自分のサービスを、丁寧に説明する。
内容も、手順も、何が含まれるかも、全部伝える。
なのに、響きません。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、説明の下手さではありません。
説明していること自体が、原因です。
ドリルを買う人は、ドリルが欲しいのではありません
有名な話を1つ紹介します。
電動ドリルを買う人は、なぜ買うのでしょうか。
答えは、穴が欲しいからです。
ドリルが欲しいわけではありません。
もし他の方法で穴が開くなら、その人はドリルを買いません。
つまり、ドリルは手段です。
そして私たちは、自分の商売の話になると、この当たり前を忘れます。
手段の説明ばかりしてしまいます。
手段を説明しても、想像できません
なぜ手段の説明が響かないのか。
聞いた人が、自分の未来を想像できないからです。
たとえば、こう言われたとします。
「全6回、1回90分、教材つき、質問し放題です」
……買いたくなりますか。
なりませんよね。
なぜなら、これを受けた結果、自分がどうなるかが1つも書かれていないからです。
人は、変化にお金を払います。内容にではありません。
「できること」で止めないでください
よくある形が、これです。
「〜ができるようになります」
一見、変化を語っているように見えます。
でも、まだ足りません。
「できるようになった結果、何が手に入るのか」が抜けています。
例で見てみましょう。
- 弱い:話し方の型が身につきます
- 少しまし:人前で話せるようになります
- 強い:会う人ごとに説明を変えなくてよくなり、初対面で相談されるようになります
最後だけ、聞いた人の日常が変わって見えます。
メリットには、2つの階層があります
もう少し踏み込みます。
人が「欲しい」と思うのは、奥のほうを想像した瞬間です。
つまり、伝えるべきものは2つあります。
① 本人が分かっているメリット② 本人が気づいていない、奥のメリット
たとえば、宝石を買い取る商売なら、こうです。
- ① 使っていない宝石が、お金になる
- ② そのお金で、大切な人と旅行に行ける
車なら、こうです。
- ① 燃費がいい
- ② 維持費が浮くので、実質お金を生む車になる
そして、ここが大事です。
②は、言い切らないでください。
「これはお金を生む車です」とは言いません。相手が勝手にそう思ってくれるのが理想です。
人は、自分で思いついたことにしか、本気になりません。
痛みがない商品は、痛みを作ります
もう1つ、実務的な話をします。
困っていない人は、動きません。
でも、世の中には痛みが分かりにくい商品があります。
そういうときは、本人が気づいていない痛みに、そっと触れます。
たとえば、こうです。
「あの指輪、今どこにあるか思い出せますか」
……これ、うまいですよね。
責めていません。売り込んでもいません。
でも、聞かれた人は探し始めます。そして、思い出せないことに気づきます。
気づいた瞬間に、初めてその人の問題になります。
ただし、強すぎる痛みは逆効果です
ここは、注意してください。
痛みを強く突きすぎると、人は逃げます。
「このままだと、あなたの会社は潰れます」
こう言われて動く人は、少数です。多くは、怖くて考えるのをやめます。
目安は、「これは何とかしないと」と思える程度です。
そして、うそはつかないでください。
作った痛みが事実でないと、後から必ず崩れます。そして、崩れたときに失うのは信用です。
触れるのは、本当にある痛みだけにしてください。
見せる数は、奇数にしてください
最後に、細かいけれど効くコツを紹介します。
ポイントを並べるとき、数を奇数にしてください。
3つ、5つ、7つ。
理由は、偶数は安心を与え、奇数は好奇心を刺激するからです。
「4つのポイント」と言われると、きれいに収まった感じがします。そこで気持ちが落ち着いてしまう。
でも「3つのポイント」だと、少し引っかかります。
街の広告を見てみてください。驚くほど3と5と7が多いです。
そして、4つしか出てこなかったときは、無理やり5つ目を作ってください。
無理して作ったものが、後から効くことがよくあります。
自分の説明文を、点検してみてください
ここまで読んだら、一度、自分の紹介文を開いてみてください。
そして、主語を数えてください。
主語が「私」や「当社」になっている文が、いくつありますか。
- 当社は、〜を提供しています
- 私は、〜の資格を持っています
- 当社の強みは、〜です
これが多いほど、説明文になっています。
直し方は簡単です。
主語を「あなた」に変えてください。
- あなたは、〜で悩んでいませんか
- あなたは、〜が手に入ります
- あなたの一日が、こう変わります
内容は同じでも、読んだ人の頭に浮かぶ映像がまったく違います。
「私」で始まる文は、相手にとって他人の話です。「あなた」で始まる文は、自分の話になります。
この置き換えだけで、読まれ方が変わります。
まとめ
- ドリルを買う人は、穴が欲しいだけ
- 手段を説明されても、自分の未来を想像できない
- 「できるようになります」で止めない
- できた結果、日常がどう変わるかまで書く
- 分かっているメリットと、奥のメリット。両方を出す
- 奥は言い切らない。相手に思ってもらう
- 痛みは、本当にあるものだけ。強すぎると逃げられる
- 並べる数は、3・5・7にする
自分の紹介文を開いて、「その結果どうなるか」を1行足してみてください。
そして、響かないとき「説明が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。
