実績は、ある。
数字も出せる。ちゃんと書いてもいる。
なのに、反応がない。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。ここには、多くの方が知らない事実があります。
人は、数字には共感しません。
「15年で150社」で、心は動きません
たとえば、こう書いてあったとします。
経営の相談を15年、150社を支援してきました。
すごいことです。事実、簡単ではありません。
でも、読んだ人の心は動きません。
なぜか。
これは、理屈だからです。
すごいかどうかを判断する材料であって、感情が動く材料ではありません。
そして、人は理屈では動きません。
ある選手の話
分かりやすい例を挙げます。
大記録を作った野球選手がいます。
ファンは、その記録の数字に感動しているでしょうか。
違いますよね。
その数字を出すまでに、どれだけ悩んで、どれだけストイックにやってきたか。
その過程に、心を動かされています。
数字は、あくまで結果です。
共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの部分です。
裏側を、誰も語っていません
そして、ここが大事なところです。
ほとんどの人が、この裏側を書いていません。
なぜかというと、自分では当たり前だと思っているからです。
- そんな話、面白くないだろう
- みんな同じようにやっているだろう
- わざわざ書くことでもない
……全部、思い込みです。
あなたが当たり前だと思っている過程は、外から見ると全然当たり前ではありません。
そして、そこにしか共感は生まれません。
何を書けばいいのか
具体的に、書くべき中身を挙げます。
① なぜ、それを始めたのか
きっかけです。たいてい、大した理由ではありません。それでいいんです。
② うまくいかなかった時期に、何をしていたか
ここがいちばん強いです。
③ どこで、変わったか
何かに気づいた瞬間、誰かに言われた一言。
④ 今でも、大事にしていること
この4つを書くと、結果の裏側が出てきます。
「なぜ」を、3回聞いてください
書けないときのコツを1つ渡します。
自分が書いた実績の一文に、「なぜ」を3回ぶつけてください。
例で見ます。
「150社を支援してきました」
→ なぜ、続けられたのか→ 「相談に来る人が、みんな同じところでつまずいていたから」
→ なぜ、それが気になったのか→ 「自分も、同じところでつまずいていたから」
→ なぜ、自分はそこを抜けられたのか→ 「ある人に、順番が違うと言われたから」
3回目で、共感できる話になりました。
これは、僕が添削でいつもやっていることです。結果の言葉に「なぜ」を書き込んで返します。
シーンがないと、届きません
もう1つ、添削でよく指摘することがあります。
裏側を書いたつもりでも、説明のままになっていることが多いです。
- ✗ 「たくさん苦労しました」
- ✗ 「大変な時期がありました」
これは、まだ何も書いていません。
その苦労が伝わるシーンを、1つ入れてください。
- ○ 「事務所の電気を消して、駅まで歩きながら、明日の入金予定を頭の中で3回計算していました」
1シーンで足ります。
そして、シーンがある文章は、10年後も覚えてもらえます。
立派に見せようとしないでください
最後に、いちばん多い失敗を書きます。
裏側を書こうとすると、多くの人はきれいにまとめます。
「困難を乗り越えて、今の自分があります」
……これ、何も伝わっていません。
困難の中身が、書かれていないからです。
そして、きれいにまとめてしまう理由は、はっきりしています。
かっこ悪いところを見せたくないからです。
でも、共感が生まれるのは、まさにそのかっこ悪いところなんですよ。
うまくいっている人の話には、誰も自分を重ねられません。
うまくいっていなかった時期の話にだけ、人は自分を重ねます。
裏側は、聞いてもらったほうが早いです
自分で書き出そうとして、手が止まる方が多いです。
そういうときは、人に話してください。
そして、聞き役の人にこうお願いします。
「気になったところで、なぜ、と聞いてください」
これだけです。
自分で書くと、無意識に飛ばします。当たり前だと思っている部分は、書く候補にすら上がらないので。
でも、人が聞くと止まります。
「え、それどういうことですか」
その、相手が止まった場所が、書くべき場所です。
僕が添削でやっていることも、結局これです。
相手が当たり前だと思っている場所に、なぜ、と書き込んで返す。
そして、返ってきた答えが、そのまま記事になります。
自分の当たり前は、自分では見つけられません。
ふつうの過程で、いいんです
最後に、いちばんの心配を消しておきます。
「自分の過程は、ドラマチックじゃない」
そう思う方が多いです。
大丈夫です。ドラマチックである必要はありません。
必要なのは、具体的であることだけです。
- 3年間、同じ資料を毎晩作り直していた
- 断られた帰り道に、いつも同じコンビニで缶コーヒーを買っていた
- 初めての契約書を、5回読み返してから判を押した
どれも、劇的ではありません。
でも、読んだ人の頭には映像が浮かびます。
そして、浮かんだものにだけ、人は心を寄せます。
派手さより、具体性です。
まとめ
- 人は、数字や実績には共感しない
- 共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの過程
- ほとんどの人が、裏側を書いていない
- 書かない理由は「当たり前だと思っているから」
- なぜ始めたか/うまくいかない時期/変わった瞬間/今も大事なこと
- 実績の一文に「なぜ」を3回ぶつける
- 説明ではなく、シーンを1つ入れる
- きれいにまとめない。かっこ悪いところにこそ共感が生まれる
自分の実績の一文を選んで、「なぜ」を3回書いてみてください。
そして、反応がないとき「実績が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。
