこに、仕事を必要としている人がいる。

    レベルが高い場ほど、みんなすでに解決できています。困っている人は、むしろ普通の場にいます。

    2つめ。誰も自分を語れていないから、語れる人が浮き上がる。

    これが決定的です。

    作り込んだ話を、いいオーラで話す。それだけで、その場の空気が変わります。そして相手の頭に残るのは、こういう印象です。

    「単なる専門家」ではなく、「ビジネスができる人」

    この差は、大きいです。専門家は「必要なときに思い出される人」ですが、ビジネスができる人は「まず相談される人」になります。


    ポジショニングとは、交わらないこと

    もう少し根っこの話をします。

    ポジショニングというのは、他と交わらないことです。

    同じ土俵に立って、そこで一番になろうとするのがナンバーワン戦略。

    そもそも同じ土俵に立たないのが、ポジショニングです。

    これはWebの話だと思われがちですが、リアルの場でもまったく同じなんですよ。

    みんなが同じような自己紹介をしている場に、まったく違う話し方の人が一人いる。それだけで、交わっていない状態が作れます。

    わざわざ強い人が揃っている場所へ行って、正面から比べられる必要はありません。

    「行く意味がなかった」と思う前に

    こう言うと、必ずこう返ってきます。

    「でも、あの場には、お客さんになりそうな人がいませんでした」

    その判断、少し早いかもしれません。

    その場にいる人が客かどうかより、その場にいる人が誰を知っているかのほうが大きいからです。

    目の前の一人が、あなたの客ではなかったとします。でもその人には、必ず周りに人がいます。同業者、取引先、友人。

    紹介は、客からではなく、客じゃない人から来ます。

    そして紹介してもらうために必要なのは、仲良くなることではありません。

    一言で思い出せる状態になっていることです。

    「そういえば、こういうことで困ってる人がいたな。あ、あの人だ」

    この「あ、あの人だ」が起きるかどうか。それだけです。

    だから、その場に客がいるかどうかは、実はあまり関係ありません。思い出される状態で帰れたかどうかが全部です。


    5年間で、手ぶらで帰った日は1回だけでした

    僕自身の話をします。

    ある時期、僕はセミナーを全部やめました。集客の手段を、交流会1本に絞ったんです。

    周りからは「なんでそんな効率の悪いことを」と言われました。

    その5年間で、手ぶらで帰った日は、たった1回です。

    特別なトークがあったわけではありません。人脈が広かったわけでもありません。

    やっていたのは、出会った一人を、必ず次に進めることだけでした。

    そして、そのために毎回、自己紹介を作り直していました。何を残して何を捨てるか。どこで相手の顔が動くか。毎回、その場で確かめて、次に反映する。

    場所を増やすより、一つの場での自分を磨いたほうが早いんです。


    ホームページを作る前に、やることがあります

    ここまで読んで、こう思う方がいると思います。

    「でも、ちゃんとしたホームページがないと信用されないのでは」

    気持ちは分かります。僕もそう思っていた時期があります。

    でも、順番が逆です。

    自己紹介が先、ホームページは後。

    理由は単純です。

    自分の言葉で語れないものは、Webに載せても伝わらないからです。

    ホームページを作るとき、必ず「誰に、何を、どう伝えるか」を決めることになります。それが決まっていない状態で制作会社に行くと、どうなるか。

    きれいだけど、何も言っていないサイトができます。

    そしてお金と時間だけが減る。

    だから僕は、相談に来た方にまずこう言います。

    「まず、自己紹介を持って行ってきてください」

    そして、交流会で毎回ブラッシュアップしてもらう。「1分話せば、相手が前のめりになる」という状態を作ってもらう。

    そこまで来ると、面白いことが起きます。

    「ホームページがないと」という思い込みが、勝手に消えるんです。だって、もう仕事が取れているんですから。

    そのうえでWebに落とすと、今度は本当に効くものができます。言語化が終わっているから、載せる中身が決まっている。

    ポジションを取らないままWebに行くのが、一番よくある失敗です。


    まとめ

    • 意識の高い人ばかりの場では、目立てない
    • みんなが自分を語れない場が、一番のチャンス
    • そこには、困っている人がいる
    • 語れる人は「専門家」でなく「ビジネスができる人」に見える
    • ポジショニングとは、交わらないこと。同じ土俵に立たない
    • 場所を増やすより、一つの場での自分を磨く
    • 自己紹介が先、ホームページは後

    行く場所を変える前に、行った場所での自分を変えてみてください。

    そして、仕事につながらないとき「行っている場所が悪いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • あなたの弱みは、そのまま売り物になります

    あなたの弱みは、そのまま売り物になります

    苦手なことがある。

    分からないこともある。

    でも、それを言ったら選ばれなくなる気がして、黙っている。

    聞かれたら困るなと思いながら、できる人の顔をして立っている。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の方に、僕はいつもこう言います。

    弱点を隠すのは、優しさではなくプライドです。

    厳しい言い方ですが、隠している理由は「相手のため」ではありません。自分がすごいと思われたいからです。

    そして残念なことに、相手には全部見えています。


    お客さんは、絶対に騙せません

    これは、はっきり言い切れます。

    お客さんは、目が肥えています。

    「この人は、どう売り込んでくるんだろう」と思いながら、こちらを見ています。それが普通です。

    そういう相手に対して、こちらが「自分のほうが上だ」という前提で立つと、必ず足元をすくわれます。曖昧なところは見抜かれるし、都合の悪い質問を避けたことも伝わる。

    では、どうするか。答えは単純です。

    先に言ってしまえばいい。


    「私は完璧ではありません」と言っています

    僕は、自分のセミナーで、はっきり言っています。

    「私は、完璧ではありません」「僕は、何でもすべて分かるわけじゃありません」

    そのうえで、こう続けます。

    「企業戦略については、僕より引き出しの多い方がいます。だから第3週の講義は、その方に登壇をお願いしています」

    正直に言うと、これは僕にとって損な話です。自分ひとりで全部やったほうが、売上は残るんですから。

    でも、実際に起きたことは逆でした。

    参加してくれた方から、こう言われたんです。

    「そこで共感して、申し込みました」「こんなに正直に言う人がいるんだ、と思ったら、逆に親身になってくれていると分かった」

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。弱みを見せたことが、決め手になっていたわけですから。


    「晒す」だけでは、足りません

    ただし、注意点があります。

    弱点を言うだけだと、ただの不安材料です。

    「私はここが苦手です」で終わったら、相手は「じゃあ、その部分はどうなるんだろう」と心配になる。心配が大きくなると、人は買いません。

    だから、必ずセットで伝えます。

    弱点 + それを補う仕組み。

    • 「ここは苦手です。だから、その分野の専門家に入ってもらっています」
    • 「これは僕にはできません。だから、できる人を紹介します」
    • 「この部分は不得意です。だから、そこは別の形でカバーしています」

    こう伝えると、弱点がサービスの説明に変わります。

    しかも、ここが面白いところなんですが。補った結果、サービスそのものの質が上がります。質が上がれば、値段を上げる理由にもなる。

    弱点を認めた瞬間から、商品が良くなっていくんですよ。


    「消すな」と、手を止められました

    弱点の扱い方について、僕には忘れられない場面があります。

    僕はマインドマップを、開発したトニー・ブザンさんご本人から直接学びました。

    あるとき、書いているうちに間違えて、消しゴムで消そうとしたんです。

    そうしたら、手を止められました。

    「これは失敗じゃない。消すな。別の形に変えられないか、考えなさい」

    その場では、正直よく分かりませんでした。間違えたんだから消すでしょう、と。

    でも今は、これが全部だと思っています。

    「ダメだ、できない」で止めない。「違うものに置き換えられないか」で考える。

    弱点も同じです。消そうとするから苦しくなる。置き換えられないかと考えると、道が出てきます。


    しゃべりが上手い必要は、ありません

    もう一人、教材として何度も使わせてもらっている方がいます。

    北海道の赤平で、ロケットを作っている植松努さんです。

    その方のプレゼンを、僕はセミナーで流すことがあります。

    そして、こう言います。

    「この社長のプレゼン、全然上手くないですよね」

    本当に、上手くないんです。話し方の教科書に載るようなものではありません。

    でも、伝わるんです。

    会場が静まり返って、涙ぐむ人まで出る。

    なぜか。想いがあるからです。

    その方は、中学の先生に「お前なんかにできるわけがない」と言われた経験から、こう言い続けています。

    「どうせ無理」は、人の可能性と自信を奪う、最悪の言葉だ。

    そして、その言葉の代わりに広めたい言葉があると言います。

    「だったら、こうしてみたら」

    僕はこれを聞いてから、自分の言葉も変えました。人に対しても、自分に対しても。

    弱点を見つけたときに「どうせ無理」と言うのか、「だったらこうしてみたら」と言うのか。

    その一言の差が、たぶん全部を分けます。


    まとめ

    • 弱点を隠すのはプライド。相手のためではない
    • お客さんは目が肥えている。隠しても見抜かれる
    • 先に言ってしまう。正直さが、そのまま信頼になる
    • 晒すだけでは不安材料。必ず「補う仕組み」とセットで伝える
    • 補うと、サービスの質が上がる。値段を上げる理由にもなる
    • 「ダメだ」で止めず、「置き換えられないか」で考える
    • 「どうせ無理」でなく「だったらこうしてみたら」

    弱みは、消す対象ではありません。まだ売り物にしていないだけです。

    そして、選ばれないとき「自分にはまだ足りないものがあるからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 人は、機能ではなく「人」で選びます

    人は、機能ではなく「人」で選びます

    実績も出した。資格も取った。ホームページも作り直した。

    なのに、選ばれない。

    そして「まだ足りないんだ」と思って、また何かを足す。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この足し算を続けている方に、僕はいつもこう言います。

    ナンバーワンを作ろうとしないでください。オンリーワンを創ってください。

    一番になる必要はありません。その人でなければならない理由があればいいんです。


    誰から買うか、って結構大事じゃないですか

    車を思い浮かべてください。

    同じ車が、日本全国どこでも同じ値段で売られています。中身はまったく同じ。

    それでも、こう思うことがありますよね。

    「この営業マンからは、買いたくないな」

    逆もあります。「この人からなら買ってもいいかな」。

    中身が同じなのに、です。

    なぜかというと、車は買って終わりじゃないからです。点検も、故障も、乗り換えも、そのあとずっと付き合っていく。つまり、人を選んでいる。

    先生業やコンサルは、もっとそうです。高い金額を払って、そこから何ヶ月も一緒に走る。

    そして、こういう傾向があります。

    値段が上がれば上がるほど、「誰から買うか」の比重が大きくなります。

    安いものなら、機能で選べます。でも高いものは、失敗したくない。だから最後は人を見るんですよ。


    スーパーで、いらないものを買ってしまう理由

    もっと身近な話をします。

    スーパーで、元気なおばあちゃんが試食を配っていることがあります。

    「これね、今日いちばん美味しいのよ!」

    ……買っちゃうんですよね。

    別に、要らなかったのに。

    あのとき、僕たちは何を見ていたか。商品ではありません。あのおばあちゃんの元気さを見ていた。

    つまり、僕たちは日常的に無意識に人で選んでいます。自分では機能で選んでいるつもりでも、実際は違う。

    これが分かると、やることが変わります。

    商品を磨くのと同じくらい、自分を伝えることに時間を使っていいんだ、と分かるからです。


    数字だけでは、心は動きません

    ここで、多くの人がつまずくポイントがあります。

    実績を数字で出せば、選ばれると思っている。

    数字は大事です。信頼の土台になります。でも、数字だけでは足りません。

    イチロー選手のことを考えてみてください。

    とんでもない数字を残した人です。でも、ファンになった人たちは、数字に共感してファンになったのでしょうか。

    違いますよね。

    天才と言われながら、実はものすごい努力家だった。毎日同じルーティンを崩さなかった。その過程に、みんな心を動かされている。

    数字そのものではなく、その数字を出すまでに何があったか。

    そこに、共感が生まれます。

    だから僕は、実績を語るときにこう考えます。

    この数字の裏側に、共感してもらえるポイントが隠れていないか。

    「半年で売上が2倍になりました」だけだと、すごいなで終わります。

    「もともとは体験会をやっても誰も申し込まなくて、半年間ずっと悩んでいた先生がいました。そこから……」と始めると、話が変わります。

    人の心を動かせるのは、人の心だけなんですよ。


    主人公は、あなたではありません

    もう1つ、順番の話をします。

    自己紹介やプロフィールを作るとき、多くの人が自分を主人公にします。

    自分がどう頑張ったか。何を成し遂げたか。

    気持ちは分かるんですが、これだと聞き手の入る場所がありません。

    主人公は、お客さんです。

    スターウォーズでたとえるなら、ルーク・スカイウォーカーがお客さんで、僕たちはヨーダです。

    冒険をするのは、お客さんのほう。僕たちは、その人が旅に出るのを助ける側です。

    この立ち位置になると、話す内容が変わります。「私はすごい」ではなく、「あなたは、こうなれる」になる。

    そして不思議なもので、こちらのほうが結果的に自分が魅力的に見えます。


    「あなたに会うと元気になる」と、何百回も言われました

    自分の何を伝えればいいのか。ここで止まる人が、本当に多いです。

    僕もそうでした。長いこと、自分に何の魅力があるのか分かりませんでした。だから実績を並べることしかできなかった。

    でも、あるとき気づいたんです。

    会う人、会う人が、同じことを言う。

    「あなたに会うと、元気になる」

    一度や二度ではありません。何百回も言われました。

    そこで、はじめて思ったんです。ああ、自分はそういう存在なのかもしれない、と。

    言われなければ、一生気づかなかったと思います。

    これが何を意味するかというと、こういうことです。

    自分が思っている自分と、他人から見た自分は、違います。

    そして選ばれる理由になるのは、たいてい他人から見た自分のほうなんですよ。自分が「これが強みだ」と思っているものは、意外と誰も見ていなかったりする。

    だから、自分の魅力が分からないときは、探すのをやめてください。聞いてください。

    「私って、どんな人だと思いますか」

    近い人ほど、あっさり答えてくれます。そして、たぶん自分では思ってもみなかった答えが返ってきます。

    全員を取ろうとすると、味が消えます

    最後に、これも覚えておいてください。

    全員に好かれようとすると、自分の味が出せません。

    誰にも嫌われない話し方をすると、誰の記憶にも残らない話し方になります。

    尖った部分は、必ず一部の人に刺さらない。でも、その代わりに刺さる人には深く刺さります。

    選ばれるというのは、選ばれないことをセットで受け入れることです。

    そこを引き受けた人だけが、「この人じゃないと」と言われるようになります。


    まとめ

    • ナンバーワンでなく、オンリーワン。一番になる必要はない
    • 値段が上がるほど、「誰から買うか」の比重が上がる
    • 人は無意識に人で選んでいる。スーパーのおばあちゃんの話
    • 数字だけでは心は動かない。数字の裏側にある過程を語る
    • 主人公はお客さん。自分はヨーダの位置に立つ
    • 全員を取ろうとすると、味が消える

    足すものは、実績ではないかもしれません。あなた自身かもしれません。

    そして、選ばれないとき「まだ実績が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 1分の自己紹介は、9割を捨てて作ります

    1分の自己紹介は、9割を捨てて作ります

    交流会で名刺を配る。自己紹介もする。

    「いい話でしたね」と言われる。

    でも、そこから何も起きない。

    もっと伝わるようにしなきゃ、と次はもっと詰め込む。実績も足す。想いも足す。それでも変わらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、いつも同じことを伝えています。

    言いたいことは、9割捨ててください。

    足りないから伝わらないのではありません。多すぎるから消えているんです。


    3つだけ、守ってください

    僕がやっているのは、この3つだけです。

    1. 売り込まない。→ だから、相談される。

    売ろうとした瞬間、相手は身構えます。身構えた人は、相談してくれません。売らない人のところにだけ、相談が来ます。

    2. 説明しない。→ だから、興味を持たれる。

    説明されると、人は「分かった」と思います。分かった話に、質問は生まれません。分からないから、聞きたくなる。

    3. 9割捨てる。→ だから、記憶に残る。

    10個渡されたら、1つも残りません。1つだけ渡されたら、それが残ります。

    僕はこれをクロージング自己紹介と呼んでいます。売り込んで終わらせるのではなく、相手が「続きを聞きたい」と思う状態を作って終わる自己紹介、という意味です。


    そもそも、自己紹介は目的ではありません

    ここで一度、立ち止まってほしいことがあります。

    あなたが本当に欲しいのは、いい自己紹介ですか。

    違いますよね。欲しいのは、案件です。紹介です。仕事です。

    自己紹介は、そこへ行くための手段でしかありません。

    ところが、作り込んでいるうちに、いつのまにか目的がすり替わります。「うまく話せた」「かんだところがなかった」が基準になる。

    うまく話せた自己紹介と、案件につながる自己紹介は、別物です。

    うまく話すことを目指すと、情報が増えます。抜けがないように、誤解されないように、と足していく。そして誰の記憶にも残らないものが完成します。


    「あなたは、何を売るんですか」

    昔、こんなことがありました。

    人事を長くやってこられた方が、相談に来られました。とても優秀な方です。話も上手でした。

    ただ、交流会で自己紹介をしても、こう言われてしまう。

    「この人は、何をしたい人なんだろう」

    僕は、最初にこう聞きました。

    「あなたは、何を売るんですか」

    その方は、しばらく黙って、こう答えました。

    「私は……売るものがない」

    本人が、一番驚いていました。

    長く経験を積んで、実績もあって、話もできる。それなのに、自分が何を差し出す人なのかが、決まっていなかった。

    ここが、9割捨てる前にやるべきことです。

    残す1割が決まっていないのに削っても、ただ短くなるだけです。何を残すかを先に決める。だから削れる。

    その方は、そこから人生の谷を掘り下げて、毎回書いて、言葉にして、最後にそれを全部1つに集約しました。それが自己紹介になりました。

    そして、交流会での自己紹介がきっかけで、ある経営者から「ぜひうちで人事部長をやってほしい」と声がかかりました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。自己紹介から、そこまでいくのかと。


    分かっていることと、伝えられることは、別物です

    その方が、後にこう言っていました。

    「人は自分を知っているようで、知らない。頭の中で何となく分かっていることであっても、自分が何者か、何をしたい人かを言葉にして明確に伝える力というのは、分かっていることと伝えることで、まったく別物だ」

    これ、本質だと思います。

    多くの人は「自分のことは自分が一番分かっている」と思っています。だから自己紹介を、思い出して並べる作業だと考える。

    違うんですよ。作る作業です。

    自分の中を掘って、素材を出して、それを1つに集約する。順番はこうです。

    1. 自分を知る(素材を出す)
    2. 集約する(1つに絞る)
    3. 反復する(口に馴染ませる)

    3つめも大事です。本番の自信は、才能ではなく反復から来ます。


    60秒で終わってください

    具体的な形も置いておきます。

    目安は60秒。文字数にして300字前後です。

    450字書いてくる人がいますが、多すぎます。せっかく興味を持ってもらえても、長いとその気持ちがどこかへ消えていきます。

    そして、全部言い終わらないでください。

    「もっと聞きたい」で終わるのが、正解です。

    聞かれたら、そこで初めて話せばいい。聞かれてから話したことは、押しつけになりません。

    何を残すかは、こう決めます

    「9割捨てろと言われても、どれを捨てればいいのか」

    そう思いますよね。判断の基準を2つ置いておきます。

    1つめ。競合も言える言葉は、捨てる。

    「お客様に寄り添います」「丁寧にサポートします」。悪い言葉ではありません。でも、同じ業界の全員が言えます。全員が言える言葉は、誰の記憶にも残りません。

    2つめ。「え、どういうこと?」と思われる言葉を残す。

    人が足を止めるのは、腑に落ちたときではありません。引っかかったときです。

    僕が「言いたいことは9割捨てなさい」と言うと、たいてい変な顔をされます。「いや、伝えなきゃ伝わらないでしょ」と。

    その顔が出た瞬間、こちらの勝ちです。説明したくなるのは、こちらではなく相手のほうになっているからです。

    きれいにまとまった言葉より、少し引っかかる言葉。残すならこちらです。


    まとめ

    • 言いたいことは9割捨てる。足りないのではなく、多すぎて消えている
    • 売り込まない → 相談される
    • 説明しない → 興味を持たれる
    • 9割捨てる → 記憶に残る
    • 自己紹介は手段。目的は案件。うまく話すことを目指さない
    • 捨てる前に、残す1割を決める。「あなたは何を売るのか」
    • 60秒・300字前後。全部言い終わらずに終える

    削るのは怖いです。でも、削らないと残りません。

    そして、案件につながらないとき「自分の実績が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 買う直前、人の財布はこう緩みます

    買う直前、人の財布はこう緩みます

    単価を上げたい。

    でも、追加で何かを勧めるのは気が引ける。押し売りだと思われたくない。

    その結果、いつも最低限だけ売って終わる。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この遠慮、まじめな人ほど強く持っています。

    でも、1つだけ知っておいてほしいことがあります。

    同じ提案でも、いつ言うかで、受け取られ方がまったく変わります。

    そして一番受け取ってもらえるのは、相手が「買う」と決めた直後です。


    決めた瞬間と、決める前は、別世界です

    車の営業を思い浮かべてください。

    250万円の車を見に来たお客さんに、営業マンがこう言います。

    「こちらのほうが燃費もよくて、乗り心地も違いますよ」

    差額は、20万か30万。

    すると、けっこうな確率で「じゃあ、そっちにします」となります。250万を出すと決めた人にとって、20万は”そのくらいなら”の範囲になるからです。

    そして、買うと決まった直後にこう続きます。

    「ナビ、つけておきますね」

    「マットと保証も、つけておきますね」

    ここで大事なのは、言い方です。

    「つけますか?」ではありません。「つけておきますね」です。

    もう買うと決まっている前提で話す。これが、あの数分間で単価が上がっていく仕組みです。


    なぜ、嫌がられないのか

    不思議に思いませんか。同じことをしているのに、なぜ押し売りにならないのか。

    理由は、相手の頭の状態が違うからです。

    買わないと決めた人に同じことをすると、ものすごく嫌われます。しつこい、と思われる。

    でも買うと決めた直後の人にとっては、こう見えます。

    「この人、一生懸命やってくれているな」

    同じ言葉が、真逆に受け取られる。中身ではなく、タイミングの問題なんですよね。

    だから僕は、決まる前に足さないと決めています。

    「これも付けられます」「こういうオプションもあります」を決断の前に出すと、相手は迷います。迷いは、そのまま先送りになります。

    まず1つ、決めてもらう。足すのは、そのあと。


    「8割の人は、こちらを選んでいます」

    もう1つ、単価に効く伝え方があります。

    前提を、先に置いておくという方法です。

    たとえば、こう言います。

    「これから独立される方の8割は、だいたいこちらのコースを学ばれています」

    これを聞いた相手の頭の中では、何が起きるか。

    そこが基準になります。

    人の脳は、先に示された数字や前提を軸にして考えます。「8割がこっち」と聞いた瞬間、こちらが標準になり、下のコースが「削った版」に見えるようになる。

    僕が主催している講座でも、これは毎回起きます。3つのコースを用意していて、9割の方が一番高いものを選びます。

    理由ははっきりしています。前提を置いているからです。

    「今後の集客で、動画があるかないかで全然違うのは、もうご存じですよね」

    こう言ってから、実際の映像を見せる。そして「動画だけを外注すると制作費が100万を超えます」と伝える。

    すると、こうなります。

    「どうせやるなら、絶対こっちだよね」

    値段の話をしているようで、していないんです。していたのは、判断の基準を渡す話でした。

    ただし、最後は必ずこう言います。

    「必要ないと思われる方は、3つから自由に選んでいただいて結構です」

    委ねる。ここを外すと、押しつけになります。


    買った人に貼る、一枚のラベル

    もう1つだけ、お金のかからない方法を紹介します。

    セミナーのあと、個別相談に申し込んでくれた方に、僕はすぐメールを送ります。

    そのとき、こう書きます。

    「◯◯さんのように、こんなに真剣にメモをとってくださる方って、実はすごく少ないんですよ。その姿勢、僕も今日、学ばせていただきました」

    これだけです。

    すると、返ってくる返事が変わります。

    「行ってよかったです」「個別相談、楽しみにしています」

    人は、貼られたラベルの通りに動きます。「真剣な人」と言われた人は、次の場でも真剣に来てくれる。

    年賀状と同じです。印刷だけのものと、手書きで一言入っているもの。届いたときの気持ち、まったく違いますよね。

    マニュアル通りのお礼メールを送っても、何も起きません。その人にしか当てはまらない一言を、1行入れる。それだけです。


    ただし、これは価値がある場合だけです

    ここまで書いておいて、大事なことを言います。

    足すものに、本当に価値がないとダメです。

    いらないものを「つけておきますね」で売ったら、それはただの押し売りです。そして必ず、後で返ってきます。返品か、悪い評判か、二度と来ないという形で。

    僕が上のコースを勧めるのは、そちらのほうが早く結果が出ると本気で思っているからです。思っていないものは、勧めません。

    タイミングの話は、あくまで良いものを、受け取ってもらいやすい形で渡すための工夫です。悪いものを通すための道具ではありません。

    ここを間違えると、短期的には売れて、長期的に全部失います。


    まとめ

    • 提案するのは、相手が「買う」と決めた直後
    • 「つけますか?」でなく「つけておきますね」
    • 決まる前に足さない。迷いが生まれて、先送りになる
    • 前提を先に置く。「8割の方はこちらです」で基準が動く
    • 最後は必ず委ねる。「自由に選んでください」がないと押しつけになる
    • その人だけに当てはまる一言を、1行入れる。人はラベル通りに動く
    • 足すものに価値がなければ、全部台無しになる

    単価を上げるのは、押すことではありません。順番を変えるだけです。

    そして、単価が上がらないとき「自分の商品が安く見えるからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝えてください

    伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝えてください

    伝えたいことが、たくさんある。

    全部、大事なことだと思っている。だから全部入れる。

    そして話し終えたあと、相手の顔を見て気づきます。

    何も残っていない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の方に、僕はいつも同じことを言っています。

    伝えたいことが5つあるとしたら、その中の1つだけを100%伝えてください。


    この一言が、契約の引き金になりました

    なぜこの話から始めたかというと、実際にあったことだからです。

    ある交流会で、はじめてお会いした方がいました。不動産の賃貸業をやっていて、少額の不動産投資を教える講座も作ろうとしている方でした。

    その方の悩みは、こうでした。

    「限られた時間の中で、自己紹介がまとまらない」

    「言いたいことがたくさんあって、話があっちこっちに行ってしまう」

    僕はその場で、さっきの一言を言いました。伝えたいことが5つあるなら、フロントセミナーでは1つだけ100%伝えるといいですよ、と。

    後から聞いた話です。その方は、こう思ったそうです。

    「ちょー納得で、印象的で、この人は他のコンサルと何かがちがう、と思った」

    そこから、コンサルティングが始まりました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。その場の一言だけで決まっていたなんて、こちらは思ってもいませんでしたから。

    ちなみにその方は、その後どうなったか。自分のストーリーを話すようになって認知度が上がり、第三者が勝手に紹介してくれるようになって、成約率は80%を超えました。

    出発点は「自己紹介がまとまらない」でした。


    詰め込むと、なぜ消えるのか

    理由は単純です。

    人は、一度に1つしか持って帰れないからです。

    5つ渡されると、どれを持てばいいか分からなくなる。だから、結局どれも持たずに帰る。

    これは相手の理解力の問題ではありません。渡し方の問題です。

    もう1つ。全部話そうとすると、必ず1つあたりが浅くなります。

    5つを浅く話した人と、1つを深く話した人。どちらが「この人は分かっている」と思われるか。答えは、考えるまでもないですよね。


    全員に刺そうとした人が、一番失敗しました

    似た話で、忘れられない報告があります。

    料理と健康の分野で活動している方でした。本当は、美容師さんに向けたサービスが本命だったんです。

    でもその方は、セミナーで全員に刺そうとした。

    美容師さんにも、飲食店の人にも、主婦の方にも届くように、言葉を広げていった。

    結果、こう報告してくれました。

    「一番、失敗しました」

    誰にも刺さらなかったんです。

    全員に刺さるように話すと、薄まります。逆に「この人を助けたい」と一点に向かうと、なぜかその周りにいる人にも響く。

    不思議ですが、何度見てもそうなります。

    ちなみに、僕はこの報告をくれたこと自体がすごく良いと思っています。やったから、この悩みが手に入ったわけですから。やらなかった人には、この学びは一生来ません。


    1分で話せるのは、300字です

    具体的な数字も出しておきます。

    1分=約300字。

    これが目安です。

    以前、映像制作をやっている方の自己紹介を見たことがあります。とても良い内容でした。「表情を読んで、3秒先の未来が見える」「人柄を映像で表現する」。言葉のセンスもある。

    ただ、350字を超えていました。

    そして中身が、だんだん会社の説明になっていた。

    僕はこう伝えました。

    「これは自己紹介じゃなくて、事務所紹介になっています」

    1分の自己紹介でやることは、記憶に残すことだけです。理解してもらう必要すらありません。

    だから、外せないキーワードを3つだけ決める。それが残れば勝ちです。

    残りは、興味を持ってくれた人が後で聞いてくれます。


    何を残すかは、どう決めるか

    「1つに絞れと言われても、どれを選べばいいのか」

    そう思いますよね。基準は1つです。

    その人が、今いちばん困っていること。

    自分が一番自信のあることでも、一番語りたいことでもありません。相手の痛みに一番近いものを選びます。

    そして、こう考えてみてください。

    この話を聞いて帰った人が、明日の朝、何を思い出すか。

    思い出してほしい一言を先に決めて、そこから逆算して話を組む。この順番にすると、自然と削れます。

    削るのは、勇気がいります。せっかく準備したものを捨てるわけですから。

    しかも、削っている最中はずっと不安です。「これで足りるのかな」「薄いと思われないかな」と。

    でも、思い出してみてください。あなたがこれまで受けた話で、今も覚えているものって、何個ありますか。

    たぶん、1つか2つですよね。

    それが答えです。どれだけ丁寧に話してもらっても、人が持ち帰れる量は変わりません。だったら、持ち帰ってほしいものをこちらで決めておいたほうがいい。

    捨てた分だけ、残ったものが届きます。


    まとめ

    • 伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝える
    • 人は一度に1つしか持って帰れない。渡し方の問題であって、相手の問題ではない
    • 全員に刺そうとすると、誰にも刺さらない。一点に向かうと、周りにも届く
    • 1分=300字。それ以上は事務所紹介になっている
    • 残すキーワードは3つまで。理解でなく、記憶に残せばいい
    • 選ぶ基準は「相手が今いちばん困っていること」
    • 明日の朝、何を思い出してほしいかから逆算する

    削るのは怖いです。でも、削らないと何も残りません。

    そして、伝わらないとき「自分の話し方が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 沈黙を怖がらない人が、信頼されます

    沈黙を怖がらない人が、信頼されます

    問いかけたのに、誰も答えない。

    3秒。5秒。

    耐えきれなくなって、自分で答えを言ってしまう。

    「……まあ、たとえばこういうことなんですけど」

    あの気まずさ、よく分かります。僕も長いこと、そうでした。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    その沈黙こそが、相手の頭を一番動かしている時間です。

    埋めてしまった瞬間、その効果は消えます。


    人の脳には、空白を埋めたがる機能があります

    なぜ沈黙が効くのか。

    人の脳は、空白ができると埋めようとするからです。

    問いを投げられて、答えが出てこない。その数秒間、相手の頭はフル回転しています。「なんだろう」「自分はどうだったかな」と、自分の中を探している。

    このとき起きているのは、自分ごと化です。

    こちらが答えを言ってしまうと、それは相手にとって「聞いた話」になります。でも自分で探して見つけたものは、「自分の答え」になる。

    同じ内容でも、残り方がまったく違うんですよね。

    僕が昔うまくいかなかったとき、何が起きていたか。振り返ってみて分かりました。

    空白が、ゼロだったんです。

    不安だから、しゃべって埋める。しゃべって埋めるから、相手が考える時間がない。考えないから、動かない。


    「集客うまくいってませんよね」は、こちらから言わない

    沈黙と同じ理屈で、もう1つ大事なことがあります。

    相手の痛いところを、こちらから言葉にしない。

    「集客、うまくいっていないんじゃないですか」

    正しい指摘でも、これは絶対に言いません。言った瞬間、相手は防御に入るからです。

    代わりに、こう聞きます。

    「今日は、どうして来られたんですか?」

    すると、本人の口から出てきます。「実は、集客がうまくいっていなくて」と。

    同じ言葉でも、こちらが言うのと本人が言うのとでは、まったく違うものになります。人は説得では動きません。自分で気づいたときにだけ動きます。

    どうしても伝えたいことがあるときは、他人の話にします。

    「以前、こういう方がいらっしゃいました。開業したばかりで、お客さんもゼロで……」

    第三者の物語なら、相手は身構えずに聞けます。そして途中で「あ、これ自分だ」と気づく。

    指摘するのではなく、気づける場所に連れていく。それだけです。


    質問は、答えを知っているものだけ投げる

    沈黙を作るには、投げる問いの質が要ります。

    僕が使っているのは、あらかじめ答えが分かっている問いです。

    その場の思いつきで質問すると、返ってきた答えの扱いに困って、結局こちらが慌ててしゃべることになります。そうやって空白が潰れる。

    だから、こう進めます。

    • 話を曲げる前に、方向を予告する(「ここで1つ、確かめたいことがあります」)
    • 答えの選択肢が絞れる問いを投げる
    • 待つ

    もう1つ、小さいけれど効くコツを。

    手を挙げてほしいときは、自分も一緒に挙げます。

    「◯◯だと思う方、いらっしゃいますか」と言いながら、自分の手を挙げる。すると、つられて挙がります。そして手が挙がった人は「自分だけじゃないんだ」と安心する。

    逆に、挙げてほしくないときは、自分の手は下げたまま聞きます。

    これだけで、場の空気は自分でコントロールできます。


    始まる前に、勝負はついています

    もっと手前の話もしておきます。

    どこに座ってもらうかです。

    セミナーで、後ろの席から埋まっていく。あの状態になると、その日はもう厳しい。距離があるまま終わります。

    昔、僕はここでずっと悩んでいました。「前にお座りください」と言っても、みんな後ろに行く。「ルールなので」と言うと、空気が固くなる。

    答えは、テレビで見つけました。

    ホテルマンが、お客さんにこう言っていたんです。

    「お荷物、お持ちします。こちらへどうぞ」

    これだ、と思いました。

    選ばせないんです。「あちらへどうぞ」でも「お好きな席へ」でもない。「あなたの席はここです」と、案内する。

    それ以来、僕はテキストを最前列だけに置いて、来た人を「こちらへどうぞ」と案内するようにしました。

    それから、前に座らなかった人は一人もいません。


    ぬいぐるみに向かって、練習していました

    「よく話せますね」と言われることがあります。

    でも、最初はまったく話せませんでした。登壇しても、頭が真っ白になって声が出ない。

    だから僕は、家で練習しました。

    部屋に椅子を3つ並べて、プロジェクターを立てて、クマのぬいぐるみを客席に置いて。

    そして、真面目に問いかけていました。

    「田中さん、どう思いますか?」

    ……我ながら、絵面はどうかと思います。でも、これをやらないと本番で言葉が出なかったんです。

    もう1つよく聞かれるのが、「話し方はどこで勉強したんですか」です。

    答えは、寅さんです。

    『男はつらいよ』の、あの間の取り方。俳優さんって、台本があるのに、その場で生まれた言葉みたいに話しますよね。あれを何度も見ました。

    セミナー講師も、同じだと思っています。その場を演じきる人です。

    沈黙が怖いのは、慣れていないからです。慣れは、練習でしか手に入りません。本気で練習したら、できます。才能の話ではありません。


    まとめ

    • 沈黙は、相手が自分ごと化している時間。埋めない
    • 痛いところを、こちらから言葉にしない。「どうして来られたんですか」で本人に言わせる
    • 伝えたいことは、他人の物語にする。指摘せず、気づける場所へ
    • 質問は、答えを知っているものだけ投げる
    • 手を挙げてほしいときは、自分も挙げる
    • 席は選ばせない。「こちらへどうぞ」と案内する
    • 沈黙が怖いのは、慣れていないだけ。練習でしか埋まらない

    しゃべる量を減らすだけで、伝わる量は増えます。

    そして、うまく話せないとき「自分に才能がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • セミナーは、3部構成にすると売れます

    セミナーは、3部構成にすると売れます

    セミナーの台本を作るとき、こんなふうになっていませんか。

    伝えたいことを、思いつくまま並べる。

    途中で商品の話も入れる。最後に「よかったらどうぞ」と付け足す。

    話し終えて、なんとなく手応えはある。でも誰も申し込まない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この形の人は、本当に多いです。

    話す中身は悪くありません。順番が混ざっているだけです。

    セミナーは、3つに分けてください。そして絶対に混ぜないでください。


    第1部:ノウハウ。ただし、やり方は教えない

    最初のパートは、価値を教えるところです。

    「こういうことがあると、まずいですよね」

    「ここがポイントなんです」

    こう伝えて、相手に気づいてもらう。

    ここで大事なのが、やり方そのものは教えないということです。

    前に書いたことがありますが、僕はデビュー戦で全部教えてしまって、17人中17人が大満足なのに成約ゼロという結果を出しました。理由は簡単で、全部渡すと「自分でできる」になるからです。

    だから1部でやるのは、「できていない」に気づいてもらうことまで。

    もう1つ、ここで絶対にやってはいけないことがあります。

    1部に商品の話を混ぜないこと。

    混ぜた瞬間、相手は「あ、最初から売り込まれていたのか」と感じます。それまでの話が全部、営業トークに聞こえるようになる。

    分けるだけで、この事故は防げます。


    第2部:商品。ただし、説明はしない

    2つめのパートで、はじめて自分のサービスの話をします。

    ここで多くの人がやるのが、商品説明です。

    こういう内容で、何回あって、こういうサポートが付いていて。

    ……買いませんよね。

    お米の説明をされて、お米を買った経験、ありますか。

    品種がこうで、産地がこうで、粒の大きさがこうで。聞いたところで、買う理由にはなりません。

    2部で伝えるのは、その人がどうなるかです。

    • 自分にもできそうだ、と思ってもらう(難しそうだと思われた時点で終わります)
    • 一人じゃない、と伝える(伴走する人がいる安心感)
    • 説明でなく、物語で伝える

    ここに、実際にいた人の話を入れます。同じところで悩んでいた人が、どう変わったか。人は説明では動きませんが、他人の物語には自分を重ねます。


    第3部:クロージング。3つのなぜで締める

    最後のパートで確かめてもらうのは、3つだけです。

    1. なぜ、これが必要なのか
    2. なぜ、あなたから買うのか
    3. なぜ、今なのか

    1つずつ、少しだけ補足します。

    1つめは、動機です。パソコンって、壊れそうにならないと買い替えませんよね。人は、必要だと感じるまで動きません。だからここを、ストーリーで伝えます。

    2つめは、判断の基準を渡すことです。ここで僕がよく使う言い方があります。

    「うちを、選ばなくてもいいですよ」

    本気で言います。そのうえで、こう続ける。

    「ただ、こういうことをやってくれるところを選んでください」

    ライバルを悪く言う必要はありません。選ぶ基準を渡すと、結果として自分が選ばれます。

    3つめは、今である理由です。ここが一番、抜けます。


    「また今度」と言った人が、1年後に来ました

    3つめの大切さを、僕は痛い形で知りました。

    ある方に「これはやっておいたほうがいいですよ」と伝えたことがあります。

    その方は「ありがとうございます、また今度」と言って帰っていきました。

    1年後、その方が来ました。

    800万円の借金を背負って、です。

    そして、こう言われました。

    「あのとき、早くやればよかった」

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。そして同時に、自分を責めました。僕が「今です」と言い切らなかったからだ、と。

    伝えなかったのは、遠慮です。押しつけたくなかった。でもその遠慮の代償を払ったのは、僕じゃなくてその人でした。

    それ以来、僕は死ぬ気で「今である理由」を伝えるようになりました。


    全員に全力を出すと、肝心なところで力が残りません

    もう1つ、構成と同じくらい大事なことがあります。

    誰に、どれだけの力を出すかです。

    昔の僕は、目の前の人全員に300%で接していました。それが誠実さだと思っていたからです。

    でも、師匠にこう言われました。

    「フロントで300%出したら、バックエンドがダウンするぞ」

    意味が分かるまで、少し時間がかかりました。

    無料の場で全部出し切ってしまうと、お金と時間を払ってくれた人に渡すものが残らないんです。

    今は、こう分けています。

    • 無料のセミナー:70%
    • 本気で申し込んでくれた人:300%

    冷たいと思われるかもしれません。でも逆です。一番大事にすべき人を、一番大事にするというだけの話なんですよ。


    まとめ

    • セミナーは3部に分ける。1部と2部を混ぜると、全部が売り込みに聞こえる
    • 1部はノウハウ。ただしやり方は教えない。気づいてもらうところまで
    • 2部は商品。ただし説明はしない。その人がどうなるかを、物語で
    • 3部はクロージング。なぜ必要・なぜあなた・なぜ今
    • 「うちを選ばなくてもいい」と言う。判断基準を渡すと、選ばれる
    • 今である理由を、遠慮せずに伝える
    • 無料の場で全力を出さない。払ってくれた人に300%を残す

    順番を分けるだけです。話す中身は、今のままでかまいません。

    そして、申し込まれないとき「自分の話がつまらないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 傾聴には、3つの型があります

    傾聴には、3つの型があります

    「話を聞くのは得意なほうです」

    そう思っている人ほど、実は相手が話してくれていないことがあります。

    うなずいている。相づちも打っている。それなのに、当たり障りのない話で終わってしまう。深いところまで降りていかない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで断言できます。

    話しやすい空気は、意識の外側で作られています。

    だから、気持ちだけでは足りません。型が必要です。


    その1:同じ言葉で、そのまま返す

    一番簡単で、一番効くのがこれです。

    相手が言った言葉を、そのまま返す。

    「高校のときにですね」と言われたら、「高校なんですね」と返す。

    これだけです。拍子抜けするくらい単純ですよね。

    でも、ここに落とし穴があります。言い換えてはいけません。

    相手が「売上が低迷していて」と言ったのに、「売上が下がっているんですね」と返す。意味は同じに見えますが、その人の中では別の言葉なんです。

    「低迷」を選んだのには理由があります。じわじわ続いている感じ、抜け出せない感じ。その人の実感が、その一語に入っている。

    それを「下がっている」に変えると、実感の部分がごっそり落ちます。

    そして怖いのが、その違和感は口に出ません。顔に出ます。

    「あ、この人には伝わってないな」と、相手が静かに判断して、そこから先の話が浅くなる。本人も、なぜ話す気がなくなったのか説明できません。

    言葉を返すのが難しければ、うなずきだけでもかまいません。「聞いていますよ」が伝われば、それでいいんです。


    その2:相手のスピードに、合わせる

    声のトーン、大きさ、話す速さ。これを相手に合わせます。

    早口の人には、こちらも少し早めに。「そうなんですね、はいはい」とテンポよく。

    ゆっくり話す人に、早口で返してはいけません。それだけで、相手は置いていかれた感じになります。

    呼吸を合わせると言ったほうが、近いかもしれません。

    僕はサラリーマン時代、クレーム対応の部署にいました。社内で「特殊部隊」と呼ばれていた場所です。ヤクザみたいな勢いで怒鳴り込んでくる方も、普通に来ます。

    そこで体で覚えたのが、これでした。

    興奮している相手には、一度こちらも合わせる。

    最初にやりがちなのは、「まあまあ、落ち着いてください」です。これは火に油なんですよ。落ち着けと言われて落ち着いた人を、僕は一人も見たことがありません。

    だから、まず合わせます。相手の勢いに、こちらのトーンを寄せる。それから、少しずつ速度を落としていく。

    すると、相手も一緒に降りてきてくれます。

    先に落ち着かせようとするのではなく、一緒に降りる。この順番です。


    その3:仕草を、少しだけ真似る

    相手が足を組んだら、こちらも自然に組んでみる。相手の目線が下がったら、一緒に下げる。

    これも、無意識の領域に効きます。

    やりすぎると気持ち悪いので、あくまで自然に。似ている人には気を許すという、それだけの話です。

    3つの中では一番おまけ的な位置づけですが、覚えておくと、相手が黙り込んだときに役立ちます。


    実は、座る位置が一番大きい

    3つの型よりも、もっと手前で決まってしまうことがあります。

    どこに座るかです。

    四角いテーブルで、真正面。この配置は、それだけで威圧感が出ます。相手は無意識に身構えます。

    思い出してほしいんですが、カウンターで飲むと、なぜか話が弾みませんか。

    同じ人と、同じ時間、同じ話をしているのに、正面で向き合うより明らかに話が出てくる。

    あれは偶然ではありません。目を合わせ続けなくていいからです。正面だと、視線を外すことが「そらした」ことになる。横並びなら、前を見ているだけで自然に外れます。

    人は、逃げ場があるほうがよく話すんですよ。

    だから僕は、大事な話ほどカウンターを選びます。スペースがなければ、自分の体や膝を少しずらすだけでもいい。

    セミナーの椅子も、まっすぐには置きません。必ず少し斜め、交互にします。僕のセミナーに、まっすぐな椅子は一つもありません。それだけで場の空気が変わります。


    ただ、これ全部より大事なことがあります

    ここまで型の話をしてきて、ひっくり返すようなんですが。

    姿勢がなければ、この3つは全部死にます。

    どれだけ上手にオウム返しができても、「早く決めてくれないかな」と思いながらやっていたら、伝わります。逆に、本当にその人のことを思っていれば、多少ぎこちなくても伝わるんですよ。

    以前、受講生同士でこんなワークをやったことがあります。

    1分間、片方が少しつらかった話をする。もう片方は、わざと聞かない。目も合わせない、あくびをする、興味なさそうにする。

    そのあと、話し手に感想を聞きました。

    「自分で自分に言っている感じで、全然話が出てこなかった」

    たった60秒です。

    次に立場を替えて、今度はきちんと聞いてもらう。うなずいて、同じ言葉を返して、一緒に驚く。すると、こうなりました。

    「情景が頭に浮かんで、もっと伝えたくなった」「時間の流れ方が、全然違った」

    同じ1分なのに、です。

    聞かれ方ひとつで、相手の中の世界がここまで変わる。だから僕は、テクニックの前に姿勢の話をします。


    姿勢を持つと、こんなことが起きます

    もう1つ、実際にあった話を。

    フロントセミナーで、明らかに態度の違う方がいました。ずっとスマホを見ている。

    昔の僕なら、その人にイライラして、そちらばかり気にしていたと思います。

    でもその日は、正直に言いました。

    「今日、なんだか気持ちが違うのであれば、この場で退席いただいても大丈夫ですよ」

    これは嫌味ではありません。本気で来ている人の時間を守りたかった、それだけです。

    そうしたら、思ってもみないことが起きました。

    隣に座っていた方が、その場で申し込まれたんです。セミナーが始まって、まだ15分でした。

    「この人が本気でやっているのが分かった」と、後で言われました。

    さらに、退席を促した本人からも、後日メールが来ました。

    「大変失礼しました。すごく感動しました。お金が貯まったら、先生のところに行きます」

    誰に向かって何をするのかを守る。その姿勢そのものが、一番強いメッセージになることがあるんですよね。

    そしてもう1つ。場に一人「聞かない人」がいても、そこに引っ張られないでください。

    その一人にイライラして場の空気を汚すと、ちゃんと聞いてくれている9人が犠牲になります。見るべきは、その9人です。


    まとめ

    • 同じ言葉で返す。言い換えると、実感が落ちて違和感が顔に出る
    • できなければ、うなずきだけでいい
    • 相手のスピードに合わせる。興奮している人にも、まず合わせて一緒に降りる
    • 仕草を少しだけ真似る。やりすぎない
    • 座る位置を変える。真正面を避けて、カウンターか、体を少しずらす
    • 姿勢がなければ、全部死ぬ
    • 聞かない一人に引っ張られない。残りの9人を見る

    いきなり全部はできません。まず、うなずきからでいいんです。次に「それは大変でしたね」と一言返せるようになる。1つずつ積んでいけば、必ず身につきます。

    そして、相手が話してくれないとき「自分に人望がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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