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  • 数字は、奇数のほうが信じられます

    数字は、奇数のほうが信じられます

    見出しやキャッチコピーに、数字を入れましょう。

    そう言われて、こう書いた経験はありませんか。

    「成功する4つのポイント」

    「押さえておきたい6つの視点」

    きれいに揃っていて、収まりがいい。悪くないと思いますよね。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで言えることがあります。

    偶数は、安心を与える数字です。

    そしてセールスやオファーの場面で、安心はいりません。


    切りが良い、が落とし穴です

    なぜ偶数だとまずいのか。

    4、6、8。こういう数字は、閉じている感じがします。

    きちんと揃っている。過不足がない。だから安心する。

    安心すると、どうなるか。

    「ふーん」で終わります。

    人が動くのは、安心したときではありません。「なんだろう」と思ったときです。

    3、5、7。この数字は、なぜか少し引っかかります。割り切れないからか、収まりが悪いからか、理由はうまく説明できません。でも、続きを見たくなる。

    セールスの場面で必要なのは、安心ではなく好奇心なんですよ。


    中吊り広告を、数えていました

    これは、僕が起業したての頃にやっていたことです。

    まだ何も分からなくて、とにかく「うまくいっているもの」を観察しようと思っていました。

    そこで何をしたか。

    電車の中吊り広告を、ひたすら見ていました。

    街を歩けば看板を見て、本屋に行けばタイトルを見て、雑誌の見出しを見て。片っ端から分析していたんです。

    すると、あることに気づきました。

    3、5、7が、圧倒的に多い。

    「ほんとだ!」と思いましたね。

    誰かに教わったわけではありません。実際に世の中に出ているものが、そうなっていた。プロがお金をかけて作ったものが、揃って奇数を使っている。

    これは、けっこう衝撃でした。


    じゃあ、奇数を入れれば完璧か

    ここで、大事な話をします。

    違います。

    奇数さえ入れれば効くというなら、みんなとっくにやっています。

    言葉と数字は、必ずセットです。

    言葉というのは、キャッチコピーの部分のこと。

    刺さる言葉があって、そこに好奇心を盛り上げる数字が乗る。この順番で、はじめて効きます。

    逆にいうと、言葉が弱いのに数字だけ足しても、何も起きません。

    「頑張るための3つのポイント」

    ……何も響きませんよね。数字は奇数なのに。

    言葉のほうが空っぽだからです。数字は、あくまで乗せるものであって、土台ではありません。


    「かなり上がりました」を、言い換えた日

    数字の力を、僕が体で分かった瞬間があります。

    セミナーの冒頭で、自己紹介をするときの話です。

    当時、僕はこう言っていました。

    「起業当初は自分の時給が安かったんですが、今では、かなり上がりました!」

    嘘は言っていません。事実です。

    でも、ある時これを言い換えました。

    「起業当初は時給500円でした。でも、今は、有難いことに7万円まで向上させることができました!」

    言っている中身は、まったく同じです。

    でも、セミナーのスタートの雰囲気がガラッと変わりました。

    空気が締まる、というんでしょうか。ざわっとする感じがある。今でもはっきり覚えています。

    「かなり上がった」だと、聞いた人が絵を描けないんですよ。1万円かもしれないし、2千円かもしれない。

    「500円が7万円」と言われた瞬間、頭の中に絵が浮かびます。

    数字の力って、本当にすごいです。


    「かなり」を、探してください

    この話には、すぐ使える形があります。

    自分の原稿を開いて、この言葉を探してください。

    • かなり
    • たくさん
    • 大幅に
    • 多くの
    • 短期間で

    こういう言葉が出てきたら、そこが数字に変えられる場所です。

    「多くの方にご利用いただいています」→「300名の方に」

    「短期間で成果が出ます」→「3日で」

    「大幅に改善します」→「1.5倍に」

    やっていることは、ぼんやりした言葉を、絵が浮かぶ言葉に変えているだけです。

    そして、ここで1つ大事なことがあります。

    盛らないでください。

    数字が効くのは、本当だからです。300名と書いて、実は30名だったら、どこかで必ず崩れます。そして一度崩れた信用は戻りません。

    正直な数字が、地味でもかまいません。「5名の方に」でもいいんです。ぼんやりした「多くの方に」より、はるかに強い。

    ただし、隠しスパイスです

    最後に、注意点を1つだけ。

    これを知ると、数字を入れたくなります。あちこちに入れたくなる。

    やめてください。

    数字ばかり入れると、嫌がられます。

    「3つの秘訣」「5つの法則」「7日間で」「98%が」「たった180日」

    全部入れたら、どうなるか。通販番組みたいになります。そして人は、その手のものに慣れきっていて、身構えます。

    数字は、隠しスパイスです。

    料理と同じで、隠し味だから効きます。全面に出したら、それはもう料理ではありません。

    僕の感覚だと、1つの原稿に1〜2か所。それも、一番聞いてほしいところにだけ置く。

    そこだけ数字があると、そこが際立ちます。


    まとめ

    • 偶数は安心を与える。セールスの場面で安心はいらない
    • 必要なのは好奇心。3・5・7は、なぜか続きを見たくなる
    • 世の中の広告は、実際に奇数だらけ。中吊りを見れば分かる
    • 奇数を入れれば効く、ではない。言葉と数字は必ずセット
    • 言葉が空っぽなら、数字を足しても何も起きない
    • 「かなり」を数字に変えると、相手の頭に絵が浮かぶ
    • 数字は隠しスパイス。1つの原稿に1〜2か所まで

    いま書いている原稿に、「かなり」「たくさん」「大幅に」が入っていませんか。

    そこを1つだけ、数字に置き換えてみてください。それだけで、伝わり方が変わります。

    そして、言葉が響かないとき「自分にセンスがないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 沈黙を怖がらない人が、信頼されます

    沈黙を怖がらない人が、信頼されます

    問いかけたのに、誰も答えない。

    3秒。5秒。

    耐えきれなくなって、自分で答えを言ってしまう。

    「……まあ、たとえばこういうことなんですけど」

    あの気まずさ、よく分かります。僕も長いこと、そうでした。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、はっきり言えることがあります。

    その沈黙こそが、相手の頭を一番動かしている時間です。

    埋めてしまった瞬間、その効果は消えます。


    人の脳には、空白を埋めたがる機能があります

    なぜ沈黙が効くのか。

    人の脳は、空白ができると埋めようとするからです。

    問いを投げられて、答えが出てこない。その数秒間、相手の頭はフル回転しています。「なんだろう」「自分はどうだったかな」と、自分の中を探している。

    このとき起きているのは、自分ごと化です。

    こちらが答えを言ってしまうと、それは相手にとって「聞いた話」になります。でも自分で探して見つけたものは、「自分の答え」になる。

    同じ内容でも、残り方がまったく違うんですよね。

    僕が昔うまくいかなかったとき、何が起きていたか。振り返ってみて分かりました。

    空白が、ゼロだったんです。

    不安だから、しゃべって埋める。しゃべって埋めるから、相手が考える時間がない。考えないから、動かない。


    「集客うまくいってませんよね」は、こちらから言わない

    沈黙と同じ理屈で、もう1つ大事なことがあります。

    相手の痛いところを、こちらから言葉にしない。

    「集客、うまくいっていないんじゃないですか」

    正しい指摘でも、これは絶対に言いません。言った瞬間、相手は防御に入るからです。

    代わりに、こう聞きます。

    「今日は、どうして来られたんですか?」

    すると、本人の口から出てきます。「実は、集客がうまくいっていなくて」と。

    同じ言葉でも、こちらが言うのと本人が言うのとでは、まったく違うものになります。人は説得では動きません。自分で気づいたときにだけ動きます。

    どうしても伝えたいことがあるときは、他人の話にします。

    「以前、こういう方がいらっしゃいました。開業したばかりで、お客さんもゼロで……」

    第三者の物語なら、相手は身構えずに聞けます。そして途中で「あ、これ自分だ」と気づく。

    指摘するのではなく、気づける場所に連れていく。それだけです。


    質問は、答えを知っているものだけ投げる

    沈黙を作るには、投げる問いの質が要ります。

    僕が使っているのは、あらかじめ答えが分かっている問いです。

    その場の思いつきで質問すると、返ってきた答えの扱いに困って、結局こちらが慌ててしゃべることになります。そうやって空白が潰れる。

    だから、こう進めます。

    • 話を曲げる前に、方向を予告する(「ここで1つ、確かめたいことがあります」)
    • 答えの選択肢が絞れる問いを投げる
    • 待つ

    もう1つ、小さいけれど効くコツを。

    手を挙げてほしいときは、自分も一緒に挙げます。

    「◯◯だと思う方、いらっしゃいますか」と言いながら、自分の手を挙げる。すると、つられて挙がります。そして手が挙がった人は「自分だけじゃないんだ」と安心する。

    逆に、挙げてほしくないときは、自分の手は下げたまま聞きます。

    これだけで、場の空気は自分でコントロールできます。


    始まる前に、勝負はついています

    もっと手前の話もしておきます。

    どこに座ってもらうかです。

    セミナーで、後ろの席から埋まっていく。あの状態になると、その日はもう厳しい。距離があるまま終わります。

    昔、僕はここでずっと悩んでいました。「前にお座りください」と言っても、みんな後ろに行く。「ルールなので」と言うと、空気が固くなる。

    答えは、テレビで見つけました。

    ホテルマンが、お客さんにこう言っていたんです。

    「お荷物、お持ちします。こちらへどうぞ」

    これだ、と思いました。

    選ばせないんです。「あちらへどうぞ」でも「お好きな席へ」でもない。「あなたの席はここです」と、案内する。

    それ以来、僕はテキストを最前列だけに置いて、来た人を「こちらへどうぞ」と案内するようにしました。

    それから、前に座らなかった人は一人もいません。


    ぬいぐるみに向かって、練習していました

    「よく話せますね」と言われることがあります。

    でも、最初はまったく話せませんでした。登壇しても、頭が真っ白になって声が出ない。

    だから僕は、家で練習しました。

    部屋に椅子を3つ並べて、プロジェクターを立てて、クマのぬいぐるみを客席に置いて。

    そして、真面目に問いかけていました。

    「田中さん、どう思いますか?」

    ……我ながら、絵面はどうかと思います。でも、これをやらないと本番で言葉が出なかったんです。

    もう1つよく聞かれるのが、「話し方はどこで勉強したんですか」です。

    答えは、寅さんです。

    『男はつらいよ』の、あの間の取り方。俳優さんって、台本があるのに、その場で生まれた言葉みたいに話しますよね。あれを何度も見ました。

    セミナー講師も、同じだと思っています。その場を演じきる人です。

    沈黙が怖いのは、慣れていないからです。慣れは、練習でしか手に入りません。本気で練習したら、できます。才能の話ではありません。


    まとめ

    • 沈黙は、相手が自分ごと化している時間。埋めない
    • 痛いところを、こちらから言葉にしない。「どうして来られたんですか」で本人に言わせる
    • 伝えたいことは、他人の物語にする。指摘せず、気づける場所へ
    • 質問は、答えを知っているものだけ投げる
    • 手を挙げてほしいときは、自分も挙げる
    • 席は選ばせない。「こちらへどうぞ」と案内する
    • 沈黙が怖いのは、慣れていないだけ。練習でしか埋まらない

    しゃべる量を減らすだけで、伝わる量は増えます。

    そして、うまく話せないとき「自分に才能がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • セミナーは、3部構成にすると売れます

    セミナーは、3部構成にすると売れます

    セミナーの台本を作るとき、こんなふうになっていませんか。

    伝えたいことを、思いつくまま並べる。

    途中で商品の話も入れる。最後に「よかったらどうぞ」と付け足す。

    話し終えて、なんとなく手応えはある。でも誰も申し込まない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この形の人は、本当に多いです。

    話す中身は悪くありません。順番が混ざっているだけです。

    セミナーは、3つに分けてください。そして絶対に混ぜないでください。


    第1部:ノウハウ。ただし、やり方は教えない

    最初のパートは、価値を教えるところです。

    「こういうことがあると、まずいですよね」

    「ここがポイントなんです」

    こう伝えて、相手に気づいてもらう。

    ここで大事なのが、やり方そのものは教えないということです。

    前に書いたことがありますが、僕はデビュー戦で全部教えてしまって、17人中17人が大満足なのに成約ゼロという結果を出しました。理由は簡単で、全部渡すと「自分でできる」になるからです。

    だから1部でやるのは、「できていない」に気づいてもらうことまで。

    もう1つ、ここで絶対にやってはいけないことがあります。

    1部に商品の話を混ぜないこと。

    混ぜた瞬間、相手は「あ、最初から売り込まれていたのか」と感じます。それまでの話が全部、営業トークに聞こえるようになる。

    分けるだけで、この事故は防げます。


    第2部:商品。ただし、説明はしない

    2つめのパートで、はじめて自分のサービスの話をします。

    ここで多くの人がやるのが、商品説明です。

    こういう内容で、何回あって、こういうサポートが付いていて。

    ……買いませんよね。

    お米の説明をされて、お米を買った経験、ありますか。

    品種がこうで、産地がこうで、粒の大きさがこうで。聞いたところで、買う理由にはなりません。

    2部で伝えるのは、その人がどうなるかです。

    • 自分にもできそうだ、と思ってもらう(難しそうだと思われた時点で終わります)
    • 一人じゃない、と伝える(伴走する人がいる安心感)
    • 説明でなく、物語で伝える

    ここに、実際にいた人の話を入れます。同じところで悩んでいた人が、どう変わったか。人は説明では動きませんが、他人の物語には自分を重ねます。


    第3部:クロージング。3つのなぜで締める

    最後のパートで確かめてもらうのは、3つだけです。

    1. なぜ、これが必要なのか
    2. なぜ、あなたから買うのか
    3. なぜ、今なのか

    1つずつ、少しだけ補足します。

    1つめは、動機です。パソコンって、壊れそうにならないと買い替えませんよね。人は、必要だと感じるまで動きません。だからここを、ストーリーで伝えます。

    2つめは、判断の基準を渡すことです。ここで僕がよく使う言い方があります。

    「うちを、選ばなくてもいいですよ」

    本気で言います。そのうえで、こう続ける。

    「ただ、こういうことをやってくれるところを選んでください」

    ライバルを悪く言う必要はありません。選ぶ基準を渡すと、結果として自分が選ばれます。

    3つめは、今である理由です。ここが一番、抜けます。


    「また今度」と言った人が、1年後に来ました

    3つめの大切さを、僕は痛い形で知りました。

    ある方に「これはやっておいたほうがいいですよ」と伝えたことがあります。

    その方は「ありがとうございます、また今度」と言って帰っていきました。

    1年後、その方が来ました。

    800万円の借金を背負って、です。

    そして、こう言われました。

    「あのとき、早くやればよかった」

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。そして同時に、自分を責めました。僕が「今です」と言い切らなかったからだ、と。

    伝えなかったのは、遠慮です。押しつけたくなかった。でもその遠慮の代償を払ったのは、僕じゃなくてその人でした。

    それ以来、僕は死ぬ気で「今である理由」を伝えるようになりました。


    全員に全力を出すと、肝心なところで力が残りません

    もう1つ、構成と同じくらい大事なことがあります。

    誰に、どれだけの力を出すかです。

    昔の僕は、目の前の人全員に300%で接していました。それが誠実さだと思っていたからです。

    でも、師匠にこう言われました。

    「フロントで300%出したら、バックエンドがダウンするぞ」

    意味が分かるまで、少し時間がかかりました。

    無料の場で全部出し切ってしまうと、お金と時間を払ってくれた人に渡すものが残らないんです。

    今は、こう分けています。

    • 無料のセミナー:70%
    • 本気で申し込んでくれた人:300%

    冷たいと思われるかもしれません。でも逆です。一番大事にすべき人を、一番大事にするというだけの話なんですよ。


    まとめ

    • セミナーは3部に分ける。1部と2部を混ぜると、全部が売り込みに聞こえる
    • 1部はノウハウ。ただしやり方は教えない。気づいてもらうところまで
    • 2部は商品。ただし説明はしない。その人がどうなるかを、物語で
    • 3部はクロージング。なぜ必要・なぜあなた・なぜ今
    • 「うちを選ばなくてもいい」と言う。判断基準を渡すと、選ばれる
    • 今である理由を、遠慮せずに伝える
    • 無料の場で全力を出さない。払ってくれた人に300%を残す

    順番を分けるだけです。話す中身は、今のままでかまいません。

    そして、申し込まれないとき「自分の話がつまらないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 「おまけ」で、意識をずらす

    「おまけ」で、意識をずらす

    セミナーの空気が、最後に冷える。

    いい流れで進んでいた。うなずきも多かった。なのに個別相談を案内した瞬間、みんなの顔がスッと引いていく。

    (あ、今やらかした)

    そう思ったこと、ありませんか。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この現象には、はっきりした理由があります。

    人は「売られる」と意識した瞬間、心が動かなくなります。

    これは相手が冷たいのではありません。脳がそういう作りになっているんです。


    意識した瞬間、人は分析を始めます

    婚活パーティーの話をさせてください。

    婚活パーティーは、目的がはっきりしています。「いい人を見つける」。

    すると脳は分析モードに入ります。かっこいいか。収入はありそうか。優しそうか。この人と続くか。頭の中で、ものすごい勢いで採点が始まる。

    そして、ここが面白いところなんですが。

    分析からは、一目惚れは生まれません。

    「すごく分析した結果、一目惚れでした」

    ……おかしいですよね。そんな一目惚れ、聞いたことがありません。

    ところが、セミナーでたまたま隣に座った人には、一目惚れが起こったりする。目的が「学ぶ」なので、分析する前に感情のほうが先に動くからです。

    買い物も、まったく同じ構造です。

    「売り込まれるぞ」と意識させた瞬間、相手は分析を始めます。分析されたら、もう心では動きません。


    だから、案内する場所は1か所しかありません

    多くの人が、商品説明のところで個別相談を出します。

    これが一番まずいです。

    その時間、相手の頭はすでに「売り込みを受ける時間」だと分かっています。警戒しているところに個別相談を差し出したら、「1対1で売られるやつだ」と受け取られます。

    せっかく作った空気が、そこで壊れる。

    かといって、学びの真っ最中もダメです。話の流れが切れて、集中が途切れるだけになります。

    では、どこか。

    学びが終わる直前です。

    自分ごとに落として、「あ、自分できてないな」と気づいた直後。学びたい気持ちが一番高いところ。ここだけです。

    タイミングを1か所に絞ると聞くと窮屈に感じるかもしれませんが、逆です。ここさえ守れば、あとは何をしても崩れません。


    「おまけ」の立ち位置に置く

    もう1つ大事なのが、出し方です。

    人は、おまけが大好きです。

    子どものお菓子を思い出してください。おまけのほうがメインになっていること、ありますよね。雑誌の付録もそうです。付録が欲しくて雑誌を買う人は、いくらでもいます。

    だから個別相談は、おまけにします。

    ただし、ここに落とし穴があります。おまけにするには、メインが必要です。

    何もないところに「おまけです」と言っても、それはただの本編になってしまう。おまけとして成立させるには、その前に置く「本体」を用意しないといけません。

    僕が使っているメインは、理解度チェックシートです。

    こう伝えて配ります。

    「今日学んだことは、明後日にはほとんど忘れます。学んだという感覚だけが残る。もったいなくないですか。脳の中にインストールしておきませんか。考えることは、書くことです。」

    これは売り込みではありません。学びの一部です。だから、誰も身構えずに受け取ります。


    シートの中身が、そのまま資産になります

    このシート、実はもう1つ仕事をしてくれます。

    僕が入れている項目は4つです。

    1. ここに来る前、どんなことで悩んでいましたか
    2. 今日、得られたことは何ですか
    3. 明日から、どう使いますか
    4. 講師へのメッセージ(+お名前・ご連絡先)

    なぜこの順番かというと、この4つを書いてもらうと、そのまま「お客様の声」になるからです。

    悩んでいた → 学んだ → こう変わりそう → ありがとうございました。

    これ、そのままストーリーですよね。

    特に1番が大事です。1番を抜くと、ただの感想文になります。悩みから始まるから、読んだ人が自分を重ねられるんです。

    ちなみに、これを「アンケート」と呼んではいけません。アンケートだと思われた瞬間、みんな雑に書きます。ワークとして渡す。それだけで、書かれる中身が変わります。

    そして、個別相談の案内は、このシートの裏側に置いておきます。おまけなので、表には出しません。


    「一旦、手を止めていただいてよろしいですか」

    書き進めて、半分くらいまで来たところで、こう言います。

    「すみません、ひとつお伝えするのを忘れていました。一旦、手を止めていただいてよろしいですか」

    ここで初めて、裏を見てもらいます。

    このとき、面白いことが起きます。丸をつける順番で、今すぐ動く人が見えるんです。

    悩みが本当に強い人は、迷わず先に裏に丸をつけます。「いつか独立できたらいいな」くらいの人は、表から順番に書いていく。

    つまり、この数分間で誰と話すべきかが分かるんですよ。

    書いてもらう時間は5〜6分。空気を見て止めます。興味がない回だと、ペンが早々に止まります。そういう日は、深追いしません。


    「解決します」と言ってはいけません

    最後に、これだけは間違えないでください。

    個別相談の案内で、「お悩みを解決します」と言ってはダメです。

    理由は単純で、解決したら、その先を買う理由がなくなるからです。

    言うのはこちらです。

    「今日聞いて、モヤモヤした。どうしたらいいか分からない。ありませんか。そのモヤモヤを具体的にして、行動につなげたい方は、ぜひ」

    解決ではなく、具体化。ここを混ぜないでください。

    そして、あえて逆も言います。

    「本当に前に進みたくない、という方は、丸をつけないでくださいね」

    こう言うと、丸をつける人が増えます。人は、止められると逆に動きたくなるものなんですよね。


    最後の一言を、絶対に忘れないでください

    これは僕が痛い目を見て覚えたことです。

    シートを回収する前に、必ずこう言います。

    「丸をつけていただいた方には、この後メールをお送りします。そこで一緒に日程を確認しましょう。必ずメールを確認してくださいね」

    昔、これを言っていませんでした。

    結果どうなったか。その場のノリで丸をつけた方から、返信が来ない。枠が全然埋まらない。何度もやりました。

    「大人なんだから分かるだろう」は通じません。悪気があるわけでもありません。ただ、優先順位がその人の中で下がるだけです。

    だから、こちらから伝える。面倒くさがらずに、毎回言う。ここを言うかどうかで、埋まる枠の数が変わります。


    まとめ

    • 売られると意識させない。意識した瞬間、脳が分析を始めて動かなくなる
    • 案内は、学びが終わる直前だけ。商品説明の時間に出すと空気が壊れる
    • おまけの立ち位置で出す。そのためにメイン(シート)を用意する
    • シートの4項目が、そのままお客様の声になる。「悩み」から始めるのを忘れない
    • 「解決します」は言わない。言うのは「モヤモヤを具体化する」
    • 回収前に、必ずメールの念押しをする

    案内する内容は、今のままでかまいません。出す場所と、出し方を変えるだけです。

    そして、うまくいかないとき「自分の商品に魅力がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。

  • 満足させすぎたセミナーは、売れません

    満足させすぎたセミナーは、売れません

    僕のセミナーデビュー戦の話をします。

    気合いで生徒を集めました。寝る間も惜しんで、コンテンツを作り込みました。持っているものを全部詰め込んで、当日を迎えました。

    結果、17人中17人が「大満足」。

    アンケートも絶賛でした。手応えもありました。

    さあ、ここでクイズです。

    そのうち何人が、次の講座に申し込んだでしょうか。


    答えは、ゼロ人です

    一人も来ませんでした。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あれだけ喜んでもらえたのに、と。

    納得がいかなくて、17人全員に電話をかけました。一人ずつ、理由を聞いて回ったんです。

    そして返ってきた言葉が、これでした。

    「内容が良すぎて、自分にもできると思いました」

    ……そういうことか、と。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきましたが、この日の失敗が全部の原点になっています。

    満足は、ゴールではありません。満足させすぎると、人は動かなくなります。


    試食で満腹にしたら、誰も買いません

    考えてみてください。

    スーパーの試食コーナーで、ラーメンをどんぶり一杯出されたらどうなるか。

    満足して、帰ります。

    買う理由が、なくなるからです。お腹がいっぱいなのに、わざわざレジに並ぶ人はいません。

    車の試乗も同じです。6時間も乗せてもらったら、もう十分乗った気になる。ちょっとだけ乗せて「もっと乗りたい」で戻すから、欲しくなるんですよね。

    僕がやったのは、試食でどんぶりを出したのと同じことでした。

    やり方を、全部教えてしまったんです。

    しかも当時の僕は、それが親切だと思っていました。詰め込めば詰め込むほど、いいセミナーになると信じていた。逆でした。


    セミナーには2種類あります

    ここを分けられるかどうかが、全部を決めます。

    1つめは、情報提供型。すでに買ってくれた人に、惜しみなく全部出す。満足度を最大にするのが目的です。

    2つめは、顧客獲得型。これから出会う人に向けたもので、全部は教えません。「もっと知りたい」で止めます。

    僕の失敗は単純で、2の場所で1をやってしまったことでした。

    どちらが良い悪いではありません。場所が違うだけです。ここを混ぜると、どれだけ準備しても結果が出ません。

    そして、この切り替えができていない人は、本当に多いです。まじめな人ほど「出し惜しみは失礼だ」と思ってしまうので。

    でも、出し惜しみとは違うんですよ。入口を見せて、その先を一緒に歩きませんかと誘っているだけです。


    体験会は、楽しませすぎてはいけない

    習い事や趣味の教室だと、セミナーではなく体験会になります。これも構造は同じです。

    やることは3つ。

    1. 疑似体験させる
    2. ワクワクを伝える
    3. ただし、楽しませすぎない

    3つめが抜けている体験会が、本当に多いです。

    以前、世田谷のピアノ教室の相談を受けたことがあります。体験会をやっても、来た人が「お願いします」にならない。

    何が足りなかったか。その子が、この先生と一緒にどうなれるかを想像できていなかったんです。

    そこで、体験会の設計を変えました。ポイントは、見る人が2人いるということでした。

    弾く本人である子どもと、お金を払う親です。

    子どもにはワクワクを、親には「この先生に任せたらこうなる」という未来を見せる。この2人分を設計したら、半年で生徒が20人から50人になりました。

    楽しかった、で終わらせない。その先を見せる。それだけの違いです。


    人数を集めることが、目的ではありません

    もう1つ、当時の僕が勘違いしていたことがあります。

    人を集めれば、なんとかなると思っていました。

    でも今は、はっきりこう思います。

    20人集めて0人より、5人来て1人のほうがいい。

    大事なのは、自分の熱量が届く人数かどうかです。届かない人数を集めても、薄まるだけなんですよね。

    僕の場合、5人くらいが一番いい。不思議なもので、8人のときが一番弱いというデータが自分の中にあります。理由は今も分かりません。

    そして、たとえ1人しか来なくても、その1人に本気で向き合えばいいんです。目の前の一人を獲得できる人は、10人でも100人でもできます。逆はありません。

    人数が少ない日は「今日は濃いですね、その分、熱く伝えます」と言えばいい。1対1を乗り越えた回数だけ、強くなります。


    相手が知りたいのは、3つのことだけ

    最後に、これだけは持ち帰ってください。

    人が何かを買うとき、頭の中で確かめていることは3つです。

    1. なぜ、これが必要なのか
    2. なぜ、あなたから買うのか
    3. なぜ、今なのか

    この3つが揃って、はじめて動きます。1つでも欠けたら止まります。

    僕のデビュー戦は、1だけを全力でやって、2と3が空っぽでした。しかも1をやりすぎて、必要性そのものを消してしまった。

    満足度が高いのに申し込まれないときは、たいていこの3つのどれかが抜けています。今日のセミナーを思い出しながら、1つずつ当ててみてください。


    まとめ

    • 満足させすぎると、動かなくなる。買う理由が消えるから
    • 試食で満腹にしない。「もっと欲しい」で止める
    • セミナーは2種類。買ってくれた人向けと、これから出会う人向けを混ぜない
    • 体験会は、楽しませすぎない。そして「見ている人が2人いる」ことを忘れない
    • 人数より、熱量が届く範囲。20人集めて0人より、5人で1人
    • なぜ必要・なぜあなた・なぜ今。3つ揃って人は動く

    内容を薄くしろという話ではありません。出す場所を変えるだけです。

    そして、うまくいかないとき「自分の内容が良くないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 売りたいものを、最初に見せてはいけない

    売りたいものを、最初に見せてはいけない

    セミナーを開いた。人も来てくれた。

    一生懸命、伝えた。

    なのに、誰も申し込まない。

    「内容が薄かったのかな」と、次はもっと詰め込む。資料も増やす。スライドも作り直す。それでも結果は変わらない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。そのうえで、こう断言できます。

    申し込まれないのは、内容が薄いからではありません。

    売りたいものを、最初に出してしまっているからです。


    直球で出すと、「知ってるよ」で終わります

    たとえばダイエットを売りたいとして、いきなり「ダイエットの正しいやり方をお伝えします」と始めたとします。

    このとき、相手の頭の中で何が起きているか。

    「ああ、その話ね」

    これです。

    人は、知っているつもりのテーマには耳を閉じます。しかも厄介なことに、この判定は最初の数秒で終わります。どれだけ後半にいい話を用意していても、冒頭で「聞いたことある枠」に放り込まれたら、そこから先はもう届きません。

    だから、売りたいものは隠します。

    関係のなさそうな入口から入る。そこで話を進めて、途中で「実は、これってダイエットの話なんです」と持っていく。

    同じ内容です。順番を変えただけです。でも、まったく別の話に聞こえます。

    入口を変えるというのは、中身を薄めることではありません。届く状態を作ってから出す、というだけのことです。


    「説明会」という名前が、全部を殺しています

    これは、もったいない人が本当に多いです。

    タイトルに「説明会」と付いている。もうこの3文字で終わりです。

    なぜかというと、人は無意識に「売られる」を避けるからです。説明会と書いてある時点で、来る前から相手の頭は「売り込みを受ける場」だと分かっている。

    身構えた状態で来た人に、何を話しても入りません。その日の勝負は、タイトルを付けた時点でついているんです。

    では、何を入れるか。

    タイトルに必要なのは、見た瞬間に「自分のモヤモヤが解決できるかも」と思える言葉です。要素で言うと、こうなります。

    • 誰のための会なのか(◯◯で悩んでいる方へ)
    • 何が手に入るのか(メリット)
    • 数字(たった3日で/9割の人が)
    • 限定(先着7名)

    全部入れる必要はありません。ただ、「誰の」と「何が手に入る」の2つが無いタイトルは、まず集まりません。

    そしてもう1つ。タイトルは、走りながら変えてください。

    僕も昔「先生ビジネス」という言い方をずっと使っていました。反応も良かった。ところが、だんだん周りが同じ言葉を使い始めて、埋もれるようになったんです。

    本のタイトルと同じで、当たっている表現は必ず真似されます。反応を見ながら変えていく前提でいたほうがいい。


    思い込みを、ひっくり返す話を用意する

    売りたいものを隠したなら、その空いた場所に何を入れるか。

    相手の思い込みを、壊す話です。

    「そう思ってましたよね。でも、実は違うんです」

    この一撃があるかどうかで、その場の空気が決まります。人は、自分の中の常識が崩れた瞬間に、はじめて話を「自分ごと」として聞き始めるからです。

    逆に言うと、相手がすでに知っていることを丁寧に説明している時間は、全部あなたの持ち時間の無駄遣いになります。

    このときに効くのが、国の機関などが出しているデータです。

    人は、権威のある数字を驚くほど素直に信じます。自分の意見として「僕はこう思うんです」と言うより、「厚生労働省の調査では、こうなっています」と外から借りたほうが、はるかに強い。

    ここは、意地を張らずに借りたほうが得です。


    そして、最後に締めていない

    ここが一番多い取りこぼしです。

    いい話をして、場も温まって、みんな満足そうな顔をしている。それで最後にこう言う。

    「ご興味があれば、いつでもご連絡くださいね」

    ……来ません。1件も。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あんなに盛り上がったのに、と。

    でも当たり前なんです。締めないと、人は動かないからです。

    「いつでも」というのは、相手からすると「今じゃなくていい」と同じ意味です。そして今じゃなくていいことは、永遠にやりません。人はそういうふうにできています。

    必要なのは、その場で完結する一言です。

    「今回、1名様だけ、無料でご相談をお受けします」「限定3名です」

    この形にして、はじめて手が挙がります。


    「売り込みたくない」と思っている人へ

    ここまで読んで、それでも締めるのが嫌だという人がいると思います。

    僕もそうでした。だから、その気持ちはよく分かります。

    でも一度だけ、こう考えてみてほしいんです。

    あなたの話を聞いて、目が輝いた人がいた。何かが変わりそうな予感がした。でもあなたが最後に締めなかったから、その人は「いい話だったな」で帰った。

    そして翌日、同じ場所で止まったままの日常に戻る。来月も、来年も。

    あなたが黙ったせいで、その人の物語は何も起きないまま終わります。

    売り込みが失礼なんじゃありません。伝えられるものを持っているのに黙っていることのほうが、よっぽど失礼なんですよ。

    僕はある時期から、そう思うようにしました。それ以来、締められないことはなくなりました。


    まとめ

    • 売りたいものは、最初に出さない。直球は数秒で「知ってるよ」に弾かれる
    • タイトルに「説明会」を使わない。来る前から身構えられる
    • タイトルには「誰の」と「何が手に入る」を必ず入れる。そして走りながら変える
    • 思い込みを壊す話を1つ用意する。外から借りた数字が効く
    • 必ず締める。「いつでもご連絡ください」では、1件も来ない
    • 黙っていることのほうが、相手にとっては損失

    順番を変えるだけです。話す中身は、今のままでかまいません。

    そして、うまくいかないとき「自分の知識が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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