投稿者: 浪間 亮(RYO)

  • 単位を小さく見せるだけで、値段の印象は変わります

    単位を小さく見せるだけで、値段の印象は変わります

    金額を伝えた瞬間、相手の表情が固くなる。

    その経験、ありませんか。

    商品には自信がある。中身も詰まっている。でも数字を口にした途端、空気が変わる。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

    多くの人は、値段が高いのではなく、値段の出し方で損をしています。

    同じ金額なのに、伝え方だけで印象がまるっきり変わるからです。


    「毎月1万500円」と「毎日350円」

    生命保険の話をします。

    保険の営業マンが金額を伝えるとき、こう言います。

    「毎日350円です」

    「毎月1万500円です」とは、あまり言いません。

    この2つ、同じ金額です。1万500円を30日で割ると350円ですから。

    でも、受ける印象はまったく違いますよね。

    さらに言うと、その保険が30年続くなら、最終的に払い込む総額は400万円を超えます。

    400万円と、毎日350円。

    同じものを指しているのに、頭に浮かぶ絵がまるで別物です。

    これは、最小単位で提示されると、人は無意識に割安を感じるからです。単位を小さくすればするほど、安く見える。

    騙しではありません。事実を、別の角度から見せているだけです。


    相手が毎日使っているものに、置き換える

    もう一段効くやり方があります。

    金額を、相手が実際に使っている支出に置き換えます。

    僕が営業をやっていた頃、よく使っていたのがこれでした。

    「缶ジュース1本と同じですよ。毎日1本飲むのと、同じです」

    これを言うと、相手の顔がふっとゆるむんですよね。

    なぜかというと、すでに払っているものだからです。缶ジュースを毎日買っている人は、その支出について「高い」と思ったことがありません。無意識に、当たり前に払っている。

    そこに並べた瞬間、こちらの金額も「払える側」に移動します。

    ポイントは、相手が実際に使っているもので言うことです。

    お酒が好きな人なら、ビール何本分。コーヒーをよく買う人なら、カフェ1杯分。子どもがいる人なら、また別のものになります。

    知らないものと比べても、イメージが湧きません。

    高級ワイン1本分ですよ、と言われても、ワインを飲まない人にはピンと来ない。むしろ「そんなの買ったことないです」で終わります。

    だから、この人は毎日、何にお金を使っているかを先に聞いておく。雑談の中で拾っておくんです。ここが下ごしらえです。


    ただし、毎回使うものではありません

    ここが大事なところです。

    この見せ方は、毎回言うものではありません。

    いつも財布のひもがゆるい人ばかりではないですよね。でも同じように、いつも身構えている人ばかりでもない。

    すんなり決まりそうな場面で、わざわざ「缶ジュース1本と同じです」と言う必要はありません。

    むしろ、安く見せようとしている感じが出て、逆効果になることすらあります。せっかく価値で選ぼうとしていた人を、値段の話に引き戻してしまう。

    使うのは、相手がぐらついた瞬間です。

    「うーん」と迷いが出た。表情が止まった。目線が下がった。そのとき、別の角度からポンと出す。


    引き出しは、複数持っておく

    だからこそ、言い方を1つしか持っていないのが一番まずいんです。

    迷った相手を目の前にして、切り替えられるものが何もない。同じ説明をもう一度繰り返す。そのまま「じゃあ、また考えます」で終わる。

    これが、一番もったいない。

    僕は、価格の伝え方を何通りも持っています。

    • 総額を、1日あたりに割る
    • 相手の日常の支出に置き換える
    • このまま何もしなかったら、いくら失うかを見せる
    • 高いものには、それだけの理由があると正面から言う
    • 払い方(分割・時期)を一緒に考える

    どれが正解ということはありません。相手と、その日の空気で選ぶだけです。

    いつもは水が出る蛇口から、今日はポッキーが出てくる。そういう引き出しをいくつ持っているかで、越えられる場面の数が変わります。


    引き出しは、どうやって増やすか

    「そんなに引き出しがない」という人へ。

    増やし方は1つだけです。申し込んでくれた人に、理由を聞くこと。

    僕は必ず聞きます。

    「差し支えなければ、なぜ申し込もうと思われたんですか?」

    これが、ものすごく効きます。

    自分では「あの説明が良かったんだろうな」と思っていたのに、まったく別のことを言われることがあるんですよ。

    「話し方が、前に通ってた先生に似てたんです」とか。「日程が近かったから」とか。

    正直に言うと、まじかよ、と思ったこともあります。こっちが一番力を入れたところじゃなかった、ということが本当によくある。

    でも、それでいいんです。そこが本当の理由だったというだけの話ですから。

    これを聞き続けると、引き出しが増えます。人が動く理由のパターンが、だんだん見えてくる。そして、次に迷っている人を目の前にしたとき、出せる手が増えている。

    断られた理由より、申し込まれた理由のほうが、はるかに学びが大きいです。


    まとめ

    • 総額でそのまま出さない。最小単位に割ると、無意識に割安を感じる
    • 相手が毎日使っているものに置き換える。知らないものと比べても響かない
    • そのために、その人の日常の支出を先に聞いておく
    • 毎回は使わない。すんなり決まる場面で使うと、逆に安っぽくなる
    • 使うのは、相手がぐらついた瞬間
    • 言い方を複数持つ。1つしかないと、迷った相手をそのまま逃す
    • 引き出しは「なぜ申し込んだか」を聞くと増える

    値段を変える前に、出し方を変えてみてください。それだけで反応が変わることは、本当によくあります。

    そして、決まらないとき「自分の値段設定が悪いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 「おまけ」で、意識をずらす

    「おまけ」で、意識をずらす

    セミナーの空気が、最後に冷える。

    いい流れで進んでいた。うなずきも多かった。なのに個別相談を案内した瞬間、みんなの顔がスッと引いていく。

    (あ、今やらかした)

    そう思ったこと、ありませんか。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この現象には、はっきりした理由があります。

    人は「売られる」と意識した瞬間、心が動かなくなります。

    これは相手が冷たいのではありません。脳がそういう作りになっているんです。


    意識した瞬間、人は分析を始めます

    婚活パーティーの話をさせてください。

    婚活パーティーは、目的がはっきりしています。「いい人を見つける」。

    すると脳は分析モードに入ります。かっこいいか。収入はありそうか。優しそうか。この人と続くか。頭の中で、ものすごい勢いで採点が始まる。

    そして、ここが面白いところなんですが。

    分析からは、一目惚れは生まれません。

    「すごく分析した結果、一目惚れでした」

    ……おかしいですよね。そんな一目惚れ、聞いたことがありません。

    ところが、セミナーでたまたま隣に座った人には、一目惚れが起こったりする。目的が「学ぶ」なので、分析する前に感情のほうが先に動くからです。

    買い物も、まったく同じ構造です。

    「売り込まれるぞ」と意識させた瞬間、相手は分析を始めます。分析されたら、もう心では動きません。


    だから、案内する場所は1か所しかありません

    多くの人が、商品説明のところで個別相談を出します。

    これが一番まずいです。

    その時間、相手の頭はすでに「売り込みを受ける時間」だと分かっています。警戒しているところに個別相談を差し出したら、「1対1で売られるやつだ」と受け取られます。

    せっかく作った空気が、そこで壊れる。

    かといって、学びの真っ最中もダメです。話の流れが切れて、集中が途切れるだけになります。

    では、どこか。

    学びが終わる直前です。

    自分ごとに落として、「あ、自分できてないな」と気づいた直後。学びたい気持ちが一番高いところ。ここだけです。

    タイミングを1か所に絞ると聞くと窮屈に感じるかもしれませんが、逆です。ここさえ守れば、あとは何をしても崩れません。


    「おまけ」の立ち位置に置く

    もう1つ大事なのが、出し方です。

    人は、おまけが大好きです。

    子どものお菓子を思い出してください。おまけのほうがメインになっていること、ありますよね。雑誌の付録もそうです。付録が欲しくて雑誌を買う人は、いくらでもいます。

    だから個別相談は、おまけにします。

    ただし、ここに落とし穴があります。おまけにするには、メインが必要です。

    何もないところに「おまけです」と言っても、それはただの本編になってしまう。おまけとして成立させるには、その前に置く「本体」を用意しないといけません。

    僕が使っているメインは、理解度チェックシートです。

    こう伝えて配ります。

    「今日学んだことは、明後日にはほとんど忘れます。学んだという感覚だけが残る。もったいなくないですか。脳の中にインストールしておきませんか。考えることは、書くことです。」

    これは売り込みではありません。学びの一部です。だから、誰も身構えずに受け取ります。


    シートの中身が、そのまま資産になります

    このシート、実はもう1つ仕事をしてくれます。

    僕が入れている項目は4つです。

    1. ここに来る前、どんなことで悩んでいましたか
    2. 今日、得られたことは何ですか
    3. 明日から、どう使いますか
    4. 講師へのメッセージ(+お名前・ご連絡先)

    なぜこの順番かというと、この4つを書いてもらうと、そのまま「お客様の声」になるからです。

    悩んでいた → 学んだ → こう変わりそう → ありがとうございました。

    これ、そのままストーリーですよね。

    特に1番が大事です。1番を抜くと、ただの感想文になります。悩みから始まるから、読んだ人が自分を重ねられるんです。

    ちなみに、これを「アンケート」と呼んではいけません。アンケートだと思われた瞬間、みんな雑に書きます。ワークとして渡す。それだけで、書かれる中身が変わります。

    そして、個別相談の案内は、このシートの裏側に置いておきます。おまけなので、表には出しません。


    「一旦、手を止めていただいてよろしいですか」

    書き進めて、半分くらいまで来たところで、こう言います。

    「すみません、ひとつお伝えするのを忘れていました。一旦、手を止めていただいてよろしいですか」

    ここで初めて、裏を見てもらいます。

    このとき、面白いことが起きます。丸をつける順番で、今すぐ動く人が見えるんです。

    悩みが本当に強い人は、迷わず先に裏に丸をつけます。「いつか独立できたらいいな」くらいの人は、表から順番に書いていく。

    つまり、この数分間で誰と話すべきかが分かるんですよ。

    書いてもらう時間は5〜6分。空気を見て止めます。興味がない回だと、ペンが早々に止まります。そういう日は、深追いしません。


    「解決します」と言ってはいけません

    最後に、これだけは間違えないでください。

    個別相談の案内で、「お悩みを解決します」と言ってはダメです。

    理由は単純で、解決したら、その先を買う理由がなくなるからです。

    言うのはこちらです。

    「今日聞いて、モヤモヤした。どうしたらいいか分からない。ありませんか。そのモヤモヤを具体的にして、行動につなげたい方は、ぜひ」

    解決ではなく、具体化。ここを混ぜないでください。

    そして、あえて逆も言います。

    「本当に前に進みたくない、という方は、丸をつけないでくださいね」

    こう言うと、丸をつける人が増えます。人は、止められると逆に動きたくなるものなんですよね。


    最後の一言を、絶対に忘れないでください

    これは僕が痛い目を見て覚えたことです。

    シートを回収する前に、必ずこう言います。

    「丸をつけていただいた方には、この後メールをお送りします。そこで一緒に日程を確認しましょう。必ずメールを確認してくださいね」

    昔、これを言っていませんでした。

    結果どうなったか。その場のノリで丸をつけた方から、返信が来ない。枠が全然埋まらない。何度もやりました。

    「大人なんだから分かるだろう」は通じません。悪気があるわけでもありません。ただ、優先順位がその人の中で下がるだけです。

    だから、こちらから伝える。面倒くさがらずに、毎回言う。ここを言うかどうかで、埋まる枠の数が変わります。


    まとめ

    • 売られると意識させない。意識した瞬間、脳が分析を始めて動かなくなる
    • 案内は、学びが終わる直前だけ。商品説明の時間に出すと空気が壊れる
    • おまけの立ち位置で出す。そのためにメイン(シート)を用意する
    • シートの4項目が、そのままお客様の声になる。「悩み」から始めるのを忘れない
    • 「解決します」は言わない。言うのは「モヤモヤを具体化する」
    • 回収前に、必ずメールの念押しをする

    案内する内容は、今のままでかまいません。出す場所と、出し方を変えるだけです。

    そして、うまくいかないとき「自分の商品に魅力がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 相手の不安は、聞かれる前に潰しておく

    相手の不安は、聞かれる前に潰しておく

    商談の最後に出てくる言葉、だいたい決まっていませんか。

    「ちょっと時間が取れなくて」

    「今、予算が厳しくて」

    「一度、持ち帰って検討します」

    そのたびに、その場で必死に答える。うまく返せたときもあるし、返せずに終わることもある。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

    質問されてから答えているうちは、まだ後手です。

    断られる理由は、そんなにたくさんありません。だいたい3つ前後です。

    だったら、言われる前に潰しておけばいい。


    まず、断られる理由を全部書き出す

    やることは単純です。

    紙を1枚出して、「この人が断るとしたら、どんな理由か」を全部書き出します。

    • 時間が取れない
    • お金がない
    • 自分にできるか不安
    • 家族に相談しないと決められない
    • 効果が本当に出るのか分からない
    • 前に似たものを買って失敗した

    たいてい、こんなところに落ち着きます。そして、あなたの商品なら何が出やすいかは、これまでの経験でもう分かっているはずです。

    ここで大事なのは、思い出せるものを全部出し切ることです。3つで止めない。10個書き出して、その中でよく出る3つを選ぶ。この順番でやると、精度が上がります。

    書き出したら、次はこれを前半のうちに、こちらから話しておく。

    「よく、時間が取れるか不安ですと言われるんですが」と自分から出す。相手が言う前に、です。


    先に出すと、なぜ効くのか

    理由は2つあります。

    1つめは、言い訳として使えなくなるから。

    人は、断るときに一番言いやすい言葉を選びます。それをこちらが先に触れて、答えまで出してしまうと、その札が使えなくなる。

    2つめは、こっちのほうが大きいんですが、信頼が生まれるからです。

    自分から不安に触れる人は、隠していないように見えます。「この人は、都合の悪いことも先に言うんだな」と思われる。

    逆に、いいところしか言わない人は、必ずどこかで警戒されます。完璧すぎる話は、疑われるんですよね。

    だから、先回りは防御ではありません。信頼を作りにいく攻めの手です。ここを勘違いすると、言い訳がましい説明になってしまうので注意してください。


    責めずに、ストーリーで伝える

    先回りするときに、一番やってはいけないことがあります。

    相手を直接責めることです。

    「このまま何もしないと、来年も同じですよ」

    正しいことを言っているつもりでも、これは刺さりません。刺さるどころか、防御されます。人は、痛いところを他人に指摘されると心を閉じるからです。

    だから、他人の話として伝えます。

    「以前、こういう方がいらっしゃいました。ずっと迷っていて、1年後に相談に来られたんですが、そのときこう言われたんです。あのとき始めていればよかった、と」

    同じ内容です。でも、こちらは自分ごととして受け取ってもらえます。

    責めるのではなく、想像してもらう。この違いは大きいです。


    相手が本当に迷っているのは、たいてい2つ

    書き出した理由をよく見ていくと、突き詰めると2つに集約されます。

    お金と、時間です。

    そしてこの2つは、実は「断る理由」ではなく、「決められない理由」であることが多い。本当は欲しいけれど、踏み切れない。その状態です。

    だから、こう聞きます。

    「お金のことをいったん横に置いたら、やってみたいという気持ちはありますか?」

    ここで「やりたい」と返ってくるなら、あとは払い方の話です。断られたのではありません。方法を一緒に探す場面に変わっただけです。

    女性の方だと、ここに「家族に相談しないと」が入ってくることも多いです。これも先に想定して、答えを用意しておく。準備しておけば、その場で慌てません。

    慌てないというのは、それ自体が説得力になります。


    「なぜ今なのか」を、こちらから作る

    そして、断られる一番の理由があります。

    今じゃなくてもいい、と思われていることです。

    これは相手が悪いのではなく、こちらが作れていないだけです。

    僕は講座を始める3〜4日前に、必ず個別相談の枠を入れています。前日に入れたこともあります。

    なぜそんなに直近にするのか。以前、こんなことがありました。

    整骨院を4店舗やっている社長さんに、日程を見せたときのことです。

    「直近すぎませんか。この後はないんですか」

    そう言われました。普通なら「では来月の枠を」と言いたくなる場面です。でも僕はこう答えました。

    「今は、受けていないんです」

    引き止めもしませんでした。

    翌日、申し込みが来ました。

    痛みが強い人は、「今でしょ」で動きます。逆に、いつでもいいと思われた瞬間、その話は永遠に先送りされる。

    そして、これは冷たくしているのではありません。その人が本当に困っているなら、早いほうがいいに決まっているからです。次があると伝えることのほうが、実はその人のためになっていないんですよ。


    まとめ

    • 断られる理由は3つ前後しかない。まず10個書き出して、よく出る3つを選ぶ
    • 言われる前に、こちらから出す。札が使えなくなるし、信頼が生まれる
    • 完璧すぎる話は疑われる。不安に自分から触れる人が信用される
    • 責めずに、他人のストーリーで想像してもらう
    • お金と時間は、断る理由ではなく決められない理由。確かめる一言を持つ
    • 「なぜ今なのか」を、こちらが作る。いつでもいい話は永遠に動かない

    その場で必死に答えるのをやめて、答えを先に置いておく。それだけで、商談の終わり方が変わります。

    そして、断られたとき「自分の返し方が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 満足させすぎたセミナーは、売れません

    満足させすぎたセミナーは、売れません

    僕のセミナーデビュー戦の話をします。

    気合いで生徒を集めました。寝る間も惜しんで、コンテンツを作り込みました。持っているものを全部詰め込んで、当日を迎えました。

    結果、17人中17人が「大満足」。

    アンケートも絶賛でした。手応えもありました。

    さあ、ここでクイズです。

    そのうち何人が、次の講座に申し込んだでしょうか。


    答えは、ゼロ人です

    一人も来ませんでした。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あれだけ喜んでもらえたのに、と。

    納得がいかなくて、17人全員に電話をかけました。一人ずつ、理由を聞いて回ったんです。

    そして返ってきた言葉が、これでした。

    「内容が良すぎて、自分にもできると思いました」

    ……そういうことか、と。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきましたが、この日の失敗が全部の原点になっています。

    満足は、ゴールではありません。満足させすぎると、人は動かなくなります。


    試食で満腹にしたら、誰も買いません

    考えてみてください。

    スーパーの試食コーナーで、ラーメンをどんぶり一杯出されたらどうなるか。

    満足して、帰ります。

    買う理由が、なくなるからです。お腹がいっぱいなのに、わざわざレジに並ぶ人はいません。

    車の試乗も同じです。6時間も乗せてもらったら、もう十分乗った気になる。ちょっとだけ乗せて「もっと乗りたい」で戻すから、欲しくなるんですよね。

    僕がやったのは、試食でどんぶりを出したのと同じことでした。

    やり方を、全部教えてしまったんです。

    しかも当時の僕は、それが親切だと思っていました。詰め込めば詰め込むほど、いいセミナーになると信じていた。逆でした。


    セミナーには2種類あります

    ここを分けられるかどうかが、全部を決めます。

    1つめは、情報提供型。すでに買ってくれた人に、惜しみなく全部出す。満足度を最大にするのが目的です。

    2つめは、顧客獲得型。これから出会う人に向けたもので、全部は教えません。「もっと知りたい」で止めます。

    僕の失敗は単純で、2の場所で1をやってしまったことでした。

    どちらが良い悪いではありません。場所が違うだけです。ここを混ぜると、どれだけ準備しても結果が出ません。

    そして、この切り替えができていない人は、本当に多いです。まじめな人ほど「出し惜しみは失礼だ」と思ってしまうので。

    でも、出し惜しみとは違うんですよ。入口を見せて、その先を一緒に歩きませんかと誘っているだけです。


    体験会は、楽しませすぎてはいけない

    習い事や趣味の教室だと、セミナーではなく体験会になります。これも構造は同じです。

    やることは3つ。

    1. 疑似体験させる
    2. ワクワクを伝える
    3. ただし、楽しませすぎない

    3つめが抜けている体験会が、本当に多いです。

    以前、世田谷のピアノ教室の相談を受けたことがあります。体験会をやっても、来た人が「お願いします」にならない。

    何が足りなかったか。その子が、この先生と一緒にどうなれるかを想像できていなかったんです。

    そこで、体験会の設計を変えました。ポイントは、見る人が2人いるということでした。

    弾く本人である子どもと、お金を払う親です。

    子どもにはワクワクを、親には「この先生に任せたらこうなる」という未来を見せる。この2人分を設計したら、半年で生徒が20人から50人になりました。

    楽しかった、で終わらせない。その先を見せる。それだけの違いです。


    人数を集めることが、目的ではありません

    もう1つ、当時の僕が勘違いしていたことがあります。

    人を集めれば、なんとかなると思っていました。

    でも今は、はっきりこう思います。

    20人集めて0人より、5人来て1人のほうがいい。

    大事なのは、自分の熱量が届く人数かどうかです。届かない人数を集めても、薄まるだけなんですよね。

    僕の場合、5人くらいが一番いい。不思議なもので、8人のときが一番弱いというデータが自分の中にあります。理由は今も分かりません。

    そして、たとえ1人しか来なくても、その1人に本気で向き合えばいいんです。目の前の一人を獲得できる人は、10人でも100人でもできます。逆はありません。

    人数が少ない日は「今日は濃いですね、その分、熱く伝えます」と言えばいい。1対1を乗り越えた回数だけ、強くなります。


    相手が知りたいのは、3つのことだけ

    最後に、これだけは持ち帰ってください。

    人が何かを買うとき、頭の中で確かめていることは3つです。

    1. なぜ、これが必要なのか
    2. なぜ、あなたから買うのか
    3. なぜ、今なのか

    この3つが揃って、はじめて動きます。1つでも欠けたら止まります。

    僕のデビュー戦は、1だけを全力でやって、2と3が空っぽでした。しかも1をやりすぎて、必要性そのものを消してしまった。

    満足度が高いのに申し込まれないときは、たいていこの3つのどれかが抜けています。今日のセミナーを思い出しながら、1つずつ当ててみてください。


    まとめ

    • 満足させすぎると、動かなくなる。買う理由が消えるから
    • 試食で満腹にしない。「もっと欲しい」で止める
    • セミナーは2種類。買ってくれた人向けと、これから出会う人向けを混ぜない
    • 体験会は、楽しませすぎない。そして「見ている人が2人いる」ことを忘れない
    • 人数より、熱量が届く範囲。20人集めて0人より、5人で1人
    • なぜ必要・なぜあなた・なぜ今。3つ揃って人は動く

    内容を薄くしろという話ではありません。出す場所を変えるだけです。

    そして、うまくいかないとき「自分の内容が良くないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 「高いですね」と言われたときの正解

    「高いですね」と言われたときの正解

    商談の終盤。金額を伝えた瞬間の、あの空気。

    「……ちょっと高いですね」

    心臓がひやっとしますよね。

    そして、つい言ってしまう。

    「あ、では少しお勉強させていただきます」

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    値下げした瞬間、その商談はほぼ終わります。

    しかも厄介なのが、下げても買われないということです。


    下げると、なぜ買われなくなるのか

    考えてみてください。

    さっきまで30万円だったものが、その場で25万円になった。相手の頭に何が浮かぶか。

    「じゃあ、あの30万って何だったんだろう」

    これです。

    価格は、その商品の価値をあらわす数字です。それを自分から下げるということは、「さっき言っていた価値は、本当ではありませんでした」と自分で認めたのと同じことになる。

    だから、値引きは値引きとして受け取られません。信用の値引きとして受け取られます。

    さらに厄介なことが2つあります。

    1つは、一度下げた人は「もっと下がるかも」と思うこと。交渉が終わるのではなく、始まるんですよね。

    もう1つは、すでに定価で買ってくれた人への裏切りになること。「あの人は安く買えたらしい」が伝わった瞬間、いちばん大事にすべきお客さんを失います。

    その場の1件のために、後ろにあるもの全部を差し出している。値下げというのは、そういう取引です。


    「高い」は、たいてい値段の話ではありません

    では、どうするか。

    まず知っておいてほしいのは、「高い」という言葉の中身は、1つではないということです。

    大きく2つに分かれます。

    1つは、払えない。本当にお金がない。もう1つは、払う価値が見えていない。お金はあるが、その金額に見合うか判断できていない。

    この2つはまったく別物なのに、口から出てくる言葉は同じ「高いですね」なんです。

    そしてもう1つ。そもそも「高い」は、断り文句として一番言いやすい言葉でもあります。

    「あなたを信用していません」とは言えない。「私にできる気がしません」とも言いにくい。でも「高いですね」なら、角が立たずに言える。

    つまり、その言葉をそのまま受け取って値段をいじるのは、たいていの場合、見当違いの場所を直しているということなんです。


    下げる前に、必ず聞く一言

    だから僕は、値段の話に入る前に、必ずこれを聞きます。

    「お金のことをいったん横に置いたら、やってみたいという気持ちはありますか?」

    この一言で、さっきの2つが分かれます。

    「やりたいです」と返ってきたら、値段は問題じゃありません。そこから先は、払い方の話です。分割にする方法もあるし、これから作る売上のイメージを一緒に描いてもいい。

    このとき、相手の頭の中にあるのは、たいていお金そのものではありません。「投資して、自分にできるだろうか」という不安です。

    だから僕は、こう伝えます。

    「個別相談もありますし、徹底的に僕を使ってください。伴走しますから」

    金額の話をしているようで、実は不安の話をしている。ここを外すと、いくら値段を下げても決まりません。

    一方、「うーん」と濁されたら、そこは価値が伝わっていない場所です。値段を下げても、何も解決しません。もう一度、その人にとって何が変わるのかを話す場面です。


    「高いから買う」人は、必ずいます

    もう1つ、頭に入れておいてほしいことがあります。

    高いから買う人が、一定の割合で必ずいます。

    「高い=ちゃんとしたもの」という判断軸を持っている人たちです。この人たちにとっては、安さはむしろ不安材料になります。

    安いほうが親切だと思って値段を抑えている人ほど、この層を丸ごと取りこぼしています。

    「こんな高い金額、誰も買わないですよ」と言う人がいますが、そう思っているのは売り手だけなんですよね。

    お客さんからすれば、選択肢があるだけです。

    買うか買わないかを決めるのは相手です。こちらが先回りして「この人には無理だろう」と決めてしまうのは、実はけっこう失礼なことでもあります。


    ただし、値段だけ上げるのはダメです

    誤解してほしくないので、はっきり書いておきます。

    上げるなら、価値を必ず乗せてください。

    時間を長くする。特典を付ける。その人だけの特別な体験を入れる。何かを足したうえで、価格を上げる。

    値段だけ上げるのは、ただの値上げです。それは相手にも分かります。

    順番は、価値が先。値段は後です。

    そして、この順番を守っている人は、値下げを迫られること自体が減っていきます。価値がはっきり見えているものに対して、人はあまり値切らないからです。

    値切られるということは、価値の輪郭がぼやけているという合図でもあるんですよ。


    まとめ

    • 値下げすると、信用が下がる。「さっきの値段は何だったのか」と思われる
    • 一度下げると、交渉が始まる。そして既存のお客さんへの裏切りにもなる
    • 「高い」は、一番言いやすい断り文句。そのまま受け取らない
    • 確かめる一言を持つ。「お金を横に置いたら、やりたい気持ちはありますか」
    • 相手の本当の不安は「自分にできるか」。伴走を約束する
    • 高いから買う人は必ずいる。安くして、その層を取りこぼさない
    • 上げるなら、価値を先に乗せる

    「高いですね」は、断りの言葉ではありません。まだ伝わっていない場所を教えてくれた合図です。

    そして、断られたとき「自分の値段が高すぎるからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 松竹梅の真ん中が選ばれる、本当の理由

    松竹梅の真ん中が選ばれる、本当の理由

    料金を決めるとき、こんなふうに悩んでいませんか。

    「いくらにしよう」

    「高すぎたら引かれるかな」

    「安いほうが親切かな」

    その悩み、実は値段そのものより、並べ方の問題であることがほとんどです。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。値付けは、いつの時代も一番多い相談のひとつです。

    価格は、3つ並べてください。そして一番売りたいものを、真ん中に置いてください。

    これだけで、選ばれるものが変わります。


    2つしか出さないと、必ず安いほうに流れます

    まず、なぜ2つではダメなのか。

    2つ並べると、人はどうするか。比べます。

    高いほう、安いほう。この2つしかない世界で比べると、判断の軸は「どっちが得か」しかありません。そして得を取ると、たいてい安いほうが選ばれる。

    これは相手がケチだからではありません。比べる材料が2つしかないからです。

    スーパーのチラシを思い浮かべてください。3枚並べて、どこで買うのが一番いいかを無意識に見比べている。人は、そうやって「一番買いやすい場所」を探す生き物なんです。

    つまり、比べること自体は止められません。だったら、比べ方をこちらで設計してしまえばいい。


    人気は、いつも真ん中に置かれている

    レストランを思い出してください。

    コースが3つ並んでいる。一番下はハンバーグとサラダ。真ん中はそれにコーヒーが付く。一番上はミニパスタとデザートまで付く。

    さて、どれを選ぶ人が一番多いでしょうか。

    圧倒的に、真ん中です。そして一番安いものを選ぶ人は、ほとんどいません。

    理由は単純です。僕たちは「人気」「おすすめ」は真ん中に置かれるという経験を、人生の中で何百回も積んできました。だから真ん中を見ると、無意識に「これが標準なんだな」と思う。

    さらに言うと、一番安いものを選ぶのには、ちょっとした抵抗があります。「ケチだと思われないかな」という感覚です。一番高いものにも、別の抵抗がある。

    真ん中は、その両方から逃げられる場所なんですよね。だから選ばれる。

    つまり、真ん中に置いたものが、その場の基準になります。

    だったら、一番売りたいものを真ん中に置く。これが答えです。


    差は、2割以上つけてください

    3つ並べるときに、もう1つ大事なルールがあります。

    価格の差を、2割以上つける。

    差が小さすぎると、人は高い安いを感じません。10万円と11万円が並んでいても、ほぼ同じものに見える。せっかく3つ作っても、選ぶ基準が生まれないんです。

    2割以上ずらして、はじめて「こっちは上のやつだな」「こっちは入口だな」と伝わります。

    3つの間隔が近すぎるメニュー表は、意外と多いです。値段を書き出したら、一度この目で見直してみてください。


    一番高いものを、外さないでください

    ここが、多くの人がつまずくところです。

    「こんな高い金額、誰も買わないですよ」

    そう言って、一番上を消してしまう。

    でも、はっきり言います。

    そう思っているのは、売り手のあなただけです。

    「高い=良いもの」と考える人は、必ず一定の割合でいます。その人たちは、選択肢さえあれば迷わず一番上を選びます。

    あなたが勝手に外してしまったせいで、その人は買えなくなっているだけなんです。

    僕が実際に見てきたのは、こういう形です。10万円のセミナーの一番上のコースに、「講師と30分、一緒に相談できる」「終わったら講師と一緒に食事に行ける」を付ける。

    これが、埋まるんですよ。

    高い版が売れるかどうかは、値段ではなくそこに何が乗っているかで決まります。時間、特典、その人だけの体験。この3つのどれかを乗せると、一番上は動きます。


    その場で、単価は勝手に上がっていく

    もう1つ、置いておくだけで効く理由があります。

    セミナーや体験会のように、その場で申し込みが決まる場を思い出してください。

    誰か一人が「一番上でお願いします」と言った瞬間、どうなるか。

    周りが、引っ張られます。

    ランチの注文と同じです。誰かが「じゃあ僕はAランチ」と言うと、「あ、私も」となる。人は、その場にいる人の選択に驚くほど影響されます。

    だから一番高いものは、買われなくても仕事をしています。真ん中を選びやすくする基準として働き、その場の空気の上限を上げてくれる。

    外した瞬間に、この2つを両方とも捨てることになります。


    一番安いものを買った人も、まだ終わりではありません

    最後に、意外と知られていない使い方を。

    3つのうち一番安いものを選んだ人がいたとします。

    多くの人は、そこで終わりにします。でも本当は、そこからもう一手あります。

    個別相談などで話を聞いていくと、その人の悩みがはっきり見えてくる。そのとき、上のコースのほうが明らかに合っている、という場面が出てきます。

    そこで、こう伝えます。

    「今なら、変えることもできますよ」

    これだけです。押しません。ただ、選べることを伝えるだけ。

    選択肢を最初に出していなければ、この会話は永遠に生まれません。3つ用意しておくというのは、あとから伝えるための下ごしらえでもあるんです。

    ただし1つだけ条件があります。値段だけ上げてはいけません。上げるなら、それ以上の価値を必ず乗せる。そこがないと、ただの高い商品になります。


    まとめ

    • 価格は3つ並べる。2つだと必ず安いほうに流れる
    • 一番売りたいものを真ん中に置く。人は真ん中を基準だと思う
    • 差は2割以上つける。近すぎると高い安いを感じない
    • 一番高いものを外さない。買う人は必ずいるし、買われなくても基準として働く
    • 高い版には、時間・特典・特別な体験のどれかを乗せる
    • 一番安いのを買った人にも、「今なら変えられます」がある
    • 値段だけ上げない。価値を乗せてはじめて成立する

    値段に迷ったら、金額を悩む前に、まず並べ方を見直してみてください。

    そして、選ばれないとき「自分の商品に価値がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 売りたいものを、最初に見せてはいけない

    売りたいものを、最初に見せてはいけない

    セミナーを開いた。人も来てくれた。

    一生懸命、伝えた。

    なのに、誰も申し込まない。

    「内容が薄かったのかな」と、次はもっと詰め込む。資料も増やす。スライドも作り直す。それでも結果は変わらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、こう断言できます。

    申し込まれないのは、内容が薄いからではありません。

    売りたいものを、最初に出してしまっているからです。


    直球で出すと、「知ってるよ」で終わります

    たとえばダイエットを売りたいとして、いきなり「ダイエットの正しいやり方をお伝えします」と始めたとします。

    このとき、相手の頭の中で何が起きているか。

    「ああ、その話ね」

    これです。

    人は、知っているつもりのテーマには耳を閉じます。しかも厄介なことに、この判定は最初の数秒で終わります。どれだけ後半にいい話を用意していても、冒頭で「聞いたことある枠」に放り込まれたら、そこから先はもう届きません。

    だから、売りたいものは隠します。

    関係のなさそうな入口から入る。そこで話を進めて、途中で「実は、これってダイエットの話なんです」と持っていく。

    同じ内容です。順番を変えただけです。でも、まったく別の話に聞こえます。

    入口を変えるというのは、中身を薄めることではありません。届く状態を作ってから出す、というだけのことです。


    「説明会」という名前が、全部を殺しています

    これは、もったいない人が本当に多いです。

    タイトルに「説明会」と付いている。もうこの3文字で終わりです。

    なぜかというと、人は無意識に「売られる」を避けるからです。説明会と書いてある時点で、来る前から相手の頭は「売り込みを受ける場」だと分かっている。

    身構えた状態で来た人に、何を話しても入りません。その日の勝負は、タイトルを付けた時点でついているんです。

    では、何を入れるか。

    タイトルに必要なのは、見た瞬間に「自分のモヤモヤが解決できるかも」と思える言葉です。要素で言うと、こうなります。

    • 誰のための会なのか(◯◯で悩んでいる方へ)
    • 何が手に入るのか(メリット)
    • 数字(たった3日で/9割の人が)
    • 限定(先着7名)

    全部入れる必要はありません。ただ、「誰の」と「何が手に入る」の2つが無いタイトルは、まず集まりません。

    そしてもう1つ。タイトルは、走りながら変えてください。

    僕も昔「先生ビジネス」という言い方をずっと使っていました。反応も良かった。ところが、だんだん周りが同じ言葉を使い始めて、埋もれるようになったんです。

    本のタイトルと同じで、当たっている表現は必ず真似されます。反応を見ながら変えていく前提でいたほうがいい。


    思い込みを、ひっくり返す話を用意する

    売りたいものを隠したなら、その空いた場所に何を入れるか。

    相手の思い込みを、壊す話です。

    「そう思ってましたよね。でも、実は違うんです」

    この一撃があるかどうかで、その場の空気が決まります。人は、自分の中の常識が崩れた瞬間に、はじめて話を「自分ごと」として聞き始めるからです。

    逆に言うと、相手がすでに知っていることを丁寧に説明している時間は、全部あなたの持ち時間の無駄遣いになります。

    このときに効くのが、国の機関などが出しているデータです。

    人は、権威のある数字を驚くほど素直に信じます。自分の意見として「僕はこう思うんです」と言うより、「厚生労働省の調査では、こうなっています」と外から借りたほうが、はるかに強い。

    ここは、意地を張らずに借りたほうが得です。


    そして、最後に締めていない

    ここが一番多い取りこぼしです。

    いい話をして、場も温まって、みんな満足そうな顔をしている。それで最後にこう言う。

    「ご興味があれば、いつでもご連絡くださいね」

    ……来ません。1件も。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あんなに盛り上がったのに、と。

    でも当たり前なんです。締めないと、人は動かないからです。

    「いつでも」というのは、相手からすると「今じゃなくていい」と同じ意味です。そして今じゃなくていいことは、永遠にやりません。人はそういうふうにできています。

    必要なのは、その場で完結する一言です。

    「今回、1名様だけ、無料でご相談をお受けします」「限定3名です」

    この形にして、はじめて手が挙がります。


    「売り込みたくない」と思っている人へ

    ここまで読んで、それでも締めるのが嫌だという人がいると思います。

    僕もそうでした。だから、その気持ちはよく分かります。

    でも一度だけ、こう考えてみてほしいんです。

    あなたの話を聞いて、目が輝いた人がいた。何かが変わりそうな予感がした。でもあなたが最後に締めなかったから、その人は「いい話だったな」で帰った。

    そして翌日、同じ場所で止まったままの日常に戻る。来月も、来年も。

    あなたが黙ったせいで、その人の物語は何も起きないまま終わります。

    売り込みが失礼なんじゃありません。伝えられるものを持っているのに黙っていることのほうが、よっぽど失礼なんですよ。

    僕はある時期から、そう思うようにしました。それ以来、締められないことはなくなりました。


    まとめ

    • 売りたいものは、最初に出さない。直球は数秒で「知ってるよ」に弾かれる
    • タイトルに「説明会」を使わない。来る前から身構えられる
    • タイトルには「誰の」と「何が手に入る」を必ず入れる。そして走りながら変える
    • 思い込みを壊す話を1つ用意する。外から借りた数字が効く
    • 必ず締める。「いつでもご連絡ください」では、1件も来ない
    • 黙っていることのほうが、相手にとっては損失

    順番を変えるだけです。話す中身は、今のままでかまいません。

    そして、うまくいかないとき「自分の知識が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 個別相談で「考えます」と言われ続ける人がやっていること

    個別相談で「考えます」と言われ続ける人がやっていること

    セミナーには来てくれた。個別相談にも申し込んでくれた。

    話も、めちゃくちゃ盛り上がった。

    なのに最後、「ちょっと考えます」。

    そして、連絡は来ない。

    これ、しんどいですよね。入口までは全部うまくいっているのに、最後の一歩だけが越えられない。しかも相手の反応が悪かったわけじゃないから、どこを直せばいいのかも分からない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    「考えます」で終わるのは、提案の中身が悪いからではありません。

    原因は、そのもっと前。60分の使い方です。


    そもそも、個別相談はダラダラやったら終わりです

    まず大前提を1つだけ。

    個別相談は、60分で決めるものです。

    「今日は顔合わせだから」「まずは仲良くなってから」。優しい人ほど、こう考えます。僕も、ずっとそうでした。

    そして帰り道で、毎回思うんです。

    (今日、何しに行ったんだろう)

    でも、相手は忙しいんです。次に会える保証はどこにもない。今日の60分が最初で最後だと思って設計する。ここが全部の土台になります。

    そのうえで、決まらない人がやっていることを4つ挙げます。


    やっていること①:聞いているだけになっている

    一番多いのがこれです。

    相手がベラベラ話す。こちらは「うんうん」とうなずく。60分があっという間に過ぎて、「今日は話せてスッキリしました!」と満足して帰っていく。

    ……で、終わり。

    厳しいことを言いますが、聞いているだけでは、受注になりません。

    そしてもう1つ。相手がベラベラ話しているということは、こちらが質問をしていないということです。

    質問がないから、相手は自分の好きなところを好きなだけ話す。話は広がるけど、深くはならない。だから「で、結局どうすればいいんだろう」のまま帰ることになります。

    聞き上手は美徳です。でも個別相談では、こちらが質問で導く。ここを引き受けないと、相手は迷子のままです。


    やっていること②:いきなり「お悩みは何ですか」から入っている

    これも、めちゃくちゃ惜しいパターンです。

    席についてすぐ「今日はどんなことでお悩みですか?」。一見、正しそうに見えます。

    でも、相手からするとちょっと唐突なんですよね。心の準備ができていないところに、いきなり一番深いところを聞かれる。だから当たり障りのない答えしか出てきません。

    ここで挟むべき言葉が1つあります。

    「今日は、お悩みを具体的にしていく時間にしたいと思うんですが、よろしいですか?」

    たったこれだけです。

    相手が「はい」と言った瞬間、この60分の使い方に合意が取れます。あとは気持ちよく話してもらえる。

    そして、ここが大事なんですが、これは同時にこちらが場をコントロールしているということでもあります。相手を縛るためじゃない。相手を迷子にさせないためです。


    やっていること③:相手の言葉を、自分の言葉に置き換えて返している

    これは、気づいていない人が本当に多いです。

    相手が「売上が低迷していて」と言ったとします。それに対して、

    「なるほど、売上が下がっているんですね」

    ……はい、アウトです。

    え、同じ意味じゃないの?と思いますよね。違うんです。

    「低迷」と「下がっている」は、その人の中では別の言葉なんです。

    相手が選んだ言葉には、その人の感覚が乗っています。それを自分の解釈で言い換えて返すと、「いや、そうじゃないんだけどな」という違和感が残る。

    そして怖いのが、この違和感は、口には出ません。顔に出ます。

    だから、返すときは同じ言葉で返す。

    「売上が、低迷しているんですね」

    これだけで、「この人はちゃんと聞いてくれている」が伝わります。逆にここを外すと、どれだけいい提案をしても最後まで距離が縮まりません。


    やっていること④:悩みだけ聞いて、未来を聞いていない

    そしてこれが、最大の原因かもしれません。

    多くの人が、悩みを掘って掘って掘りまくって、「なるほど、大変ですね」で終わります。

    でも、考えてみてください。

    悩みの話をしている間、相手はずっと苦しいんです。

    苦しい話を60分されて、最後に「で、どうしますか?」と言われる。そりゃ「考えます」になりますよね。

    ここで必要なのが、未来の話です。

    「これが全部解決できたとして、3年後、どうなっていたら幸せですか?」

    このとき、コツが1つあります。「理想でいいので、いくらでもOKです」と先に言ってあげる。そうしないと、人はすぐ現実的に考えようとしてブレーキを踏みます。

    僕がこれをやると、面白いことが起きます。

    「いや、未来とか特にないんですよね」と言っていた人が、質問していくとバンバン出てくるんです。カフェをやりたい、両親を呼びたい、家族で旅行に行きたい、アメリカのルート66を走りたい。

    そして本人が一番びっくりする。「自分、こんなこと思ってたんだ」って。

    このとき、顔つきが変わります。悩みを話しているときと、未来を話しているとき。同じ人とは思えないくらい変わる。

    そこでこう聞きます。

    「どっちが、気持ちいいですか?」

    答えは決まってますよね。


    「やめましょう」と言えるかどうか

    最後に、実話を1つ。

    全部説明して、未来も見えて、それでも「うーん、どうしよう」と迷い続ける人がいます。

    昔の僕は、ここで頑張って説得しようとしていました。もう一押し、もう一押しって。

    ……で、だいたい嫌われます。

    相手の顔が、スッと引いていくんですよ。(あ、今やらかした)って、こっちにも分かるんです。

    今は、こう言います。声のトーンを、一気に落として。

    「やめましょう。きっと、うまくいかないです。」

    「ここで決断できないと、この先いろんな壁を越えられません。時間もお金も、もったいないですから」

    本気で引きます。演技じゃありません。

    すると、どうなるか。だいたい「ちょっと待ってください」と言われます。

    これはテクニックの話じゃないんです。迷い続ける人を無理に連れていっても、その人は結果を出せない。だったら、お互いのために引いたほうがいい。本気でそう思っているから、伝わるんだと思います。

    逆に、こんなこともありました。「貯金の最後のお金なんです」と言われたとき。

    僕は「いいですよ。このお金が増えることを想像して、一緒に頑張りましょう」と答えました。

    その方、3ヶ月後に600万円を作りました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。

    頑張ったのはその人です。僕は「いける、いける」と横で言い続けただけ。でも、その一言があるかないかで、人は変わります。


    まとめ

    個別相談で「考えます」と言われ続けているなら、直すのは提案の中身ではありません。

    • 聞くだけをやめる。こちらが質問で導く
    • 最初に「よろしいですか?」で合意を取る。それだけで60分の質が変わる
    • 相手の言葉を、そのまま返す。言い換えた瞬間に違和感が残る
    • 悩みで終わらせない。未来を聞くと、顔つきが変わる
    • 迷い続ける人には、引く勇気を持つ

    どれも、難しいことは何もやっていません。順番を変えるだけです。

    そして、うまくいかないときほど「自分のトークが下手だから」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。