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  • 取れて当たり前、が一番危ない

    取れて当たり前、が一番危ない

    順調だったはずなのに、急に売上が落ちた。

    紹介が、ぱたっと止まった。

    理由が分からない。何も変えていないのに。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態で来られる方には、ほぼ例外なく共通していることがあります。

    そして、それはうまくいっている最中には、絶対に気づけません。


    最初のお客さんのことは、忘れないはずです

    まず、起業したばかりの頃を思い出してください。

    お客さんは、なかなか取れません。実績も少ない。単価だって低い。

    それでも勉強して、やってみて、失敗して、また勉強して。そうやって少しずつ獲得していきますよね。

    一番最初に取れたお客さんのことは、たぶん忘れていないと思います。

    そして、こういう社長さんが本当に多い。

    最初のお客さんに、すごく安い金額で、割に合わないくらい一生懸命やってあげた。

    僕もその一人です。

    一番最初の講座は、3ヶ月で、一人5万円でした。

    今は、100万円という単価まで上げられるようになりました。その先の200万、300万を目指してもいます。

    でも、いきなり100万だったわけではありません。5万円から、コツコツ積み上げてきただけです。


    人は、苦しかった時期を忘れます

    そこから、少しずつ変わっていきます。

    お客さんが取れるようになる。成果が上がってくる。お金も増えてくる。

    そして、会う人のレベルが変わります。

    すごい人たちに会えるようになる。ランチの場所が変わる。夜の会食も変わる。着るものも変わってくる。

    そのうち、それが当たり前になります。

    ここで誤解しないでほしいのですが、これ自体は悪いことではありません。

    自分のステージが上がって、それが標準になる。まったく問題ないです。むしろ、そうなるべきです。

    問題は、別のところにあります。

    当たり前になったときに、一緒に忘れてしまうものがある。

    • 取れていることが、当たり前
    • お金が入ってくることが、当たり前
    • お客さんがいることが、当たり前

    この状態がしばらく続くと、ほとんどの人が、あるものを忘れます。

    感謝です。


    「早く売上が上がる方法を教えてください」

    売上が落ちて相談に来られる方は、こう言います。

    「とにかく、早く売上を上げたいんです」

    「すぐ効く方法を教えてください」

    気持ちは、痛いほど分かります。目の前の数字が怖いんですから。

    でも、その方の意識を見ていると、目の前の売上にしか向いていません。

    これまで自分が何をしてもらってきたかには、まったく向いていない。

    そして僕の経験上、その状態が長く続いた人ほど、売上が突然消えたり、紹介がぱたっと止まったりします。

    だから僕は、こう返します。

    「まあまあ、焦らないでください。仮に今、あなたにすぐ売上が上がる方法をお伝えしても、たぶん上がりません」

    すると、必ずこう返ってきます。

    「なんでですか」


    「あの時の自分、あなたの中にいますか」

    そこから、こういう会話になります。

    「あなたが今、与えられているものを、全部当たり前だと思っているからです。思い返してみてください。起業した頃、いきなり今の状態でしたか」

    「いや、違いますね」

    「最初のお客さん、覚えていますか」

    「覚えてますよ」

    「どういう方だったんですか」

    そこから、話が止まらなくなります。

    何年も前の話なのに、昨日サポートしたことのように話し始めるんです。あの人はこういう人で、こんなことで悩んでいて、それで……と。

    僕はそれを聞きながら、こう聞きます。

    「そのとき受け取った代金って、今と同じ金額ですか」

    「いや、全然安いですよ。一番最初なんて、5千円でやったんですよね」

    「5千円。安いな、と思ったんですか」

    「いや……うれしかったですね。」

    「そうだったんですね。じゃあ、うれしいだけで、そこに情熱はなかったんですか」

    「いや、情熱しかなかったですよ。自分がどうなるか分からないし、とにかく一生懸命やろうって思いました」

    そして、僕はこう聞きます。

    「じゃあ、今を振り返ってみてください。あの時の自分は、今のあなたの中に、いますか」


    この瞬間に、号泣する社長がいます

    たまに、ここで泣き出す方がいます。

    大の大人が、経営者が、目の前で号泣する。

    何が起きているかというと、気づいてしまったんです。

    「ああ、当たり前になっていたって、こういうことか」

    そして、多くの方がその直後にこう言います。

    「社員には、当たり前になるなと言ってきたんです。感謝を忘れるなと言ってきたんです。」

    「自分が、できていませんでした。」

    こういう社長さんに、僕は本当にたくさん会ってきました。

    言っていることが間違っていたわけではありません。むしろ正しいことを言っていた。だからこそ、気づいた瞬間が痛いんです。


    そこからは、速いです

    でも、ここからが本題です。

    気づいた方に、僕はこう伝えます。

    当たり前ではなく、与えられているんだと。そこからもう一度、スタートしませんか。ただし、あの頃のあなたとは違います。

    5千円で必死にやっていた頃とは、持っているものがまったく違います。経験も、実力も、人脈もある。

    その上に、感謝の気持ちをもう一度乗せる。

    これをやった方は、だいたい3ヶ月で、売上がガラガラっと上がります。

    新しいノウハウを入れたわけではありません。広告を出したわけでもない。戻しただけです。


    当たり前なんて、何ひとつありません

    最後に、僕がずっと思っていることを書きます。

    当たり前なんて、何もないんですよ。

    全部、与えられています。

    考えてみてください。お客さんがいなかったら、そもそも与えられません。

    お客さんがいてくれるから、「ありがとう」と言ってもらえる。

    そして、お客さんがいるから、自分の中にも「ありがとう」という気持ちが湧いてくる。

    誰もいないところで、ありがとうは生まれません。

    仕事は、一人では完成しないんです。

    提供する人がいて、それを喜んでくれる人がいる。だから循環が回る。

    片方だけでは、何も起きません。


    まとめ

    • 最初のお客さんに、割に合わない金額で必死にやった。多くの社長がそう
    • ステージが上がって当たり前になること自体は、悪くない
    • 問題は、一緒に感謝を忘れること
    • 感謝が抜けている期間が長いほど、売上が突然消える
    • すぐ効く方法を教えても、その状態では効かない
    • 「最初のお客さん、覚えていますか」から始める
    • 戻すだけでいい。あの頃とは持っているものが違うから、3ヶ月で変わる
    • 当たり前は何もない。仕事は一人では完成しない

    いま何かがうまくいっていないなら、ノウハウを探す前に、一度だけ心の中を整理してみてください。

    どこかで、当たり前になっていませんか。

    そして、落ちているとき「打ち手が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 謙遜は、コミュニケーションのエラーです

    謙遜は、コミュニケーションのエラーです

    誰かに褒められたとき、なんと答えていますか。

    「いやいや、そんなことないんですよ」

    「まだまだです」

    「たまたまですよ」

    日本人なら、ほぼ反射でこう出ますよね。僕もそうでした。

    でも僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきて、はっきりこう思うようになりました。

    これ、コミュニケーションのエラーです。


    褒めてくれた人は、どう感じているか

    考えてみてください。

    その人は、別に言う必要がなかったんです。

    黙っていてもよかった。心の中で思うだけでもよかった。それなのに、わざわざ口に出して、あなたのいいところを伝えてくれた。

    そこに返ってくるのが、これです。

    「いや、違うんですよ。全然まだまだですよ」

    否定されているんですよ。

    褒めた側からすると、「あなたの見方は間違っている」と言われたのと同じです。

    そして次から、その人はもう褒めてくれなくなります。言っても否定されるだけだからです。

    謙遜しているつもりが、相手の好意を突き返している。だから、エラーなんです。


    謙遜と謙虚は、別のものです

    ここで、大事な区別をします。

    謙遜と謙虚は、まったく違います。

    謙遜は、否定です。「そんなことない」「まだまだ」。相手の言葉を打ち消しています。

    謙虚は、感謝です。「おかげさまで」「みなさんのおかげです」。受け取ったうえで、まわりに返しています。

    うまくいっている人を見ていると、はっきり分かります。

    謙遜はしません。でも、わがままでもない。謙虚なんです。

    こういう言い方をします。

    「ありがとうございます。おかげさまで。そう言っていただけて嬉しいです。もっともっと、そうなっていきます」

    否定していません。ちゃんと受け取っている。そのうえで、まわりへの感謝と、これからの宣言が入っている。

    図に乗っているように見えて、実は一番謙虚なんですよ。


    謙遜していて、上がっていった人を見たことがありません

    もう1つ、はっきり言えることがあります。

    もっと成長したい、ステージを上げたいと思っている人で、謙遜し続けたまま上がっていった人を、僕は見たことがありません。

    一人もいません。

    上がっていく人は、もっと堂々としています。

    褒めてくれる人に対して、謙遜はしない。でも謙虚。そして図に乗って、笑顔で「もっと言ってください」と言えてしまう。

    その差が、時間とともにとんでもない差になります。


    自分の言葉を、一番聞いているのは自分です

    なぜ、そこまで差がつくのか。

    自分が言った言葉を、一番よく聞いているのは自分だからです。

    「まだまだです」

    「そんなことないです」

    「たまたまです」

    これ、全部後ろ向きな言葉です。それを毎回、自分の耳に入れている。

    自分が謙遜した言葉を信じても、いいことは何も起きません。当たり前です。中身がマイナスなんですから。

    だったら、逆にすればいい。

    せっかく褒めてくれているんです。相手から見て、そうなんです。

    だとしたら、きっとそうなんですよ。

    僕は、あるときからそう決めました。褒められたら図に乗る。相手が言ってくれていることを、そのまま信じる。

    褒められたことを、そのまま素直に受け取る。

    これだけです。難しいことは何もしていません。


    変化に気づくのは、いつも周りが先です

    コーチングをしていて、毎回起きることがあります。

    本人が自分の変化に気づく前に、必ず周りが先に気づきます。

    これ、例外がありません。

    「なんか最近、雰囲気変わったね」

    「顔つきが違うよ」

    「前より話が分かりやすくなった」

    本人はまだ、何も変わった実感がありません。むしろ「まだ何もできていない」と思っている。

    でも、周りにはもう見えているんです。

    だから僕は、コーチングの初期に必ずこう伝えます。

    「これから、あなたを褒めてくれる人が現れます。そのとき、謙遜しないでください。」

    「ありがとうございます。おかげさまで。もっともっと、そうなっていきます」

    この返し方に変えてください、と。


    返し方を変えただけで、1〜2ヶ月で変わります

    そして、これを本当にやってくれた方は、どうなるか。

    大体1〜2ヶ月で、状況が動きます。

    売上が戻る。お客さんから紹介が来る。人が集まってくる。

    正直に言うと、まじかよ、と思うくらい速いです。

    やったことは、褒められたときの返事を変えただけです。新しいノウハウを入れたわけでも、広告を出したわけでもありません。

    でも、考えてみれば当たり前かもしれません。

    否定を返す人には、人はもう何も言いません。情報も、紹介も、チャンスも、そこで止まります。

    受け取る人には、また持ってきたくなります。

    褒めた人が「言ってよかった」と思える。だから次も言う。次は別の人にも言う。そうやって広がっていく。

    返事ひとつで、流れが変わるんですよ。


    今日から、これだけ変えてみてください

    やることは1つです。

    次に褒められたとき、「いやいや」を言わない。

    代わりに、こう言ってみてください。

    「ありがとうございます。おかげさまで。」

    最初は、めちゃくちゃ気持ち悪いです。図々しい気がして、体が拒否します。

    それでいいです。それは今まで謙遜が癖になっていた証拠なので。

    3回くらい言うと、慣れます。そして慣れた頃には、周りの反応が変わり始めています。


    まとめ

    • 謙遜は、相手の好意を突き返している。だからエラー
    • 否定を返された人は、次から褒めてくれなくなる
    • 謙遜と謙虚は別物。謙遜は否定、謙虚は感謝
    • 「ありがとうございます。おかげさまで。」これが正解
    • 謙遜したまま、ステージが上がった人を見たことがない
    • 自分の言葉を、一番聞いているのは自分
    • 変化に気づくのは、いつも周りが先
    • 返事を変えるだけで、1〜2ヶ月で動く

    図に乗っていいんです。というより、図に乗ったほうが、まわりも嬉しいんですよ。

    そして、うまくいかないとき「自分にはまだ実力がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 素直さは、最強の武器です

    素直さは、最強の武器です

    同じ講座を受けている。同じことを教わっている。

    なのに、片方は2〜3ヶ月で売上が倍になり、もう片方は1年経っても変わらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方をサポートしてきました。この差を作っているものは、はっきりしています。

    素直さです。

    能力でも、経験でも、資金でもありません。

    そして、ここで言う「素直さ」は、たぶんあなたが思っているものとは少し違います。


    経営者ほど、素直になるのが難しい

    まず、前提から話します。

    経営者の方は、すでにたくさん勉強しています。行動もしてきている。そして、それ以上にたくさん失敗もしてきています。

    だから当然、自分なりの経験値があります。考え方があります。それは財産です。

    問題は、その財産が、うまくいっていないときにどう働くかです。

    学びに来ているのに、こうなる人がいます。

    「いや、でもこれはこうだから」

    何を教えても、自分の持論が出てくる。

    本人に悪気はありません。むしろ真剣です。真剣に考えているからこそ、自分の中の答えと照らし合わせてしまう。

    でも、はっきり言います。

    この状態の人は、成果が出ません。

    学びに来たのに、学びを受け取っていないからです。


    一旦、横に置けるかどうか

    では、成果が上がる人はどうか。

    経験値は、同じくらいあります。むしろ豊富な人も多い。

    違うのは、たった1つです。

    これまでの自分の考えを、一旦、横に置ける。

    捨てるのではありません。横に置くんです。

    そして、目の前の新しい教えを、いったんそのまま受け入れる。

    この状態になった人は、どうなるか。

    乾いたスポンジのように、ぎゅっと吸収します。

    どんどん吸って、どんどん出す。試して、また吸う。

    そして僕が見てきた限り、この状態になった人は、2〜3ヶ月で売上が倍になった人がほとんどです。

    特別なノウハウを渡したわけではありません。同じことを教えています。受け取り方が違うだけです。


    本当にすごい人ほど、「教えてください」と言います

    この仕事をしていて、心から尊敬する経営者の方に何人も出会ってきました。

    そういう方には、共通点があります。

    ものすごい成果を出してきているのに、自分のすごいところを一切見せません。

    言いません。匂わせもしません。

    代わりに、こう言うんです。

    「教えてください」

    僕より実績のある方が、です。

    最初は驚きました。でも、何人も見ているうちに分かってきました。

    そういう態度だから、そこまで行ったんだ。

    順番が逆だったんです。すごくなったから謙虚なのではなく、謙虚だから、そこまで積み上がった。


    「素直でいよう」では、足りません

    ここが、一番大事なところかもしれません。

    素直でいようと思うのは、簡単です。

    誰でもできます。心の中で思うだけですから。

    でも、そこで止まっている人が、本当に多い。

    必要なのは、そこから先です。

    1. 態度に出せるか
    2. 行動に落とし込めるか
    3. やってみて、結果を返せるか

    ここまでつながって、はじめて素直さになります。

    心の中で「素直に受け止めよう」と思っていても、次の日に何もやっていなければ、受け止めていないのと同じです。

    素直さは、気持ちではなく、動きです。


    60歳で起業して、すぐ成果を出す人がいます

    年齢の話をしておきます。

    素直さに、年齢もキャリアも性別も関係ありません。

    60歳で起業して、そこからすぐ成果を出してしまう方がいます。

    そういう方は、素直さのスペシャリストです。

    学びに対して、とにかく貪欲なんです。

    「もっと教えてほしい」

    「もっと教えてほしい」

    そして、教えてもらったら、すぐやる。

    分からなかったら、すぐ聞く。

    たったこれだけです。それ以外に、何か特別なことをしているわけではありません。


    「分からない」と言えることも、素直さです

    最後の「分からなかったらすぐ聞く」。

    これ、実はかなり難しいです。

    年齢を重ねると、キャリアを重ねると、分からないと言えなくなるんですよ。

    恥ずかしいから。今さら聞けないから。バカだと思われたくないから。

    正直に言うと、僕も過去、そういう人間でした。

    分かったふりをして、うなずいて、あとで一人でこっそり調べる。そういうことを何度もやってきました。

    でも、あるとき考えたんです。

    そこに変なプライドを持って、いいことがあるのか。

    答えは、はっきりしていました。

    何ひとつ、いいことがない。

    分からないと素直に言えば、その場ですぐアドバイスをもらえます。10秒で済む話が、隠したせいで1週間かかる。

    しかも、聞かれた側は嫌な気持ちになりません。むしろ、頼られたことを嬉しく思うものです。

    損しかないんですよ、隠すのは。


    いま行き詰まっているなら

    最後に、これだけ書いておきます。

    いま何かに行き詰まっているとしたら、こう考えてみてください。

    自分の中にある素直さを、使い切れていないのではないか。

    周りを見て、周りに反応して、どこかで小さなプライドが顔を出している。

    そういうときは、たいていいい方向に進みません。

    そして厄介なことに、プライドが出ているときほど、自分では気づけません。

    だから、たまに立ち止まって考えてみてほしいんです。

    自分の内側にある素直さって、なんだろう。

    そこが動き出すと、驚くほど速く進み始めます。


    まとめ

    • 差を作っているのは、能力でも経験でもなく素直さ
    • 「いや、でもこれはこうだから」が出る人は、成果が出ない
    • 成果が出る人は、これまでの考えを一旦横に置ける。捨てるのではなく、置く
    • 本当にすごい人ほど「教えてください」と言う。謙虚だから、そこまで積み上がった
    • 素直さは気持ちではなく、動き。態度と行動に落ちて、はじめて成立する
    • 年齢もキャリアも関係ない
    • 「分からない」と言えることも、素直さ。隠しても損しかない

    いま行き詰まっているなら、小さなプライドが顔を出していないかだけ、見てみてください。

    そして、変われないとき「まだ実力が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 社員が辞めた本当の理由は、給料ではありませんでした

    社員が辞めた本当の理由は、給料ではありませんでした

    信頼していた社員が、辞める。

    会社を立ち上げたときから、一緒にやってきた人だった。

    そして、こう考えます。

    「給料が足りなかったのかな」

    「もっと待遇を良くしていれば」

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。実際に起きた退職を、社長本人と一緒に分解したことがあります。

    そこで出てきた答えは、待遇ではありませんでした。

    人を辞めさせるのは、曖昧さです。


    出てきたのは、この4つでした

    その社長が、自分で書き出した原因がこれです。

    • 雇用契約書、就業規則、歩合の規定が曖昧だった
    • 歩合が遅れていたことへの、説明が不足していた
    • 人事評価の制度が曖昧だった
    • リモートで働くときの行動指針が無かった

    全部、「決まっていなかった」という話です。

    給料が安かった、という項目は1つもありません。

    そして、もう1つ挙がっていました。

    「自分が何をしたいのか、なぜいろいろな方と頻繁に会っているのか。自分の行動について、もっと理解してもらう姿勢がなかった」

    社長が何をしているのか、社員には見えていなかった。


    想像した本音が、一番痛かった

    この社長は、退職した社員の立場になって、その人が何を思っていたかを書き出しました。

    出てきたのが、これです。

    「もっと早い段階で、歩合についての説明をしてほしかった。社長は飲みに行ったりゴルフに行ったりしているのに、私への歩合が遅れるというのは、どういうこと?」

    ……これ、読んだとき息が止まりました。

    言われたわけではありません。社長が自分で想像して書いた言葉です。

    でも、たぶん当たっています。

    そしてここが怖いところなんですが、この言葉は、辞めるまで一度も口に出されませんでした。


    数字が見えないと、人は想像で埋めます

    なぜ、こんなことが起きるのか。

    社員には、会社の中身が見えないからです。

    入金がいつあるのか。今月の資金繰りがどうなっているのか。社長が誰と会って何を進めているのか。

    何も見えません。

    そして人間は、見えない空白があると、想像で埋めます。

    歩合が遅れている。理由は説明されていない。でも社長は外で人と会っている。

    この3つが並んだとき、頭の中で何が起きるか。

    「後回しにされている」

    事実は違うかもしれません。その会食が来期の仕事につながる大事な席だったかもしれない。資金繰りの都合で、社長自身が身を削っていたかもしれない。

    でも、言わなければ伝わりません。

    そして伝わらない期間が長いほど、その人の中の物語は固まっていきます。


    「まぁいいか」の代償

    この社長には、もう1つの自覚がありました。

    自分の弱みとして、こう書いていました。

    • 会社の状況についての説明不足(入出金のタイミングなど)
    • コミュニケーション不足
    • モチベーションを上げるための声掛け不足
    • 雇用に対する知識不足
    • 「何とかなる」という、楽観が過ぎた

    最後の1つが、一番大きいと思います。

    「何とかなる」は、強みに見えます。動じない、腹が据わっている、細かいことを気にしない。

    でも裏を返すと、仕組みを作らない理由になります。

    契約書を整えるのも、評価制度を決めるのも、面倒です。今日の売上には1円もつながらない。だから後回しになる。

    そして「何とかなる」で先送りにしたぶんの請求書が、一番大事な人を失うという形で回ってきます。


    先に決めておくべき、5つのこと

    同じことを繰り返さないために、決めておくものは、そう多くありません。

    1. 雇用契約書
    2. 就業規則
    3. 歩合や賞与の規定(いつ、何を基準に、いくら)
    4. 人事評価の基準
    5. 働き方の指針(リモートを含む)

    どれも、地味です。作っても、誰も褒めてくれません。

    でも、この5つが決まっているだけで、想像で埋められる空白が消えます。

    そしてもう1つ、制度の話ではないものを。

    入出金のタイミングを、伝える。

    「今月は入金が◯日なので、支払いは◯日になります」

    これを言うだけで、まったく違います。遅れることが問題なのではなく、理由が分からないことが問題だからです。


    辞めた人は、警鐘です

    最後に、この話で一番大事なところを書きます。

    優秀な人が辞めるのは、組織へのアラームです。

    「もっと良くできることがある」というメッセージが、一番痛い形で届いている。

    それを、聞き入れて動くかどうかは、社長次第です。

    その社長は、動きました。書き出して、決めて、変えました。

    だから僕は、この退職は無駄にならなかったと思っています。一人失って、これから来る人たちを守れる形になったからです。

    痛いですが、そういうことだと思います。


    まとめ

    • 人を辞めさせるのは、待遇ではなく曖昧さ
    • 決まっていないと、社員は想像で空白を埋める
    • 想像は、たいてい悪いほうに固まる
    • 「何とかなる」は、仕組みを作らない理由になる
    • 決めるのは5つ。契約書・就業規則・歩合の規定・評価基準・働き方の指針
    • 入出金のタイミングを伝える。遅れることより、理由が分からないことが問題
    • 優秀な人の退職は、組織へのアラーム

    今日、1つだけ決めてみてください。全部でなくていいです。

    そして、人が離れていくとき「給料が安いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 社長が現場から抜けられない会社の、たった1つの共通点

    社長が現場から抜けられない会社の、たった1つの共通点

    朝、会社に行く。

    いつも通り、現場に出る。お客さんに会って、対応して、判断して、社員のフォローもする。

    そして、気づいたら1日が終わっている。

    新しいことをやりたい。次の柱を作りたい。そう思っているのに、その時間だけがいつまでも作れない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の社長は、本当に多いです。

    そして、原因はほぼ1つです。

    忙しいからではありません。任せる仕組みが無いだけです。


    ある社長の言葉

    先日、社員数名の会社を経営されている方から、こういう言葉を聞きました。

    「常に会社の状況を気にしないといけないし、できる限りオフィスにいないといけない。だから、全ての仕事のパフォーマンスが落ちるし、僕も次のステップに行けない」

    この方は、ちゃんと自覚しているんです。

    分かっているのに、抜けられない。

    これ、能力の問題ではありません。むしろ、優秀で面倒見のいい社長ほど、こうなります。


    抜けられない会社に、必ずあるもの

    こういう会社を見ていくと、共通して出てくる状態があります。

    社員が受け身になっている。

    その社長は、自分の会社をこう表現していました。

    • 成長が鈍化している
    • 他責の傾向がある
    • 自分事として捉えていない
    • 受け身

    厳しい言葉ですが、社長本人が書いたものです。

    そして、相談の中身も決まっています。

    「どうすればいいですか」

    自分の考えを持ってこない。答えを聞きに来る。

    そのたびに社長が答える。だから社長は現場から離れられない。離れられないから、社員はますます聞きに来る。

    この輪が、ぐるぐる回っています。


    面倒を見ているつもりが、逆でした

    なぜこうなるのか。

    その社長は、自分でこう気づきました。

    「一緒に接客や案内に同行することで、成長する機会を奪ってしまっている可能性もある」

    これ、自分で気づける社長はなかなかいません。

    同行するのは、優しさです。教えてあげたい、失敗させたくない、お客さんに迷惑をかけたくない。全部、正しい気持ちです。

    でも、その優しさが、相手の「考える筋肉」を使わせていません。

    人は、自分で考えて、自分でやってみて、はじめて自分事になります。横で答えを出してくれる人がいる限り、その回路は育ちません。


    だから、「あえてやらない」

    その社長が決めた打ち手が、これでした。

    今までサポートしていた部分を、あえてやらない。

    • 自分で考えさせる
    • どうしたほうがいいかを考えさせたうえで、ミーティングを重ねる
    • 毎週月曜に、一人ずつと話す

    突き放すのではありません。信じて任せる代わりに、伴走の場を週1で置く。

    この形なら、社員は自分で考えます。そして、行き詰まったら週1の場で相談できる。

    放置と、任せるは違います。その違いを作るのが、定期的に話す場です。


    相談の形も、変えました

    もう1つ、この社長が変えたことがあります。

    相談のルールです。

    これまでは「どうすればいいですか」でした。これからは、こうします。

    相談する前に、自分で考えた案を出してから。または、やってみてから相談する。

    たったこれだけです。

    でも、これを入れると全部変わります。相談が「答えをもらう場」から「考えを確かめる場」になるからです。

    そして社長の側にも変化があります。判断を全部引き受けなくてよくなる。確認するだけの立場に移れる。

    ここまで来て、はじめて現場から抜けられます。


    会社と、社長と、社員を切り離す

    この方が言っていた中で、僕が一番いいと思った言葉があります。

    「会社という法人格と、社長・社員を切り離す。社長は社長という役割。社員にも役割がある。社員の役割は、売上を上げてくること。社長の役割は、責任を取ること」

    家族経営のような会社ほど、ここが混ざります。

    会社の上に社長がいて、その下に社員がいる。上下でものを考えるから、社長が全部背負うことになる。

    そうではなくて、会社という器があって、それぞれが違う役割で乗っている。

    この見方に変えると、任せることが「丸投げ」でなくなります。その人の役割を返しているだけになる。


    抜けられない社長へ

    現場から抜けるのは、冷たいことではありません。

    社長が現場にいる限り、その会社の上限は、社長一人分です。

    社長が抜けて、社員が自分で判断できるようになった会社は、人数分の上限を持ちます。

    そして何より、社長が抜けないと、次の柱を作る時間が永遠に生まれません。

    今の売上を守るために、未来の売上を捨て続けている。抜けられない状態というのは、そういうことなんですよ。


    まとめ

    • 抜けられないのは、忙しいからではない。任せる仕組みが無いから
    • 社員が受け身なのは、答えをくれる人が横にいるから
    • 同行する優しさが、考える筋肉を使わせていない
    • あえてやらない。ただし、週1で話す場を置く
    • 放置と、任せるは違う。違いを作るのは定期的な場
    • 相談の前に、自分の案を出させる
    • 会社・社長・社員を、上下でなく役割で分ける
    • 社長が現場にいる限り、会社の上限は社長一人分

    まず、来週の月曜に30分だけ、一人と話す時間を取ってみてください。そこから始まります。

    そして、抜けられないとき「まだ社員が育っていないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 学んでも成果が出ない人の、共通点

    学んでも成果が出ない人の、共通点

    講座を受けている。本も読んでいる。メモも取っている。

    なのに、去年と何も変わっていない。

    そして、こう思います。

    「まだ勉強が足りないんだ」

    そしてまた、次の講座を申し込む。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方をサポートしてきました。この輪から抜けられない方に、いつも同じことを伝えています。

    足りないのは、勉強ではありません。


    まず、責めなくていいです

    先に言っておきます。これはやる気の問題ではありません。

    人には、動き方のタイプがあります。心理学では、大きく2つに分けます。

    全体型の人は、結論を急ぎます。ざっくりした話が聞ければ、それで動けます。細かい説明は、むしろ邪魔に感じる。

    詳細型の人は、ざっくりだと動けません。マニュアル、ステップ、具体的な指示。それがないと、体が動かない。物事を細かく細かく進めていくタイプです。

    だから「さあ、すぐ実践してください」と言われても、いきなりは動けない。

    これは怠けているのではありません。そういう作りになっているだけです。

    ただ、そのままだと、いつまでも動けません。だから作りを変えます。


    3割できたら、発射してください

    僕が500人に言い続けてきた言葉があります。

    3割で、発射する。

    多くの人は、50%、60%、70%まで持っていかないと動けません。

    でも、そこまで準備している間に、時代が動いてしまいます。

    やっと動こうと思ったときには、そのニーズがもう無くなっていたり、価値が下がっていたりする。準備している間に、市場のほうが変わっているんです。

    だから、3割でいい。3割できたら、まず出す。

    成功している人を見ていると、本当にこれです。

    教わってきたら、とりあえず誰かに試してみる。それが習慣になっています。

    そして、ここが大事なところなんですが。

    この差は、勉強ができるかどうかとは関係ありません。すごいノウハウを持っているかどうかとも、関係ない。

    出すか、出さないか。それだけです。


    「ここまでやらないとダメ」を、下げてください

    では、詳細型の人はどうすればいいか。

    新しい癖をつけるしかありません。

    詳細型の人には、無意識のマイルールがあります。

    「ここまでやらないと、出しちゃダメだ」

    これが80%のところに設定されている。

    だったら、そのラインを下げます。

    80%でないと動けない人は、まず50%で動いてみる。慣れてきたら、40%、30%と下げていく。

    不思議なもので、これをやると本当に変わります。


    考える前に、動かしました

    実際にあった話をします。

    僕がサポートしていた女性の方が、まさにこのタイプでした。

    全部学ばないと動けない。

    でも、じゃあ全部学んだら動けるのかというと、動けないんです。

    何でも細かく考えてしまう。

    「こうやったら、うまくいかないんじゃないか」

    「ああやったら、うまくいかないんじゃないか」

    やってもいないのに、結論をどんどん出してしまう。

    そして結果的に、行動が先延ばしになる。

    そこで僕は、ある方法を取りました。

    考える隙を与えないことにしたんです。

    「はい、これやってきて」

    「はい、次はこれやってきて」

    実践課題を、どんどん出しました。マイナス思考になる前に、行動させてしまう。

    すると、どうなったか。

    その人、変わりました。

    やることが癖づいて、どんどんできるようになって、仕事もたくさん取れるようになって、独立開業もうまくいきました。

    考え方を変えたのではありません。行動の順番を変えただけです。


    早く失敗したほうが、早く進みます

    もう1つ、3割で出したほうがいい理由があります。

    早く失敗できるからです。

    3割で出して、違ったと分かる。そうしたら、すぐ修正できます。戻る距離が短い。

    でも、80%、90%まで作り込んでから出すと、どうなるか。

    それをやったからといって、いきなり成功するわけではありません。そして「全然違うじゃん」となったとき、20%まで戻らないといけない。

    せっかく作り込んだものを、大きく壊すことになります。だから、余計に動けなくなる。

    もう1つ、忘れてはいけないことがあります。

    講座で聞く成功事例は、たくさんあります。「こうやったらこうなりました」という話。

    でも、それは他人の事例です。あなたの事例ではありません。

    自分の事例を作るには、まずやるしかないんですよ。

    3割で発射して、走りながらブラッシュアップしていく。この考え方を持っている人が、結果を出します。


    「全部学んだら、やります」

    ここまでは、自分の話です。ここからは、お客さんに言われたときの話をします。

    セールスの場面で、こう言われることがあります。

    「今こういうことをやっているので、それが終わったらやります」

    ……大体、来ません。

    これは冷たく言っているのではなく、事実として来ないんです。

    「全部学んだらやります」というのは、やらない理由を作っているだけだからです。

    だから僕は、こう聞き返します。

    「全部学び終わるのは、いつなんですか?」

    すると、大体こう返ってきます。

    「1年後くらいですかね」

    1年です。1年あれば、状況はまったく変わります。

    そして正直に言うと、こう言う方は、そのときいっぱいいっぱいなんだと思います。責める気はまったくありません。

    ただ、僕はそこで契約しません。すぐに終わりにします。

    もちろん、詳しくお話は伺います。そのうえで、無理に引っ張らない。待っていても来ない相手を待つのは、お互いの時間の無駄だからです。


    3回目で、快感に変わります

    最後に、僕がずっと信じている話をします。

    マインドマップを作ったトニー・ブザンさんから、直接教わったことです。

    人間は、1回目に失敗すると、すごいダメージを受ける。2回目も、傷つく。でも3回目になると、だんだん快感になってくる。チャレンジすることに、快感を覚えてくる。だから、3回目までは諦めるな。そうすると、脳が変わってくる。

    これを聞いてから、僕は信じてやり続けました。

    結果、自分が変わりました。

    だから今、塾生やクライアントの方には、必ずこれを伝えています。

    過去に一生懸命やって失敗して、傷ついた経験がある人ほど、動けなくなります。当たり前です。痛かったんですから。

    でも、その痛みが快感に変わる地点が、3回目にある。

    そこまで行けば、あとは勝手に動けるようになります。


    まとめ

    • 足りないのは勉強ではない
    • 動けないのはやる気の問題ではなく、詳細型という作りの問題
    • 3割で発射する。準備している間に、市場が変わる
    • 「ここまでやらないとダメ」のラインを下げる
    • 考える隙を与えない。行動の順番を変えるだけで人は変わる
    • 早く失敗したほうが、戻る距離が短い
    • 成功事例は他人のもの。自分の事例は、やらないと作れない
    • 「全部学んだらやります」は、やらない理由
    • 3回目で快感に変わる。そこまでは諦めない

    いま学んでいることの中で、3割できているものはありませんか。

    それ、今日出せます。

    そして、変われないとき「まだ勉強が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、今日出すものも決まります。

  • 信じて待つのは、心の筋トレです

    信じて待つのは、心の筋トレです

    結果が、出ない。

    発信を続けているのに反応がない。クライアントが思うように動かない。

    そして、こう思い始めます。

    「これ、意味あるのかな」

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    待つのと、諦めるのは、別物です。

    外から見ると、どちらも「何もしていない」に見えます。でも、中で起きていることは正反対です。

    そして待つほうには、力が要ります。


    あの2秒に、耐えられませんでした

    僕がこれを痛い形で学んだのは、セールスの場面です。

    最後のオファーをします。

    「これこれで、いくらです。いかがでしょうか」

    そして、相手が考える時間が生まれます。

    この時間、実際には2秒くらいです。

    もともと欲しいと思っていた人は、すぐ「やります」と言います。でも、そういう人ばかりではありません。10人いたら、半分もいないと思います。

    多くの人は、そこで少し止まる。躊躇や、ためらいがある。当たり前です。

    そして、その2秒を、僕は重く感じていました。

    苦しくなって、言葉を挟んでしまうんです。

    「どうですか」

    「やってみたいと思いませんか」

    「こういうふうになられるんですよ」

    ……相手が考えている最中に、です。

    結果、断られました。

    一度ではありません。何度もありました。


    何を言っても、相手の心は動かせません

    あとで振り返って、はっきり分かりました。

    僕が、我慢できなかっただけです。

    早く答えが欲しい。「やります」と言ってほしい。その焦りで、相手の思考を邪魔していた。

    そして、もっと大事なことに気づきました。

    僕が何を言ったところで、その人の心をコントロールすることはできません。

    「こう言ったら買ってくれるんじゃないか」

    そう考えている時点で、こちらは相手をコントロールしようとしています。

    そして、それは伝わります。焦りは必ず伝わる。伝わった瞬間に、相手は引きます。

    だから、心構えを変えました。

    伝えるべきことは、全部伝えた。あとは、答えを出すのはその人だ。

    そこは、僕にはどうにもできない領域です。

    同じ2秒でも、こう思えるようになると、まったく違うものになります。

    「今、この人は考えているんだな」

    それだけです。それだけで、セールスそのものが変わりました。


    「顔を出さないとダメですか」と聞かれました

    もう1つ、逆の話をします。待ちきって、化けた人の話です。

    これから結婚相談所を始めようとしていた女性の方でした。僕より年上の方です。

    その方には、はっきりした抵抗がありました。

    自分の顔を、外に出したくない。

    SNSに顔を出すのが嫌。発信で自分をさらけ出したくない。

    そして、こう聞かれました。

    「顔を出したりしないと、ダメですか」

    僕は、こう答えました。

    「出さなくても、大丈夫ですよ。それよりも、自分が出したいっていう気持ちに、これからなると思います」


    自信をつけさせようとは、しませんでした

    このとき、僕がやらなかったことがあります。

    その人に、自信をつけさせようとしませんでした。

    「大丈夫ですよ」「あなたならできますよ」と励ましても、たぶん何も変わりません。根っこが別のところにあったからです。

    顔を出したくない、発信したくない。この言葉の中身は、こうです。

    周りから、どう見られるかを気にしている。

    意識が、ずっと外に向いている。だとしたら、意識の向き先を変えないと解決しません。

    そこで、3ヶ月かけて、まったく別のことをやりました。

    その人自身が、本気で世の中に広げたいと思える商品を、徹底的に作り込む。

    一人でも多くの人に使ってほしい。これを使って幸せになってほしい。そう心から思えるサービスを作る。

    ひたすら、そこだけをやりました。


    卒業間際に、こう言われました

    そして、講座の卒業が近づいた頃です。

    その方から、突然こう言われました。

    「私、写真を出したいので、誰かカメラマンを紹介してください」

    僕は、こう返しました。

    「別に、無理に出さなくていいんですよ」

    すると、こう言われたんです。

    「もう、あの時のそういった気持ちではないんです」

    何が起きたか、分かりますか。

    外に出したくて、仕方なくなっていたんです。

    自分が愛せる商品ができた。だから、届けたい。届けるために顔が要るなら、出す。それだけの話になっていました。

    無理やり顔を出したところで、商品が売れるわけではありません。順番が逆だったんですよ。

    この方がやったのは、周りに反応するのをやめて、自分が何をやるべきかに反応することでした。


    卒業の日に、泣かれました

    その方は、卒業のときに僕の目の前で泣きました。

    「RYOさんに相談できないと思うと、心配で、どうしていいか分からないです」

    僕より年上の女性が、です。それだけ不安だったんだと思います。

    正直に言うと、僕もそのとき「この人、大丈夫かな」と思いました。

    でも、そこから2年後です。

    その方、クルーザーを買っていました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。

    バシバシ顔を出して、どんどん発信して、お客さんを取って。あの「顔を出したくない」と言っていた人と、同じ人だとは思えませんでした。

    心のスイッチが入った瞬間に、行動も、価値観も、全部変わったんだと思います。今まで大事だと思っていたどうでもいいものを捨てて、前に進んでいった。


    そのクルーザーに、乗せてもらいました

    この話には、続きがあります。

    その方から誘っていただいて、僕はそのクルーザーに乗せてもらいました。

    東京湾を、水の上から走りました。ご主人も一緒でした。船の上から2人で釣りをして。

    そして最後は、ご自宅にお邪魔して、釣ったばかりの魚をさばいてもらって、夕食をご馳走になりました。

    卒業の日に、目の前で泣いていた人です。

    「相談できないと思うと、心配でどうしていいか分からない」と言っていた人が、数年後、自分の船に僕を乗せて、自分の家で僕にご飯を作ってくれている。

    この瞬間が、たぶん僕がこの仕事をしている一番の理由です。

    売上が上がったとか、クルーザーを買ったとか、そういう話ではありません。

    待った先に、こういう関係が残る。

    あのとき2秒待てずに押していたら、あるいは「顔を出さないとダメですよ」と正論を言っていたら、この船には乗っていません。


    「待つ」と「諦める」の分かれ目

    最後に、一番大事なことを書きます。

    待っているつもりが、いつのまにか諦めに変わることがあります。

    その分かれ目は、これです。

    「こうなる」と信じ続けているかどうか。

    諦めた瞬間に、待ったことにはなりません。ただ止まっているだけになります。

    そして、信じ続けるのは、気合いではできません。

    必要なのは、起きた出来事に、自分で意味をつけられることです。

    思うようにいかない日があります。断られる日もある。そのとき「やっぱりダメだ」と意味づけるのか、「今は考える時間なんだな」と意味づけるのか。

    良い意味づけを連続させられると、3ヶ月後の状態がまるで違います。

    これが、心の筋トレです。筋トレなので、やった分だけ強くなります。

    そして順番があります。まず自分を信じて待てるようになる。それができるようになって、はじめて人を信じて待てるようになります。


    まとめ

    • 待つのと諦めるのは別物。分かれ目は「信じ続けているか」
    • セールスの2秒に耐えられないと、自分で壊す
    • 何を言っても、相手の心はコントロールできない
    • 伝えることは伝えた。答えを出すのはその人
    • 自信をつけさせようとしない。意識の向き先を変える
    • 自分が愛せるものができると、人は勝手に出したくなる
    • 意味づけの力が、待つ力を作る。これが心の筋トレ
    • 待った先に残るのは、売上ではなく関係

    いま結果が出ていないなら、焦って手を出す前に、2秒だけ待ってみてください。

    そして、うまくいかないとき「自分の押しが足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、待つべきか動くべきかも見えてきます。

  • 貢献は、最初のたった一人から始まります

    貢献は、最初のたった一人から始まります

    目標を、大きく立てた。

    「年間100人サポートする」

    「月にこれだけの売上を作る」

    決めた瞬間は、やる気に満ちています。

    でも数日たつと、その数字を見るたびに固まるようになる。今日、何をすればいいのか分からない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の方に、いつも同じことを伝えています。

    1000人を考えるから、一歩が出ないんです。まず、たった一人から。


    実績が、何もありませんでした

    僕がこれを体で覚えた日の話をします。

    独立する前、僕は2年間、副業をしていました。会社には内緒で、マインドマップを教える講師の仕事です。

    僕を育ててくれた先生がいて、その方の会社で土日だけ登壇させてもらっていました。応援してくれていたんです。

    ただ、当時の僕には講師としての実績が、何もありませんでした。

    そこで先生から、こう言われました。

    「実績を、どんどん作りなさい」

    そして紹介してもらったのが、栃木県の保育園の研究会でした。保育士の先生たちに、マインドマップを教えてくる。

    会場に入ったら、60人いました。


    目の前は60人。でも、一人に向けて話しました

    さて、何を話すか。

    準備しながら、僕はずっと考えていました。

    そのとき、頭に浮かんだのは自分の娘のことでした。

    当時、僕は離婚していました。娘はまだ小さくて、毎週会いに行っていました。

    会うたびに、娘がまっすぐ成長しているのが分かる。

    そこで、ふと思ったんです。

    この成長は、僕一人が作ったものじゃない。

    僕が知らないところで、保育園のどこかの先生が、一生懸命やってくれている。会ったこともない誰かが、娘を毎日見てくれている。

    その人に、感謝を伝えよう。

    そう思って、この仕事を引き受けました。

    目の前にいるのは60人です。でも、僕が伝えようと思っていた相手は、その中にはいない一人でした。

    娘を見てくれている、会ったこともない先生。その人に向けて、4時間の講義をしました。


    最後に、手紙を読みました

    不思議なことに、ものすごく盛り上がりました。

    自分でも驚くくらいでした。

    そして最後に、僕は1つだけ用意していたものを出しました。

    いつも頑張ってくれている先生たちへの、感謝の手紙です。

    それを読みました。

    そうしたら。

    60人の先生が、全員、号泣しました。

    会場中が、です。


    なぜ、あんなに泣いたのか

    あとで考えて、分かったことがあります。

    世の中には、先生に文句を言う人がたくさんいます。保育の現場に対して、厳しい声はいくらでもある。

    でも、感謝している親も、同じくらいたくさんいる。

    そのことが、あの人たちには届いていなかったんです。

    4時間、一緒に過ごしてみて、先生たちの不満やストレスも、よく分かりました。楽な仕事ではまったくない。

    でも、それ以上に分かったことがあります。

    この人たちは、本当に子どもを愛している。

    その愛があるからこそ、続けられている仕事なんだと、あの日はっきり実感しました。

    僕にとって、目の前の60人は、直接の関係がある人ではありません。娘を見てくれている先生でもない。

    でも、日本のどこかで子どもを支えてくれている人たちなんです。

    その人たちに感謝を伝えたい、という気持ちだけで、あの4時間はできていました。


    100人を取ろうとすると、一人も来ません

    ここから、僕がずっと使っている考え方が生まれました。

    一人にやったつもりが、100人になる。

    これは本当にそうなんです。あの日、僕は一人に向けて話したのに、60人が動きました。

    そして、逆も本当です。

    100人を取ろうと思ったら、一人も来ません。

    なぜかというと、こういう順番になっているからです。

    一人の心を動かせない人は、10人の心も動かせない。

    10人が動かなければ、100人も動かない。

    一人が動けば、10人が動く。10人が動けば、100人が動く。

    順番は、絶対に飛ばせません。

    だから、最初にやることは1つです。

    目の前の一人を、本気でサポートする。

    そこに誠心誠意、真心を込めて、愛を込めて伝える。それしかありません。


    お金のためだけだと、たぶん届きません

    もう1つ、あの日に気づいたことがあります。

    お金のために一生懸命やる。それも、もちろん大事です。仕事ですから。

    でも、あの4時間を作っていたのは、それではありませんでした。

    自分の知らないところで、誰かを助けてくれている人がいる。

    その人を励ますことで、めぐりめぐって、みんなが良くなっていく。

    この感覚があると、話す言葉が変わります。テクニックではなく、たぶん温度が変わるんだと思います。

    そして受け取る側は、そこを敏感に感じ取ります。


    まとめ

    • 数が大きいと、人は動けなくなる
    • まず、たった一人から
    • 目の前に何人いても、メッセージは一人に向けて出す
    • 一人にやったつもりが、100人になる
    • 100人を取ろうとすると、一人も来ない
    • 順番は飛ばせない。一人→10人→100人
    • お金のためだけだと、温度が乗らない

    いま目標が大きすぎて止まっているなら、こう考えてみてください。

    その一人は、誰ですか。

    顔が浮かんだなら、今日やることは決まっています。

    そして、動けないとき「自分の目標設定が甘いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 昨日の自分を、1ミリだけ超える

    昨日の自分を、1ミリだけ超える

    うまくいっていないとき、人はこう考えます。

    「何か大きく変えなきゃ」

    新しいことを始めよう。ガラッと方針を変えよう。今のままではダメだ。

    そして、その「大きさ」に押し潰されて、結局何もできないまま1日が終わります。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そして、僕自身がそこで止まったことがあります。

    必要なのは、大きく飛ぶことではありません。1ミリです。


    会社の口座が、909円になりました

    コロナのときの話をします。

    あの時期、僕の仕事は全部止まりました。

    コンサルティングも、企業研修も、すべてキャンセル。人が集まれないので、当たり前です。

    そして、僕はある判断をしました。

    すでにお支払いいただいていたぶんを、全額お返ししたんです。

    契約上は、返す義務はありませんでした。でも、こちらが提供できていないのに手元に置いておくのは、どうにも気持ちが悪かった。

    それで、返しました。

    その結果、どうなったか。

    会社の口座残高が、909円になりました。

    ……もう、笑うしかなかったです。本当に。


    コロナのせいにしても、何も解決しませんでした

    そのとき、頭に浮かんだことがあります。

    これは、自分ではコントロールできない。

    コロナが来たことも、人が集まれなくなったことも、僕がどれだけ頑張っても、どうにもなりません。

    だから、こう思うこともできました。

    「コロナのせいだ」

    「あのお客さんが急にキャンセルしたせいだ」

    でも、はっきり分かっていたことがあります。

    そう言ったところで、口座は909円のままだ。

    誰かのせいにするのは、気持ちは楽になります。でも、現実は1ミリも動きません。

    だから、考え方を変えました。

    コントロールできないものは、置いておく。今できることをやる。


    やったのは、振り返ることだけでした

    では、何をしたか。

    大げさなことは、何もしていません。

    これまで自分がやってきたことを、もう一度全部振り返りました。

    何が足りなかったのか。どこで手を抜いていたのか。この状況になって、何が求められるようになったのか。

    派手な打ち手ではありません。誰かに見せられるようなことでもない。

    ただ、今日できることを1つやる。それだけを繰り返しました。

    大きくジャンプしようとすると、助走の距離が要ります。そして助走している間に、心が折れます。

    でも1ミリなら、今日の自分でも越えられる。

    前向きな気持ちというのは、そこから出てきます。「明日から本気を出す」ではなく、「今日ここを1ミリ」。この差は、思っているより大きいです。


    すぐには、良くなりませんでした

    正直に書いておきます。

    1ミリ進んだからといって、翌日に何かが起きるわけではありません。

    口座は909円のまま、しばらく動きませんでした。今日1つやって、明日も1つやって、それでも数字は変わらない。

    そういう時期が、確かにありました。

    でも、そこからです。

    1ヶ月ほどで、仕事がじわじわと戻ってきました。

    少しずつ、本当に少しずつ。そして気づいたら、300万円ほどが入ってきていました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あの909円から、そんなに時間はかかっていなかったんです。


    一番の収穫は、お金ではありませんでした

    300万円という数字だけ見れば、経営していれば普通のことです。特別な金額ではありません。

    でも、あのときの僕にとっては、まったく違う意味がありました。

    得たものが、3つあります。

    1つめ。お金の大事さを、体で味わいました。頭では分かっていたつもりでした。でも、違いました。

    2つめ。自分の志を、考え直しました。何のためにこの仕事をしているのか。誰をどうサポートしたいのか。順調なときには、ここまで真剣に考えません。

    そして、3つめが一番大きいです。

    お金がなくて、夜眠れない。

    これを、僕は初めて経験しました。それまでの人生で、なかったんです。

    天井を見ながら、朝が来るのが怖い。あの感覚を、身をもって知りました。

    そして、こう思いました。

    ああ、これがあの人たちが感じていたことなのか。

    相談に来られる経営者の方の中には、この状態の方がいます。それまで僕は、その話を「理解している」つもりでいました。

    分かっていませんでした。

    あの夜を過ごしてから、同じ話を聞いたときの受け取り方が変わりました。相槌ひとつ、間の取り方ひとつが変わったと思います。

    結局、あの時期に得たものは、全部プラスに動きました。

    苦しかったのは間違いありません。でも、今から振り返ると、あれは良い時間だったと言えます。


    1ミリの本当の意味

    最後に、これだけ伝えたいです。

    1ミリというのは、「小さく頑張れ」という話ではありません。

    まず、今の現実を受け入れる。

    909円なら、909円だと認める。そこを誤魔化さない。良く見せようともしない。

    そのうえで、そこから一歩進む。

    このとき、「大きく進まなきゃいけない」と思うから、足が止まります。

    1ミリでいいと思えた瞬間に、はじめて足が出ます。

    そして、1ミリ進んだ場所から見える景色は、昨日とは違います。違う景色が見えると、次の1ミリが少し楽になる。

    その繰り返しです。


    まとめ

    • 大きく変えようとするから、動けなくなる
    • コントロールできないものは、置いておく
    • 誰かのせいにすると気は楽になるが、現実は1ミリも動かない
    • やることは、これまでを振り返って、今日できることを1つ
    • すぐには良くならない。1ミリ進んでも、しばらく数字は動かない
    • そこから1ヶ月で、じわじわ戻ってきた
    • 一番の収穫はお金ではなく、眠れない夜を知ったこと
    • まず現実を受け入れる。そこから1ミリ

    今日、大きく変える必要はありません。1ミリだけ、昨日を超えてください。

    そして、うまくいかないとき「もっと大きく動かないとダメだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の1ミリも見えてきます。

  • 決断した人に、神様は優しいです

    決断した人に、神様は優しいです

    決められない。

    情報は集めた。人にも相談した。紙にも書き出した。

    それでも、決められない。

    そして時間だけが過ぎて、また同じことを考えている。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。堂々巡りに入っている方に、僕はこう言います。

    足りないのは情報ではありません。決断だけです。

    そして、もう1つ。

    神様は、決断するまでは何もしてくれません。決断した人にだけ、優しいんです。


    迷っているあいだ、世界は動きません

    なぜ、そう言えるのか。

    迷っている状態というのは、何も変えていない状態だからです。

    保留していると、周りから見ればあなたは今のままです。今のままの人には、今のままのものしか来ません。

    新しい仕事も、新しい出会いも、空いている場所にしか入ってこないんですよ。

    図にすると、こうです。

    • 悩む・保留する → 状況は固定される → 何も入ってこない
    • 決断する → 動き出す → 流れが変わる → 縁やチャンスが入ってくる

    「もう少し情報が集まったら決めよう」と考えている人がいます。

    でも、情報が足りなくて決められないケースは、実はほとんどありません。たいていの場合、答えはもう自分の中にあります。決めたくないから、情報を探し続けているだけです。

    これは責めているのではありません。決断には痛みが伴うので、避けたくなるのは当然です。


    手放した翌日に、新しい出会いが来ました

    具体的な話をします。

    ある経営者の方が、ずっと悩んでいました。

    どうしても合わないお客さんがいる。

    売上としては大きい。切れば、その分は消える。でも、そのお客さんとのやりとりで消耗して、他の仕事にまで影響が出ていました。

    何ヶ月も、決められませんでした。

    そしてある日、決めたんです。「もう、終わりにしよう」と。

    その翌日でした。

    新しい出会いが入ってきました。しかも、その方が本当にやりたかった方向の仕事です。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。タイミングが良すぎて、話を聞いたときは少し笑ってしまったくらいです。

    もちろん、これを「引き寄せ」だとか、そういう話にするつもりはありません。

    でも、説明はつくんですよ。

    手放したから、場所が空いた。空いたから、入ってこられた。

    そして、もう1つあります。決めた人は、顔が変わります。

    迷っている人の顔と、決めた人の顔は、本当に違うんです。周りは無意識にそれを見ています。だから、決めた人のところに話が来る。


    出さないと、入ってきません

    これは、部屋と同じです。

    新しい服を買いたいのに、クローゼットがいっぱいだとします。

    まず、出さないと入りません。

    仕事も、人間関係も、同じ構造をしています。

    抱えたまま「もっと欲しい」と言っても、置く場所がない。だから来ない。来ないから、余計に今あるものを手放せなくなる。

    風通しを良くする。そのために一番効くのが、決断です。

    そして面白いことに、手放すものが大きいほど、入ってくるものも大きいことが多いです。小さく手放すと、小さいものが入ってくる。


    「やる」と決めた時点で、もう決断しています

    もう1つ、覚えておいてほしいことがあります。

    決断は、大きな一回のことだけではありません。

    たとえば、誰かに相談すると決めた。講座に申し込んだ。本を1冊買った。

    それも、全部決断です。

    そして、決断した瞬間から、もう動き出しています。

    「まだ何も成果が出ていない」と言う人がいますが、違います。決めた時点で、すでに前の自分とは別の場所に立っています。

    僕がコーチングをしていて一番よく思うのは、これです。

    答えは、本人の中にあります。

    分析を足しても、選択肢を増やしても、たいてい何も変わりません。足りないのは、決めることだけ。

    だから僕は、堂々巡りしている方には、分析を足しません。

    こう言います。

    「決めましょう」

    それだけで、次の週にまるで違う顔で来る方がいます。


    決められないのは、失うものを数えているからです

    なぜ決められないのか。もう一段だけ掘ります。

    決断は、いつも「何かを捨てること」とセットだからです。

    Aを選ぶということは、Bを捨てるということ。どちらかを選ぶ話ではなく、何を手放すかを選ぶ話なんですよ。

    そして人間は、手に入れる喜びより、失う痛みのほうを大きく感じます。同じ大きさのものでも、失うほうが重く感じる。これは性格ではなく、誰にでもある仕組みです。

    だから、決断しようとすると、頭の中では自然と失うもののほうが膨らみます。

    対処法は1つだけです。

    手に入るほうも、同じ強さで具体的に書き出す。

    失うものは、放っておいても鮮明に浮かびます。だから手に入るほうを、意識してこちらから引き上げてやる。

    「これを決めたら、来年の今ごろ、自分はどこにいるか」

    ここまで具体的に想像できて、はじめて天秤が釣り合います。

    決めるのが怖いときは

    とはいえ、怖いですよね。間違えたらどうしよう、と。

    そういうときは、こう考えてみてください。

    決めないことも、決断です。

    「今は決めない」というのは、中立ではありません。今のままを選んだということです。

    そして今のままを選ぶと、来年の今ごろも同じ場所にいます。

    どちらを選んでも決断なら、動くほうの決断をしたほうがいい。動いたほうは、間違えても情報が手に入ります。動かないほうは、何も手に入りません。


    まとめ

    • 足りないのは情報ではなく、決断
    • 迷っているあいだ、状況は固定されている。何も入ってこない
    • 手放すと、場所が空く。空いた場所にだけ、新しいものが入る
    • 決めた人は顔が変わる。周りは無意識にそれを見ている
    • 申し込む、相談する。それも全部、立派な決断
    • 決めないことも決断。今のままを選んだ、という決断

    情報を集める手を、いったん止めてみてください。もう、答えは出ているかもしれません。

    そして、進めないとき「まだ準備が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの仕事が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、何を決めればいいかも見えてきます。