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  • 一点突破。1個を磨き抜いた人が勝ちます

    一点突破。1個を磨き抜いた人が勝ちます

    うまくいかない。

    だから、新しいことを探す。

    そして、それも続かない。

    僕は起業して12年、500名を超える経営者の方と向き合ってきました。この繰り返しから抜ける方法は、1つだけです。

    次を探すのをやめて、今の1個を磨き抜くことです。


    「考える」と「考え抜く」は、違います

    まず、はっきり分けます。

    考えるは、みんなやっています。

    考え抜くは、ほとんど誰もやっていません。

    ある経営者の方が、こう言っていました。

    みんな考えるが、なんで考え抜かない。考え抜いたときに、初めて勝てる。

    考えるのは、30分でも「考えた」ことになります。

    でも、考え抜くというのは、出るまでやめないことです。

    そして、これは苦しい。

    だから、多くの人は途中で「他の方法を探そう」に切り替えます。そのほうがラクだからです。


    抜いた先に、答えが出ます

    有名な話を1つ。

    即席麺を作った方は、カップに入れる形を考え抜いていました。

    麺をどうやってきれいにふやかすか。どうしても均等にならない。

    そして、考え抜いて倒れたときに、逆さになった視界からひらめきます。

    麺にカップをかぶせる。この構造でした。

    これは、根性の話をしているのではありません。

    考え抜いたから、その状態にたどり着いたという話です。

    途中でやめていたら、倒れることもなく、ひらめくこともありませんでした。


    1年ウケなかった人の話

    もう1つ、僕が好きな話があります。

    ある芸人さんは、有名なグループに入ってから1年間、まったくウケませんでした。

    そして、睡眠を削って考え抜きます。

    どうやったら、次は笑ってくれるか。

    そして生まれたのが、後に代名詞になったネタでした。

    ここで大事なのは、この方が「笑わせよう」と力んでいたのではないことです。

    どうすれば笑ってもらえるかを、突き詰めていた。

    向きが、少し違います。


    「お前たちが飽きてるんだろ」

    同じ方が、後輩に言った言葉があります。

    後輩が「お客さんが自分たちのネタに飽きてきた」と愚痴をこぼしたときのことです。

    客が飽きたんじゃない。お前たちが飽きてるんだろ。誰より本気でやれ。

    ……刺さりますよね。

    自分が飽きた瞬間、それは相手にも伝わります。

    これは、あらゆる商売に当てはまります。

    同じ説明を100回している人が、100回目を1回目と同じ熱でやれるか。

    ここで、ほぼ全員が脱落します。

    そして脱落した人が、「新しいことを探そう」と言い出します。


    1個でいい、と言われた人

    その方は、別の後輩にはこう言ったそうです。

    「お前には、これがあるだろ。1個でいい」

    1個でいい。

    これは、優しさであると同じくらい、厳しい言葉です。

    なぜなら、1個で勝負するというのは、逃げ場がないからです。

    たくさん持っていると、1つがうまくいかなくても「他があるから」と思えます。

    でも、1個しかないと、その1個をなんとかするしかありません。

    追い込まれた人だけが、磨き抜けます。


    磨き続けた先に、新しいものが出ます

    ここが、いちばん伝えたいところです。

    1個を磨き続けていると、そこから新しいものが生まれます。

    さっきの芸人さんも、同じネタをやり続けた先から、後に代表作となる新しい形が次々に出てきました。

    これは、偶然ではありません。

    深く掘った人にしか見えない層があるからです。

    浅く広く動いていると、どの穴も同じ深さで止まります。そして「どこにも何もない」と結論づけます。

    でも、1か所を掘り続けた人は、途中から周りが見えていない景色に入ります。

    新しいものは、そこで出てきます。


    探すのをやめる、と決めてください

    最後に、実務的なことを書きます。

    新しいことを探し続ける人は、探すこと自体が習慣になっています。

    そして、探している間は前に進んでいる気がします。

    だから、まず決めてください。

    この1年は、これ1個でいく。

    期限を切るのがコツです。「一生これ」だと決められません。でも「1年」なら決められます。

    そして、その1年は探しません。磨くことだけをやります。

    1年やって、それでも駄目なら変えればいい。

    でも、たいていの場合、1年ちゃんと磨いた時点で、状況は変わっています。


    磨くというのは、何をすることか

    「1個を磨く」と言われても、具体的に何をすればいいのか。

    ここを書いておきます。

    やることは、3つです。

    ① 毎回、必ず1つ変える

    同じサービスでも、毎回どこか1つだけ変えてみる。話す順番、渡す資料、最初の一言。

    ② 変えた結果を、記録する

    良かったか、悪かったか。1行でいい。

    ③ 良かったものだけ残す

    これを50回繰り返すと、50回ぶん改良されたものが手元に残ります。

    そして、これは真似できません。

    外から見ると同じサービスに見えます。でも中身は、50回ぶんの差があります。

    磨くとは、繰り返しの中で1つずつ変えることです。

    一気に作り直すことではありません。

    飽きたときが、いちばん危ない

    最後に、いちばん危ない瞬間を書いておきます。

    慣れてきたときです。

    慣れると、考えなくてもできるようになります。ラクです。

    でも、そのラクさは相手にも伝わります。同じ内容でも、熱が抜けます。

    だから、慣れてきたと感じたら、わざと変えてください。

    新しい話を1つ入れる。順番を変える。伝え方を変える。

    変え続けている限り、飽きません。

    そして、飽きていない人の話は、100回目でも伝わります。


    まとめ

    • 考えるはみんなやる。考え抜く人はほとんどいない
    • 考え抜くとは、出るまでやめないこと
    • 他を探すほうがラクだから、途中で切り替えてしまう
    • 自分が飽きたら、それは相手に伝わる
    • 1個しかないと、その1個をなんとかするしかない
    • 深く掘った人にしか見えない層がある
    • 新しいものは、磨き続けた先から出てくる
    • 「この1年はこれ1個」と期限を切って決める

    いま手を出しているものの中から、1つだけ選んでみてください。

    そして、うまくいかないとき「やり方が合っていないからだ」と思い込みがちですが、たいていの場合、原因はもっと手前にあります。

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