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  • 感情を書かないストーリーは、ただの経歴です

    感情を書かないストーリーは、ただの経歴です

    自分の歩みを、書いてみた。

    順番に、起きたことを並べた。

    読み返したら、履歴書みたいになっていました。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、はっきりしています。

    出来事しか、書いていないからです。


    出来事だけでは、心が動きません

    例を見てください。

    「2015年に独立し、2018年に法人化しました。2020年からは研修事業も始めています」

    何も感じませんよね。

    事実は、全部正しい。うそも1つもない。

    でも、読んだ人の心は1ミリも動きません。

    なぜなら、そのときあなたが何を感じていたかが、書かれていないからです。


    人が反応するのは、感情のほうです

    ここは、はっきり書いておきます。

    人は、出来事には反応しません。感情に反応します。

    なぜかというと、出来事は他人のものだからです。

    あなたが独立した年は、読んだ人には関係がありません。

    でも、そのとき感じた不安や、決めた瞬間の気持ちは、読んだ人も知っています。

    そこで、初めてつながります。


    分けて書いてください

    やり方は、簡単です。

    出来事と、感情を、分けて書き出してください。

    まず、起きたことを箇条書きにします。

    • 独立した
    • 最初の3か月、仕事がなかった
    • 初めて契約が取れた

    次に、それぞれの横に、そのとき思ったことを書きます。

    • 独立した → (これで、もう戻れない)
    • 3か月、仕事がなかった → (自分は、間違えたのかもしれない)
    • 初めて契約が取れた → (手が震えた)

    この2列目が、記事の中身です。


    心の声を、そのまま置いてください

    書き方のコツを1つ。

    感情を、説明しないでください。

    • 弱い:そのとき、私は大きな不安を感じていました
    • 強い:(自分は、間違えたのかもしれない)

    かっこで囲んで、そのまま置く。

    これだけで、まったく違うものになります。

    説明されると、読む人は理解します。

    そのまま置かれると、読む人は体験します。

    そして、体験したものだけが記憶に残ります。


    1つ入れるだけで、変わります

    ここで、量の話をします。

    感情のセリフは、たくさん入れなくていいです。

    むしろ、多すぎると重くなります。

    1本に1つか2つで十分です。

    そして、置く場所が大事です。

    いちばん谷が深いところに、1つ。

    ここに置くと、そこから先が全部読まれます。

    逆に、上がっている場面にたくさん置くと、自慢に見えます。

    下がっているところに置くのが、原則です。


    谷が深いほど、山が効きます

    もう1つ、構造の話をします。

    いい自己紹介には、必ず谷と山があります。

    そして、谷が深いほど、山が効きます。

    だから、谷を薄く書かないでください。

    多くの方は、ここを短くします。かっこ悪いので、早く通り過ぎたくなる。

    でも、そこが読まれる場所です。

    そして、山に上がるところには、数字を入れてください。

    • 弱い:売上が大きく伸びました
    • 強い:月200万円が、240万円になりました

    数字が入ると、映像が浮かびます。


    弱みを、資格に変えてください

    もう1つ、強い型を渡します。

    過去の弱みを、今の仕事の資格として書く。

    例を挙げます。

    • 成績が最下位だった → だから、伸び悩む人の気持ちが分かる
    • 人間関係で失敗した → だから、その直し方を知っている

    これは、言い訳ではありません。

    その経験がなければ、今の仕事はできなかったという構造です。

    そして、この振れ幅が大きいほど、強くなります。

    弱みを隠すと、普通の経歴になります。

    弱みを出すと、その人にしか語れない話になります。


    志は、長く書かなくていいんです

    最後に、書かなくていいものを1つ挙げます。

    志や理想を、長く書かないでください。

    「人々の可能性を広げたい」

    こういう文は、読み飛ばされます。

    なぜなら、誰でも書けるからです。

    そして、志は書かなくても伝わります。

    出来事と感情が正しく書かれていれば、読んだ人が勝手に受け取ります。

    この人は、こういうことを大事にしているんだな、と。

    自分で言うより、そう思ってもらったほうが強いです。


    時制を、そろえてください

    細かいけれど、効くことを1つ書きます。

    過去の話を書くとき、そのときの時制で書いてください。

    • 弱い:当時は、まだ何も分かっていませんでした
    • 強い:何も、分かっていませんでした

    前者は、今の自分が振り返って解説しています。

    後者は、そのときの自分の言葉です。

    振り返って解説すると、距離ができます。

    読む人は、あなたが安全な場所から過去を語っているのを見ることになります。

    でも、そのときの言葉で書かれていると、読む人も一緒にそこに立てます。

    この違いは、読んでいて明らかに分かります。

    そして、多くの人が無意識に前者になっています。安全だからです。

    状況の説明を、削ってください

    もう1つ、削るべきものがあります。

    状況の説明です。

    • 「当時、業界全体が不況でして」
    • 「その頃は、まだ制度が整っておらず」

    こういう文が入ると、急に読む速度が落ちます。

    読む人は、あなたの業界の事情を知りたいわけではありません。

    あなたがどうだったかを知りたいんです。

    だから、説明は最小限にしてください。

    必要なら、1行だけ。それ以上書きたくなったら、言い訳になっていないかを疑ってください。


    まとめ

    • 出来事だけでは、心は動かない
    • 人は感情に反応する。出来事は他人のものだから
    • 出来事と感情を、2列に分けて書き出す
    • 感情は説明せず、心の声としてそのまま置く
    • 1本に1つか2つ。いちばん谷が深いところに置く
    • 谷が深いほど、山が効く
    • 山には数字を入れる
    • 弱みを、今の仕事の資格として書く
    • 志は長く書かない。伝われば十分

    自分の歩みを2列で書き出してみてください。右の列だけ読み返すと、書くべきことが見えます。

    そして、伝わらないとき「自分の経歴が地味だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • プロの声より、素人の声のほうが刺さります

    プロの声より、素人の声のほうが刺さります

    有名な人から、推薦をもらった。

    肩書きのある方に、コメントを書いてもらった。

    でも、反応がありません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。これは、よくあることです。

    上手な言葉は、疑われます。


    上手すぎると、作り物に見えます

    まず、単純な話から。

    テレビの広告に出ている人は、噛みません。

    言葉に詰まりません。全部、なめらかです。

    そして、誰も本気にしていません。

    なぜなら、作り物だと分かっているからです。

    上手すぎるものは、疑われます。

    これは、悪意ではありません。見慣れているだけです。


    素人の言葉は、疑いようがありません

    一方、普通の人の言葉はどうか。

    • 言葉が詰まる
    • 話が前後する
    • うまくまとまらない

    そして、これが刺さります。

    理由は、作れないからです。

    きれいな推薦文は、誰かが書いたのかもしれません。

    でも、たどたどしい言葉は、その人が本当にそう思っていないと出てきません。

    だから、信じられます。


    整えないでください

    ここが、いちばん大事なところです。

    集めた声を、整えないでください。

    • 「なんていうか、あの、うまく言えないんですけど」
    • 「え、なんだろう。正直、最初は疑ってました」

    こういう部分を、削らないでください。

    この部分が、いちばん効いています。

    きれいに整えた瞬間、作り物の側に移ります。

    読みやすくしたつもりが、信用を落としています。


    権威が要らない、という話ではありません

    念のため、書いておきます。

    権威のある人の推薦が、無駄だと言っているのではありません。

    使いどころが違うだけです。

    • 権威の声:この人は本物なんだな、と安心させる
    • 素人の声:自分と同じ人が良かったんだな、と自分を重ねさせる

    働きが、まったく違います。

    そして、人が最後に申し込む理由になるのは、後者です。

    安心しただけでは、動きません。

    自分ごとになって、初めて動きます。


    似ている人の声を、探してください

    もう1つ、選び方のコツを書きます。

    集めた声の中から、読む人に近い人のものを選んでください。

    • 同じ業種
    • 同じ年代
    • 同じ悩み

    これが揃っているほど、刺さります。

    逆に、どれだけ素晴らしい成果でも、自分とかけ離れた人の話は届きません。

    「その人はすごい人だから、できたんでしょう」

    こう思われた瞬間、終わります。

    すごい成果より、近い人。


    「最初は疑っていました」が、いちばん効きます

    実務的なことを1つ。

    集まった声の中で、いちばん使える言葉があります。

    「正直、最初は疑っていました」

    これが入っている声は、強いです。

    理由は2つあります。

    1つめ。読んでいる人も、今まさに疑っているからです。

    その気持ちが書いてあると、分かってくれていると感じます。

    2つめ。疑っていた人が変わったなら、信用できるからです。

    最初から好意的だった人の言葉より、疑っていた人の言葉のほうが、はるかに重い。

    だから、聞き方にこれを入れてください。

    「頼む前、不安だったことはありますか」


    数より、深さです

    最後に、量の話をします。

    もっとたくさん集めないと、と思わないでください。

    3人分あれば、始められます。

    100人分の短いコメントより、3人分の深い話のほうが効きます。

    なぜなら、短いコメントは、どれも同じに見えるからです。

    丁寧でした、良かったです、が20個並んでも、記憶に残りません。

    でも、1人の話が具体的に書いてあれば、その1人が忘れられなくなります。

    集めることを目的にしないでください。

    1人の話を、深く聞く。そのほうが、はるかに早いです。


    声がまだ1つもない人へ

    ここまで読んで、こう思った方もいるはずです。

    「そもそも、まだお客さんがいない」

    その場合も、方法はあります。

    無料でも、試してもらってください。

    そして、その人に声をもらう。

    「まだ始めたばかりなので、正直な感想を聞かせてほしい」

    こうお願いすると、たいていの人は協力してくれます。

    そして、この段階の声は、むしろ生々しくて強いです。

    慣れていない人が、慣れていない人からもらった感想。作り物に見えようがありません。

    大事なのは、うそをつかないことです。

    「無料で試していただいた方の声です」と、そのまま書けばいい。

    隠すと、後で崩れます。書いておけば、誠実さとして伝わります。

    悪い評価も、置いていいんです

    もう1つ、上級の話をします。

    すべての声が絶賛だと、かえって疑われます。

    だから、こういう声も置けます。

    「正直、思っていたのとは違いました。でも、結果としては良かったです」

    こういう声が1つ混じっていると、全体の信用が上がります。

    完璧に見えるものより、少し欠けているもののほうが信じられる。

    これは、商品でも人でも同じです。


    まとめ

    • 上手すぎる言葉は、作り物に見える
    • たどたどしい言葉は、作れないから信じられる
    • 整えないこと。詰まっている部分が効いている
    • 権威の声は安心させる。素人の声は自分ごとにさせる
    • 人が動くのは、自分ごとになったとき
    • すごい成果より、近い人の声を選ぶ
    • 「最初は疑っていました」がいちばん効く
    • 100人の短い声より、3人の深い話

    次に声をもらうとき、「頼む前、不安だったことは」を1つ足してみてください。

    そして、反応がないとき「もっと権威が必要だ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • お客様の声は、本人に語らせてください

    お客様の声は、本人に語らせてください

    自分の実績を書くのが、苦手。

    書いても、自慢しているようで落ち着かない。

    だから、控えめに書いてしまう。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この方たちに、いつも同じことをお伝えします。

    自分で書かなくて、いいんです。


    いちばん見られているのは、どこか

    まず、事実を1つ。

    サイトでも紹介文でも、いちばん見られているのはあなたの実績ではありません。

    お客様の声です。

    これは、自分が客の側になったときのことを考えれば、すぐ分かります。

    飲食店を探すとき、店の説明文を読み込むでしょうか。

    まず、口コミを見ますよね。

    星の数を見て、コメントを2つ3つ読んで決めます。

    そして、これは商売の種類を問いません。


    自分で褒めると、届きません

    なぜ、他人の言葉なのか。

    自分で自分を褒めると、照れが出るからです。

    書いている本人が照れていると、それは文章に出ます。

    そして、控えめに書くので、伝わりません。

    一方、他人が語ると、まったく違います。

    遠慮がありません。

    しかも、自分では思いつかない角度で褒めてくれます。

    「あそこが良かった」と言われて、初めて自分の価値に気づくことが本当に多いです。


    「満足度90パーセント」は、もう効きません

    もう1つ、大事なことを書きます。

    作った感じの数字は、今はもう信用されません。

    • 満足度90パーセント
    • お客様に選ばれています
    • 圧倒的な支持

    こういう文言に、心が動く人はほとんどいません。

    理由は、みんなが見慣れたからです。

    今は、誰でも口コミを読む時代です。だから、目が肥えています。

    作られたものと、生のものが、すぐに見分けられます。


    集めるなら、映像です

    では、どうやって集めるか。

    いちばん強いのは、映像です。

    理由は、はっきりしています。

    表情が写るからです。

    うれしそうに話しているのか、頼まれて言っているのか。見れば分かります。

    これは、文章では出せません。

    そして、映像にはもう1つの効果があります。

    次の面談に持っていける。

    目の前の相手に「こういう方がいました」と見せられます。これは、こちらが100回説明するより効きます。


    聞き方に、コツがあります

    集めるときの聞き方も書いておきます。

    「感想をください」だと、当たりさわりのないものが返ってきます。

    「ありがとうございました。とても良かったです」

    これでは、使えません。

    だから、質問を分けてください。

    ① 相談する前、いちばん困っていたことは何でしたか

    ② なぜ、私に頼もうと思いましたか

    ③ 今、何がいちばん変わりましたか

    この3つで聞くと、そのまま使える言葉が返ってきます。

    そして、①がいちばん大事です。

    読む人は、まだ①の状態にいるからです。①が書いてあると、自分のことだと分かります。


    感情から始まって、あとで理屈が来ます

    もう1つ、面白い法則があります。

    いいお客様の声は、必ず感情から始まります。

    「本当に、うれしかったです」

    そして、そのあとに理屈が来ます。

    「なぜかというと、それまで3年間ずっと同じところで止まっていたので」

    この順番になっています。

    つまり、これは人が動く順番と同じなんですよ。

    だから、お客様の声は強い。読む人の中でも、同じ順番で処理されます。

    そして、この順番を崩さないでください。整理して理屈から並べ直すと、効かなくなります。


    間に入る人でも、いいんです

    最後に、1つ道を増やしておきます。

    「お客様に声をくださいと言いづらい」

    そういう方もいます。

    その場合は、間に入っている人に語ってもらうのも有効です。

    • 紹介してくれた人
    • 一緒に仕事をした人
    • 同じ現場にいた人

    こういう人たちは、勝手に褒めてくれます。

    しかも、客とは違う角度から見ています。仕事の進め方が丁寧だった、連絡が早かったなど、客が気づかない部分を語ってくれる。

    声は、客からしかもらえないものではありません。


    もらったら、必ず見せてください

    集めたあとの話をします。

    もらった声を、しまい込まないでください。

    意外と多いんです。集めたのに、どこにも出していない方が。

    理由を聞くと、こう言われます。

    「載せていいか、聞きづらくて」

    だから、もらうときに一緒に聞いてください。

    「サイトなどで紹介させていただいてもいいですか」

    この一言を、最初に添える。

    そして、範囲も決めておくと安心です。

    • 名前を出していいか
    • 顔を出していいか
    • 会社名はどうか

    この3つを最初に確認しておけば、後で困りません。

    そして、断られても気にしないでください。名前が出せなくても、業種と年代だけでも十分に効きます。

    定期的に、聞いてください

    最後に、続け方を書きます。

    声をもらうのは、終わったときだけではありません。

    • 途中で、変化があったとき
    • 終わって半年後

    特に、半年後が効きます。

    終わった直後は、まだ結果が出ていないことも多い。でも半年後には、はっきりした変化が出ています。

    そして、半年後にもらった声は、説得力がまるで違います。

    「そのときは半信半疑でしたが、今になって効いています」

    こういう言葉は、直後には出てきません。


    まとめ

    • いちばん見られているのは、実績ではなくお客様の声
    • 自分で自分を褒めると、照れが出て届かない
    • 他人は遠慮しないし、自分では思いつかない角度で語る
    • 作った感じの数字は、もう信用されない
    • 集めるなら映像。表情が写る
    • 次の面談に持っていける
    • 聞き方は3つ。困っていたこと/なぜ頼んだか/何が変わったか
    • 感情から始まって、あとで理屈。この順番を崩さない
    • 間に入る人に語ってもらってもいい

    過去のお客さんに、3つの質問を1人だけ送ってみてください。

    そして、伝わらないとき「実績が弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 感じさせてから、納得させてください

    感じさせてから、納得させてください

    正しいことを、丁寧に説明している。

    根拠も出した。データも見せた。

    なのに、相手の顔が動かない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、内容ではありません。

    順番が、逆です。


    理屈から入ると、眠くなります

    まず、事実を1つ。

    理屈だけの話は、眠くなります。

    これは、相手の集中力の問題ではありません。

    頭で処理する情報は、感情を動かしません。動かないので、疲れます。疲れると、聞くのをやめます。

    そして、専門性が高い人ほど、この形になります。

    • 制度の説明から入る
    • 仕組みの説明から入る
    • 数字の説明から入る

    全部、正しいんです。ただ、順番が違います。


    逆も、また効きません

    念のため、反対側も書いておきます。

    感情だけでも、売れません。

    • 気持ちの話ばかり
    • 「大丈夫、うまくいきます」だけ
    • 根拠がまったくない

    これは、その場は盛り上がります。

    でも、家に帰って冷めます。そして、申し込みません。

    なぜなら、人は最後に理屈で自分を納得させるからです。

    だから、片方だけでは足りません。


    正しい順番は、これです

    僕がお伝えしている順番は、4つです。

    ① 物語で、感情を動かす② 情景を想像させる③ 理屈で、納得させる④ 人で、選ばれる

    この順番でしか、人は動きません。

    そして、多くの人は③から始めています。


    ① まず、物語です

    最初にやることは、物語です。

    自分の商品にまつわる話でも、お客さんの話でもいい。

    大事なのは、聞いた人の頭に映像が浮かぶことです。

    物語がいいのは、誰でも受け取れるからです。

    たとえば、桃太郎の話は、誰も勉強していないのに知っています。

    物語には、そういう力があります。難しい説明を1つもせずに、相手の中に入っていけます。

    そして、物語がない商品は、ありません。

    なぜその値段なのか。なぜその作り方なのか。誰が使って、どうなったか。

    必ず、あります。


    ② 情景を、想像させます

    物語で感情が動いたら、次に情景を見せます。

    それを手に入れたあと、どうなっているか。

    ここで大事なのは、言い切らないことです。

    「あなたはこうなります」と押しつけるのではなく、想像できる材料を置く。

    そして、相手が勝手に想像します。

    人は、自分で想像したものにしか、本気になりません。

    こちらが結論まで言ってしまうと、相手の想像する余地がなくなります。


    ③ そこで初めて、理屈です

    感情が動いて、情景が浮かんだ。

    ここで初めて、理屈を出します。

    • なぜ、それが起きるのか
    • 実際のデータ
    • 他の人の結果

    同じ情報でも、この位置で出すとまったく違う受け取られ方をします。

    なぜなら、もう欲しくなっているからです。

    欲しくなっている人にとって、理屈は「買っていい理由」になります。

    一方、まだ何も感じていない人にとって、理屈は「判断材料」です。判断されると、たいてい「今はいいです」になります。

    同じ話が、位置によって背中を押したり、止めたりします。


    ④ 最後は、人です

    そして、最終的に何で選ばれるか。

    人です。

    同じ内容を、同じ値段で、2人が出していたら、人は「この人がいい」で選びます。

    これは、感覚です。理屈ではありません。

    そして、この感覚は物語から生まれます。

    物語に共感した人は、その物語を語った人に会いたくなります。

    だから、こうなります。

    売り込まなくても、向こうから来る。

    これが、目指す形です。


    自分の説明を、点検してください

    最後に、明日からできることを書きます。

    いま使っている説明を、書き出してみてください。

    そして、どこから始まっているかを見てください。

    • 制度や仕組みの話から始まっている → ③から始めています
    • 自分の資格や実績から始まっている → ③です
    • お客さんの話から始まっている → ①です

    もし③から始まっていたら、前に1つ足すだけでいい。

    「以前、こういう方がいらっしゃいました」

    この一言から始めるだけで、順番が変わります。

    そして、内容は1つも変えていません。


    物語は、自分のものでなくていいんです

    「自分に語る物語がない」と思われた方へ。

    自分の物語でなくて、構いません。

    いちばん使いやすいのは、お客さんの物語です。

    • 以前、こういう方がいらっしゃいました
    • 最初にお会いしたとき、その方はこう言っていました
    • 半年後、こう言われました

    これで十分です。

    そして、実はこちらのほうが強いです。

    なぜなら、読んでいる人は、その方に自分を重ねられるからです。

    あなたの物語だと、読む人はあなたを見ています。

    でも、お客さんの物語だと、読む人は自分を見ます。

    1つあれば、繰り返し使えます

    もう1つ、実務的な話をします。

    物語は、たくさん要りません。

    よく効くものが1つあれば、それを使い続けられます。

    同じ話を、面談でも、記事でも、登壇でも使う。

    「同じ話ばかりで飽きられないか」と心配される方がいますが、聞く相手はいつも初めてです。

    そして、繰り返すほど話が磨かれます。どこで反応が起きるかが分かってくるので。

    1つを、磨き抜いてください。


    まとめ

    • 理屈だけの話は、眠くなる
    • 感情だけの話は、家に帰ると冷める
    • 順番は、物語 → 情景 → 理屈 → 人
    • 物語は、誰でも受け取れる
    • 物語のない商品はない
    • 情景は言い切らない。相手に想像させる
    • 同じ理屈でも、位置によって効き方が逆になる
    • 説明の前に「以前、こういう方が」を1つ足す

    自分の説明がどこから始まっているかを、確かめてみてください。

    そして、伝わらないとき「説明が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 結果より、その裏のストーリーが売ります

    結果より、その裏のストーリーが売ります

    実績は、ある。

    数字も出せる。ちゃんと書いてもいる。

    なのに、反応がない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。ここには、多くの方が知らない事実があります。

    人は、数字には共感しません。


    「15年で150社」で、心は動きません

    たとえば、こう書いてあったとします。

    経営の相談を15年、150社を支援してきました。

    すごいことです。事実、簡単ではありません。

    でも、読んだ人の心は動きません。

    なぜか。

    これは、理屈だからです。

    すごいかどうかを判断する材料であって、感情が動く材料ではありません。

    そして、人は理屈では動きません。


    ある選手の話

    分かりやすい例を挙げます。

    大記録を作った野球選手がいます。

    ファンは、その記録の数字に感動しているでしょうか。

    違いますよね。

    その数字を出すまでに、どれだけ悩んで、どれだけストイックにやってきたか。

    その過程に、心を動かされています。

    数字は、あくまで結果です。

    共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの部分です。


    裏側を、誰も語っていません

    そして、ここが大事なところです。

    ほとんどの人が、この裏側を書いていません。

    なぜかというと、自分では当たり前だと思っているからです。

    • そんな話、面白くないだろう
    • みんな同じようにやっているだろう
    • わざわざ書くことでもない

    ……全部、思い込みです。

    あなたが当たり前だと思っている過程は、外から見ると全然当たり前ではありません。

    そして、そこにしか共感は生まれません。


    何を書けばいいのか

    具体的に、書くべき中身を挙げます。

    ① なぜ、それを始めたのか

    きっかけです。たいてい、大した理由ではありません。それでいいんです。

    ② うまくいかなかった時期に、何をしていたか

    ここがいちばん強いです。

    ③ どこで、変わったか

    何かに気づいた瞬間、誰かに言われた一言。

    ④ 今でも、大事にしていること

    この4つを書くと、結果の裏側が出てきます。


    「なぜ」を、3回聞いてください

    書けないときのコツを1つ渡します。

    自分が書いた実績の一文に、「なぜ」を3回ぶつけてください。

    例で見ます。

    「150社を支援してきました」

    → なぜ、続けられたのか→ 「相談に来る人が、みんな同じところでつまずいていたから」

    → なぜ、それが気になったのか→ 「自分も、同じところでつまずいていたから」

    → なぜ、自分はそこを抜けられたのか→ 「ある人に、順番が違うと言われたから」

    3回目で、共感できる話になりました。

    これは、僕が添削でいつもやっていることです。結果の言葉に「なぜ」を書き込んで返します。


    シーンがないと、届きません

    もう1つ、添削でよく指摘することがあります。

    裏側を書いたつもりでも、説明のままになっていることが多いです。

    • ✗ 「たくさん苦労しました」
    • ✗ 「大変な時期がありました」

    これは、まだ何も書いていません。

    その苦労が伝わるシーンを、1つ入れてください。

    • ○ 「事務所の電気を消して、駅まで歩きながら、明日の入金予定を頭の中で3回計算していました」

    1シーンで足ります。

    そして、シーンがある文章は、10年後も覚えてもらえます。


    立派に見せようとしないでください

    最後に、いちばん多い失敗を書きます。

    裏側を書こうとすると、多くの人はきれいにまとめます。

    「困難を乗り越えて、今の自分があります」

    ……これ、何も伝わっていません。

    困難の中身が、書かれていないからです。

    そして、きれいにまとめてしまう理由は、はっきりしています。

    かっこ悪いところを見せたくないからです。

    でも、共感が生まれるのは、まさにそのかっこ悪いところなんですよ。

    うまくいっている人の話には、誰も自分を重ねられません。

    うまくいっていなかった時期の話にだけ、人は自分を重ねます。


    裏側は、聞いてもらったほうが早いです

    自分で書き出そうとして、手が止まる方が多いです。

    そういうときは、人に話してください。

    そして、聞き役の人にこうお願いします。

    「気になったところで、なぜ、と聞いてください」

    これだけです。

    自分で書くと、無意識に飛ばします。当たり前だと思っている部分は、書く候補にすら上がらないので。

    でも、人が聞くと止まります。

    「え、それどういうことですか」

    その、相手が止まった場所が、書くべき場所です。

    僕が添削でやっていることも、結局これです。

    相手が当たり前だと思っている場所に、なぜ、と書き込んで返す。

    そして、返ってきた答えが、そのまま記事になります。

    自分の当たり前は、自分では見つけられません。


    ふつうの過程で、いいんです

    最後に、いちばんの心配を消しておきます。

    「自分の過程は、ドラマチックじゃない」

    そう思う方が多いです。

    大丈夫です。ドラマチックである必要はありません。

    必要なのは、具体的であることだけです。

    • 3年間、同じ資料を毎晩作り直していた
    • 断られた帰り道に、いつも同じコンビニで缶コーヒーを買っていた
    • 初めての契約書を、5回読み返してから判を押した

    どれも、劇的ではありません。

    でも、読んだ人の頭には映像が浮かびます。

    そして、浮かんだものにだけ、人は心を寄せます。

    派手さより、具体性です。


    まとめ

    • 人は、数字や実績には共感しない
    • 共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの過程
    • ほとんどの人が、裏側を書いていない
    • 書かない理由は「当たり前だと思っているから」
    • なぜ始めたか/うまくいかない時期/変わった瞬間/今も大事なこと
    • 実績の一文に「なぜ」を3回ぶつける
    • 説明ではなく、シーンを1つ入れる
    • きれいにまとめない。かっこ悪いところにこそ共感が生まれる

    自分の実績の一文を選んで、「なぜ」を3回書いてみてください。

    そして、反応がないとき「実績が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 主人公は、あなたではなくお客様です

    主人公は、あなたではなくお客様です

    ストーリーを書きましょう、と言われる。

    でも、書けない。

    自分には、人に語れるような経験がないから。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この悩みには、はっきりした原因があります。

    主人公を、取り違えています。


    作るのは、自分の物語ではありません

    まず、ここを直します。

    作るのは、お客様の物語です。

    自分の物語ではありません。

    なぜなら、共感というのは、読んだ人が自分を重ねられたときにしか生まれないからです。

    自分の武勇伝を並べても、読んだ人は重ねられません。

    すごいですね、で終わります。

    そして、すごいと思われることと、頼まれることは、まったく別です。


    あなたは、導く側です

    物語には、必ず2人います。

    主人公と、導く人。

    そして、あなたは導く側です。

    有名な映画を思い出してください。主人公は、たいてい何も持っていない普通の人です。そして、そこに導く人が現れます。

    あなたの役は、その導く人です。

    だから、自分がすごい必要はありません。

    主人公は、あなたのお客様です。


    面白い話は、必ずダメな日常から始まります

    ここから、骨格の話をします。

    面白い物語には、共通の形があります。

    そして、必ず「うまくいっていない日常」から始まります。

    最初から強い主人公の話は、面白くありません。

    だから、お客様の物語もここから始めます。

    その人が、まだ何も気づいていなかったころ。

    もやもやしながら、毎日を過ごしていた時期。

    ここを、できるだけ具体的に書きます。


    骨格は、こうです

    流れを、簡単にまとめます。

    ① うまくいっていない日常まだ、これが問題だと気づいていない

    ② 問題が起きる「このままだとまずい」

    ③ でも、動けない「本当に自分にできるのか」という葛藤

    ④ 導く人と出会う「この人みたいになりたい」

    ⑤ 動き出す

    ⑥ 試練と、仲間

    ⑦ 大きな山に向かう準備

    ⑧ いちばんの試練

    ⑨ 何かを手に入れる

    ⑩ 元の場所に戻る。でも、前とは違う自分で

    これが、骨格です。


    ③が、いちばん大事です

    この中で、多くの人が飛ばすのが③の葛藤です。

    ②から④に、すぐ飛んでしまう。

    でも、読む人がいちばん自分を重ねるのは、③なんですよ。

    なぜなら、読んでいる人の多くが、今まさに③にいるからです。

    • 変わりたい気持ちはある
    • でも、動けない
    • 本当に自分にできるのか分からない

    ここを丁寧に書けている物語は、刺さります。

    飛ばしてしまうと、すごい人の成功談になってしまいます。


    一行ずつ、シーンと心の声で書いてください

    書き方のコツを1つ。

    各段階を、説明で書かないでください。

    シーンと、心の声で書きます。

    • ✗ 説明:当時、彼女は事業がうまくいかず悩んでいた
    • ○ シーン:夜11時、まだ電気のついた事務所で、彼女は今月の請求書を3回数え直していた

    そして、そこに心の声を1つ足します。

    (今月も、足りない)

    この2つがあると、読んだ人の頭に映像が浮かびます。

    映像が浮かんだものだけが、記憶に残ります。


    相手が今どこにいるかを、見てください

    もう1つ、実務で効く使い方があります。

    この骨格は、相手の位置を測る道具にもなります。

    目の前の人が、今どの段階にいるか。

    • ①にいる人は、まだ困っていません。ここで売り込むと、嫌われます。「うまくいかないときは思い出してください」と種を置くだけにします。
    • ②③にいる人が、いちばん刺さります。「今、こうじゃないですか」と言い当てると、こう思われます。

    「なんで、そんなによく知ってるんだろう」

    そして、そこから深い話が始まります。

    段階が違えば、届く言葉が違う。これを知っているだけで、無駄な売り込みが減ります。


    最後まで、伴走してください

    最後に、いちばん大事なことを書きます。

    物語には⑩があります。手に入れて、帰ってくる。

    でも、そこで終わりではありません。

    導く人は、その先まで伴走します。

    「頑張ってくださいね」で終わる人は、覚えられません。

    問題が解決したあと、「もっとこうなりたい」まで一緒に見る。

    ここまでやると、こう言われます。

    「なんで、そこまでやってくれるんですか」

    僕は、逆に聞きたいんです。

    「なんで、やってあげないんですか」

    一線をどこに引くか。そこが、いちばん差になります。


    骨格を、全部使わなくていいんです

    10個の段階を見て、身構えた方もいると思います。

    全部書く必要は、ありません。

    短い自己紹介なら、①②③④だけで足ります。

    • うまくいっていない日常
    • 問題が起きる
    • でも、動けない
    • 導く人と出会う

    この4つで、1分の自己紹介が作れます。

    大事なのは、順番を守ることです。

    多くの人は、④から始めてしまいます。「私はこういうサービスをしています」から入る。

    でも、①がないと、④の意味が伝わりません。

    何から救われたのかが分からないと、何をしている人かも分かりません。

    だから、必ず①から始めてください。

    長さは、あとから調整できます。


    まとめ

    • 作るのは、自分の物語ではなくお客様の物語
    • 主人公はお客様。あなたは導く人
    • 面白い話は、必ずうまくいっていない日常から始まる
    • 飛ばしてはいけないのは、③の葛藤
    • 読んでいる人の多くが、今まさに③にいる
    • 説明ではなく、シーンと心の声で書く
    • 相手が今どの段階にいるかを、先に見る
    • 問題解決の先まで伴走する

    過去のお客さんを一人選んで、その人の①を1行だけ書いてみてください。

    そして、書けないとき「自分には語れる経験がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • メリットのハシゴを、一段ずつ上げてください

    メリットのハシゴを、一段ずつ上げてください

    いいものだという自信がある。

    だから、全部伝えたい。

    そして、一気に話して断られます。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。断られる原因は、内容ではありません。

    相手が、まだそこまで上がってきていないだけです。


    人は、段を飛ばして上がれません

    まず、仕組みを説明します。

    相手の頭の中には、段があります。

    ① 自分に関係がある話だ② 自分にも困りごとがあるかもしれない③ それは、放っておくとまずい④ 解決する方法があるらしい⑤ この人に頼むといいかもしれない

    売る側は、いつも⑤に立っています。

    でも、初めて聞く相手は①にいます。

    そこに向かって⑤の話をするから、届きません。

    これは、内容の問題ではなく、位置の問題です。


    メリットには、手前と奥があります

    段を上げるときに、いちばん効くのがこれです。

    メリットを2階建てにしてください。

    ① 本人が分かっているメリット② 本人が気づいていない、奥のメリット

    例を出します。

    使っていない宝石を買い取る商売なら、こうです。

    • ① お金になる(誰でも分かる)
    • ② そのお金で、大切な人と旅行に行ける

    車なら、こうです。

    • ① 燃費がいい
    • ② 維持費が浮くぶん、お金を生む車になる

    ①だけだと、値段の比較になります。

    ②が見えた瞬間、話が変わります。


    奥のほうは、言い切らないでください

    ここが、いちばん大事なところです。

    ②を、こちらから言い切らないでください。

    「この車は、お金を生む車です」

    こう言われると、人は引きます。押されている感じがするからです。

    そうではなく、相手が勝手にそう思うように置きます。

    たとえば、こうです。

    「月々の差額が、だいたい1万円くらいですね」

    これだけ。

    そして、相手が計算します。年間12万。5年で60万。

    「あ、それなら旅行に行けるな」

    自分で気づきました。

    人は、自分で思いついたことにしか、本気になりません。


    痛みがないと、上がりません

    もう1つ、段を上げるのに必要なものがあります。

    痛みです。

    困っていない人は、動きません。当然です。

    そして、世の中の商品の多くは、痛みが見えにくいです。

    そういうときは、本人が気づいていない痛みに、そっと触れます。

    たとえば、こうです。

    「あの指輪、今どこにあるか思い出せますか」

    ……うまいですよね。

    売り込んでいません。責めてもいません。

    でも、聞かれた人は探し始めます。そして、思い出せないことに気づきます。

    気づいた瞬間、それがその人の問題になります。


    強すぎる痛みは、逆効果です

    ただし、ここは加減が要ります。

    痛みを強く突きすぎると、人は逃げます。

    「このままだと、あなたは大変なことになりますよ」

    こう言われて動く人より、耳を塞ぐ人のほうが多いです。

    目安は、「これは何とかしないとな」と思える程度です。

    眠れなくなるほどではなく、少し引っかかるくらい。

    そして、うそはつかないでください。

    作った痛みが本当でないと、後で必ず崩れます。そして、崩れたときに失うのは信用です。

    触れるのは、実際にある痛みだけにしてください。


    想像しやすいものから、話してください

    もう1つ、実務的なコツです。

    段を上げるとき、相手が想像しやすい話から入ってください。

    たとえば、指輪やネックレスは、多くの人が身につけた経験があります。

    だから「あの指輪」と言われた瞬間、具体的な映像が浮かびます。

    一方、経験のないものは浮かびません。浮かばないものについては、痛みも感じられません。

    だから、こう考えてください。

    相手の記憶の中にあるものから、始める。

    そして、そこから自分の商品につなげていく。

    いきなり自分の商品から始めない。これだけで、届き方が変わります。


    「できます」で止めないでください

    最後に、いちばんよくある失敗を書きます。

    紹介文が、こうなっていませんか。

    「〜ができます」

    これは、①で止まっています。

    • 買い取りができます
    • 修理ができます
    • 相談に乗れます

    その結果、何が手に入るのか。

    ここを1行足すだけで、段が1つ上がります。

    そして、その1行があるかないかで、読んだ人が自分の未来を想像できるかどうかが決まります。


    段を上げるのは、一度に1つです

    最後に、実践の順序を書いておきます。

    段を上げようとするとき、一度に2つ上げようとしないでください。

    たとえば、初対面の相手に、痛みも奥のメリットも解決策も、全部その日に伝えようとする。

    これをやると、相手は追いつけません。そして、押されていると感じます。

    だから、こう考えてください。

    今日は、1つ上げるだけでいい。

    初回は「自分に関係がある話だ」と思ってもらえたら成功。それ以上を狙わない。

    そして次に会ったとき、次の段に行く。

    1回の面談で決めようとするから、無理が出ます。

    そして、この考え方には副産物があります。

    焦らなくなります。

    今日決まらなくても、段が1つ上がっていれば前進です。

    そう思えると、押さなくて済みます。そして押さない人のほうが、結果的に決まります。


    まとめ

    • 相手は①にいる。売る側は⑤にいる
    • 断られるのは内容ではなく、位置の問題
    • メリットは2階建て。分かっているものと、奥のもの
    • 奥は言い切らない。相手に気づいてもらう
    • 人は、自分で思いついたことにしか本気にならない
    • 痛みがないと動かない。気づいていない痛みに触れる
    • 強すぎると逃げる。うそはつかない
    • 相手の記憶にあるものから始める
    • 「できます」で止めず、その結果を1行足す

    自分の紹介文の「できます」に、その先を1行足してみてください。

    そして、断られたとき「商品が弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • お客様の言葉を、そのまま使ってください

    お客様の言葉を、そのまま使ってください

    いい言葉が、思いつかない。

    何時間も考えて、結局よくある表現になる。

    そして、誰にも刺さりません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。ここで頭を絞るのは、時間の無駄です。

    刺さる言葉は、考えて作るものではなく、拾うものです。


    売り手の言葉は、届きません

    まず、理由を説明します。

    私たちは、自分の商売について詳しくなりすぎています。

    そして、詳しくなるほど、業界の言葉で考えるようになります。

    • 課題を可視化します
    • 最適化のご提案をします
    • 体質を改善します

    ……本人は真剣です。でも、客の側からすると、何のことか分かりません。

    そして、分からない言葉は読み飛ばされます。


    客は、こう言っています

    同じ内容を、実際の客がどう言うか。

    たとえば、高齢者向けの住まいを探している方の声を集めたことがあります。

    出てきた言葉が、これです。

    「年齢だけで断られる」「元気なのに、施設しか選択肢がない」「最後まで、普通の暮らしを続けたい」「孤独死が不安」

    ……見てください。

    1つも、業界の言葉がありません。

    そして、どれも読んだ瞬間に情景が浮かびます。

    この言葉を、そのまま使えばいいんです。


    そのまま使う、が大事です

    ここ、間違えやすいところです。

    拾った言葉を、きれいに整えないでください。

    • 「年齢だけで断られる」→ ✗「年齢を理由とした入居拒否」
    • 「元気なのに、施設しか選択肢がない」→ ✗「自立した高齢者の住宅選択肢の不足」

    整えた瞬間に、死にます。

    なぜなら、整えるというのは売り手の言葉に翻訳することだからです。

    生の言葉には、言った人の感情が残っています。それが、読んだ人の心を動かします。

    下手でいいんです。生のままが、いちばん強い。


    どこから拾うか

    では、どこで拾えばいいか。

    順番に挙げます。

    ① 過去のお客さんに、直接聞く

    いちばん確実です。

    「相談する前、いちばん困っていたことは何でしたか」

    この質問1つで、使える言葉が出てきます。

    ② 相談中のメモを、見返す

    すでに手元にあるはずです。相談の記録を読み返すと、生の言葉が眠っています。

    ③ 断られたときの言葉も、拾う

    これも大事です。断り文句には、その人の本音が入っています。


    予想と、必ずずれます

    拾ってみると、必ず驚くことがあります。

    自分が売りだと思っていた点と、選ばれた理由が違います。

    「丁寧なところが良かった」と思っていたら、「レスポンスの速さ」を挙げられた。

    「専門性を評価された」と思っていたら、「話しやすかった」だった。

    ……これ、本当によくあります。

    そして、このずれを直すだけで、届き方が変わります。

    一生懸命アピールしていた点が、実は誰も気にしていなかった。逆に、当たり前だと思ってアピールしていなかった点が、選ばれる理由だった。

    聞かないと、一生分かりません。


    拾った言葉は、そのまま置いてください

    拾ったあとの使い方も書いておきます。

    引用の形で、そのまま置いてください。

    自分の文章に溶かし込むと、また売り手の言葉に戻ります。

    そうではなく、そのまま置く。

    「年齢だけで断られるんです」

    こうやって、鍵かっこで置くだけでいい。

    そして、その下に自分の言葉で続けます。

    生の声 → 自分の解釈

    この順番だと、読んだ人は先に自分の状況を思い出し、そのあとで説明を受け取ります。

    逆にすると、説明から入ることになるので、そこで閉じられます。


    集めた言葉は、資産です

    最後に、続け方の話をします。

    拾った言葉は、1か所にためてください。

    紙でも、メモでも構いません。

    これをためていくと、何が起きるか。

    書くのに困らなくなります。

    文章を書くとき、ゼロから考えるのではなく、ためた言葉の中から選ぶ形になります。

    考える作業が、選ぶ作業に変わります。

    これは、想像以上にラクです。

    そして、この一覧は年々厚くなります。時間が経つほど強くなる、数少ないものです。


    ためた言葉は、そのまま見出しになります

    もう1つ、使い道を書いておきます。

    拾った言葉は、そのまま見出しに使えます。

    • 「年齢だけで断られる」
    • 「元気なのに、施設しか選択肢がない」

    ……この2つ、そのまま記事の題名になりますよね。

    そして、こういう題名は強いです。

    なぜなら、同じ状況の人が、自分の言葉として認識するからです。

    自分で考えた題名は、どうしても説明的になります。「高齢者向け住宅選びのポイント」のような。

    でも、生の言葉は説明ではありません。そのまま、誰かの心の声です。

    だから、目に入った瞬間に止まります。

    数は、少なくていいんです

    最後に、量の話をします。

    「たくさん集めないと使えない」と思わないでください。

    3つあれば、十分に始められます。

    100人に聞く必要はありません。よく分かっている人が3人いれば、その3人の言葉で書けます。

    そして、書いてみて反応を見る。

    反応が薄ければ、また聞きに行く。

    これを繰り返すほうが、最初に大量に集めるより早いです。

    集めることが目的にならないように気をつけてください。使わなければ、ただのメモです。


    まとめ

    • 売り手は、業界の言葉で考えてしまう
    • 分からない言葉は、読み飛ばされる
    • 客の生の言葉には、情景と感情が残っている
    • 整えると死ぬ。下手なまま、そのまま使う
    • 過去の客に聞く/相談メモを見返す/断り文句も拾う
    • 売りだと思っていた点と、選ばれた理由は必ずずれる
    • 生の声 → 自分の解釈、の順で置く
    • 拾った言葉は1か所にためる。年々厚くなる資産になる

    過去のお客さんの言葉を、3つだけ書き出してみてください。

    そして、書けないとき「自分には文章力がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 商品の説明をやめて、変化を語ってください

    商品の説明をやめて、変化を語ってください

    自分のサービスを、丁寧に説明する。

    内容も、手順も、何が含まれるかも、全部伝える。

    なのに、響きません。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、説明の下手さではありません。

    説明していること自体が、原因です。


    ドリルを買う人は、ドリルが欲しいのではありません

    有名な話を1つ紹介します。

    電動ドリルを買う人は、なぜ買うのでしょうか。

    答えは、穴が欲しいからです。

    ドリルが欲しいわけではありません。

    もし他の方法で穴が開くなら、その人はドリルを買いません。

    つまり、ドリルは手段です。

    そして私たちは、自分の商売の話になると、この当たり前を忘れます。

    手段の説明ばかりしてしまいます。


    手段を説明しても、想像できません

    なぜ手段の説明が響かないのか。

    聞いた人が、自分の未来を想像できないからです。

    たとえば、こう言われたとします。

    「全6回、1回90分、教材つき、質問し放題です」

    ……買いたくなりますか。

    なりませんよね。

    なぜなら、これを受けた結果、自分がどうなるかが1つも書かれていないからです。

    人は、変化にお金を払います。内容にではありません。


    「できること」で止めないでください

    よくある形が、これです。

    「〜ができるようになります」

    一見、変化を語っているように見えます。

    でも、まだ足りません。

    「できるようになった結果、何が手に入るのか」が抜けています。

    例で見てみましょう。

    • 弱い:話し方の型が身につきます
    • 少しまし:人前で話せるようになります
    • 強い:会う人ごとに説明を変えなくてよくなり、初対面で相談されるようになります

    最後だけ、聞いた人の日常が変わって見えます。


    メリットには、2つの階層があります

    もう少し踏み込みます。

    人が「欲しい」と思うのは、奥のほうを想像した瞬間です。

    つまり、伝えるべきものは2つあります。

    ① 本人が分かっているメリット② 本人が気づいていない、奥のメリット

    たとえば、宝石を買い取る商売なら、こうです。

    • ① 使っていない宝石が、お金になる
    • ② そのお金で、大切な人と旅行に行ける

    車なら、こうです。

    • ① 燃費がいい
    • ② 維持費が浮くので、実質お金を生む車になる

    そして、ここが大事です。

    ②は、言い切らないでください。

    「これはお金を生む車です」とは言いません。相手が勝手にそう思ってくれるのが理想です。

    人は、自分で思いついたことにしか、本気になりません。


    痛みがない商品は、痛みを作ります

    もう1つ、実務的な話をします。

    困っていない人は、動きません。

    でも、世の中には痛みが分かりにくい商品があります。

    そういうときは、本人が気づいていない痛みに、そっと触れます。

    たとえば、こうです。

    「あの指輪、今どこにあるか思い出せますか」

    ……これ、うまいですよね。

    責めていません。売り込んでもいません。

    でも、聞かれた人は探し始めます。そして、思い出せないことに気づきます。

    気づいた瞬間に、初めてその人の問題になります。


    ただし、強すぎる痛みは逆効果です

    ここは、注意してください。

    痛みを強く突きすぎると、人は逃げます。

    「このままだと、あなたの会社は潰れます」

    こう言われて動く人は、少数です。多くは、怖くて考えるのをやめます。

    目安は、「これは何とかしないと」と思える程度です。

    そして、うそはつかないでください。

    作った痛みが事実でないと、後から必ず崩れます。そして、崩れたときに失うのは信用です。

    触れるのは、本当にある痛みだけにしてください。


    見せる数は、奇数にしてください

    最後に、細かいけれど効くコツを紹介します。

    ポイントを並べるとき、数を奇数にしてください。

    3つ、5つ、7つ。

    理由は、偶数は安心を与え、奇数は好奇心を刺激するからです。

    「4つのポイント」と言われると、きれいに収まった感じがします。そこで気持ちが落ち着いてしまう。

    でも「3つのポイント」だと、少し引っかかります。

    街の広告を見てみてください。驚くほど3と5と7が多いです。

    そして、4つしか出てこなかったときは、無理やり5つ目を作ってください。

    無理して作ったものが、後から効くことがよくあります。


    自分の説明文を、点検してみてください

    ここまで読んだら、一度、自分の紹介文を開いてみてください。

    そして、主語を数えてください。

    主語が「私」や「当社」になっている文が、いくつありますか。

    • 当社は、〜を提供しています
    • 私は、〜の資格を持っています
    • 当社の強みは、〜です

    これが多いほど、説明文になっています。

    直し方は簡単です。

    主語を「あなた」に変えてください。

    • あなたは、〜で悩んでいませんか
    • あなたは、〜が手に入ります
    • あなたの一日が、こう変わります

    内容は同じでも、読んだ人の頭に浮かぶ映像がまったく違います。

    「私」で始まる文は、相手にとって他人の話です。「あなた」で始まる文は、自分の話になります。

    この置き換えだけで、読まれ方が変わります。


    まとめ

    • ドリルを買う人は、穴が欲しいだけ
    • 手段を説明されても、自分の未来を想像できない
    • 「できるようになります」で止めない
    • できた結果、日常がどう変わるかまで書く
    • 分かっているメリットと、奥のメリット。両方を出す
    • 奥は言い切らない。相手に思ってもらう
    • 痛みは、本当にあるものだけ。強すぎると逃げられる
    • 並べる数は、3・5・7にする

    自分の紹介文を開いて、「その結果どうなるか」を1行足してみてください。

    そして、響かないとき「説明が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝えてください

    伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝えてください

    伝えたいことが、たくさんある。

    全部、大事なことだと思っている。だから全部入れる。

    そして話し終えたあと、相手の顔を見て気づきます。

    何も残っていない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態の方に、僕はいつも同じことを言っています。

    伝えたいことが5つあるとしたら、その中の1つだけを100%伝えてください。


    この一言が、契約の引き金になりました

    なぜこの話から始めたかというと、実際にあったことだからです。

    ある交流会で、はじめてお会いした方がいました。不動産の賃貸業をやっていて、少額の不動産投資を教える講座も作ろうとしている方でした。

    その方の悩みは、こうでした。

    「限られた時間の中で、自己紹介がまとまらない」

    「言いたいことがたくさんあって、話があっちこっちに行ってしまう」

    僕はその場で、さっきの一言を言いました。伝えたいことが5つあるなら、フロントセミナーでは1つだけ100%伝えるといいですよ、と。

    後から聞いた話です。その方は、こう思ったそうです。

    「ちょー納得で、印象的で、この人は他のコンサルと何かがちがう、と思った」

    そこから、コンサルティングが始まりました。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。その場の一言だけで決まっていたなんて、こちらは思ってもいませんでしたから。

    ちなみにその方は、その後どうなったか。自分のストーリーを話すようになって認知度が上がり、第三者が勝手に紹介してくれるようになって、成約率は80%を超えました。

    出発点は「自己紹介がまとまらない」でした。


    詰め込むと、なぜ消えるのか

    理由は単純です。

    人は、一度に1つしか持って帰れないからです。

    5つ渡されると、どれを持てばいいか分からなくなる。だから、結局どれも持たずに帰る。

    これは相手の理解力の問題ではありません。渡し方の問題です。

    もう1つ。全部話そうとすると、必ず1つあたりが浅くなります。

    5つを浅く話した人と、1つを深く話した人。どちらが「この人は分かっている」と思われるか。答えは、考えるまでもないですよね。


    全員に刺そうとした人が、一番失敗しました

    似た話で、忘れられない報告があります。

    料理と健康の分野で活動している方でした。本当は、美容師さんに向けたサービスが本命だったんです。

    でもその方は、セミナーで全員に刺そうとした。

    美容師さんにも、飲食店の人にも、主婦の方にも届くように、言葉を広げていった。

    結果、こう報告してくれました。

    「一番、失敗しました」

    誰にも刺さらなかったんです。

    全員に刺さるように話すと、薄まります。逆に「この人を助けたい」と一点に向かうと、なぜかその周りにいる人にも響く。

    不思議ですが、何度見てもそうなります。

    ちなみに、僕はこの報告をくれたこと自体がすごく良いと思っています。やったから、この悩みが手に入ったわけですから。やらなかった人には、この学びは一生来ません。


    1分で話せるのは、300字です

    具体的な数字も出しておきます。

    1分=約300字。

    これが目安です。

    以前、映像制作をやっている方の自己紹介を見たことがあります。とても良い内容でした。「表情を読んで、3秒先の未来が見える」「人柄を映像で表現する」。言葉のセンスもある。

    ただ、350字を超えていました。

    そして中身が、だんだん会社の説明になっていた。

    僕はこう伝えました。

    「これは自己紹介じゃなくて、事務所紹介になっています」

    1分の自己紹介でやることは、記憶に残すことだけです。理解してもらう必要すらありません。

    だから、外せないキーワードを3つだけ決める。それが残れば勝ちです。

    残りは、興味を持ってくれた人が後で聞いてくれます。


    何を残すかは、どう決めるか

    「1つに絞れと言われても、どれを選べばいいのか」

    そう思いますよね。基準は1つです。

    その人が、今いちばん困っていること。

    自分が一番自信のあることでも、一番語りたいことでもありません。相手の痛みに一番近いものを選びます。

    そして、こう考えてみてください。

    この話を聞いて帰った人が、明日の朝、何を思い出すか。

    思い出してほしい一言を先に決めて、そこから逆算して話を組む。この順番にすると、自然と削れます。

    削るのは、勇気がいります。せっかく準備したものを捨てるわけですから。

    しかも、削っている最中はずっと不安です。「これで足りるのかな」「薄いと思われないかな」と。

    でも、思い出してみてください。あなたがこれまで受けた話で、今も覚えているものって、何個ありますか。

    たぶん、1つか2つですよね。

    それが答えです。どれだけ丁寧に話してもらっても、人が持ち帰れる量は変わりません。だったら、持ち帰ってほしいものをこちらで決めておいたほうがいい。

    捨てた分だけ、残ったものが届きます。


    まとめ

    • 伝えたいことが5つあるなら、1つだけ100%伝える
    • 人は一度に1つしか持って帰れない。渡し方の問題であって、相手の問題ではない
    • 全員に刺そうとすると、誰にも刺さらない。一点に向かうと、周りにも届く
    • 1分=300字。それ以上は事務所紹介になっている
    • 残すキーワードは3つまで。理解でなく、記憶に残せばいい
    • 選ぶ基準は「相手が今いちばん困っていること」
    • 明日の朝、何を思い出してほしいかから逆算する

    削るのは怖いです。でも、削らないと何も残りません。

    そして、伝わらないとき「自分の話し方が下手だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。