AIを使えば楽になる。
そう思って、去年から本気で使い始めました。
実際、楽になりました。びっくりするくらい楽になりました。
ブログ記事は1ヶ月足らずで87本出ました。レシートの入力も、広告の数値の集計も、いつの間にか終わっています。
それで、案件はどうなったか。
1件も増えませんでした。
起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。今は案件獲得プロデューサーとして、目の前の1人から仕事を受注するところだけを扱っています。
その私が、自分の会社でこれをやりました。
AIを入れても案件が増えないのは、AIの使い方が下手だからではありません。
減らしたのが「作業」で、案件を生んでいたのは「作業」ではなかった。ただそれだけの話でした。
前提:作業と、仕事は別のもの
ここが混ざっていると、いつまでも噛み合いません。
作業は、やれば終わるもの。資料を作る、数字をまとめる、記事を書く、請求書を出す。
仕事は、人が動くもの。誰かが「あなたにお願いしたい」と言う。これは終わりが自分で決められません。
AIが得意なのは、前者だけです。しかも異常に得意です。
でも、案件は後者からしか生まれません。
原因①:AIが減らすのは、机の上の時間だけ
私が自動化したものを並べてみます。
添削、記事、画像、数値の同期、レシート、決算書の整理。
全部、机の上の話でした。1つも、人と会う時間ではありませんでした。
机の上の時間をどれだけ削っても、人と会う時間はゼロのままです。ゼロには何を掛けてもゼロです。
これ、書いていて情けなくなりました。一番大事なところだけ、きれいに手つかずで残っていたわけです。
原因②:空いた時間を、また机に使ってしまう
これが一番こわいところです。
時間が空くと、人は「次に何を効率化しようか」と考え始めます。
私もそうでした。1つ自動化が終わると、うれしくなって次の自動化を作りたくなる。気づいたら、空いた時間で新しい仕組みを作っていました。
削った時間を、また机の上に戻していたわけです。
これでは何も変わりません。
原因③:手数が増えると、安心してしまう
記事が87本出た月、正直に言うと、かなり満足していました。
やっている感があるんですよ。動いている感じがする。
でも、87本出た時点で、私に電話は1本もかかってきていません。
それどころか、記事の下に置いた診断ツールに届いた回答は9件。そのうち9割は、動作を確かめるために自分で押したものでした。実際のお客様は、ほぼゼロ。
(え、そんなに動いたのに)
「やった量」と「決まった数」は、まったく別の数字です。手数が増えるほど、そこが見えにくくなります。動いている実感が、まぶしくて数字を隠すんですよ。
原因④:判断だけは、誰も代われない
AIは、材料を全部そろえてくれます。
過去の成約と失注を並べて「あなたはこの型で決まっていますよ」と出してくれる。
でも、じゃあ来週その人に会いに行くのかどうか。ここは代われません。
そして案件は、たいてい、この一歩のところで決まっています。
AIは「行ったほうがいいですよ」とまでは言ってくれます。でも、足は生えていません。
実話:87本書いても、鳴らなかった電話
これは自分でも恥ずかしい話です。
私は1年、Meta広告に約70万円を使いました。人と会わずに、仕組みだけで案件を取ろうとしたわけです。
結果は、個別相談5件。契約は1件。その1件も3回目で相手の資金が尽きて止まりました。
(あれ、こんなに払ったのに)
一方、交流会には4年で12回しか出ていません。年に3回です。
そこから受けた個別相談が25人。契約は14人。
交流会1回あたりで見ると、案件になるのは2人。契約は1.17人。1回出るごとに、およそ229万円が決まっている計算になります。
年に3回しか出ていない場所のほうが、1年かけた仕組みより桁違いに強かった。
正直に言うと、まじかよ、と思いました。
同じ人間が、同じ商品を、同じ言葉で売っています。違うのは、会いに行ったかどうかだけでした。
じゃあ、空いた時間を何に使うのか
答えは、身も蓋もないです。
人に会う時間に使う。これだけです。
私が決めたのは3つでした。
1つめ、月に1回は、初めての人がいる場所に出る。回数ではなく、必ず出る。
2つめ、過去のお客様に、用事なしで連絡する。売り込みではなく、近況を聞くだけ。
3つめ、会った人に、その日のうちに一言送る。ここはAIに下書きを作らせて、自分の言葉に直して出す。
3つめだけAIが入っています。入口と中身は人間、間の作業だけAI。この線引きにしてから、やっと数字が動き始めました。
まとめ
- 作業と仕事は別物。AIが減らせるのは作業のほうだけ
- 机の上の時間をゼロにしても、人と会う時間はゼロのまま
- 空いた時間を、また机に戻さない
- 「やった量」で安心しない。見るのは決まった数
- 最後の一歩、会いに行くかどうかは、誰も代われない
AIが要らないという話ではありません。私は今もフル活用しています。むしろ、これがなければ手が回りません。
順番の話です。AIで机の上を空けて、その空いた時間を人に使う。ここまでやって、はじめて数字が動きます。
うまくいかないときほど「使い方が下手なのかな」と思い込みがちですが、たいてい原因はもっと手前にあります。
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