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  • 感情を書かないストーリーは、ただの経歴です

    感情を書かないストーリーは、ただの経歴です

    自分の歩みを、書いてみた。

    順番に、起きたことを並べた。

    読み返したら、履歴書みたいになっていました。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この原因は、はっきりしています。

    出来事しか、書いていないからです。


    出来事だけでは、心が動きません

    例を見てください。

    「2015年に独立し、2018年に法人化しました。2020年からは研修事業も始めています」

    何も感じませんよね。

    事実は、全部正しい。うそも1つもない。

    でも、読んだ人の心は1ミリも動きません。

    なぜなら、そのときあなたが何を感じていたかが、書かれていないからです。


    人が反応するのは、感情のほうです

    ここは、はっきり書いておきます。

    人は、出来事には反応しません。感情に反応します。

    なぜかというと、出来事は他人のものだからです。

    あなたが独立した年は、読んだ人には関係がありません。

    でも、そのとき感じた不安や、決めた瞬間の気持ちは、読んだ人も知っています。

    そこで、初めてつながります。


    分けて書いてください

    やり方は、簡単です。

    出来事と、感情を、分けて書き出してください。

    まず、起きたことを箇条書きにします。

    • 独立した
    • 最初の3か月、仕事がなかった
    • 初めて契約が取れた

    次に、それぞれの横に、そのとき思ったことを書きます。

    • 独立した → (これで、もう戻れない)
    • 3か月、仕事がなかった → (自分は、間違えたのかもしれない)
    • 初めて契約が取れた → (手が震えた)

    この2列目が、記事の中身です。


    心の声を、そのまま置いてください

    書き方のコツを1つ。

    感情を、説明しないでください。

    • 弱い:そのとき、私は大きな不安を感じていました
    • 強い:(自分は、間違えたのかもしれない)

    かっこで囲んで、そのまま置く。

    これだけで、まったく違うものになります。

    説明されると、読む人は理解します。

    そのまま置かれると、読む人は体験します。

    そして、体験したものだけが記憶に残ります。


    1つ入れるだけで、変わります

    ここで、量の話をします。

    感情のセリフは、たくさん入れなくていいです。

    むしろ、多すぎると重くなります。

    1本に1つか2つで十分です。

    そして、置く場所が大事です。

    いちばん谷が深いところに、1つ。

    ここに置くと、そこから先が全部読まれます。

    逆に、上がっている場面にたくさん置くと、自慢に見えます。

    下がっているところに置くのが、原則です。


    谷が深いほど、山が効きます

    もう1つ、構造の話をします。

    いい自己紹介には、必ず谷と山があります。

    そして、谷が深いほど、山が効きます。

    だから、谷を薄く書かないでください。

    多くの方は、ここを短くします。かっこ悪いので、早く通り過ぎたくなる。

    でも、そこが読まれる場所です。

    そして、山に上がるところには、数字を入れてください。

    • 弱い:売上が大きく伸びました
    • 強い:月200万円が、240万円になりました

    数字が入ると、映像が浮かびます。


    弱みを、資格に変えてください

    もう1つ、強い型を渡します。

    過去の弱みを、今の仕事の資格として書く。

    例を挙げます。

    • 成績が最下位だった → だから、伸び悩む人の気持ちが分かる
    • 人間関係で失敗した → だから、その直し方を知っている

    これは、言い訳ではありません。

    その経験がなければ、今の仕事はできなかったという構造です。

    そして、この振れ幅が大きいほど、強くなります。

    弱みを隠すと、普通の経歴になります。

    弱みを出すと、その人にしか語れない話になります。


    志は、長く書かなくていいんです

    最後に、書かなくていいものを1つ挙げます。

    志や理想を、長く書かないでください。

    「人々の可能性を広げたい」

    こういう文は、読み飛ばされます。

    なぜなら、誰でも書けるからです。

    そして、志は書かなくても伝わります。

    出来事と感情が正しく書かれていれば、読んだ人が勝手に受け取ります。

    この人は、こういうことを大事にしているんだな、と。

    自分で言うより、そう思ってもらったほうが強いです。


    時制を、そろえてください

    細かいけれど、効くことを1つ書きます。

    過去の話を書くとき、そのときの時制で書いてください。

    • 弱い:当時は、まだ何も分かっていませんでした
    • 強い:何も、分かっていませんでした

    前者は、今の自分が振り返って解説しています。

    後者は、そのときの自分の言葉です。

    振り返って解説すると、距離ができます。

    読む人は、あなたが安全な場所から過去を語っているのを見ることになります。

    でも、そのときの言葉で書かれていると、読む人も一緒にそこに立てます。

    この違いは、読んでいて明らかに分かります。

    そして、多くの人が無意識に前者になっています。安全だからです。

    状況の説明を、削ってください

    もう1つ、削るべきものがあります。

    状況の説明です。

    • 「当時、業界全体が不況でして」
    • 「その頃は、まだ制度が整っておらず」

    こういう文が入ると、急に読む速度が落ちます。

    読む人は、あなたの業界の事情を知りたいわけではありません。

    あなたがどうだったかを知りたいんです。

    だから、説明は最小限にしてください。

    必要なら、1行だけ。それ以上書きたくなったら、言い訳になっていないかを疑ってください。


    まとめ

    • 出来事だけでは、心は動かない
    • 人は感情に反応する。出来事は他人のものだから
    • 出来事と感情を、2列に分けて書き出す
    • 感情は説明せず、心の声としてそのまま置く
    • 1本に1つか2つ。いちばん谷が深いところに置く
    • 谷が深いほど、山が効く
    • 山には数字を入れる
    • 弱みを、今の仕事の資格として書く
    • 志は長く書かない。伝われば十分

    自分の歩みを2列で書き出してみてください。右の列だけ読み返すと、書くべきことが見えます。

    そして、伝わらないとき「自分の経歴が地味だからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • つらい経験は、そのまま燃料になります

    つらい経験は、そのまま燃料になります

    昔、つらい時期があった。

    でも、仕事とは関係ない。

    だから、話さない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この判断は、もったいないです。

    その経験が、いちばん人に届きます。


    僕自身の話をします

    正直に書きます。

    僕は若いころ、音楽をやっていました。バンドで本気でやっていて、毎回100人くらいは呼べていました。

    でも、交通事故に遭いました。

    そこから、3年間、寝たきりです。

    バンドは、解散しました。


    原因が、分かりませんでした

    つらかったのは、寝たきりだったこと自体ではありません。

    原因が分からなかったことです。

    病院を、20か所以上回りました。

    どこに行っても、はっきりしたことが分かりません。

    そして、そのうちパニック障害になりました。

    (このまま、一生こうなのか)

    ……その時期のことは、今でもよく覚えています。


    「自分で治す」と決めました

    あるとき、決めました。

    自分で治すしかない。

    そこから、心の仕組みと脳の仕組みを、独学で調べ始めました。

    医学の勉強ではありません。自分の状態を、自分で理解するためです。

    そして、約6か月で回復しました。

    このとき学んだことが、今の仕事の土台になっています。


    隠していたら、何も残りませんでした

    ここが、いちばん伝えたいところです。

    もし僕が、この時期を「仕事とは関係ない話」として隠していたら、どうなっていたか。

    今の仕事は、存在していません。

    なぜなら、僕がやっている仕事の中身は、あのとき自分を立て直すために学んだことそのものだからです。

    つらい経験は、後から意味を持ちます。

    そして、意味を持たせるかどうかは、自分で決められます。


    なぜ、つらい経験が届くのか

    理由は、2つあります。

    1つめ。同じ場所にいる人が、必ずいます。

    あなたが抜けてきた場所に、今いる人がいます。

    その人にとって、あなたは先に抜けた人です。これは、どんな資格よりも強い。

    2つめ。うまくいっている話には、誰も自分を重ねられません。

    成功談を聞いて動く人は、ほとんどいません。

    「すごいですね」で終わります。

    でも、うまくいっていなかったころの話には、人は自分を重ねます。

    そして、こう思います。

    「この人が抜けられたなら、自分もいけるかもしれない」


    全部を話す必要は、ありません

    ここで、大事な線引きをしておきます。

    すべてを話す必要はありません。

    思い出したくないことは、話さなくていい。

    そして、まだ生々しい傷は、話さないほうがいいです。

    理由は、聞いた人が心配してしまうからです。

    話すのは、自分の中で決着がついたものだけにしてください。

    決着がついた話は、聞いた人の力になります。決着がついていない話は、聞いた人の負担になります。

    この違いは、はっきりしています。


    悲惨さを、競わないでください

    もう1つ、注意点があります。

    つらい話が効くと分かると、盛りたくなります。

    これは、やめてください。

    そして、複数の不幸を重ねすぎないことも大事です。

    病気も、借金も、離婚も、全部を一度に並べると、読んだ人はこう思います。

    「大変だったんですね」

    そこで終わってしまいます。

    大事なのは、つらさの量ではありません。

    そこから、どう抜けたかです。

    抜け方が書いてあれば、1つの経験で十分です。


    抜けたあとの一言を、必ず入れてください

    最後に、書き方を1つ渡します。

    つらい経験を書くとき、必ず最後に、そこで得たものを1行入れてください。

    僕の場合なら、こうです。

    「お金がなくて眠れない人の気持ちが、初めて分かりました」

    「自分を1ミリだけ超える、という考え方を覚えました」

    この1行があるかないかで、まったく違うものになります。

    ない場合:ただの苦労話ある場合:読んだ人が持ち帰れるもの

    そして、その1行は、たいていあなたの仕事の中身とつながっています。

    つながっているから、あなたがその仕事をしている理由になります。


    話すタイミングを、間違えないでください

    もう1つ、実務的なことを書きます。

    つらい経験は、最初の10分で話すものではありません。

    初対面でいきなり重い話をされると、相手は身構えます。

    だから、順番はこうです。

    相手の話を聞く → 相手が自分の状況を話す → そのとき、初めて自分の経験を出す

    そして、出し方も大事です。

    「実は僕も、似たようなことがありまして」

    この入り方だと、押しつけになりません。

    相手の話に対する応答として出しているので、自然に受け取ってもらえます。

    いきなり自分から語り始めると、自分語りになります。

    同じ話でも、出す位置で意味が変わります。

    書く場所も、選んでください

    そして、文章にする場合も同じです。

    自己紹介の冒頭にいきなり重い話を置くと、読む人が構えます。

    先に、読む人の状況に触れてください。

    「今、こういうことで悩んでいませんか」

    そのあとで、自分の経験を出す。

    相手が先、自分は後。この順番は、話すときも書くときも変わりません。


    まとめ

    • 仕事と関係ないと思っている経験が、いちばん届く
    • つらい経験は、後から意味を持つ。意味づけは自分で決められる
    • あなたが抜けてきた場所に、今いる人がいる
    • 成功談には、誰も自分を重ねられない
    • 全部を話す必要はない。決着がついたものだけ
    • 決着のついていない話は、聞いた人の負担になる
    • 悲惨さを競わない。大事なのは、どう抜けたか
    • 最後に「そこで得たもの」を1行入れる

    自分の中で、もう決着がついているつらい経験を1つ思い出してみてください。

    そして、伝わらないとき「自分には語れるものがない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • 結果より、その裏のストーリーが売ります

    結果より、その裏のストーリーが売ります

    実績は、ある。

    数字も出せる。ちゃんと書いてもいる。

    なのに、反応がない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。ここには、多くの方が知らない事実があります。

    人は、数字には共感しません。


    「15年で150社」で、心は動きません

    たとえば、こう書いてあったとします。

    経営の相談を15年、150社を支援してきました。

    すごいことです。事実、簡単ではありません。

    でも、読んだ人の心は動きません。

    なぜか。

    これは、理屈だからです。

    すごいかどうかを判断する材料であって、感情が動く材料ではありません。

    そして、人は理屈では動きません。


    ある選手の話

    分かりやすい例を挙げます。

    大記録を作った野球選手がいます。

    ファンは、その記録の数字に感動しているでしょうか。

    違いますよね。

    その数字を出すまでに、どれだけ悩んで、どれだけストイックにやってきたか。

    その過程に、心を動かされています。

    数字は、あくまで結果です。

    共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの部分です。


    裏側を、誰も語っていません

    そして、ここが大事なところです。

    ほとんどの人が、この裏側を書いていません。

    なぜかというと、自分では当たり前だと思っているからです。

    • そんな話、面白くないだろう
    • みんな同じようにやっているだろう
    • わざわざ書くことでもない

    ……全部、思い込みです。

    あなたが当たり前だと思っている過程は、外から見ると全然当たり前ではありません。

    そして、そこにしか共感は生まれません。


    何を書けばいいのか

    具体的に、書くべき中身を挙げます。

    ① なぜ、それを始めたのか

    きっかけです。たいてい、大した理由ではありません。それでいいんです。

    ② うまくいかなかった時期に、何をしていたか

    ここがいちばん強いです。

    ③ どこで、変わったか

    何かに気づいた瞬間、誰かに言われた一言。

    ④ 今でも、大事にしていること

    この4つを書くと、結果の裏側が出てきます。


    「なぜ」を、3回聞いてください

    書けないときのコツを1つ渡します。

    自分が書いた実績の一文に、「なぜ」を3回ぶつけてください。

    例で見ます。

    「150社を支援してきました」

    → なぜ、続けられたのか→ 「相談に来る人が、みんな同じところでつまずいていたから」

    → なぜ、それが気になったのか→ 「自分も、同じところでつまずいていたから」

    → なぜ、自分はそこを抜けられたのか→ 「ある人に、順番が違うと言われたから」

    3回目で、共感できる話になりました。

    これは、僕が添削でいつもやっていることです。結果の言葉に「なぜ」を書き込んで返します。


    シーンがないと、届きません

    もう1つ、添削でよく指摘することがあります。

    裏側を書いたつもりでも、説明のままになっていることが多いです。

    • ✗ 「たくさん苦労しました」
    • ✗ 「大変な時期がありました」

    これは、まだ何も書いていません。

    その苦労が伝わるシーンを、1つ入れてください。

    • ○ 「事務所の電気を消して、駅まで歩きながら、明日の入金予定を頭の中で3回計算していました」

    1シーンで足ります。

    そして、シーンがある文章は、10年後も覚えてもらえます。


    立派に見せようとしないでください

    最後に、いちばん多い失敗を書きます。

    裏側を書こうとすると、多くの人はきれいにまとめます。

    「困難を乗り越えて、今の自分があります」

    ……これ、何も伝わっていません。

    困難の中身が、書かれていないからです。

    そして、きれいにまとめてしまう理由は、はっきりしています。

    かっこ悪いところを見せたくないからです。

    でも、共感が生まれるのは、まさにそのかっこ悪いところなんですよ。

    うまくいっている人の話には、誰も自分を重ねられません。

    うまくいっていなかった時期の話にだけ、人は自分を重ねます。


    裏側は、聞いてもらったほうが早いです

    自分で書き出そうとして、手が止まる方が多いです。

    そういうときは、人に話してください。

    そして、聞き役の人にこうお願いします。

    「気になったところで、なぜ、と聞いてください」

    これだけです。

    自分で書くと、無意識に飛ばします。当たり前だと思っている部分は、書く候補にすら上がらないので。

    でも、人が聞くと止まります。

    「え、それどういうことですか」

    その、相手が止まった場所が、書くべき場所です。

    僕が添削でやっていることも、結局これです。

    相手が当たり前だと思っている場所に、なぜ、と書き込んで返す。

    そして、返ってきた答えが、そのまま記事になります。

    自分の当たり前は、自分では見つけられません。


    ふつうの過程で、いいんです

    最後に、いちばんの心配を消しておきます。

    「自分の過程は、ドラマチックじゃない」

    そう思う方が多いです。

    大丈夫です。ドラマチックである必要はありません。

    必要なのは、具体的であることだけです。

    • 3年間、同じ資料を毎晩作り直していた
    • 断られた帰り道に、いつも同じコンビニで缶コーヒーを買っていた
    • 初めての契約書を、5回読み返してから判を押した

    どれも、劇的ではありません。

    でも、読んだ人の頭には映像が浮かびます。

    そして、浮かんだものにだけ、人は心を寄せます。

    派手さより、具体性です。


    まとめ

    • 人は、数字や実績には共感しない
    • 共感が生まれるのは、そこにたどり着くまでの過程
    • ほとんどの人が、裏側を書いていない
    • 書かない理由は「当たり前だと思っているから」
    • なぜ始めたか/うまくいかない時期/変わった瞬間/今も大事なこと
    • 実績の一文に「なぜ」を3回ぶつける
    • 説明ではなく、シーンを1つ入れる
    • きれいにまとめない。かっこ悪いところにこそ共感が生まれる

    自分の実績の一文を選んで、「なぜ」を3回書いてみてください。

    そして、反応がないとき「実績が足りないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 主人公は、あなたではなくお客様です

    主人公は、あなたではなくお客様です

    ストーリーを書きましょう、と言われる。

    でも、書けない。

    自分には、人に語れるような経験がないから。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この悩みには、はっきりした原因があります。

    主人公を、取り違えています。


    作るのは、自分の物語ではありません

    まず、ここを直します。

    作るのは、お客様の物語です。

    自分の物語ではありません。

    なぜなら、共感というのは、読んだ人が自分を重ねられたときにしか生まれないからです。

    自分の武勇伝を並べても、読んだ人は重ねられません。

    すごいですね、で終わります。

    そして、すごいと思われることと、頼まれることは、まったく別です。


    あなたは、導く側です

    物語には、必ず2人います。

    主人公と、導く人。

    そして、あなたは導く側です。

    有名な映画を思い出してください。主人公は、たいてい何も持っていない普通の人です。そして、そこに導く人が現れます。

    あなたの役は、その導く人です。

    だから、自分がすごい必要はありません。

    主人公は、あなたのお客様です。


    面白い話は、必ずダメな日常から始まります

    ここから、骨格の話をします。

    面白い物語には、共通の形があります。

    そして、必ず「うまくいっていない日常」から始まります。

    最初から強い主人公の話は、面白くありません。

    だから、お客様の物語もここから始めます。

    その人が、まだ何も気づいていなかったころ。

    もやもやしながら、毎日を過ごしていた時期。

    ここを、できるだけ具体的に書きます。


    骨格は、こうです

    流れを、簡単にまとめます。

    ① うまくいっていない日常まだ、これが問題だと気づいていない

    ② 問題が起きる「このままだとまずい」

    ③ でも、動けない「本当に自分にできるのか」という葛藤

    ④ 導く人と出会う「この人みたいになりたい」

    ⑤ 動き出す

    ⑥ 試練と、仲間

    ⑦ 大きな山に向かう準備

    ⑧ いちばんの試練

    ⑨ 何かを手に入れる

    ⑩ 元の場所に戻る。でも、前とは違う自分で

    これが、骨格です。


    ③が、いちばん大事です

    この中で、多くの人が飛ばすのが③の葛藤です。

    ②から④に、すぐ飛んでしまう。

    でも、読む人がいちばん自分を重ねるのは、③なんですよ。

    なぜなら、読んでいる人の多くが、今まさに③にいるからです。

    • 変わりたい気持ちはある
    • でも、動けない
    • 本当に自分にできるのか分からない

    ここを丁寧に書けている物語は、刺さります。

    飛ばしてしまうと、すごい人の成功談になってしまいます。


    一行ずつ、シーンと心の声で書いてください

    書き方のコツを1つ。

    各段階を、説明で書かないでください。

    シーンと、心の声で書きます。

    • ✗ 説明:当時、彼女は事業がうまくいかず悩んでいた
    • ○ シーン:夜11時、まだ電気のついた事務所で、彼女は今月の請求書を3回数え直していた

    そして、そこに心の声を1つ足します。

    (今月も、足りない)

    この2つがあると、読んだ人の頭に映像が浮かびます。

    映像が浮かんだものだけが、記憶に残ります。


    相手が今どこにいるかを、見てください

    もう1つ、実務で効く使い方があります。

    この骨格は、相手の位置を測る道具にもなります。

    目の前の人が、今どの段階にいるか。

    • ①にいる人は、まだ困っていません。ここで売り込むと、嫌われます。「うまくいかないときは思い出してください」と種を置くだけにします。
    • ②③にいる人が、いちばん刺さります。「今、こうじゃないですか」と言い当てると、こう思われます。

    「なんで、そんなによく知ってるんだろう」

    そして、そこから深い話が始まります。

    段階が違えば、届く言葉が違う。これを知っているだけで、無駄な売り込みが減ります。


    最後まで、伴走してください

    最後に、いちばん大事なことを書きます。

    物語には⑩があります。手に入れて、帰ってくる。

    でも、そこで終わりではありません。

    導く人は、その先まで伴走します。

    「頑張ってくださいね」で終わる人は、覚えられません。

    問題が解決したあと、「もっとこうなりたい」まで一緒に見る。

    ここまでやると、こう言われます。

    「なんで、そこまでやってくれるんですか」

    僕は、逆に聞きたいんです。

    「なんで、やってあげないんですか」

    一線をどこに引くか。そこが、いちばん差になります。


    骨格を、全部使わなくていいんです

    10個の段階を見て、身構えた方もいると思います。

    全部書く必要は、ありません。

    短い自己紹介なら、①②③④だけで足ります。

    • うまくいっていない日常
    • 問題が起きる
    • でも、動けない
    • 導く人と出会う

    この4つで、1分の自己紹介が作れます。

    大事なのは、順番を守ることです。

    多くの人は、④から始めてしまいます。「私はこういうサービスをしています」から入る。

    でも、①がないと、④の意味が伝わりません。

    何から救われたのかが分からないと、何をしている人かも分かりません。

    だから、必ず①から始めてください。

    長さは、あとから調整できます。


    まとめ

    • 作るのは、自分の物語ではなくお客様の物語
    • 主人公はお客様。あなたは導く人
    • 面白い話は、必ずうまくいっていない日常から始まる
    • 飛ばしてはいけないのは、③の葛藤
    • 読んでいる人の多くが、今まさに③にいる
    • 説明ではなく、シーンと心の声で書く
    • 相手が今どの段階にいるかを、先に見る
    • 問題解決の先まで伴走する

    過去のお客さんを一人選んで、その人の①を1行だけ書いてみてください。

    そして、書けないとき「自分には語れる経験がない」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。止まっている場所が分かれば、次の一歩も見えてきます。

  • 固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出ます

    固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出ます

    書いた文章を読み返して、こう思ったことはありませんか。

    「間違ってはいないんだけど、なんか薄いな」

    丁寧に書いた。分かりやすくもした。でも、自分らしさがない。誰が書いても同じに見える。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方の文章を見てきました。この「薄さ」には、はっきりした原因があります。

    無難な言葉を、無意識に選んでいるからです。

    そして、これはたった1語で変わります。


    「チャゲアス」ではなく「飛鳥涼」

    実際にあった場面から話します。

    ある方の課題に、こういう質問がありました。「青春時代に憧れた人は?」

    その方は、こう書いてこられました。

    ユーミン、桑田佳祐、飛鳥涼、北川悦吏子

    僕はここに、赤ペンでこう書きました。

    「チャゲアスではなく『飛鳥涼』と書くところがカッコイイ!!」

    伝わりますでしょうか。

    「CHAGE and ASKA」と書くのと、「飛鳥涼」と書くのは、まったく別の情報なんです。

    グループ名を書く人は、その音楽が好きだった。個人名を書く人は、その人そのものを見ていた。曲だけでなく、書いていた言葉や、生き方に反応していた可能性が高い。

    たった1語で、その人の見ていたものが分かってしまう。


    逆に、無難な名前が出てくるとき

    同じ質問で、こういう答えも本当によく出ます。

    「松田聖子」

    有名です。誰でも知っています。間違ってもいません。

    ただ、僕はこれを見ると、少し引っかかります。

    本当にその人だったのかな、と。

    もちろん、本当に大好きだった人もいます。でも、正直に言うと、こう感じることのほうが多いです。

    自分の気持ちに、フタをしているのかもしれない。

    「これを書いたら変に思われないかな」

    「もっとちゃんとした答えを書かないと」

    そう考えた瞬間に、人は一番有名な名前を選びます。減点されない答えを選ぶ。

    学校のテストなら正解です。でも、自分を伝える場面では、これが一番の失点なんですよ。

    減点されない答えは、誰の記憶にも残らないからです。


    具体的なほど、本音が出ます

    なぜ固有名詞が効くのか。

    具体的なものほど、選ぶときに本音が要るからです。

    「音楽が好きです」なら、誰でも書けます。無難です。「桑田佳祐が好きです」なら、少し自分が出ます。「桑田佳祐の、あの曲のあの一行が忘れられません」まで書くと、もうその人にしか書けない文章になります。

    範囲が狭くなるほど、代わりがきかなくなる。

    だから僕は、赤ペンでよくこう聞きます。

    「どの歌詞に、ビビッと来ましたか?」

    ここまで掘ると、その人が何に反応する人なのかが出てきます。そしてそれは、たいていその人の仕事の軸とつながっています。


    自分の言葉を、もう一度定義してみてください

    もう1つ、同じ話の別の形があります。

    自分がよく使う言葉を、そのままにしない。

    たとえば、こんな文章がありました。

    私の強みは「適当」が上手なところです。手の抜き方がうまい。

    私は「普通」のことを言わないようにしています。

    どちらもいい言葉です。でも、そのままだと伝わりません。

    なぜかというと、「適当」も「普通」も、人によって中身がまったく違うからです。

    だから僕は、こう聞きました。

    「『適当』を、具体的に書けますか?」「あなたにとっての『普通』とは、何ですか?」

    ここを言葉にした瞬間に、その人の考え方が見えてきます。

    そして面白いのは、本人がここで一番驚くことです。「自分はこういう意味で使っていたのか」と。

    自分の口ぐせの中身を、自分でも知らない。これ、本当によくあります。


    恥ずかしいほうを、残してください

    ここまで読んで、たぶんこう思った方がいると思います。

    「そこまで具体的に書くの、恥ずかしいんですけど」

    分かります。僕もそうでした。

    でも、その恥ずかしさこそが目印です。

    恥ずかしいということは、そこに自分が出ているということなんですよ。何も出ていない文章は、書いていて恥ずかしくありません。すらすら書けて、読み返しても何も感じない。

    そして読む側も、同じように何も感じません。

    だから僕は、迷ったときの基準をこう決めています。

    2つ候補があったら、恥ずかしいほうを残す。

    もちろん、なんでも出せばいいわけではありません。人が傷つくことや、相手の秘密は書かない。それは別の話です。

    ここで言っているのは、「かっこ悪く見えるかも」という理由だけで削っていないかということです。

    その理由で削ったものは、たいてい一番人柄が出ていた部分です。

    好きと嫌いの差にも、答えが入っています

    もう1つだけ、掘り方を紹介します。

    ある方が、こう書いてこられました。

    苦手なこと:SNSでの集客。やらなくてもいいかなと思ってしまう。楽しいこと:異業種交流会に行くこと。

    僕は、こう返しました。

    「SNS集客と異業種交流会の違いは、何ですか?」「スキ・キライの差に、何がありますか? ここ、言語化が大事かもです!!」

    同じ「集客」なのに、片方は苦痛で、片方は楽しい。

    その差の中に、その人の強みが入っています。

    この方の場合、おそらく「人と直接会って反応が返ってくること」が好きなんです。だとしたら、集客の設計もそちらに寄せたほうがいい。SNSを頑張るのは、たぶん遠回りです。

    苦手を克服するより、好きの理由を言語化したほうが、仕事は早く進みます。


    まとめ

    • 薄い文章の原因は、無難な言葉を無意識に選んでいること
    • 固有名詞を1つ変えるだけで、人柄が出る
    • 一番有名な名前を選んだときは、フタをしているかもしれない
    • 範囲が狭いほど、代わりがきかなくなる
    • 自分の口ぐせ(「適当」「普通」)の中身を、定義し直す
    • 好きと嫌いの差の中に、強みが入っている

    書き直す必要はありません。1語だけ、より具体的なものに置き換えてみてください。

    そして、文章に自分らしさが出ないとき「自分には個性がないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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  • プロフィールに実績を並べても、読まれません

    プロフィールに実績を並べても、読まれません

    プロフィールを、丁寧に書いた。

    経歴も、資格も、実績の数字も入れた。

    なのに、反応がない。

    「まだ実績が足りないのかな」と思って、また何かを足す。そしてまた読まれない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この繰り返しに入っている方は、本当に多いです。

    足りないのは情報ではありません。角度です。


    人が知りたいのは、「自分がどうなるか」だけです

    まず、大前提を1つ。

    読んでいる人が知りたいのは、あなたが何をするかではありません。

    自分がどうなるかです。

    ここを取り違えると、どれだけ丁寧に書いても届きません。

    たとえば、こういう書き方をよく見ます。

    「丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに合わせたプランをご提案します」

    悪い文章ではありません。でも、読んだ人の頭には何も残りません。

    やることしか書いていないからです。

    こう変えると、変わります。

    「丁寧にヒアリングします。だから、自分でも気づいていなかった強みが見つかります」

    「だから、どうなる」を足しただけです。それだけで、読み手が自分を重ねられるようになる。


    「◯◯しない」は、結果までセットで書く

    この考え方が一番効くのが、「◯◯しません」という書き方をするときです。

    強い言葉なので使いたくなるんですが、そこで止めると意味が半分になります。

    僕が使っている3つで説明します。

    • 売り込まない。
    • 説明しない。
    • 9割捨てる。

    これだけ並べると、「変わったことを言う人だな」で終わります。

    結果まで書くと、こうなります。

    • 売り込まない。→ だから、相談される。
    • 説明しない。→ だから、興味を持たれる。
    • 9割捨てる。→ だから、記憶に残る。

    一瞬で分かるようになりましたよね。

    原則だけだと「なぜ?」が残ります。結果まで書くと「なるほど」に変わる。

    書き終わったあと、自分の見出しを見返してみてください。「だから、どうなる」が抜けている場所が、たぶん何ヶ所かあります。


    タイトルと中身が、ずれていませんか

    もう1つ、見落とされやすいところがあります。

    タイトルと、その下の説明が、別々の思想で書かれている。

    タイトルは「何を学べるか」を言う場所です。説明は「なぜそれが大事か」を言う場所です。

    この2つが同じ方向を向いていないと、読み手の中で小さなズレが起きます。そして人は、ズレを感じると読むのをやめます。

    よくあるのが、タイトルだけをかっこよくしてしまうパターンです。

    見出しは決まった。響きもいい。でも、その下の文章は前から書いてあったものがそのまま残っている。

    タイトルだけ整えても、弱いんですよ。

    見出しを変えたら、その下も必ず読み直してください。上から下まで、同じ一本の線が通っているか。ここを揃えるだけで、伝わり方がまるで変わります。

    タイトル・写真・本文が、バラバラになっていませんか

    もう1つ、ページを作るときの話をします。

    人がページを見るとき、タイトル → 写真 → 本文の順で、一瞬で理解しようとします。

    ということは、写真も情報を運んでいるわけです。

    ところが、多くのページはこうなっています。

    全部、同じような人物写真。

    講師が話している写真。腕を組んだ写真。笑顔で立っている写真。

    これだと、何が伝わるか。

    「この人はよく話す人だ」

    ……それだけです。何を教えてくれる人なのかは、1ミリも伝わりません。

    写真は、その項目を象徴するものにしてください。

    • 「第一印象」の項目 → 人前で話している写真。聴衆がこちらを見ている
    • 「戦略・ポジショニング」の項目 → ホワイトボードで図を描いている写真
    • 「相談される」の項目 → 一対一で話している写真。名刺交換、握手

    こうすると、写真だけ見ても内容が分かるようになります。


    写真の並びにも、物語を作ってください

    もう一段上があります。

    写真を、順番で物語にするんです。

    たとえば、こういう並び。

    話す → 教える → 相談される

    見出しを読まなくても、この3枚を上から見ただけで「なるほど、こういう流れなんだな」と伝わります。

    人は、思っている以上に文章を読みません。でも、並んでいる絵からは勝手に意味を読み取ります。

    だから、写真を選ぶときは1枚ずつではなく、並べたときにどう見えるかで決めてください。


    1枚差し替えただけで、離脱が半分になりました

    これは、自分のページで実際に測った話です。

    僕は、自己紹介の動画を見てもらうページを持っています。

    そのページの数字を見ていたとき、あることに気づきました。

    開いた人の38%が、一番上の画面だけ見て帰っていた。

    本文も、実績も、その先にある動画も、何も見られずに終わっていたわけです。

    正直に言うと、まじかよ、と思いました。あれだけ中身を作り込んだのに、そこまで到達すらしていなかったのかと。

    そこで、一番上の部分を差し替えました。写真と、最初に出す言葉を変えただけです。中身の文章は、ほとんど触っていません。

    結果、離脱は20%まで下がりました。

    38%が20%です。開いた人の5人に1人しか帰らなくなった。

    このとき僕が学んだのは、これです。

    中身をどれだけ足しても、最初の画面で帰られたら意味がない。

    多くの人は、読まれない原因を「中身」に探します。でも実際は、中身にたどり着く前で起きていることが多いんですよ。


    まとめ

    • 人が知りたいのは「自分がどうなるか」。やることだけ書かない
    • 「◯◯しない」は、結果までセットで書く。だから、どうなる?
    • 写真も情報を運んでいる。全部同じ人物写真だと何も伝わらない
    • 写真は、その項目を象徴するものにする
    • 写真の並びで物語を作る。話す → 教える → 相談される
    • 一番上の画面で、勝負はほぼ決まっている

    足すのをやめて、角度を変えてみてください。書き直す量は、思っているよりずっと少なくて済みます。

    そして、読まれないとき「自分の実績が弱いからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

    あなたの案件が「どこで止まっているのか」は、無料の診断ツールで60秒でチェックできます。自分の現在地が分かると、次の一歩が見えてきます。