数字は、奇数のほうが信じられます

見出しやキャッチコピーに、数字を入れましょう。

そう言われて、こう書いた経験はありませんか。

「成功する4つのポイント」

「押さえておきたい6つの視点」

きれいに揃っていて、収まりがいい。悪くないと思いますよね。

僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

偶数は、安心を与える数字です。

そしてセールスやオファーの場面で、安心はいりません。


切りが良い、が落とし穴です

なぜ偶数だとまずいのか。

4、6、8。こういう数字は、閉じている感じがします。

きちんと揃っている。過不足がない。だから安心する。

安心すると、どうなるか。

「ふーん」で終わります。

人が動くのは、安心したときではありません。「なんだろう」と思ったときです。

3、5、7。この数字は、なぜか少し引っかかります。割り切れないからか、収まりが悪いからか、理由はうまく説明できません。でも、続きを見たくなる。

セールスの場面で必要なのは、安心ではなく好奇心なんですよ。


中吊り広告を、数えていました

これは、僕が起業したての頃にやっていたことです。

まだ何も分からなくて、とにかく「うまくいっているもの」を観察しようと思っていました。

そこで何をしたか。

電車の中吊り広告を、ひたすら見ていました。

街を歩けば看板を見て、本屋に行けばタイトルを見て、雑誌の見出しを見て。片っ端から分析していたんです。

すると、あることに気づきました。

3、5、7が、圧倒的に多い。

「ほんとだ!」と思いましたね。

誰かに教わったわけではありません。実際に世の中に出ているものが、そうなっていた。プロがお金をかけて作ったものが、揃って奇数を使っている。

これは、けっこう衝撃でした。


じゃあ、奇数を入れれば完璧か

ここで、大事な話をします。

違います。

奇数さえ入れれば効くというなら、みんなとっくにやっています。

言葉と数字は、必ずセットです。

言葉というのは、キャッチコピーの部分のこと。

刺さる言葉があって、そこに好奇心を盛り上げる数字が乗る。この順番で、はじめて効きます。

逆にいうと、言葉が弱いのに数字だけ足しても、何も起きません。

「頑張るための3つのポイント」

……何も響きませんよね。数字は奇数なのに。

言葉のほうが空っぽだからです。数字は、あくまで乗せるものであって、土台ではありません。


「かなり上がりました」を、言い換えた日

数字の力を、僕が体で分かった瞬間があります。

セミナーの冒頭で、自己紹介をするときの話です。

当時、僕はこう言っていました。

「起業当初は自分の時給が安かったんですが、今では、かなり上がりました!」

嘘は言っていません。事実です。

でも、ある時これを言い換えました。

「起業当初は時給500円でした。でも、今は、有難いことに7万円まで向上させることができました!」

言っている中身は、まったく同じです。

でも、セミナーのスタートの雰囲気がガラッと変わりました。

空気が締まる、というんでしょうか。ざわっとする感じがある。今でもはっきり覚えています。

「かなり上がった」だと、聞いた人が絵を描けないんですよ。1万円かもしれないし、2千円かもしれない。

「500円が7万円」と言われた瞬間、頭の中に絵が浮かびます。

数字の力って、本当にすごいです。


「かなり」を、探してください

この話には、すぐ使える形があります。

自分の原稿を開いて、この言葉を探してください。

  • かなり
  • たくさん
  • 大幅に
  • 多くの
  • 短期間で

こういう言葉が出てきたら、そこが数字に変えられる場所です。

「多くの方にご利用いただいています」→「300名の方に」

「短期間で成果が出ます」→「3日で」

「大幅に改善します」→「1.5倍に」

やっていることは、ぼんやりした言葉を、絵が浮かぶ言葉に変えているだけです。

そして、ここで1つ大事なことがあります。

盛らないでください。

数字が効くのは、本当だからです。300名と書いて、実は30名だったら、どこかで必ず崩れます。そして一度崩れた信用は戻りません。

正直な数字が、地味でもかまいません。「5名の方に」でもいいんです。ぼんやりした「多くの方に」より、はるかに強い。

ただし、隠しスパイスです

最後に、注意点を1つだけ。

これを知ると、数字を入れたくなります。あちこちに入れたくなる。

やめてください。

数字ばかり入れると、嫌がられます。

「3つの秘訣」「5つの法則」「7日間で」「98%が」「たった180日」

全部入れたら、どうなるか。通販番組みたいになります。そして人は、その手のものに慣れきっていて、身構えます。

数字は、隠しスパイスです。

料理と同じで、隠し味だから効きます。全面に出したら、それはもう料理ではありません。

僕の感覚だと、1つの原稿に1〜2か所。それも、一番聞いてほしいところにだけ置く。

そこだけ数字があると、そこが際立ちます。


まとめ

  • 偶数は安心を与える。セールスの場面で安心はいらない
  • 必要なのは好奇心。3・5・7は、なぜか続きを見たくなる
  • 世の中の広告は、実際に奇数だらけ。中吊りを見れば分かる
  • 奇数を入れれば効く、ではない。言葉と数字は必ずセット
  • 言葉が空っぽなら、数字を足しても何も起きない
  • 「かなり」を数字に変えると、相手の頭に絵が浮かぶ
  • 数字は隠しスパイス。1つの原稿に1〜2か所まで

いま書いている原稿に、「かなり」「たくさん」「大幅に」が入っていませんか。

そこを1つだけ、数字に置き換えてみてください。それだけで、伝わり方が変わります。

そして、言葉が響かないとき「自分にセンスがないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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