投稿者: 浪間 亮(RYO)

  • 主人公は、あなたではなくお客様です

    主人公は、あなたではなくお客様です

    ストーリーを書きましょう、と言われる。

    でも、書けない。

    自分には、人に語れるような経験がないから。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この悩みには、はっきりした原因があります。

    主人公を、取り違えています。


    作るのは、自分の物語ではありません

    まず、ここを直します。

    作るのは、お客様の物語です。

    自分の物語ではありません。

    なぜなら、共感というのは、読んだ人が自分を重ねられたときにしか生まれないからです。

    自分の武勇伝を並べても、読んだ人は重ねられません。

    すごいですね、で終わります。

    そして、すごいと思われることと、頼まれることは、まったく別です。


    あなたは、導く側です

    物語には、必ず2人います。

    主人公と、導く人。

    そして、あなたは導く側です。

    有名な映画を思い出してください。主人公は、たいてい何も持っていない普通の人です。そして、そこに導く人が現れます。

    あなたの役は、その導く人です。

    だから、自分がすごい必要はありません。

    主人公は、あなたのお客様です。


    面白い話は、必ずダメな日常から始まります

    ここから、骨格の話をします。

    面白い物語には、共通の形があります。

    そして、必ず「うまくいっていない日常」から始まります。

    最初から強い主人公の話は、面白くありません。

    だから、お客様の物語もここから始めます。

    その人が、まだ何も気づいていなかったころ。

    もやもやしながら、毎日を過ごしていた時期。

    ここを、できるだけ具体的に書きます。


    骨格は、こうです

    流れを、簡単にまとめます。

    ① うまくいっていない日常まだ、これが問題だと気づいていない

    ② 問題が起きる「このままだとまずい」

    ③ でも、動けない「本当に自分にできるのか」という葛藤

    ④ 導く人と出会う「この人みたいになりたい」

    ⑤ 動き出す

    ⑥ 試練と、仲間

    ⑦ 大きな山に向かう準備

    ⑧ いちばんの試練

    ⑨ 何かを手に入れる

    ⑩ 元の場所に戻る。でも、前とは違う自分で

    これが、骨格です。


    ③が、いちばん大事です

    この中で、多くの人が飛ばすのが③の葛藤です。

    ②から④に、すぐ飛んでしまう。

    でも、読む人がいちばん自分を重ねるのは、③なんですよ。

    なぜなら、読んでいる人の多くが、今まさに③にいるからです。

    • 変わりたい気持ちはある
    • でも、動けない
    • 本当に自分にできるのか分からない

    ここを丁寧に書けている物語は、刺さります。

    飛ばしてしまうと、すごい人の成功談になってしまいます。


    一行ずつ、シーンと心の声で書いてください

    書き方のコツを1つ。

    各段階を、説明で書かないでください。

    シーンと、心の声で書きます。

    • ✗ 説明:当時、彼女は事業がうまくいかず悩んでいた
    • ○ シーン:夜11時、まだ電気のついた事務所で、彼女は今月の請求書を3回数え直していた

    そして、そこに心の声を1つ足します。

    (今月も、足りない)

    この2つがあると、読んだ人の頭に映像が浮かびます。

    映像が浮かんだものだけが、記憶に残ります。


    相手が今どこにいるかを、見てください

    もう1つ、実務で効く使い方があります。

    この骨格は、相手の位置を測る道具にもなります。

    目の前の人が、今どの段階にいるか。

    • ①にいる人は、まだ困っていません。ここで売り込むと、嫌われます。「うまくいかないときは思い出してください」と種を置くだけにします。
    • ②③にいる人が、いちばん刺さります。「今、こうじゃないですか」と言い当てると、こう思われます。

    「なんで、そんなによく知ってるんだろう」

    そして、そこから深い話が始まります。

    段階が違えば、届く言葉が違う。これを知っているだけで、無駄な売り込みが減ります。


    最後まで、伴走してください

    最後に、いちばん大事なことを書きます。

    物語には⑩があります。手に入れて、帰ってくる。

    でも、そこで終わりではありません。

    導く人は、その先まで伴走します。

    「頑張ってくださいね」で終わる人は、覚えられません。

    問題が解決したあと、「もっとこうなりたい」まで一緒に見る。

    ここまでやると、こう言われます。

    「なんで、そこまでやってくれるんですか」

    僕は、逆に聞きたいんです。

    「なんで、やってあげないんですか」

    一線をどこに引くか。そこが、いちばん差になります。


    骨格を、全部使わなくていいんです

    10個の段階を見て、身構えた方もいると思います。

    全部書く必要は、ありません。

    短い自己紹介なら、①②③④だけで足ります。

    • うまくいっていない日常
    • 問題が起きる
    • でも、動けない
    • 導く人と出会う

    この4つで、1分の自己紹介が作れます。

    大事なのは、順番を守ることです。

    多くの人は、④から始めてしまいます。「私はこういうサービスをしています」から入る。

    でも、①がないと、④の意味が伝わりません。

    何から救われたのかが分からないと、何をしている人かも分かりません。

    だから、必ず①から始めてください。

    長さは、あとから調整できます。


    まとめ

    • 作るのは、自分の物語ではなくお客様の物語
    • 主人公はお客様。あなたは導く人
    • 面白い話は、必ずうまくいっていない日常から始まる
    • 飛ばしてはいけないのは、③の葛藤
    • 読んでいる人の多くが、今まさに③にいる
    • 説明ではなく、シーンと心の声で書く
    • 相手が今どの段階にいるかを、先に見る
    • 問題解決の先まで伴走する

    過去のお客さんを一人選んで、その人の①を1行だけ書いてみてください。

    そして、書けないとき「自分には語れる経験がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 努力の方向を変えるだけで、結果は変わります

    努力の方向を変えるだけで、結果は変わります

    交流会にも出ている。

    紹介も頼んでいる。

    勉強もしている。名刺も配っている。

    なのに、案件にならない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。こういう方に、僕は絶対に言わないことがあります。

    「もっと頑張りましょう」とは、言いません。


    もう、十分に動いています

    理由は、はっきりしています。

    この状態の方は、行動できない人ではありません。

    むしろ、人より動いています。

    実際に僕が見てきた方々は、こうでした。

    • 交流会の団体に複数入って、広告も出して、紹介の仕組みも作って、講師登録もして、全部やって全敗
    • 早く結果を出したくて、毎日6時間、画面越しに人と会っていた
    • 行動量は人より多いのに、結果が出ないことがパターンになっている

    ……頑張っていないわけが、ありません。

    だから「もっと動け」は、この方たちにとっていちばん残酷な言葉です。


    問題は、量ではなく方向です

    では、何が起きているのか。

    方向が、ずれています。

    これは、ものすごく損な状態です。

    なぜなら、努力が結果に反映されないからです。

    そして、反映されないと、こう思います。

    「自分には向いていないのかもしれない」

    ……ここが、いちばん怖いところです。

    方向がずれているだけなのに、自分に問題があると結論づけてしまう。

    そして、やめてしまいます。


    ずれている場所は、たいてい同じです

    では、どこがずれているのか。

    僕が見てきた限り、ほぼ同じ場所です。

    伝え方。もっと言うと、伝える順番です。

    多くの方は、こういう順番で話しています。

    自分は何者か → 何ができるか → だから、どうですか

    一見、正しそうです。

    でも、これだと相手は動きません。

    相手の話が、1つも入っていないからです。


    結果を急ぐと、順番が飛びます

    なぜ、この順番になるのか。

    結果を急いでいるからです。

    早く決めたい。だから、早く自分の話をする。

    気持ちは、よく分かります。数字が足りていないときは、特にそうです。

    でも、急ぐほど遠回りになります。

    正しい順番は、こうです。

    相手の話を聞く → 相手の中で問題がはっきりする → そこで初めて、自分の話をする

    自分の話は、最後です。

    そして、順番を守ると、多くの場合こうなります。

    売り込まなくても、相談されます。


    直すのは、自己紹介ではありません

    ここで、1つ補足します。

    「じゃあ、自己紹介を直せばいいのか」と思われるかもしれません。

    自己紹介は、あくまで手段です。

    目的は、案件になることです。

    だから、自己紹介の言い回しをきれいにしても、順番が同じなら結果は変わりません。

    大事なのは、どんな言葉を使うかではなく、どの順番で伝えるかです。

    そして順番が正しければ、多少言葉が下手でも通ります。

    逆に、順番が違うと、どれだけ言葉を磨いても通りません。


    自分を責めないでください

    ここは、はっきり書いておきます。

    成果が出ないとき、多くの方は自分を責めます。

    • 自分は営業に向いていない
    • 自分には魅力がない
    • 自分は選ばれない人間だ

    違います。

    やっていることが、ずれているだけです。

    やり方の話を、人格の話にしないでください。

    これは、本当に大事なことです。

    なぜなら、人格の話にしてしまうと、直しようがなくなるからです。

    やり方なら、直せます。今日から変えられます。


    増やすのをやめて、変えてください

    最後に、明日からできることを書きます。

    いま、行動を増やそうとしていませんか。

    増やすのを、いったんやめてください。

    代わりに、同じ量のまま、順番だけ変えてください。

    次に人と会うとき、こうしてみてください。

    最初の10分は、自分の話を1つもしない。

    聞くだけ。何をしている人で、何に困っているのか。

    そして、10分経ってから、初めて自分の話をする。

    やることは変えていません。順番を変えただけです。

    これだけで、相手の反応が変わることを、多くの方が体験しています。


    順番を変えると、量も減ります

    もう1つ、おまけの効果を書いておきます。

    順番を変えると、必要な行動量が減ります。

    理由は簡単です。

    打率が上がるからです。

    10人と会って0件だった人が、順番を変えて10人と会うと、1件や2件になります。

    すると、その1件に時間を使えるようになります。

    そして、丁寧に対応できるので、紹介が生まれます。

    紹介が生まれると、また量が減ります。

    つまり、こういう循環です。

    順番を直す → 決まる → 時間ができる → 丁寧にできる → 紹介が来る

    いま苦しいのは、この循環に一度も入れていないからです。

    そして、循環に入るために必要なのは、追加の努力ではありません。

    いまの努力の向きを、少し変えるだけです。


    まとめ

    • 成果が出ない人ほど、実は人より動いている
    • 「もっと頑張れ」は、いちばん残酷な言葉
    • 問題は量ではなく、方向
    • 方向がずれているだけなのに、自分に問題があると結論づけてしまう
    • ずれているのは、伝える順番
    • 結果を急ぐと、順番が飛ぶ
    • 相手の話が先。自分の話は最後
    • やり方の話を、人格の話にしない
    • 増やすのをやめて、順番だけ変える

    次に人と会うとき、最初の10分だけ聞き役をやってみてください。

    そして、成果が出ないとき「自分には向いていない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • メリットのハシゴを、一段ずつ上げてください

    メリットのハシゴを、一段ずつ上げてください

    いいものだという自信がある。

    だから、全部伝えたい。

    そして、一気に話して断られます。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。断られる原因は、内容ではありません。

    相手が、まだそこまで上がってきていないだけです。


    人は、段を飛ばして上がれません

    まず、仕組みを説明します。

    相手の頭の中には、段があります。

    ① 自分に関係がある話だ② 自分にも困りごとがあるかもしれない③ それは、放っておくとまずい④ 解決する方法があるらしい⑤ この人に頼むといいかもしれない

    売る側は、いつも⑤に立っています。

    でも、初めて聞く相手は①にいます。

    そこに向かって⑤の話をするから、届きません。

    これは、内容の問題ではなく、位置の問題です。


    メリットには、手前と奥があります

    段を上げるときに、いちばん効くのがこれです。

    メリットを2階建てにしてください。

    ① 本人が分かっているメリット② 本人が気づいていない、奥のメリット

    例を出します。

    使っていない宝石を買い取る商売なら、こうです。

    • ① お金になる(誰でも分かる)
    • ② そのお金で、大切な人と旅行に行ける

    車なら、こうです。

    • ① 燃費がいい
    • ② 維持費が浮くぶん、お金を生む車になる

    ①だけだと、値段の比較になります。

    ②が見えた瞬間、話が変わります。


    奥のほうは、言い切らないでください

    ここが、いちばん大事なところです。

    ②を、こちらから言い切らないでください。

    「この車は、お金を生む車です」

    こう言われると、人は引きます。押されている感じがするからです。

    そうではなく、相手が勝手にそう思うように置きます。

    たとえば、こうです。

    「月々の差額が、だいたい1万円くらいですね」

    これだけ。

    そして、相手が計算します。年間12万。5年で60万。

    「あ、それなら旅行に行けるな」

    自分で気づきました。

    人は、自分で思いついたことにしか、本気になりません。


    痛みがないと、上がりません

    もう1つ、段を上げるのに必要なものがあります。

    痛みです。

    困っていない人は、動きません。当然です。

    そして、世の中の商品の多くは、痛みが見えにくいです。

    そういうときは、本人が気づいていない痛みに、そっと触れます。

    たとえば、こうです。

    「あの指輪、今どこにあるか思い出せますか」

    ……うまいですよね。

    売り込んでいません。責めてもいません。

    でも、聞かれた人は探し始めます。そして、思い出せないことに気づきます。

    気づいた瞬間、それがその人の問題になります。


    強すぎる痛みは、逆効果です

    ただし、ここは加減が要ります。

    痛みを強く突きすぎると、人は逃げます。

    「このままだと、あなたは大変なことになりますよ」

    こう言われて動く人より、耳を塞ぐ人のほうが多いです。

    目安は、「これは何とかしないとな」と思える程度です。

    眠れなくなるほどではなく、少し引っかかるくらい。

    そして、うそはつかないでください。

    作った痛みが本当でないと、後で必ず崩れます。そして、崩れたときに失うのは信用です。

    触れるのは、実際にある痛みだけにしてください。


    想像しやすいものから、話してください

    もう1つ、実務的なコツです。

    段を上げるとき、相手が想像しやすい話から入ってください。

    たとえば、指輪やネックレスは、多くの人が身につけた経験があります。

    だから「あの指輪」と言われた瞬間、具体的な映像が浮かびます。

    一方、経験のないものは浮かびません。浮かばないものについては、痛みも感じられません。

    だから、こう考えてください。

    相手の記憶の中にあるものから、始める。

    そして、そこから自分の商品につなげていく。

    いきなり自分の商品から始めない。これだけで、届き方が変わります。


    「できます」で止めないでください

    最後に、いちばんよくある失敗を書きます。

    紹介文が、こうなっていませんか。

    「〜ができます」

    これは、①で止まっています。

    • 買い取りができます
    • 修理ができます
    • 相談に乗れます

    その結果、何が手に入るのか。

    ここを1行足すだけで、段が1つ上がります。

    そして、その1行があるかないかで、読んだ人が自分の未来を想像できるかどうかが決まります。


    段を上げるのは、一度に1つです

    最後に、実践の順序を書いておきます。

    段を上げようとするとき、一度に2つ上げようとしないでください。

    たとえば、初対面の相手に、痛みも奥のメリットも解決策も、全部その日に伝えようとする。

    これをやると、相手は追いつけません。そして、押されていると感じます。

    だから、こう考えてください。

    今日は、1つ上げるだけでいい。

    初回は「自分に関係がある話だ」と思ってもらえたら成功。それ以上を狙わない。

    そして次に会ったとき、次の段に行く。

    1回の面談で決めようとするから、無理が出ます。

    そして、この考え方には副産物があります。

    焦らなくなります。

    今日決まらなくても、段が1つ上がっていれば前進です。

    そう思えると、押さなくて済みます。そして押さない人のほうが、結果的に決まります。


    まとめ

    • 相手は①にいる。売る側は⑤にいる
    • 断られるのは内容ではなく、位置の問題
    • メリットは2階建て。分かっているものと、奥のもの
    • 奥は言い切らない。相手に気づいてもらう
    • 人は、自分で思いついたことにしか本気にならない
    • 痛みがないと動かない。気づいていない痛みに触れる
    • 強すぎると逃げる。うそはつかない
    • 相手の記憶にあるものから始める
    • 「できます」で止めず、その結果を1行足す

    自分の紹介文の「できます」に、その先を1行足してみてください。

    そして、断られたとき「商品が弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 一点突破。1個を磨き抜いた人が勝ちます

    一点突破。1個を磨き抜いた人が勝ちます

    うまくいかない。

    だから、新しいことを探す。

    そして、それも続かない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この繰り返しから抜ける方法は、1つだけです。

    次を探すのをやめて、今の1個を磨き抜くことです。


    「考える」と「考え抜く」は、違います

    まず、はっきり分けます。

    考えるは、みんなやっています。

    考え抜くは、ほとんど誰もやっていません。

    ある経営者の方が、こう言っていました。

    みんな考えるが、なんで考え抜かない。考え抜いたときに、初めて勝てる。

    考えるのは、30分でも「考えた」ことになります。

    でも、考え抜くというのは、出るまでやめないことです。

    そして、これは苦しい。

    だから、多くの人は途中で「他の方法を探そう」に切り替えます。そのほうがラクだからです。


    抜いた先に、答えが出ます

    有名な話を1つ。

    即席麺を作った方は、カップに入れる形を考え抜いていました。

    麺をどうやってきれいにふやかすか。どうしても均等にならない。

    そして、考え抜いて倒れたときに、逆さになった視界からひらめきます。

    麺にカップをかぶせる。この構造でした。

    これは、根性の話をしているのではありません。

    考え抜いたから、その状態にたどり着いたという話です。

    途中でやめていたら、倒れることもなく、ひらめくこともありませんでした。


    1年ウケなかった人の話

    もう1つ、僕が好きな話があります。

    ある芸人さんは、有名なグループに入ってから1年間、まったくウケませんでした。

    そして、睡眠を削って考え抜きます。

    どうやったら、次は笑ってくれるか。

    そして生まれたのが、後に代名詞になったネタでした。

    ここで大事なのは、この方が「笑わせよう」と力んでいたのではないことです。

    どうすれば笑ってもらえるかを、突き詰めていた。

    向きが、少し違います。


    「お前たちが飽きてるんだろ」

    同じ方が、後輩に言った言葉があります。

    後輩が「お客さんが自分たちのネタに飽きてきた」と愚痴をこぼしたときのことです。

    客が飽きたんじゃない。お前たちが飽きてるんだろ。誰より本気でやれ。

    ……刺さりますよね。

    自分が飽きた瞬間、それは相手にも伝わります。

    これは、あらゆる商売に当てはまります。

    同じ説明を100回している人が、100回目を1回目と同じ熱でやれるか。

    ここで、ほぼ全員が脱落します。

    そして脱落した人が、「新しいことを探そう」と言い出します。


    1個でいい、と言われた人

    その方は、別の後輩にはこう言ったそうです。

    「お前には、これがあるだろ。1個でいい」

    1個でいい。

    これは、優しさであると同じくらい、厳しい言葉です。

    なぜなら、1個で勝負するというのは、逃げ場がないからです。

    たくさん持っていると、1つがうまくいかなくても「他があるから」と思えます。

    でも、1個しかないと、その1個をなんとかするしかありません。

    追い込まれた人だけが、磨き抜けます。


    磨き続けた先に、新しいものが出ます

    ここが、いちばん伝えたいところです。

    1個を磨き続けていると、そこから新しいものが生まれます。

    さっきの芸人さんも、同じネタをやり続けた先から、後に代表作となる新しい形が次々に出てきました。

    これは、偶然ではありません。

    深く掘った人にしか見えない層があるからです。

    浅く広く動いていると、どの穴も同じ深さで止まります。そして「どこにも何もない」と結論づけます。

    でも、1か所を掘り続けた人は、途中から周りが見えていない景色に入ります。

    新しいものは、そこで出てきます。


    探すのをやめる、と決めてください

    最後に、実務的なことを書きます。

    新しいことを探し続ける人は、探すこと自体が習慣になっています。

    そして、探している間は前に進んでいる気がします。

    だから、まず決めてください。

    この1年は、これ1個でいく。

    期限を切るのがコツです。「一生これ」だと決められません。でも「1年」なら決められます。

    そして、その1年は探しません。磨くことだけをやります。

    1年やって、それでも駄目なら変えればいい。

    でも、たいていの場合、1年ちゃんと磨いた時点で、状況は変わっています。


    磨くというのは、何をすることか

    「1個を磨く」と言われても、具体的に何をすればいいのか。

    ここを書いておきます。

    やることは、3つです。

    ① 毎回、必ず1つ変える

    同じサービスでも、毎回どこか1つだけ変えてみる。話す順番、渡す資料、最初の一言。

    ② 変えた結果を、記録する

    良かったか、悪かったか。1行でいい。

    ③ 良かったものだけ残す

    これを50回繰り返すと、50回ぶん改良されたものが手元に残ります。

    そして、これは真似できません。

    外から見ると同じサービスに見えます。でも中身は、50回ぶんの差があります。

    磨くとは、繰り返しの中で1つずつ変えることです。

    一気に作り直すことではありません。

    飽きたときが、いちばん危ない

    最後に、いちばん危ない瞬間を書いておきます。

    慣れてきたときです。

    慣れると、考えなくてもできるようになります。ラクです。

    でも、そのラクさは相手にも伝わります。同じ内容でも、熱が抜けます。

    だから、慣れてきたと感じたら、わざと変えてください。

    新しい話を1つ入れる。順番を変える。伝え方を変える。

    変え続けている限り、飽きません。

    そして、飽きていない人の話は、100回目でも伝わります。


    まとめ

    • 考えるはみんなやる。考え抜く人はほとんどいない
    • 考え抜くとは、出るまでやめないこと
    • 他を探すほうがラクだから、途中で切り替えてしまう
    • 自分が飽きたら、それは相手に伝わる
    • 1個しかないと、その1個をなんとかするしかない
    • 深く掘った人にしか見えない層がある
    • 新しいものは、磨き続けた先から出てくる
    • 「この1年はこれ1個」と期限を切って決める

    いま手を出しているものの中から、1つだけ選んでみてください。

    そして、うまくいかないとき「やり方が合っていないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • お客様の言葉を、そのまま使ってください

    お客様の言葉を、そのまま使ってください

    いい言葉が、思いつかない。

    何時間も考えて、結局よくある表現になる。

    そして、誰にも刺さりません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。ここで頭を絞るのは、時間の無駄です。

    刺さる言葉は、考えて作るものではなく、拾うものです。


    売り手の言葉は、届きません

    まず、理由を説明します。

    私たちは、自分の商売について詳しくなりすぎています。

    そして、詳しくなるほど、業界の言葉で考えるようになります。

    • 課題を可視化します
    • 最適化のご提案をします
    • 体質を改善します

    ……本人は真剣です。でも、客の側からすると、何のことか分かりません。

    そして、分からない言葉は読み飛ばされます。


    客は、こう言っています

    同じ内容を、実際の客がどう言うか。

    たとえば、高齢者向けの住まいを探している方の声を集めたことがあります。

    出てきた言葉が、これです。

    「年齢だけで断られる」「元気なのに、施設しか選択肢がない」「最後まで、普通の暮らしを続けたい」「孤独死が不安」

    ……見てください。

    1つも、業界の言葉がありません。

    そして、どれも読んだ瞬間に情景が浮かびます。

    この言葉を、そのまま使えばいいんです。


    そのまま使う、が大事です

    ここ、間違えやすいところです。

    拾った言葉を、きれいに整えないでください。

    • 「年齢だけで断られる」→ ✗「年齢を理由とした入居拒否」
    • 「元気なのに、施設しか選択肢がない」→ ✗「自立した高齢者の住宅選択肢の不足」

    整えた瞬間に、死にます。

    なぜなら、整えるというのは売り手の言葉に翻訳することだからです。

    生の言葉には、言った人の感情が残っています。それが、読んだ人の心を動かします。

    下手でいいんです。生のままが、いちばん強い。


    どこから拾うか

    では、どこで拾えばいいか。

    順番に挙げます。

    ① 過去のお客さんに、直接聞く

    いちばん確実です。

    「相談する前、いちばん困っていたことは何でしたか」

    この質問1つで、使える言葉が出てきます。

    ② 相談中のメモを、見返す

    すでに手元にあるはずです。相談の記録を読み返すと、生の言葉が眠っています。

    ③ 断られたときの言葉も、拾う

    これも大事です。断り文句には、その人の本音が入っています。


    予想と、必ずずれます

    拾ってみると、必ず驚くことがあります。

    自分が売りだと思っていた点と、選ばれた理由が違います。

    「丁寧なところが良かった」と思っていたら、「レスポンスの速さ」を挙げられた。

    「専門性を評価された」と思っていたら、「話しやすかった」だった。

    ……これ、本当によくあります。

    そして、このずれを直すだけで、届き方が変わります。

    一生懸命アピールしていた点が、実は誰も気にしていなかった。逆に、当たり前だと思ってアピールしていなかった点が、選ばれる理由だった。

    聞かないと、一生分かりません。


    拾った言葉は、そのまま置いてください

    拾ったあとの使い方も書いておきます。

    引用の形で、そのまま置いてください。

    自分の文章に溶かし込むと、また売り手の言葉に戻ります。

    そうではなく、そのまま置く。

    「年齢だけで断られるんです」

    こうやって、鍵かっこで置くだけでいい。

    そして、その下に自分の言葉で続けます。

    生の声 → 自分の解釈

    この順番だと、読んだ人は先に自分の状況を思い出し、そのあとで説明を受け取ります。

    逆にすると、説明から入ることになるので、そこで閉じられます。


    集めた言葉は、資産です

    最後に、続け方の話をします。

    拾った言葉は、1か所にためてください。

    紙でも、メモでも構いません。

    これをためていくと、何が起きるか。

    書くのに困らなくなります。

    文章を書くとき、ゼロから考えるのではなく、ためた言葉の中から選ぶ形になります。

    考える作業が、選ぶ作業に変わります。

    これは、想像以上にラクです。

    そして、この一覧は年々厚くなります。時間が経つほど強くなる、数少ないものです。


    ためた言葉は、そのまま見出しになります

    もう1つ、使い道を書いておきます。

    拾った言葉は、そのまま見出しに使えます。

    • 「年齢だけで断られる」
    • 「元気なのに、施設しか選択肢がない」

    ……この2つ、そのまま記事の題名になりますよね。

    そして、こういう題名は強いです。

    なぜなら、同じ状況の人が、自分の言葉として認識するからです。

    自分で考えた題名は、どうしても説明的になります。「高齢者向け住宅選びのポイント」のような。

    でも、生の言葉は説明ではありません。そのまま、誰かの心の声です。

    だから、目に入った瞬間に止まります。

    数は、少なくていいんです

    最後に、量の話をします。

    「たくさん集めないと使えない」と思わないでください。

    3つあれば、十分に始められます。

    100人に聞く必要はありません。よく分かっている人が3人いれば、その3人の言葉で書けます。

    そして、書いてみて反応を見る。

    反応が薄ければ、また聞きに行く。

    これを繰り返すほうが、最初に大量に集めるより早いです。

    集めることが目的にならないように気をつけてください。使わなければ、ただのメモです。


    まとめ

    • 売り手は、業界の言葉で考えてしまう
    • 分からない言葉は、読み飛ばされる
    • 客の生の言葉には、情景と感情が残っている
    • 整えると死ぬ。下手なまま、そのまま使う
    • 過去の客に聞く/相談メモを見返す/断り文句も拾う
    • 売りだと思っていた点と、選ばれた理由は必ずずれる
    • 生の声 → 自分の解釈、の順で置く
    • 拾った言葉は1か所にためる。年々厚くなる資産になる

    過去のお客さんの言葉を、3つだけ書き出してみてください。

    そして、書けないとき「自分には文章力がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • お客様の悩みは、6つに分けられます

    お客様の悩みは、6つに分けられます

    相談を受けるたびに、内容が違う。

    だから毎回、ゼロから考える。

    そして、毎回時間がかかります。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。実際のクライアント25名分の相談を整理したところ、驚いたことがあります。

    きれいに、6つに収まりました。


    ① 集めてはいるが、契約にならない

    いちばん多いのが、これです。

    無料相談も、交流会も、体験会も、ちゃんとやっている。人も来ている。

    でも、本契約にならない。

    この方たちは、集客ができていないのではありません。集まったあとが抜けています。

    だから、この人に集客の話をしても意味がありません。

    必要なのは、伝える順番です。


    ② 何屋か決まっていない

    自分の強みが言葉にできない。

    だから、差別化ができず、最後は値段で比べられる。

    この方たちは、能力がないのではありません。多すぎて絞れていないだけです。

    必要なのは、1つに絞ることです。

    そして、絞るのが怖いので、たいてい自分では絞れません。ここは、外から言ってもらったほうが早いです。


    ③ 実績はあるが、見せ方が決まらない

    これも多いです。

    すごい実績を持っている。専門性も高い。

    でも、どう出せばいいか分からない。

    そして、事業を複数持っていて、まとめられずにいます。

    必要なのは、9割捨てることです。

    全部見せようとするから、何も伝わりません。


    ④ 自己紹介の型がない

    人前で話すのが苦手。

    交流会で何を言えばいいか分からない。

    この方たちは、話し下手なのではありません。型を持っていないだけです。

    型があれば、話せます。緊張しても、型に沿って話せば形になります。

    必要なのは、順番の決まった自己紹介です。


    ⑤ 行動はしているが、方向がずれている

    ここ、大事です。

    この方たちは、人より動いています。

    交流会にも行く。勉強会にも出る。広告も試す。名刺も配る。

    なのに、成果が出ない。

    だから、この人に「もっと頑張れ」と言ってはいけません。

    もう十分頑張っています。

    必要なのは、方向を変えることです。


    ⑥ 表の悩みの奥に、別のものがある

    最後の1つは、少し性質が違います。

    売上や集客の悩みを持って来られるのですが、話を聞いていくと、奥に別のものが出てきます。

    • 自分を信じられない
    • どこかで諦めている
    • 誰かがいないと動けない
    • 昔からの劣等感

    この場合、やり方の話をしても効きません。

    土台のほうから、先に触る必要があります。


    見極めると、話し方が決まります

    なぜ分けるのか。

    相手がどれかによって、言うべきことがまったく違うからです。

    たとえば、⑤の人に集客の方法を教えても、行動が1つ増えるだけです。方向はずれたままなので、成果は変わりません。

    ②の人に自己紹介の型を渡しても、入れる中身が決まっていないので書けません。

    順番を間違えると、正しいことを言っても効きません。


    相談されるときは、たいてい混ざっています

    もう1つ、知っておいてほしいことがあります。

    多くの方は、同時に複数を抱えています。

    ②でもあるし、⑤でもある。奥に⑥もある。

    だから、全部に手をつけたくなります。

    でも、それをやると相手が混乱します。

    いま、いちばん刺さる1つに絞ってください。

    全部言うより、1つだけ言い切ったほうが、相手は動けます。


    いちばん多い誤解

    最後に、この整理をして分かった面白いことを書きます。

    「自己紹介を教えてほしい」と言って来られる方の多くは、本当の課題が⑥です。

    つまり、あり方や自信の問題です。

    自己紹介がうまくできないのは、話し方の技術がないからではなく、自分に語れるものがあると思えていないから。

    だから、いくら型を教えても、その人は使いません。

    入口と、本当の課題は、ずれていることが多い。

    これは、自分が相談を受ける側になったときにも役立ちます。

    言われた困りごとを、そのまま解こうとしないでください。


    どれに当てはまるかは、聞き方で分かります

    自分や相手がどこにいるかを見分ける、簡単な方法があります。

    「今、いちばん困っていることは何ですか」と聞いて、返ってくる形を見てください。

    • 「人が来ないんです」→ ①ではない可能性が高い(実は集まっている)
    • 「何屋か分からないと言われます」→ ②
    • 「実績はあるんですが」→ ③
    • 「人前で話すのが苦手で」→ ④
    • 「いろいろやっているんですが」→ ⑤
    • 「どうせ自分なんて」→ ⑥

    特に⑥は、言葉の端に出ます。

    「どうせ」「自分なんか」「うまくいくわけない」

    こういう言葉が混じったら、やり方の話をしても効きません。

    そして、これは自分に対しても使えます。

    自分の口から今週どんな言葉が出ていたかを思い出してみてください。

    出ている言葉が、いる場所を教えてくれます。

    順番を間違えると、遠回りになります

    もう1つ、大事なことを書いておきます。

    この6つには、手をつける順番があります。

    ⑥が強く出ている人に、②や③の話をしても入りません。

    土台がぐらついている状態で、上に何を積んでも安定しないからです。

    逆に、⑥がない人に土台の話をすると、まどろっこしく感じます。

    相手が今いる場所に合わせる。

    これができると、同じ内容でも伝わり方がまったく変わります。


    まとめ

    • 相談内容は、6つに収まる
    • ① 集めているが契約にならない → 伝える順番
    • ② 何屋か決まっていない → 1つに絞る
    • ③ 実績はあるが見せ方が決まらない → 9割捨てる
    • ④ 自己紹介の型がない → 順番を渡す
    • ⑤ 行動はしているが方向がずれている → 方向を変える
    • ⑥ 奥にあり方の課題 → 土台から触る
    • 多くの人は複数を抱えている。いちばん刺さる1つに絞る
    • 入口の相談と、本当の課題はずれていることが多い

    自分がいま、どれに当てはまるかを1つ選んでみてください。

    そして、うまくいかないとき「やり方が足りない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 「誰でもどうぞ」が、一番売れません

    「誰でもどうぞ」が、一番売れません

    対象を絞るのが、怖い。

    絞ったら、その分だけ仕事が減る気がする。

    だから、誰でも大丈夫と書いてしまう。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この判断は、ほぼ確実に裏目に出ます。

    絞ると、増えます。


    人は、専門の人を探しています

    まず、自分が客の側だったときのことを思い出してください。

    おいしい醤油ラーメンが食べたい。

    このとき、なんでも揃っているお店に行きますか。

    行きませんよね。ラーメン屋に行きます。

    これは、無意識にやっています。

    人は、探しているものの専門家を探します。

    なんでもできる人は、探されません。探しようがないからです。


    「カツ丼専門の税理士」

    分かりやすい例を挙げます。

    なんでもできる税理士と、カツ丼屋専門の税理士。

    カツ丼屋の経営者は、どちらに相談したいでしょうか。

    間違いなく、後者です。

    なぜなら、こう思うからです。

    「この人なら、うちの事情が分かっている」

    説明しなくていい。前提を共有できている。これは、想像以上に大きい価値です。

    面白いのは、ここからです。

    カツ丼専門と書いてあると、ラーメン屋も来ます。

    「飲食に強い人なんだな」と受け取るからです。

    絞ったのに、隣の業種まで広がります。


    絞ると、言葉が尖ります

    もう1つ、絞る効果があります。

    言葉が、具体的になります。

    「経営者の皆様へ」だと、何も書けません。

    でも「深夜まで仕込みをして、朝また店に立っている飲食店の方へ」なら、書けます。

    そして、この違いは決定的です。

    具体的な言葉だけが、記憶に残ります。

    抽象的な言葉は、読んだ瞬間に消えます。誰の話でもないので。


    誰にも受けない人と、一人が抜ける人

    絞ることを怖がる方に、いつもお伝えしていることがあります。

    尖らせて、誰にも受けなかったとしても、必ず誰か一人は抜けます。

    そして、その一人から始まります。

    逆に、万人向けにして誰にも受けない人は、どこに行っても受けません。

    なぜなら、引っかかりがないからです。

    引っかかりのない言葉は、通り過ぎられます。悪く思われもしませんが、覚えられもしません。

    嫌われないことと、選ばれることは、まったく別です。


    「絞る」は「断る」ではありません

    ここで、よくある誤解を解いておきます。

    対象を絞るというのは、それ以外を断ることではありません。

    打ち出し方を絞るだけです。

    カツ丼専門と名乗っている税理士も、来た人が居酒屋なら普通に受けます。

    入口を狭くして、中は広い。

    これが正解です。

    多くの方は逆をやっています。入口を広くして、中も広い。

    だから誰も入ってきません。入口が広すぎると、そこが入口だと気づかれないからです。


    対象が違うなら、話を分けてください

    もう1つ、実務的なことを書きます。

    対象が違うなら、自己紹介も分けてください。

    これ、意外とやっていない方が多いです。

    たとえば、個人向けの仕事と、士業向けの仕事の両方をしているとします。

    このとき、1つの自己紹介で両方に届かせようとすると、どちらにも届きません。

    個人に刺さる言葉は、士業には響きません。逆もそうです。

    だから、場によって変えます。

    同じ人が、同じ商売をしていても、話す相手によって出す面を変える。

    これは、うそをつくことではありません。相手に合わせて、伝わる面を選ぶだけです。


    相手を、生活まで知ってください

    最後に、絞るときの深さについて書きます。

    対象を決めたら、その人の生活まで調べてください。

    • 何を読んでいるか
    • 何を見ているか
    • どこに集まっているか
    • どんな言葉を使っているか

    ここまで分かると、2つのことが決まります。

    1つめ。どこで発信するかが決まります。

    その人がいない場所で、どれだけいい話をしても届きません。

    2つめ。どんな言葉を使うかが決まります。

    自分の業界の言葉ではなく、相手が普段使っている言葉で書けるようになります。

    そして、この2つが決まった時点で、集客の大半は終わっています。


    絞れないのは、失うのが怖いからです

    最後に、本当のところを書きます。

    絞れない理由は、戦略の判断ではありません。

    目の前の仕事を失うのが怖いからです。

    これは、当然の感覚です。特に、今月の数字が足りていないときは。

    だから、こうしてください。

    今の仕事は、そのまま受ける。

    やめる必要はありません。

    変えるのは、打ち出し方だけです。

    サイトの言葉、自己紹介の言葉、名刺の肩書き。ここを尖らせます。

    そして、来た仕事は今まで通り受ける。

    入口だけ変えて、中身は変えない。

    これなら、失うものがありません。

    そして半年もすると、尖らせた入口から来た人のほうが、話が早いことに気づきます。

    話が早い人が増えてきたら、その方向で合っています。


    まとめ

    • 人は、探しているものの専門家を探す
    • なんでもできる人は、探されない
    • 絞ると「自分の事情が分かる人」に見える
    • 絞ったのに、隣の業種まで広がることがある
    • 具体的な言葉だけが、記憶に残る
    • 嫌われないことと、選ばれることは別
    • 入口は狭く、中は広く
    • 対象が違うなら、自己紹介を分ける

    自分の紹介文を開いて、対象を1段だけ具体的にしてみてください。

    そして、届かないとき「もっと広く知られないとダメだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 商品の説明をやめて、変化を語ってください

    商品の説明をやめて、変化を語ってください

    自分のサービスを、丁寧に説明する。

    内容も、手順も、何が含まれるかも、全部伝える。

    なのに、響きません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、説明の下手さではありません。

    説明していること自体が、原因です。


    ドリルを買う人は、ドリルが欲しいのではありません

    有名な話を1つ紹介します。

    電動ドリルを買う人は、なぜ買うのでしょうか。

    答えは、穴が欲しいからです。

    ドリルが欲しいわけではありません。

    もし他の方法で穴が開くなら、その人はドリルを買いません。

    つまり、ドリルは手段です。

    そして私たちは、自分の商売の話になると、この当たり前を忘れます。

    手段の説明ばかりしてしまいます。


    手段を説明しても、想像できません

    なぜ手段の説明が響かないのか。

    聞いた人が、自分の未来を想像できないからです。

    たとえば、こう言われたとします。

    「全6回、1回90分、教材つき、質問し放題です」

    ……買いたくなりますか。

    なりませんよね。

    なぜなら、これを受けた結果、自分がどうなるかが1つも書かれていないからです。

    人は、変化にお金を払います。内容にではありません。


    「できること」で止めないでください

    よくある形が、これです。

    「〜ができるようになります」

    一見、変化を語っているように見えます。

    でも、まだ足りません。

    「できるようになった結果、何が手に入るのか」が抜けています。

    例で見てみましょう。

    • 弱い:話し方の型が身につきます
    • 少しまし:人前で話せるようになります
    • 強い:会う人ごとに説明を変えなくてよくなり、初対面で相談されるようになります

    最後だけ、聞いた人の日常が変わって見えます。


    メリットには、2つの階層があります

    もう少し踏み込みます。

    人が「欲しい」と思うのは、奥のほうを想像した瞬間です。

    つまり、伝えるべきものは2つあります。

    ① 本人が分かっているメリット② 本人が気づいていない、奥のメリット

    たとえば、宝石を買い取る商売なら、こうです。

    • ① 使っていない宝石が、お金になる
    • ② そのお金で、大切な人と旅行に行ける

    車なら、こうです。

    • ① 燃費がいい
    • ② 維持費が浮くので、実質お金を生む車になる

    そして、ここが大事です。

    ②は、言い切らないでください。

    「これはお金を生む車です」とは言いません。相手が勝手にそう思ってくれるのが理想です。

    人は、自分で思いついたことにしか、本気になりません。


    痛みがない商品は、痛みを作ります

    もう1つ、実務的な話をします。

    困っていない人は、動きません。

    でも、世の中には痛みが分かりにくい商品があります。

    そういうときは、本人が気づいていない痛みに、そっと触れます。

    たとえば、こうです。

    「あの指輪、今どこにあるか思い出せますか」

    ……これ、うまいですよね。

    責めていません。売り込んでもいません。

    でも、聞かれた人は探し始めます。そして、思い出せないことに気づきます。

    気づいた瞬間に、初めてその人の問題になります。


    ただし、強すぎる痛みは逆効果です

    ここは、注意してください。

    痛みを強く突きすぎると、人は逃げます。

    「このままだと、あなたの会社は潰れます」

    こう言われて動く人は、少数です。多くは、怖くて考えるのをやめます。

    目安は、「これは何とかしないと」と思える程度です。

    そして、うそはつかないでください。

    作った痛みが事実でないと、後から必ず崩れます。そして、崩れたときに失うのは信用です。

    触れるのは、本当にある痛みだけにしてください。


    見せる数は、奇数にしてください

    最後に、細かいけれど効くコツを紹介します。

    ポイントを並べるとき、数を奇数にしてください。

    3つ、5つ、7つ。

    理由は、偶数は安心を与え、奇数は好奇心を刺激するからです。

    「4つのポイント」と言われると、きれいに収まった感じがします。そこで気持ちが落ち着いてしまう。

    でも「3つのポイント」だと、少し引っかかります。

    街の広告を見てみてください。驚くほど3と5と7が多いです。

    そして、4つしか出てこなかったときは、無理やり5つ目を作ってください。

    無理して作ったものが、後から効くことがよくあります。


    自分の説明文を、点検してみてください

    ここまで読んだら、一度、自分の紹介文を開いてみてください。

    そして、主語を数えてください。

    主語が「私」や「当社」になっている文が、いくつありますか。

    • 当社は、〜を提供しています
    • 私は、〜の資格を持っています
    • 当社の強みは、〜です

    これが多いほど、説明文になっています。

    直し方は簡単です。

    主語を「あなた」に変えてください。

    • あなたは、〜で悩んでいませんか
    • あなたは、〜が手に入ります
    • あなたの一日が、こう変わります

    内容は同じでも、読んだ人の頭に浮かぶ映像がまったく違います。

    「私」で始まる文は、相手にとって他人の話です。「あなた」で始まる文は、自分の話になります。

    この置き換えだけで、読まれ方が変わります。


    まとめ

    • ドリルを買う人は、穴が欲しいだけ
    • 手段を説明されても、自分の未来を想像できない
    • 「できるようになります」で止めない
    • できた結果、日常がどう変わるかまで書く
    • 分かっているメリットと、奥のメリット。両方を出す
    • 奥は言い切らない。相手に思ってもらう
    • 痛みは、本当にあるものだけ。強すぎると逃げられる
    • 並べる数は、3・5・7にする

    自分の紹介文を開いて、「その結果どうなるか」を1行足してみてください。

    そして、響かないとき「説明が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 競合と同じ土俵に上がらない方法

    競合と同じ土俵に上がらない方法

    見積もりを出すと、必ず他社と比べられる。

    そして、最後は値段の話になる。

    勝っても、利益が残らない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態を、力で抜けようとしないでください。

    比べられた時点で、もう半分負けています。


    立ち位置とは、交わらないこと

    まず、言葉を整理します。

    自分の立ち位置を決めるというのは、他より優れていることを示すことではありません。

    他と交わらないことです。

    同じ線の上に並んで、上か下かを競うのではありません。

    そもそも、別の線に立ちます。

    比べる対象がなければ、比べられません。比べられなければ、値段の勝負になりません。


    同じ土俵に乗る言い方を、していませんか

    自分では気づかないうちに、同じ土俵に上がっていることがあります。

    たとえば、こういう言い方です。

    • 業界で15年の実績
    • 対応が早いです
    • 丁寧にやります

    これ、全部同じ線の上です。

    なぜなら、競合も同じことを言っているからです。

    そして、同じことを言っている相手同士を比べるとき、人は何で決めるか。

    値段です。

    自分から、値段の勝負に持ち込んでしまっています。


    目立てる場所と、目立てない場所があります

    もう1つ、大事な話をします。

    同じことを、どこで言うかでも変わります。

    意識の高い人ばかりが集まる場所では、目立てません。

    全員が言葉を磨いていて、全員が自分を語れるからです。その中で立ち位置を取るのは、相当大変です。

    でも、こういう場所があります。

    みんな困りごとを持っているのに、誰も自分を語れていない場所。

    正直、盛り上がっていない場です。

    ここが、いちばんチャンスです。

    しっかり練った話を、いい状態で話すだけで、記憶に残ります。

    そして、単なる専門家ではなく「この人は分かっている」と見られます。

    行く場所を変えるだけで、同じ話が効きます。


    先にやるのは、自己紹介です

    ここで、順番の話をします。

    立ち位置を決めよう、となると、多くの方がまず何をするか。

    サイトを作ろうとします。

    僕は、これを止めます。

    理由は、はっきりしています。

    自分の立ち位置を言葉にできていない状態で作ったサイトは、ただの案内看板になるからです。

    そして、お金と時間がかかります。作り直すのも大変です。

    だから、順番はこうです。

    自己紹介 → 言葉が固まる → サイト


    1分で伝わるまで、磨いてください

    自己紹介から始める理由が、もう1つあります。

    すぐに、反応が返ってくるからです。

    サイトは、直しても効果が分かるまで数か月かかります。

    でも、自己紹介ならその場で分かります。

    • 相手の目が動いたか
    • 「もう少し聞かせて」と言われたか
    • 名刺を見返されたか

    これを毎回見て、毎回直す。

    10回もやれば、かなり固まります。

    そして、1分の自己紹介で相談されるようになったら、言葉が固まった証拠です。

    そこで初めて、それをサイトに載せます。


    立ち位置には、目指す景色が要ります

    もう1つ、抜けやすいことがあります。

    立ち位置は、差別化の技術だけでは決まりません。

    自分が作りたい景色が要ります。

    「こういう世の中にしたい」

    これがないと、立ち位置は小手先になります。そして、すぐ真似されます。

    技術は真似できますが、その人が本気で作りたい景色は、真似できません。

    そして、もう1つ。

    その景色には、期限を入れてください。

    「いつか、こんな世の中に」だと、作れません。ずっと「なんとなく」のままです。

    「3年後までに、こういう状態にする」

    期限が入った瞬間、今日やることが決まります。


    「何を」より先に、「どんな状態か」

    最後に、目標の立て方を1つ。

    多くの方は、やり方から考えます。

    「そのためには、こうやって、こうして……」

    これをやると、目標がただの予定になります。

    そうではなく、先に決めるのは手に入れたい状態です。

    • どんな相手と仕事をしているか
    • どんな内容で呼ばれているか
    • どんな暮らしをしているか

    先に、状態を決める。

    やり方は、あとから見つかります。順番を逆にすると、今できる範囲の予定表になってしまいます。


    交わらない場所は、掛け算で作れます

    「交わらない場所なんて、そう簡単に見つからない」

    そう思われるかもしれません。

    見つけようとするから、難しいんです。

    作ってください。

    作り方は、単純です。掛け算にします。

    • 税理士 × 飲食
    • 話し方 × 職人
    • 片づけ × 引っ越し直後

    1つの要素で1番になるのは大変です。でも、2つ掛けた瞬間、競争相手が激減します。

    そして3つ掛けると、たいてい誰もいません。

    ここで大事なのは、掛ける要素を自分の中から探すことです。

    • 前職の経験
    • 自分が苦労したこと
    • 趣味として詳しいこと

    これは、真似できません。その人の人生でしか作れない組み合わせだからです。

    「変わっている」と言われたら、正解です

    もう1つ、判断の目安を渡しておきます。

    自分の立ち位置を人に話したとき、こう言われたら成功です。

    「変わってますね」

    逆に、こう言われたら失敗です。

    「なるほど、よくありますよね」

    分かりやすいというのは、すでにある枠に収まったということです。

    収まった時点で、比べられます。

    少し引っかかるくらいで、ちょうどいいんです。


    まとめ

    • 立ち位置とは、優れていることではなく、交わらないこと
    • 実績・早い・丁寧、は全部同じ土俵の言葉
    • 同じ土俵に乗ると、値段で決まる
    • みんなが自分を語れていない場所のほうが、目立てる
    • サイトより先に、自己紹介を固める
    • 1分で相談されるようになったら、言葉が固まった証拠
    • 作りたい景色に、期限を入れる

    次の場に出る前に、自己紹介を1行だけ書き直してみてください。

    そして、比べられるとき「相手のほうが実績があるからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • お客さん像は、実在の一人にしてください

    お客さん像は、実在の一人にしてください

    想定するお客さん像を、作った。

    40代女性、都内在住、年収600万円、子ども2人。

    ……作ったのに、そこから何も進みません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態には、原因があります。

    その人は、存在しないからです。


    作った人物像が、動かない理由

    条件だけを並べた人物は、頭の中で動きません。

    考えてみてください。

    「40代女性、都内在住、年収600万円」

    この人は、今日の夕方、何をしているでしょうか。

    ……答えられませんよね。

    情報が足りないからではありません。その人がいないからです。

    いない人の行動は、想像できません。


    実在の人なら、答えられます

    では、こう考えてみてください。

    あなたが実際に会ったことのある、あの人。

    たとえば、去年相談に来たあの方。あるいは、交流会で長話をしたあの方。

    その人なら、答えられます。

    • 夕方はたぶん、まだ会社にいる
    • 帰り道でスマホを見ている
    • 寝る前に、明日の資金繰りを考えて眠れなくなる

    具体的に浮かびます。

    なぜなら、その人の顔と、話し方と、あのときの表情を覚えているからです。


    誰を選べばいいか

    選び方は、簡単です。

    過去のお客さんの中で、いちばん喜んでくれた人。

    これで決めてください。

    理由は3つあります。

    ① その人には、実際に価値が届いています。

    つまり、あなたのやり方が効く相手だという証明が、すでにあります。

    ② その人の言葉が、手元にあります。

    何に困っていたか。どう言っていたか。何が刺さったか。全部、記憶に残っているはずです。

    ③ その人と同じ人が、世の中にたくさんいます。

    一人いた以上、必ず他にもいます。


    実在にすると、書けるようになります

    ここからが本題です。

    実在の一人に決めると、文章を書くのが急に簡単になります。

    なぜなら、書くことが「文章を作る」から「あの人に話す」に変わるからです。

    たとえば、あなたが誰かにメッセージを送るとき、悩みませんよね。

    相手が分かっているので、言葉が勝手に出てきます。

    同じ状態を、作ればいいんです。

    書き始める前に、その人の顔を思い出す。

    そして、その人に向かって話すつもりで書く。

    それだけで、文章の温度が変わります。


    一人に書くと、なぜ多くの人に届くのか

    ここで、必ず出る心配があります。

    「一人に絞ったら、他の人に届かないのでは」

    逆です。

    一人に向けて書いたもののほうが、多くの人に読まれます。

    理由は、はっきりしています。

    みんなに向けて書いた文章は、当たりさわりのないものになります。誰も傷つけないかわりに、誰の心も動かしません。

    でも、一人に向けて書いた文章は、具体的です。

    そして、読んだ人はこう思います。

    「これ、自分のことだ」

    具体的だからこそ、自分に重ねられます。


    迷ったら、その人に聞きに行ってください

    もう1つ、強力な方法があります。

    その人に、実際に聞きに行ってください。

    想像するより、聞いたほうが早いです。

    • 相談する前、いちばん困っていたことは何でしたか
    • どんな言葉で検索しましたか
    • なぜ、私に頼もうと思いましたか

    この3つを聞くだけで、そのまま使える言葉が返ってきます。

    そして、ここが大事なのですが、返ってくる言葉は、たいてい自分の予想と違います。

    自分が売りだと思っていた点と、相手が選んだ理由が、ずれていることが本当に多い。

    このずれを直すだけで、届き方が変わります。


    名前で呼んでください

    最後に、細かいけれど効くコツを1つ。

    その人を、名前で呼んでください。

    「想定顧客」ではなく「田中さん」。

    文章を書く前に、こう考えてください。

    「これ、田中さんが読んだらどう思うかな」

    名前があると、手を抜けません。

    適当な言葉を書こうとしたときに、その人の顔が浮かびます。

    そして、こう思います。

    「これじゃ、田中さんには響かないな」

    この感覚が働くようになったら、あなたの文章はもう変わっています。


    途中で、変えていいんです

    最後に、1つだけ安心材料を書いておきます。

    決めた一人は、あとから変えて構いません。

    「一度決めたら、ずっとその人でいかないといけない」と思うと、決められなくなります。

    でも実際は、事業が進むと、お客さんの層は変わります。

    3年前にいちばん喜んでくれた人と、今の自分が向き合うべき人は、違って当然です。

    だから、こう考えてください。

    今日の一人を、今日決める。

    半年後に見直せばいい。

    そして、見直すときの判断も簡単です。

    「この半年でいちばん喜んでくれた人は誰か」

    また、そこから決め直すだけです。

    決められない人の多くは、正解を選ぼうとしています。

    正解はありません。決めて、書いて、反応を見る。この一周が、正解を教えてくれます。


    まとめ

    • 条件だけを並べた人物は、頭の中で動かない
    • 実在の人なら、夕方に何をしているかまで浮かぶ
    • 選ぶのは、いちばん喜んでくれたお客さん
    • その人には、すでに価値が届いた証明がある
    • 書くことが「作る」から「あの人に話す」に変わる
    • 一人に向けた文章のほうが、多くの人に読まれる
    • 想像より、本人に聞きに行くほうが早い

    いま、過去のお客さんを一人、名前で思い浮かべてみてください。

    そして、届かないとき「言葉が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。