見積もりを出すと、必ず他社と比べられる。
そして、最後は値段の話になる。
勝っても、利益が残らない。
僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この状態を、力で抜けようとしないでください。
比べられた時点で、もう半分負けています。
立ち位置とは、交わらないこと
まず、言葉を整理します。
自分の立ち位置を決めるというのは、他より優れていることを示すことではありません。
他と交わらないことです。
同じ線の上に並んで、上か下かを競うのではありません。
そもそも、別の線に立ちます。
比べる対象がなければ、比べられません。比べられなければ、値段の勝負になりません。
同じ土俵に乗る言い方を、していませんか
自分では気づかないうちに、同じ土俵に上がっていることがあります。
たとえば、こういう言い方です。
- 業界で15年の実績
- 対応が早いです
- 丁寧にやります
これ、全部同じ線の上です。
なぜなら、競合も同じことを言っているからです。
そして、同じことを言っている相手同士を比べるとき、人は何で決めるか。
値段です。
自分から、値段の勝負に持ち込んでしまっています。
目立てる場所と、目立てない場所があります
もう1つ、大事な話をします。
同じことを、どこで言うかでも変わります。
意識の高い人ばかりが集まる場所では、目立てません。
全員が言葉を磨いていて、全員が自分を語れるからです。その中で立ち位置を取るのは、相当大変です。
でも、こういう場所があります。
みんな困りごとを持っているのに、誰も自分を語れていない場所。
正直、盛り上がっていない場です。
ここが、いちばんチャンスです。
しっかり練った話を、いい状態で話すだけで、記憶に残ります。
そして、単なる専門家ではなく「この人は分かっている」と見られます。
行く場所を変えるだけで、同じ話が効きます。
先にやるのは、自己紹介です
ここで、順番の話をします。
立ち位置を決めよう、となると、多くの方がまず何をするか。
サイトを作ろうとします。
僕は、これを止めます。
理由は、はっきりしています。
自分の立ち位置を言葉にできていない状態で作ったサイトは、ただの案内看板になるからです。
そして、お金と時間がかかります。作り直すのも大変です。
だから、順番はこうです。
自己紹介 → 言葉が固まる → サイト
1分で伝わるまで、磨いてください
自己紹介から始める理由が、もう1つあります。
すぐに、反応が返ってくるからです。
サイトは、直しても効果が分かるまで数か月かかります。
でも、自己紹介ならその場で分かります。
- 相手の目が動いたか
- 「もう少し聞かせて」と言われたか
- 名刺を見返されたか
これを毎回見て、毎回直す。
10回もやれば、かなり固まります。
そして、1分の自己紹介で相談されるようになったら、言葉が固まった証拠です。
そこで初めて、それをサイトに載せます。
立ち位置には、目指す景色が要ります
もう1つ、抜けやすいことがあります。
立ち位置は、差別化の技術だけでは決まりません。
自分が作りたい景色が要ります。
「こういう世の中にしたい」
これがないと、立ち位置は小手先になります。そして、すぐ真似されます。
技術は真似できますが、その人が本気で作りたい景色は、真似できません。
そして、もう1つ。
その景色には、期限を入れてください。
「いつか、こんな世の中に」だと、作れません。ずっと「なんとなく」のままです。
「3年後までに、こういう状態にする」
期限が入った瞬間、今日やることが決まります。
「何を」より先に、「どんな状態か」
最後に、目標の立て方を1つ。
多くの方は、やり方から考えます。
「そのためには、こうやって、こうして……」
これをやると、目標がただの予定になります。
そうではなく、先に決めるのは手に入れたい状態です。
- どんな相手と仕事をしているか
- どんな内容で呼ばれているか
- どんな暮らしをしているか
先に、状態を決める。
やり方は、あとから見つかります。順番を逆にすると、今できる範囲の予定表になってしまいます。
交わらない場所は、掛け算で作れます
「交わらない場所なんて、そう簡単に見つからない」
そう思われるかもしれません。
見つけようとするから、難しいんです。
作ってください。
作り方は、単純です。掛け算にします。
- 税理士 × 飲食
- 話し方 × 職人
- 片づけ × 引っ越し直後
1つの要素で1番になるのは大変です。でも、2つ掛けた瞬間、競争相手が激減します。
そして3つ掛けると、たいてい誰もいません。
ここで大事なのは、掛ける要素を自分の中から探すことです。
- 前職の経験
- 自分が苦労したこと
- 趣味として詳しいこと
これは、真似できません。その人の人生でしか作れない組み合わせだからです。
「変わっている」と言われたら、正解です
もう1つ、判断の目安を渡しておきます。
自分の立ち位置を人に話したとき、こう言われたら成功です。
「変わってますね」
逆に、こう言われたら失敗です。
「なるほど、よくありますよね」
分かりやすいというのは、すでにある枠に収まったということです。
収まった時点で、比べられます。
少し引っかかるくらいで、ちょうどいいんです。
まとめ
- 立ち位置とは、優れていることではなく、交わらないこと
- 実績・早い・丁寧、は全部同じ土俵の言葉
- 同じ土俵に乗ると、値段で決まる
- みんなが自分を語れていない場所のほうが、目立てる
- サイトより先に、自己紹介を固める
- 1分で相談されるようになったら、言葉が固まった証拠
- 作りたい景色に、期限を入れる
次の場に出る前に、自己紹介を1行だけ書き直してみてください。
そして、比べられるとき「相手のほうが実績があるからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。
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