料金を決めるとき、こんなふうに悩んでいませんか。
「いくらにしよう」
「高すぎたら引かれるかな」
「安いほうが親切かな」
その悩み、実は値段そのものより、並べ方の問題であることがほとんどです。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。値付けは、いつの時代も一番多い相談のひとつです。
価格は、3つ並べてください。そして一番売りたいものを、真ん中に置いてください。
これだけで、選ばれるものが変わります。
2つしか出さないと、必ず安いほうに流れます
まず、なぜ2つではダメなのか。
2つ並べると、人はどうするか。比べます。
高いほう、安いほう。この2つしかない世界で比べると、判断の軸は「どっちが得か」しかありません。そして得を取ると、たいてい安いほうが選ばれる。
これは相手がケチだからではありません。比べる材料が2つしかないからです。
スーパーのチラシを思い浮かべてください。3枚並べて、どこで買うのが一番いいかを無意識に見比べている。人は、そうやって「一番買いやすい場所」を探す生き物なんです。
つまり、比べること自体は止められません。だったら、比べ方をこちらで設計してしまえばいい。
人気は、いつも真ん中に置かれている
レストランを思い出してください。
コースが3つ並んでいる。一番下はハンバーグとサラダ。真ん中はそれにコーヒーが付く。一番上はミニパスタとデザートまで付く。
さて、どれを選ぶ人が一番多いでしょうか。
圧倒的に、真ん中です。そして一番安いものを選ぶ人は、ほとんどいません。
理由は単純です。僕たちは「人気」「おすすめ」は真ん中に置かれるという経験を、人生の中で何百回も積んできました。だから真ん中を見ると、無意識に「これが標準なんだな」と思う。
さらに言うと、一番安いものを選ぶのには、ちょっとした抵抗があります。「ケチだと思われないかな」という感覚です。一番高いものにも、別の抵抗がある。
真ん中は、その両方から逃げられる場所なんですよね。だから選ばれる。
つまり、真ん中に置いたものが、その場の基準になります。
だったら、一番売りたいものを真ん中に置く。これが答えです。
差は、2割以上つけてください
3つ並べるときに、もう1つ大事なルールがあります。
価格の差を、2割以上つける。
差が小さすぎると、人は高い安いを感じません。10万円と11万円が並んでいても、ほぼ同じものに見える。せっかく3つ作っても、選ぶ基準が生まれないんです。
2割以上ずらして、はじめて「こっちは上のやつだな」「こっちは入口だな」と伝わります。
3つの間隔が近すぎるメニュー表は、意外と多いです。値段を書き出したら、一度この目で見直してみてください。
一番高いものを、外さないでください
ここが、多くの人がつまずくところです。
「こんな高い金額、誰も買わないですよ」
そう言って、一番上を消してしまう。
でも、はっきり言います。
そう思っているのは、売り手のあなただけです。
「高い=良いもの」と考える人は、必ず一定の割合でいます。その人たちは、選択肢さえあれば迷わず一番上を選びます。
あなたが勝手に外してしまったせいで、その人は買えなくなっているだけなんです。
僕が実際に見てきたのは、こういう形です。10万円のセミナーの一番上のコースに、「講師と30分、一緒に相談できる」「終わったら講師と一緒に食事に行ける」を付ける。
これが、埋まるんですよ。
高い版が売れるかどうかは、値段ではなくそこに何が乗っているかで決まります。時間、特典、その人だけの体験。この3つのどれかを乗せると、一番上は動きます。
その場で、単価は勝手に上がっていく
もう1つ、置いておくだけで効く理由があります。
セミナーや体験会のように、その場で申し込みが決まる場を思い出してください。
誰か一人が「一番上でお願いします」と言った瞬間、どうなるか。
周りが、引っ張られます。
ランチの注文と同じです。誰かが「じゃあ僕はAランチ」と言うと、「あ、私も」となる。人は、その場にいる人の選択に驚くほど影響されます。
だから一番高いものは、買われなくても仕事をしています。真ん中を選びやすくする基準として働き、その場の空気の上限を上げてくれる。
外した瞬間に、この2つを両方とも捨てることになります。
一番安いものを買った人も、まだ終わりではありません
最後に、意外と知られていない使い方を。
3つのうち一番安いものを選んだ人がいたとします。
多くの人は、そこで終わりにします。でも本当は、そこからもう一手あります。
個別相談などで話を聞いていくと、その人の悩みがはっきり見えてくる。そのとき、上のコースのほうが明らかに合っている、という場面が出てきます。
そこで、こう伝えます。
「今なら、変えることもできますよ」
これだけです。押しません。ただ、選べることを伝えるだけ。
選択肢を最初に出していなければ、この会話は永遠に生まれません。3つ用意しておくというのは、あとから伝えるための下ごしらえでもあるんです。
ただし1つだけ条件があります。値段だけ上げてはいけません。上げるなら、それ以上の価値を必ず乗せる。そこがないと、ただの高い商品になります。
まとめ
- 価格は3つ並べる。2つだと必ず安いほうに流れる
- 一番売りたいものを真ん中に置く。人は真ん中を基準だと思う
- 差は2割以上つける。近すぎると高い安いを感じない
- 一番高いものを外さない。買う人は必ずいるし、買われなくても基準として働く
- 高い版には、時間・特典・特別な体験のどれかを乗せる
- 一番安いのを買った人にも、「今なら変えられます」がある
- 値段だけ上げない。価値を乗せてはじめて成立する
値段に迷ったら、金額を悩む前に、まず並べ方を見直してみてください。
そして、選ばれないとき「自分の商品に価値がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
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